Ruiza BAND

『A New Dawn』で描く新たな始まり。本作に見るRuiza BAND始動から1年の軌跡と未来

ギタリスト・Ruizaが2025年にソロ名義で本格始動し、Seth(Vo)、Tsunehito(B)、美景(Dr)と共に“Ruiza BAND”として精力的な活動を展開している。このたび完成したアルバム『A New Dawn』に収められているのは、ステージで育んできた8曲に未発表の新曲4曲を加えた全12曲。すなわちこの1年間のバンドの軌跡と、新たな未来を示すフルボリューム作品だ。4人揃っての登場は初となるRuiza BANDに、これまでの活動を辿りながら、新作についてじっくり話を聞いた。


人生って、待っていても何も起きない

Ruiza

2025年夏から秋にかけて、主催イベントツアー「BURNING SOUL vol.3〜10」とワンマン「Genesis of the world」3公演の計11公演を回ったことは、バンドにとってやはり大きかったですか?

Ruiza:2025年1月に最初の音源『Alive』を出して、2月から本格始動だったので、そのツアーに行く前までは、まだお披露目的な感じだったと思うんですよね。そこまでの活動で、ワンマンやイベント出演を重ねてからツアーを回れたので、ものすごく大きかったです。単純に、主催イベントは裏方の仕込みもあるので、本当にいろんなことを考えました。自分で動いて決めて、過去にバンドとしてやってきた経験を活かせたなという感じです。本当に始まったなと。元々バンドがやりたくて、ライブがやりたくて音楽を始めたので、もう一度それができているなというのを噛みしめながら回ったツアーでしたね。

主催イベントで細かく地方を回るのは、なかなか大変なことだと思います。

Ruiza:そうかもしれないですね。でも人生って、待っていても何も起きないんですよね。結局、自分が行動するかしないかだけで。もちろん失敗することもありますけど、動いたら切り開いていける。失敗すらしないと本当に何も変わらないので、やりたいなと思っているだけで終わっちゃうんですよ。なので、「どうしようかな。できるかな」なんてRuiza BANDが動き出してからは1回も考えたことがないですね。

Seth:前々から知っている仲でも、一緒に活動するのはRuiza BANDが初めてのメンバーなんですよね。今、ツアーやライブで頻繁に会うようになったので、時間が経つにつれて自然と、それまでのちょっとした緊張感がある間柄ではなくなったというか。もっとフランクに話せたり、笑い合えたり、一緒にいても良い意味で気を遣わない時間ができました。なので、すごく良い空気感でバンド形態として育ってきたのかなと思います。

昨年5月のインタビュー時点で、リハでのやり取りがバンドに近づいた感覚があると話していましたよね。

Seth:今度はそこから少し脱却して、相手が欲しがっているものをどう出していくかに段々変わってきているような気がします。ステージでの動きだったり、楽器の音に対しての自分の声色だったり。お客さんの心に響かせるには、楽器とこう絡んだほうが、寄り添ったほうが響くよねと、瞬時に考えられる余裕が少し出てきた感はあります。

Tsunehito:ライブが割と毎月あった感じがするので、気持ちが途切れずに、上り調子で高まりつつ進めていたなと思います。それと、どのライブでも、自分たちを初めて観る人が絶対にいる状況だと思っていたので、何回も来てくれているファンの子たちはもちろん、初めて観る人たちにどれだけRuiza BANDのインパクトを残せるかというのを、すごく意識しながらやっていました。特に主催イベントは、どういう人が主催をやっているんだろうって様子見の気持ちで観る人もいたと思うので、そういうものも全て壊して巻き込めるようなライブが必ずできるように意識していて。なので、1本1本やるごとに掴めたものが大きいですね。

美景:全国いろんな場所に行って、人も違えば会場の規模感、音響も違うんですけど、ツアーを進めるにつれて、いつものRuiza BANDの音がしていると感じるようになってきた時から、すごく自信みたいなものが出てきました。広島ぐらいかな? 本当に「あ、いつもの音がするわ。もう今日のライブは大丈夫でしょ」みたいな感じで、サウンドチェックの段階から納得いくものが作れていて。当然ライブも素晴らしかったですし。Ruiza BANDの音が固まっていく瞬間を、1個1個ライブで感じられたのがすごく大きかったですね。

