2025.10.25
Ruiza主催イベントTour「BURNING SOUL vol.10」@渋谷REX

Ruiza BAND

ギタリスト・Ruizaが主催するイベントライブ「BURNING SOUL vol.10」が10月25日、渋谷REXにて開催された。

このタイトルを冠した公演が初開催されたのは、2024年10月のこと。同年3月をもってDが無期限の活動休止に入り、Ruizaにとって初の主催イベントとなったのが同公演だった。元々は「ハロウィンイベントをやってみたい」というRuizaの思いから始まったもので、彼と関わりの深い面々が顔を揃え、当時の彼自身は“Ruizaセッションバンド”名義でカバー曲を披露するステージとなった。その後、Ruizaはバンド編成による新たなソロプロジェクトをスタート。Seth(Vo)、Tsunehito(B)、美景(Dr)と共に、“Ruiza BAND”として精力的に活動を展開している。

このたび行われた「BURNING SOUL vol.10」は、初回開催から1年を経過したことの感慨深さと同時に、それだけに留まらない意味合いを持つ。というのも、本公演は単発イベントではなく、8月にスタートした主催イベントツアー「BURNING SOUL vol.3〜10」全8公演の最終夜。加えてRuiza BANDとしては東京・札幌でのワンマンライブ「Genesis of the world」(ファイナルは11月2日の神戸公演)も並行して実施してきたことから、この日は約2ヵ月半にわたるライブ行程の中での10公演目のステージとなったのだ。

公演毎に様々なアーティストが名を連ねてきた本イベントツアーのファイナルは、Ruiza BAND、ナナ、LAY ABOUT WORLD、ミスイ、HIDE-ZOU solo projectの全5組が出演。各地で積み重ねてきた時間と思いが集結し、魂を燃やす熱い一夜が繰り広げられた。

山沖怜(ナナ)

トップバッターを務めたのは、Ruizaの地元・関西の同志であり、1年前の「BURNING SOUL vol.1」にも出演したナナ。この日はハロウィン企画ではないものの、山沖怜(Vo)はパンダ、SARSHI(G)は五条悟、AKI(B)は夏油傑、yusuke(Support Dr)は狗巻棘と、全員が『呪術廻戦』のキャラクターに扮して登場し、早速フロアをざわつかせた。

AKI/SARSHI(ナナ)

本ツアー8公演中5公演の参加となった彼らは、王道の「ロックスターに憧れて」で今宵のスタートを切り、終始その見た目とギャップのあるステージを展開。様々な場面を経ながら「ファイナルということで、爪痕を残さないと」(山沖)と、終盤には〈夜明けは来るから〉という印象的なリリックが響く「涙が止まらなくても」、〈まだ物語は終わらない〉と歌う「Dear」と、メッセージ性の強い2曲を届けたのだった。

なお、「Dear」ではSARSHIとAKIが寄り添ってプレイする場面が見られたが、これは、同級生でありライバルという『呪術廻戦』の二人の関係性を踏まえたものだったという。なんとも抜かりのない粋な趣向を交えながら、彼らのセンスが光るステージとなった。

LAY ABOUT WORLD
狂太郎(LAY ABOUT WORLD)

「次、機会があったら全部ついていっちゃおうかな」と述べたのは、LAY ABOUT WORLDの狂太郎(Vo)。彼らもまた当夜が5公演目の参加であり、その言葉は本ツアーがいかに良好な関係性のもとで行われてきたかを物語っていた。

「UP SIDE DOWN」でのトップギアな幕開けに始まり、「glare」で早くもフロアにモッシュの光景を生み出せば、さらなる熱狂を求めた「inside out」ではヘドバンの嵐が吹き荒れた。イザナ(G)と真悠(B)によるモダンかつメロディックなアンサンブルが冴え渡る「ラタネとダーリー」では、〈君の声を聞かせてよ〉というリリックに呼応するオーディエンスの声が響き渡り、メンバーが笑みを浮かべるシーンも。

