人間の深層心理に潜むものとは。次なるアルバム『PSYCHE』を予兆させるAngeloのニューシングル『SCARE』に迫る!
5thアルバム『RETINA』=“網膜”、6thアルバム『FAITH』=“信仰”において、視覚的、内面的な角度から、現代における様々な問題の根源を問うたAngelo。『FAITH』以来約11ヶ月ぶりの作品となるニューシングル『SCARE』で、さらにその本質に迫り、人間の深層心理を描く。10月4日(天使の日)、結成8周年を記念したライブを行い、全国6大都市の映画館にてライブビューイングを同時開催した彼ら。劇場で上映された、キリト(Vo)企画・脚本によるショートフィルム「THE SCARE LURKS INSIDE」で、『SCARE』のストーリーが映像化され、さらに様々な点と点が繋がっていく。そんな“天使の日”の前日、キリトとKaryu(G)に話を聞いた。
◆それは想像してもらうところなので、明かせないですね(キリト)
――キリトさんは『FAITH』(2013年11月)以来、Karyuさんはシングル『OUTBREAK』(2013年8月)以来のVif登場となりますが、『FAITH』からの約1年、どんな1年でしたか?
キリト:ツアーを回って、ツアーが終われば今回の制作に入ってという…いつも通りというか、隙間のない1年でしたね。
Karyu:僕は、過去のどの年よりも曲を作っていますね。比にならないくらい作っています。アルバムに向けてというのもあって…ずっと作っていますね。
――「SCARE」というタイトルはどの段階で決まったのでしょうか?
キリト:時期的なことは覚えていないですけど、それなりのタイミングで(笑)。
――これまで、歌詞を大体書き上げた段階で、その中から言葉を抽出するということでしたが、今回はいかがですか?
キリト:今回はタイトルの方が先で、その後に歌詞を書いた気がする。
――テーマが先に決まっていたということですか。
キリト:そうそう。
――では、今回なぜ「SCARE」というテーマを掲げたのでしょうか。
キリト:なんとなく、そういう画が見えたというか。世界観として、“SCARE(恐怖)”ということをテーマに色々できるかなと思って、そうしました。
――“目に映るもの”を通した“物事の本質”をテーマに制作された『RETINA』(2012年11月)、それをさらに掘り下げて内面的な部分に焦点を当てた『FAITH』、そこからの流れということで。
キリト:そうですね。
――『RETINA』でもショートフィルム「Story of RETINA」があり、『FAITH』ではイントロダクション映像を先行公開しましたが、今回は10月4日の全国主要都市の映画館でのライブビューイング「THE MULTI HIERARCHY」もあるということで、ショートフィルム「THE SCARE LURKS INSIDE」を制作されたんですよね。最近、なぜ映像で表現しようと?
キリト:元々、頭の中に映像的なストーリーというものが必ずある状態で歌詞を書くので、今までは僕の頭の中だけで存在していたストーリーというものを、映像化して、また曲とは別で楽しんでもらう要素として見てもらうのもいいんじゃないのかなって。そういう意味では、ミュージックビデオとはまた違うスケールで、もうちょっとドラマ的に特化したものを見てもらうのも面白いんじゃないのかと。
――少し映像編集にハマっている部分もあったりしますか?
キリト:大変だけど、それはそれで僕にとっては面白い作業ですね。
――公開を明日に控えて(※取材日:10月3日)、キリトさんの現在の心境はいかがですか?
キリト:本当にギリギリで全部完成させて、そこの達成感は大きいので、見てもらう分には楽しんでもらえたらそれでいいかなっていう。
――事前に映像をいただいて、深夜に見たのですが、もはやホラー映画でした。
キリト:そう言ってもらえれば、もうバッチリです。
――あの“男”が出てきたシーンは、手で顔を覆ってしまいました(笑)。
キリト:それが一番いい反応ですよ。そうしてもらわないと、困る(笑)。
――「Story of RETINA」の続編ということで、改めて見直してみたのですが、あの“男”が何を囁いたのかとても気になります。
キリト:それは想像してもらうところなので、明かせないですね。でも、パンフレット(※10月4日のライブビューイング会場で販売されたもの)に少し匂わすことが書いてあるのと、「SCARE」のMVでも囁いているんですよね。それは、何をっていうことは言えないけど、どこかに導こうとしている、仕掛けようとしているというところはあります。あのキャラクター…名前はまだ決まってないんですよね。何にしようかな。
――そうなんですね。「Story of RETINA」に出てくる“男”と、今回のあの恐ろしいキャラクターは、同一人物ということでいいのでしょうか?
キリト:そうです。同一人物だけど、ある種、僕と似ていて、ファッション的に飽き症なんですよ(笑)。だから、普通っぽい時もあるし、すごくゾンビみたいな時もある。結構シチュエーションによって変えてるんですよ。
Karyu:ファッションなんですか(笑)。
キリト:お洒落なんですよ。今はそこまでするべきじゃねーなっていう時は、カメレオンみたいに肌を操作できる人だから。髪の色も、ちょっと現代っぽく擦れてみたり。その辺、ちょっとフワッとしている人なんで(笑)。
全員:(笑)
キリト:あの人は何千年も生きていますから。古代ローマとか。…設定がフワッとし過ぎていて、定まっていないんですよ(笑)。
――今後、情報が追加されるかもしれませんね(笑)。映像といえば、キリトさんの“悪ノリ”で、ライブビューイング用に映画館でのマナーCM(メンバー全員出演)まで制作したということで(笑)。撮影はいかがでしたか?
Karyu:何回殴られただろうっていう(笑)。(※「肩パンチをしない」という注意のシーンで、キリトがKaryuに肩パンチをしている)
キリト:やってみたら、なんか弱いなぁと思って、何回かやったんですよ。
Karyu:「一回で決めましょう」って何回も言いましたよね(笑)。
キリト:最初は手加減したんですよ。でも見直すと手加減したことがわかっちゃうから、やるなら本気でやった方がいいなと思って。
――「非常口を確認しましょう」のシーンで、TAKEOさんが無表情で一人で出て行くのが、また“らしさ”が出ていますね(笑)。
Karyu:“らしい”ですよね。
キリト:絵コンテを描いたので、その通りに撮りました。
――メンバーのみなさんのキャラクターがとても表れていますよね。
キリト:僕は全て把握していますから。
Karyu:俺のキャラって何なんだろうって思いますけどね(笑)。
全員:(笑)
キリト:まぁ、あんな感じですよね。
Karyu:もっとひどい絵コンテもありましたからね。
――例えば?
Karyu:タバコを押し付けられるとか(笑)。ゾッとしました(笑)。
キリト:さすがに撮れませんでした。
――いじめられ役ですね。
キリト:Mだから喜んでるんですよ。
Karyu:そうでもないです。まぁ、おいしいなとは思いましたけど(笑)。
全員:(笑)