2024.12.27
SLAPSLY@高田馬場 CLUB PHASE
「CHIYU 聖誕祭2024 〜ランヴランヴで痺れさせて〜」
ベースヴォーカルCHIYUによるソロプロジェクト“SLAPSLY”が、JOHN(G)、YASU(Dr)を“SLAPS MEMBER”に迎えた9月以来の体制で12月27日、高田馬場 CLUB PHASEにて「CHIYU 聖誕祭2024 〜ランヴランヴで痺れさせて〜」を開催した。
「毎年言いますが、年末のクソ忙しい時期に来てくれてありがとうございます! 誕生日ということで、褒められたい!」と序盤にCHIYUが告げた通り、誕生日当日に“聖誕祭”ライブを行うのが彼の恒例行事。全16曲が披露された2024年の祝福の一夜は、その冠にふさわしいライブチューン「アマランヴ」で初っ端からお祭り騒ぎになれば、CHIYUの「Are you ready?」を合図に起爆力のあるロックナンバー「Slayyyyy」が続き、最新EP『EXCITED』(10月発売)収録の2曲が高い熱量を生み出す幕開けとなった。
当夜の特徴の一つは、本編が前半と後半の二つに分けられるような構成になっていたこと。前半戦では先述の冒頭ブロックに次いで、エフェクティブなヴォーカルと前に出るベースフレーズによる両面の魅力を持つ「書生論」、ベースを置きハンドマイクで歌ったアダルティな2曲「Can’t stop feeling」「film#0」、そしてオーディエンスが手で作るハートがフロア中に溢れた「Egoistic GAME」。後半戦は疾走感のあるロックナンバー「Anser indicus」を皮切りに、ドラム、ベース、ギターと各パートの見せ場もある「FREAKY DANCE」、フロアにタオルが旋回した「Infinity & Beyond」、満場のOiコールと拳が上がった「L or R」とハードナンバーを連投したのち、「最後は一つになって終わろう」(CHIYU)と「wiΘ U」を。つまり、ピースフルな2曲の配置が、この実に綺麗な2部構成を作り上げた大きな要素だったと言えよう。
また、随所でJOHNとYASUの煽りも炸裂しながら、全体を通して通常のステージよりもハードナンバーが多めに選曲されていた印象があり、それは「今日は全てを忘れて皆さんと楽しめたらいいなと思って、セットリストを組みました。皆さんが楽しい=俺らも絶対に楽しいということだから」とのCHIYUの思いによるものだろう。ハードナンバーの他にも、中盤の「film#0」においては撮影OKとして様々なキメポーズを見せるなど、CHIYUらしいサービス精神溢れる一幕も。
なお、時系列は前後するが、「アマランヴ」のみならず、コール&レスポンスと共にタオルが舞った「AMArican Dream」、〈AMAROCK〉のリフレインから始まる「FREAKY DANCE」といった、CHIYUの出身地・尼崎にちなんだ彼を象徴する“尼ロック”ナンバーが漏れなく組み込まれていたのも、聖誕祭にふさわしい選曲だった。
アンコールでは、横ノリが心地よいシャッフル曲かつベースソロが魅力的な「apathy house」、ゴリゴリのベース始まりによるハードチューン「TRICK STER」と、ベーシストCHIYUを存分に堪能できるタイプの異なる2曲を。その後、まさかのVo.YASU ver.で「アマランヴ」、さらにヴォーカルをCHIYUに戻し、同曲を再プレイし、なんと1ステージで3回の「アマランヴ」を披露するという、まさに当夜のサブタイトル「ランヴランヴで痺れさせて」通りの展開となり、「最高の最高のランヴ、そして2024年でした! 来年もよろしくね」とのCHIYUの言葉をもって終幕を迎えたのだった。
全てのパフォーマンスを終えたCHIYUが、実は数日前から体調を崩していたことを告白し、「皆さんのおかげで乗り切れました。本当は言うつもりなかったんだけど、今、喋り出したら声がガサガサだったから、言うしかないなと。しっかり休んで来年また元気な姿で皆さんの前に立ちたいと思います。ていうか、今日も元気やったでしょ?」との投げかけに対し、フロアから温かな拍手が送られた。
「アマランヴ」に始まり「アマランヴ」に終わったこと、本編ラストが「wiΘ U」だったこと、オーディエンス参加型の楽曲が多かったこと、そしてCHIYU自身の発言が示すように、総じて当夜は楽しむことに重きを置いたステージだったのは間違いない。
この日、2025年3月にリリース予定とされていた、『EXCITED』と対を成す新作EP『RELAXED』の発売日が3月26日に決定し、その作品を引っ提げ、4月に全4公演のツアー「SLAPSLY Tour 2025 ~Discipline has「RELAXED」~」を開催することが新たに発表された。ベーシストとしても2025年はこれまで以上に多くのアーティストのサポートを務めることになるCHIYUだが、2024年に作り上げた良い流れをもって精力的な展開を見せるであろうSLAPSLYの動向から目を離さないでほしい。
◆セットリスト◆
01. アマランヴ
02. Slayyyyy
03. AMArican Dream
04. 書生論
05. Can’t stop feeling
06. film#0
07. Egoistic GAME
08. Anser indicus
09. FREAKY DANCE
10. Infinity & Beyond
11. L or R
12. wiΘ U
En
01. apathy house
02. TRICK STER
03. アマランヴ Vo.YASU ver.
04. アマランヴ
(文・金多賀歩美/写真・まいつむり。)
【リリース情報】
●New EP『RELAXED』
2025年3月26日(水)発売
[通常盤]CD ONLY
[限定盤]CD & DVD
CD収録曲
新曲5曲(通常盤・限定盤 共通)
限定盤DVD収録内容
・リード曲ミュージックビデオ&メイキング
・2024.11/3 赤羽 ReNY alpha LIVE 映像
【ライブ情報】
●SLAPSLY Tour 2025 ~Discipline has「RELAXED」~
2025年
4月5日(土)東京:SHIBUYA REX
4月12日(土)愛知:名古屋 HeartLand
4月13日(日)大阪:福島 LIVE SQUARE 2nd LINE
4月20日(日)東京:表参道GROUND
SLAPS MEMBER:JOHN(G)、Ryo(Dr)