さらに「BREAK THE RULES」「FUCKIN’ DAY」「clingy」と、息つく間もないフィジカル的な熱量の高いナンバーを畳み掛けた彼らだったが、ラストには「楽しかったという記憶がずっと心に残るように」(狂太郎)と、温かなミディアムバラード「3月18日」を。アウトロで幕が下りると同時に「また必ず会いましょう」と告げ、温かな余韻を残した。

ミスイ
柳(ミスイ)

次なる登場は、昨今Ruizaと共演を重ねている後輩バンド、ミスイ。本ツアーでは3公演の参加だが、それ以前も含めると「BURNING SOUL」東京公演唯一の皆勤賞アーティストとなる。これまで“トップバッターもとい特攻隊長”を務めてきた彼らが、この日は三番手を担ったことから、それについて柳(Vo)が「アニキたちからの叱咤激励だと感じて、改めて『BURNING SOUL』を攻略したいなと思った」と語る場面も。

ど頭から煽り曲「グルグル巻き」で暴れ倒したのをはじめ、天音と湊人がツインのギターソロをハモった「…嗚呼、無様」、Tetsuya(B)、LANA-ラナ-(Dr)のソロ回しも含む「汞」など、メンバーそれぞれの見せ場もありながら、最終ブロックでは「ヒトニアラズ」「ごめんなさい」を連投。とにもかくにも運動量の多い怒涛のステージを繰り広げた。

「最後に生きてる証を聞かせてくれ!」(柳)とオーディエンスの声を求め、終始ギラついた戦闘態勢のステージを締めくくったミスイ。後のMCでRuizaが述べた「ミスイの可能性をすごく感じました」という言葉は、彼らがその力を余すことなく発揮した証と言えよう。

HIDE-ZOU solo project
HIDE-ZOU

続いてはRuizaの盟友、DのギタリストHIDE-ZOUがソロプロジェクトとして登場。Kenji(G)と共に二人編成でステージに立ち、再会の願いを歌う「…for ever」、身振り手振りを交えながらの歌唱が印象的だった「Wind of Eternity」と、序盤ではギターヴォーカルでのプレイを魅せた。

HIDE-ZOUマジックと言ってもいい、自然と笑いが起きる緩く和やかなMCも挟みながら、「ずっと一緒に歩んできた仲間、昔から知っている仲間、そして新たな仲間ができた気がして」と、4公演に参加した本ツアーを振り返る一幕も。中盤ではギターを置き、同期によるピアノとKenjiが紡ぐギターに乗せて、バラード「終末のコトバ」を切々と歌い上げれば、ダークなムード漂う「暁ノ残響」で空気を一変させた。

再びギターを手にし、ラストナンバーとなったのはハードかつメロディアスなロックチューン「紅蓮の翼-未来を託された者たちへ-」。フロアには拳とOiコールが上がり、最後にHIDE-ZOUが「ここにいる皆と同じ時代に生きられてよかった」と告げ、熱を帯びたバトンはRuizaへと託された。

Ruiza BAND
Ruiza

「1年経って、こんなに熱量の高いイベントになるとは当初思っていなくて」とは、この日のステージ上でRuizaが語った言葉。当夜のRuiza BANDのステージは、流麗かつ細やかなギターワークが始まりを告げるライブチューン「残響」で幕を開け、初っ端からヘドバンとシャウトが炸裂するハードな立ち上がりを見せた。

8月のワンマンライブ開催と同時に新作音源『黎明』を発表したRuizaだが、そのワンマン&主催イベントツアーに向け、さらなる新曲2曲を生み出したことは既報の通り。それらが当夜のステージにも組み込まれ、ダンサブルな「Brain Deceive」では開放感に満ちた空気が広がれば、ハードナンバー「Endless Circle」では、Tsunehitoの特大デスヴォイスや全力で応戦するフロアと共に、圧巻の熱量を生み出した。

