2025.04.13
Ruiza主催イベント「BURNING SOUL vol.2」@六本木unravel TOKYO

Ruiza BAND

2024年3月をもって無期限活動休止となったDのギタリスト、Ruiza主催による初のイベントライブ「BURNING SOUL vol.1」が開催されたのが、同年10月のこと。そのステージ上で「主催イベントを企画して本当に良かったなと思っています」「またやろうね」という言葉があった通り、それから約半年後の2025年4月13日、同タイトルを冠した公演が二度目の開催を迎えた。

本公演の出演アーティストはRuiza率いるRuiza BAND、HIZAKI、RENAME、ミスイ、Distrayの全5組。Ruizaを熱心に見続けてきた人たちならば、令和という時代にこの顔ぶれが揃ったことが、いかに奇跡的なものであるかお分かりになるだろう。この日は今年始動したばかりのRuiza BANDのステージであると同時に、Ruizaが過去に在籍していたDistrayの約26年ぶりとなる1日限定復活が実現することから、DistrayやRuizaの歴史に関わりの深い面々に声を掛けたという。その結果、かつてMatinaレーベルに所属していたメンバーをはじめ、関西の同志たちが多く名を連ね、ある種の同窓会のような一夜となった。

ミスイ

そんな出演者たちの中で唯一世代の異なるアーティストが、トップバッターを担ったミスイ。湊人(G)がかつてDのローディーを務めていたことから親交が深く、昨今、共演を重ねている。前回に引き続き連続出演となった彼らのステージは、初見の人々の心を掴むべく、バンドの間口を広げたキャッチーな「相槌」で幕を開けたのだが、「『BURNING SOUL』第2弾、ど頭から盛り上がっていきましょう!」(柳/Vo)と、次曲「焼却炉」以降、ハードナンバーの連投で怒涛の展開を見せることに。

柳(ミスイ)

3月末にリリースした最新アルバム『生命線』収録曲でもある「バイバイ麻痺」「…嗚呼、無様」を繰り出した後、「大変混み合っているなか悪いですが、全員巻き込んでやっちゃって!」と、鉄板のライブチューン「「限界です」」「理想のカノジョ」を畳み掛け、まさに魂を燃やす白熱の光景を生み出したのだった。

ミスイは6月から行うツアー「それでも弱くてごめんなさい」のファイナルとして、初のSpotify O-WEST公演を9月2日に開催することが決定しており、「ミスイの深いところを感じに来てください」(柳)とのこと。彼らにとって一つの節目になるであろう日を、ぜひより多くの人々に目撃してほしい。

Distray

「俺たち、今日しかないんで」とは、Distrayのステージ序盤でRuizaが告げた言葉。先に公開したインタビューの中でもその経緯が語られていた通り、およそ3年前、リーダーのToshiyuki(B)からの打診に端を発し、最終的に様々なタイミングが噛み合ったのが今日という日だ。思わずRuizaが「26年ぶりのライブ…26年ってヤバない(笑)!?」と吐露する場面も。「こういうところに立つのがエグいくらい久しぶり」と語ったのはMaSa(Vo)で、現在、音楽活動を行っていない彼を含むステージであるという事実も、この夜が奇跡的と言える要因の一つだ。

Distray

「Distrayは自分自身のバンドの原点。これだけ経って、また音を出せるのはすごく幸せ」と拓馬(Dr)が述べれば、「何があるかわからないなと。こうして集まってステージに立って音を出せていることが全て」とRuiza。この日、参加が叶わなかった泉(G)に代わり、「雑誌に出ているバンドとの人生初めての対バンがDistrayだった」というSARSHI(G/HERO、ナナ)がサポートを務めた。

シンコペーションを多用した「still」、ヘヴィーなリフが耳に残る「Trance vision」、RuizaとSARSHIによるツインのギターソロが目を奪った「Tear of mind」、そしてハードナンバー「鏡の中でXXX」。わずか4曲のプレイの中で、往年のヴィジュアル系らしさを存分に魅せたわけだが、どの楽曲においてもメロディのキャッチーさが光るのは、このシーンを生きたバンドの強みだと言えよう。最後には5人で肩を組み、一礼して舞台を後にしたのだった。