12月には、正式始動前に4人で初めてステージに立った“始まりの場所”池袋RED-Zone ANERISで、2days公演「Break the Day」が開催されました。

Ruiza:やりたいなと、ずっと思っていたんですよ。始まりの時って、2曲しかやってないんですよね。その日、いろんな気持ちになった人がいると思うんですけど、そこから約1年4ヵ月経って、その時とこれだけ違うよ、成長できたよっていうのも単純に見せたかったです。信じてよかったでしょ?って、自信みたいなものを示したかったのもありました。本当に良い2025年の締めくくりだったなと思いますね。

2日目には美景さんのドラムソロがありましたが、あれが初めてでしたよね?

美景:はい。元々は、今年3月にある僕のバースデー辺りで、そろそろドラムソロをやらないかという話だったんですけど、Ruiza BANDの熱量が高まるスピードのほうが速くて、もう先にやっちゃおうとなったのかなと。

Ruiza:2daysで、始動から約1年間の到達点と、その先を出したかったんですよね。未来を見せたいなと。ライブをやりたくて始めていて、ソロではありつつバンドだと思っているので、よりバンドとしてのライブを提示したいなと思っているんです。だから、ドラムソロも突然思い付いたわけじゃなくて、割と前から、ドラムソロが入ったらこういう展開が作れるだろうなとシミュレーションしていました。アルバムの曲を作っている時も、例えばここからドラムソロに入ったら、より世界観が広がるな、逆にドラムソロからこういう曲に繋がっても面白いなとか、いろんなことを考えていたので、アルバムが出るまでに見せたいなと思ったんです。

では、今後もドラムソロは入る機会がありそうですね。

Ruiza:入りますね。

美景:楽しみにしていてください。

「次はもっと新しいことを見せていくぞ」という意味での「New World」

Seth

このたびリリースされるアルバム『A New Dawn』は12曲収録のフルボリューム作品ですが、最初からこれだけの曲数にしようと考えていたのでしょうか?

Ruiza:曲数は考えてなかったですけど、8月に出したシングル『黎明』が会場限定で、ちょうど在庫がなくなったんですよね。その2曲を持って夏から加速できたと思っているので、やっぱりここにも入れておきたいなと。なので、結果的に12曲になりました。

Tsunehito:元々、「黎明」でMVを撮るかもという話があって、「追憶」「黎明」「残響」「夢幻」は5〜6月に録り終わっているんですよ。6月にはミックスの第一稿がもう来ていて。この活動を通して、ずっとレコーディングしているような感じです。

Seth:逆に、短い期間でいっぱい録らなきゃいけないことはなかったので、振り返るともうそんな曲数になったんだっていう感覚ですね。

ライブで披露済みの8曲に関して、初披露と作った順番は同じですか?

Ruiza:大体そうですね。始動ライブの時から「追憶」「黎明」はやっていたし、ライブでこういう要素が欲しいなという観点で曲を生み出していて。「夢幻」「残響」は同じ時期に作っていたんですけど、披露は「残響」のほうが先ですよね。

「残響」は4月13日の「BURNING SOUL vol.2」、「夢幻」は4月26日の東名阪ツアー「[Alive ~fill in the「  」]」初日に初披露でした。「New World」と「Impulse」は年末公演で初披露したばかりですが、感触はいかがでしたか?