Ruiza BAND

ここで空気を一変させたのは、重厚なミディアムナンバー「夢幻」。Sethの伸びやかな歌声がよりいっそう際立つことはもちろん、楽器陣の感情ほとばしるプレイも実に印象深い。次いで、美景がスティック回しを交えながらのドラミングを魅せたキャッチーな「with you」では、メンバーから自然と笑みが溢れ、眩い光に包まれる中、オーディエンスのシンガロングが温かな光景を描き出した。

そして、「魔儀」で再びフロアの熱を上げたのち、ラストを担ったのは最新作の表題曲、すなわち現在のRuiza BANDの軸と言っても過言ではない「黎明」。〈歩みは止めない〉という力強いメッセージをもって、クライマックスを迎えたのだった。

アンコールでは出演者が勢揃いし、「深層」をセッション。LAY ABOUT WORLDの3人とHIDE-ZOUが、まさかのお揃いのミニオンズ姿で登場したほか、それぞれが大いにワチャワチャとはしゃぐ様子を見せ、賑やかで愛らしいフィナーレとなった。

セッション

「次に会う時は、お互いのバンドがもっとカッコよくなっていると思う」(Seth)、「楽しい時間を、この先もっともっと作っていきたいので、我々(Ruiza BAND)だけでなく、皆の応援もしてもらえたらなと思います」(Ruiza)――そんな二人の言葉が示すように、本ツアーはすべての参加アーティストへの敬意と愛情を礎に築かれたものであり、その思いがステージからひしひしと伝わってくる最終夜だった。

なお、年明け1月10日には「BURNING SOUL vol.11」の開催が決定している。vol.3〜10とは毛色を変え、メタルバンドが顔を揃えることも予告されており、「BURNING SOUL」が新たなフェーズに突入するのは間違いない。どのような一夜になるのか、期待が高まる。

◆セットリスト◆
【ナナ】
01. ロックスターに憧れて
02. 眼鏡フェチ1984年
03. CALL US
04. great man
05. with
06. 涙が止まらなくても
07. Dear

【LAY ABOUT WORLD】
01. UP SIDE DOWN
02. glare
03. inside out
04. ラタネとダーリー
05. BREAK THE RULES
06. FUCKIN’ DAY
07. clingy
08. 3月18日

【ミスイ】
01. グルグル巻き
02. …嗚呼、無様
03. ウザい
04. 汞
05. ヒトニアラズ
06. ごめんなさい

【HIDE-ZOU solo project】
01. …for ever
02. Wind of Eternity
03. 終末のコトバ
04. 暁ノ残響
05. 紅蓮の翼-未来を託された者たちへ-

【Ruiza BAND】
01. 残響
02. Brain Decieve
03. Endless Circle
04. 夢幻
05. with you
06. 魔儀
07. 黎明

En
01. 深層

(文・金多賀歩美/写真・さかもと)


【Ruiza リリース情報】
●New Single『黎明』
2025年8月9日(土)より会場限定販売

[CD+ブックレット8P]Riz-002 ¥1,500

<収録曲>
01. 黎明
02. 残響
03. 黎明 instrumental
04. 残響 instrumental

【Ruiza ライブ情報】
●Ruiza BAND ワンマンライブ「Break of day」
12月6日(土)池袋RED-Zone ANERIS
12月7日(日)池袋RED-Zone ANERIS

●Ruiza ソロワンマンライブ「Thanks to you」
12月13日(土)大阪MUSE BOX
12月14日(日)名古屋静かの海
12月21日(日)東京TOKYO EFFECTOR

●Ruiza 主催イベント「BURNING SOUL vol.11」
2026年1月10日(土)東京Wild Side Tokyo

●Ruiza BAND東名阪ワンマンツアー「A new dawn」
2026年
2月21日(土)西荻窪BETTY ROOM
3月8日(日)大阪CLAPPER
3月14日(土)名古屋HOLYDAY NEXT

Ruiza オフィシャルサイト
ナナ オフィシャルサイト
LAY ABOUT WORLD オフィシャルサイト
ミスイ オフィシャルサイト
HIDE-ZOU solo project オフィシャルサイト