HIZAKI

続いて登場したのはVersailles、JupiterのギタリストHIZAKIによるソロプロジェクト。言うまでもなくRuizaとは旧知の仲で、両者が関西を拠点に活動していた時代に度々対バンを重ねていたことはもちろん、近年もステージやイベントなどで様々な交流を見せている。当夜が4ヵ月ぶりのソロライブであり、ギターインストゥルメンタル形態でのイベント出演は初だというHIZAKIは、Mayto.(G)、Jill(Vn)、Tsunehito(B/D)、MAKI(Dr)を迎えた5人編成で、テクニカルかつ華やかなステージを繰り広げた。

HIZAKI

実に8年ぶりのソロアルバムとなった、昨年発表の『The Zodiac Sign』収録曲を中心に展開したこの日。「Eternal Reverberation」でのスタートからフロアに早速ヘドバンの嵐を巻き起こし、「六本木! 全員でかかってこい!」と、その麗しいヴィジュアルとギャップのあるHIZAKIの野太い声が響いた。

「Ruiza君は関西のスターなので、こうして現役で一緒にできて本当に嬉しいです。楽屋にいるRuiza君にも届くように、全員の声を届けてください!」と奏でた光溢れる「Holy Ground」では、オーディエンスのシンガロングが合わさり、美しいハーモニーを生み出せば、「Stella Maris」「Race Wish」とHIZAKIの真骨頂とも言える新旧のメロスピナンバーで魅了し、このステージを締めくくったのだった。

RENAME

次なるステージはRENAME。MIRAGEのAKIRA(Vo)を中心に結成したバンドという時点でRuizaとの接点は明らかだが、Nakanishi(G)はDistrayの元ローディーで、さらにVasalla、Syndrome、Dなどでも活動していたSIN(G)が今年1月に加入し、Ka-no(B)、ハクヤ(Dr)と共に現体制となった。つまり、長い時を経て彼らがRuizaやDistrayと対バンするという事実は、あまりにもレアな出来事と言っていい。

AKIRA(RENAME)

独特な旋律の「millions」で観衆を一気にRENAMEの物語の中に引き込むと、妖艶かつダンサブルな「Helter Skelter」、トリッキーなリズムが中毒性のある「Down Town」と、実に見事なグラデーションを描き出し、アヴァンギャルドなシャッフルナンバー「nightmare」からの後半戦では、「ebony」「dreaming flower -夢想花-」と、よりムーディーに、より煌びやかに、そして心地よいビートの「犬の詩」がエンディングとなった。

3月に大阪で現体制初のワンマン公演「re-BEGINNING DAY」を終えたばかりのRENAMEにとって、この日が同メンバーでの東京初ステージだったこともあり、「全員いい歳ですけど、新人バンドとしてよろしくお願いします」とAKIRAが述べる場面もあった。次回の東京公演は5月30日に池袋EDGEで開催されるとのこと。その暁にはぜひとも彼らの音世界にどっぷり浸かってほしい。

Ruiza BAND

トリはいよいよRuizaの登場。1月にソロ名義のミニアルバム『Alive』を発表し、その音源制作からゲスト参加していたSeth(Vo/Moi dix Mois)、Tsunehito(B/D)、美景(Dr)と共に“Ruiza BAND”として活動しているのが現在のソロの形だ。去る2月22日の「Ruiza Birthday Live「Alive」」で本格始動を果たし、イベント出演を挟みつつも、当夜はわずか4本目となるステージであった。

Ruiza

「飛ばしていくぞ!」というSethの一声から、「奈落」でトップギアのスタートを切ると、〈夢の続きを君に見せるから その手を離さない〉というリリックが胸を打つ、彼らの始まりの曲「生々世々」へ。メンバーコールを含む威勢の良いヘヴィーチューン「魔儀」で圧巻の熱量を生み出したかと思えば、「ライブは俺たちと皆のぶつかり合いでエネルギーが生まれると思うので、そういう曲を作りました」(Ruiza)とシャウトを多用した新曲「残響」、さらに2月に初披露した「黎明」と、息つく間もないライブチューンを繰り広げた。