Ruiza:すごかったですね。皆、知ってんのかな?っていうぐらい(笑)。今まで自分が作曲してきたもの、弾いてきたフレーズを追ってきてくれている人は、自然に楽しめたんじゃないかなと思いますね。ずっと変わらない、やりたいものを突き詰めて生み出したので、2曲ともそれがよりわかりやすい形になったのかなと思います。なので、思い描いていた景色に近い、すごい盛り上がりでした。

Tsunehito:両方ともライブ感がある曲なので、お客さんも一気に掴んでいる感じがありましたね。始まりの場所でのライブで、自分たちもファンの皆も高まっている状態での新曲披露だったので、盛り上がらないわけがないという熱い感じでできたのは嬉しかったです。「New World」は僕からすれば、ザ・Ruizaさんという印象の曲なんですよね。曲の展開だったり、ギター、メロディラインも。良い意味でものすごくシングルっぽいというか、表題曲だなと。

Ruiza:当初「黎明」でMVを撮ろうかなという話があった時に、『Alive』の次の音源としてミニアルバムを出せたらいいなと思っていたんですよ。だけど、想定以上に速いペースで曲が増えてきて、もうちょっとでフルアルバムができちゃうなと。その辺りで、やっぱり自分たちらしさが伝わりやすいのはフルアルバムだろうなと思って、そっちに舵を切って、この作品にふさわしいリード曲を生み出そうと「New World」を作ったんです。

Seth:あの場所で、スタートすることを提示したわけじゃないですか。そこから約1年活動して、原点の場所に戻って、「よし、ここまで来たから、次はもっと新しいことを見せていくぞ」という意味での「New World」で。「ここからまた君たちへこういうことを提示していけるよ」と、意思表示ができたんじゃないかなと思います。今まで応援してきてくれた皆が、今度は自信を持ってついていける、そんな活動にしていけるんじゃないかなと思って披露していました。

美景:『Alive』をレコーディングした時は、まだ見ぬRuiza BANDのファンみたいな漠然としたイメージしかなかったので、自分の中での最高を録ろうという感じでしたけど、今回のアルバムを作るにあたっては、ファンの人の姿も見えていて、全国のライブハウスの人や応援してくださる関係者の人の顔も思い浮かべて、自分の中で誰に向かって届けたいかというのが明確だったんですよね。だから初披露した時も、もうすでにファンの皆に投げかける準備ができていて、皆も想像以上に返してくれたから、最高の形になってよかったなと思います。

「New World」「Impulse」以外の披露済みの6曲中、ライブと音源で印象が変わった曲は何になりますか?

Ruiza:どれも良い意味で違うので、難しいですね。「追憶」「夢幻」はかなり初期、ライブで披露する前にギターとヴォーカル録りをして、シンセもほぼ作り上げていたんですよ。で、大体出来上がっていたんですけど、エンジニアの舜さん(覇叉羅、NEiN)が「黎明」「残響」を録った後に機材をちょっと変えたのもあって、「もう少しやり直していい?」と相談してきて、その時点で出来上がっていた楽曲もミックスをやり直しました。僕も「黎明」を録った後の東名阪ワンマンやツアーの中で、「夢幻」はライブでやって感じたこと、入り込んだ先に出てきたフレーズとかエモーショナルな部分を入れたいなと、録り直していましたし。アルバムではさらに「黎明」「残響」ももう一段階新しくなっているので、会場限定シングルとは違うリミックスになっています。

美景:僕は、「Endless Circle」がライブと音源での変化が大きかったです。元々、僕の中ではソリッドでスピード感があって、展開が速いみたいなイメージだったんですけど、同期とかが完成してきたら、重厚感がさらに足されて、楽曲としてしっかり聴かせるものになったというか。良い意味で想像を超えてくる仕上がりになっていて、一番ビックリしました。

確かに、ライブで初聴きの時はハードナンバーの印象が強かったですが、音源で聴くと綺麗な部分もあるし、イントロのギターフレーズは中東系な雰囲気もあったり、印象がちょっと変わりました。

Ruiza:歌詞のストーリーとしてはエジプト神話で、ゲブとヌトのお話を自分だったらこんな気持ちになるかなみたいな感じで作っていきました。なので、ギターフレーズもそうですし、シンセも知らない楽器の音が入ってきたり(笑)。もちろん丸投げはしてなくて、基本的に僕が考えて作り込んでいるので、初披露のライブとかでは僕が作ったシンセなんですよ。それを基に膨らませてもらっていて、シンセをお願いしている青木君には世界観の話まではしてないですけど、ちゃんと理解してくれているんだなという音が返ってきたので、ピッタリでした。