オーディエンスのラララの合唱と共に温かな「with you」で本編を終えると、アンコールでは「最後に1曲大暴れして終わりたいと思います! 最後にカッコいいとこ見せてくれよ!」(Ruiza)と「深層」を繰り出し、ステージとフロアがこの日一番の一体感を見せ、終幕を迎えたのだった。

ダークなムードを纏いつつも伸びやかな歌声を響かせるSeth、キラキラとした無邪気な表情でメロディアスかつテクニカルなギタープレイを魅せるRuiza、とてつもないうねりのベースプレイと極悪シャウトを炸裂させるTsunehito、終始涼しい顔で高速ドラミングを叩き出す美景。2月から現在に至るまでの4人のバンド感の向上は凄まじいもので、わずか4本目のステージとは思えない圧倒的なスピードで進化していることを実感させてくれた一夜であった。また、「黎明」でRuizaとTsunehitoが背中合わせでプレイした場面、「with you」でSeth、Ruiza、Tsunehitoが集結し、美景の方を振り向き4人が満面の笑みを見せた場面も忘れ難い。

Ruiza BAND
Ruiza

「今日ここに集った皆さんは全て大切な仲間です」というRuizaの言葉も印象的だった当夜。彼は「主催イベントをもっともっとやりたい、続けていきたい」と話し、8月から10月にかけて、なんと主催イベントツアー「BURNING SOUL vol.3〜10」を開催、さらに東京、札幌、神戸でワンマン公演「Genesis of the world」を行うことを発表した。なお、8月9日の青山RizM公演はSethの生誕祭となるが、「未来の話、ツネと美景のバースデーライブもやるんで! すぐブッキング動きます!」と宣言していたことも付記しておきたい。その前に、まずは近い未来となる4月26日〜5月31日、東名阪ワンマンツアー「Alive 〜fill in the「  」〜」で再会しよう。

◆セットリスト◆
【ミスイ】
01. 相槌
02. 焼却炉
03. バイバイ麻痺
04. …嗚呼、無様
05. 「限界です」
06. 理想のカノジョ

【Distray】
01. still
02. Trance vision
03. Tear of mind
04. 鏡の中でXXX

【HIZAKI】
01. Eternal Reverberation
02. Explosive Anger
03. Holy Ground
04. Stella Maris
05. Race Wish

【RENAME】
01. millions
02. Helter Skelter
03. Down Town
04. nightmare
05. ebony
06. dreaming flower -夢想花-
07. 犬の詩

【Ruiza BAND】
01. 奈落
02. 生々世々
03. 魔儀
04. 残響
05. 黎明
06. with you

En
01. 深層

(文・金多賀歩美/写真・さかもと)


【Ruiza リリース情報】
●New Mini Album『Alive』
2025年1月22日(水)発売

[CD]Riz-001 ¥2,800(税込)
01. 生々世々
02. 深層
03. Swallowed
04. alma(instrumental)
05. 奈落
06. 魔儀
07. with you

【Ruiza ライブ情報】
●Ruiza東名阪ONEMEN TOUR[Alive 〜fill in the「  」〜]
4月26日(土)大阪阿倍野ROCKTOWN
5月17日(土)NAGOYA HOLIDAY NEXT
5月31日(土)EDGE Ikebukuro

●Ruiza主催イベントTour「BURNING SOUL vol.3〜10」
8月19日(火)仙台ROCKATERIA
8月21日(木)札幌Crazy Monkey
9月5日(金)HOLIDAY NEXT NAGOYA
9月14日(日)浦和NARCISS
10月5日(日)博多DRUM SON
10月6日(月)広島SECOND CRUTCH
10月7日(火)心斎橋FANJ-twice
10月25日(土)渋谷REX

●Ruiza ONEMAN LIVE「Genesis of the world」
東京〜玄色の刻〜
8月9日(土)青山RizM
札幌〜濃藍の刻〜
8月22日(金)札幌Crazy Monkey
神戸〜白銀の刻〜
11月2日(日)神戸live music club PADOMA

Ruiza オフィシャルサイト
HIZAKI オフィシャルサイト
RENAME オフィシャルX
ミスイ オフィシャルサイト