2024.08.18
GOTCHAROCKA@duo MUSIC EXCHANGE
GOTCHAROCKA「1 second like an eternity」TOUR FINAL -The 12th anniversary day-

GOTCHAROCKAの始動記念日に当たる8月18日、全国ツアー「1 second like an eternity」のファイナル兼12周年を祝うアニバーサリーライブがduo MUSIC EXCHANGEにて開催された。彼らにとって、この日付に記念公演を行うことは毎年欠かすことのできない恒例行事であり、年月や時間、様々な場面で用いられる数字である「12」周年を迎えた今年は、ある意味一つの区切りとも言えるものとなった。

本ツアーを前にリリースされた最新ミニアルバム『MONARDA』は、歌詞とサウンドの両面から、内面的な闇と本質を表現することを軸にした2023年発表の前作『CAST』の流れを汲みつつ、さらにその濃度を高めることに注力し、制作された作品。当夜披露された本編の楽曲のほとんどが2020年以降に生み出されたものであり、なおかつ『MONARDA』と『CAST』の収録曲が中心に据えられたことで、1ステージを通してその世界観がより色濃く表れる結果となった。

樹威

鮮烈な赤のレーザーライトが射す中、表題曲「MONARDA」で幕を開け、イントロで早くも特大のOiコールが鳴り響けば、樹威の歌声とJUN、十夜が奏でるギターが絡み合い、何とも魅力的なアンサンブルを聴かせる。続いた「Break The Spell」をはじめ、各ブロックに最新作の楽曲が散りばめられ、死生観をテーマにした『MONARDA』の楽曲たちと既存曲が実に見事なストーリーを描いていった。

JUNによるエフェクティブなギターから始まった「Transparent butterfly」には〈絶望の永遠の1秒に苦しめられ〉とあり、まさにその物語と繋がる「One Second」、レクイエムともとれる「ENDORPHIN」、さらに「DEATH FLOOR」が続いたブロックは、それぞれ異なる作品に収録された楽曲ながら一貫性のある完璧な流れであったし、その後、不穏なSEを挟んで供された、〈あたたかな死の歌〉というリリックを含む「DISMALな休日」、ギターと歌のみで1コーラスを奏でたシーンが印象的な「Suddenly」と、2曲のバラードナンバーをエモーショナルに届け、〈明日雨だって 何をしようか 明日〉と余韻の残る曲終わりから樹威のアカペラで始まる「宵」に繋いだ場面もあまりに美しい流れだった。

これらの構成が示すように、当夜、いつも以上に強く感じたのは、緩急のあるドラマティックなサウンドと共にシアトリカルな表現が際立っていたこと。無論、そこに至るには近年GOTCHAROCKAが生み出してきた楽曲たちの要素がそうであることが前提で、すなわちこれが今のGOTCHAROCKAの形と言えよう。

JUN

とはいえ、彼らのライブはオーディエンス参加型の側面が大きく、終始フロアが最高の盛り上がりを見せていたことも記しておきたい。「CanDie Bar」を皮切りに突入した本編最終ブロックでは、ライブチューンの数々をプレイ。十夜、JUNそれぞれのギターフレーズからスタートした「DROWSY」において、センターお立ち台で樹威が腕を広げ、ギター隊が〈A dreamy world is calling us〉のコーラスを歌う中、フロアに満場の手が揺れた光景は何とも美しく、鉄板曲「撃愛」でのオーディエンスのシンガロングに、満足気な笑みを見せた3人の姿も忘れ難い。

随所で見られたツインのギターソロはやはり嬉しさを伴うものであったし、高速ハードナンバー「OUT OF SERVICE」で多幸感が充満する様、十夜がバッキングを刻み、JUNが英詞ラップを歌い、そこに樹威がファルセットを乗せるセクションを含めた「THE PIGS」と、GOTCHAROCKAならではの光景が繰り広げられ、本編は終わりを迎えたのだった。

十夜

アンコールでは、2024年の周年曲(GOTCHAROCKAでは周年記念公演用に制作した新曲をライブで初披露、来場者に同楽曲の音源を配布するのが恒例)である「CIRCLE」が披露され、樹威は「12年経ってさらに前進した、進化した感覚がありつつ、楽しむことを覚えてステージに立てていることに幸せを感じています。支えてくれた皆さんのおかげだと思っています。12年、すなわち一周りして、次は13周年に向かっていくわけですけど、またゼロから始めていきたいなという気持ちを込めて作った曲です」と告げた。

フロアにペンライトの光が煌めき、3人が向かい合ってプレイする場面も印象的だった「Kiravistars」、樹威の絶叫から「Starry eyes」、さらに「Hydrag」で当夜一番の白熱ぶりを見せ、この記念すべき夜は幕となったわけだが、「Hydrag」「Kiravistars」は1stシングルの収録曲(2012年)だったことから、周年ライブという意味合い的にもふさわしい締め括りとなった。

GOTCHAROCKAの今後の動向として、2024年の1年を通したマンスリープロジェクト「Twelve step stairs」の10、11月公演、11月17日のJUNのバースデーライブ、年末年始を跨ぐ冬ツアーの開催が新たに決定した。「永遠というものはないかもしれないけど、永遠に近いものを俺たちが届けていくので、これからもよろしくお願いします! 本当に皆、おめでとう!」と樹威。

このレポート冒頭に記した「一つの区切り」とは、先述の樹威の言葉が示すようにバンドとしての気持ちの面での意味を指す。そして、本ツアーに掲げられたタイトルは「1 second like an eternity」=永遠のような1秒。いくつもの1秒を重ねて紡ぐ情景が、この先も末長く続いていきますように。

◆セットリスト◆
01. MONARDA
02. Break The Spell
03. JapanesQ
04. Transparent butterfly
05. One Second
06. ENDORPHIN
07. DEATH FLOOR
08. DISMALな休日
09. Suddenly
10. 宵
11. CanDie Bar
12. DROWSY
13. 撃愛
14. OUT OF SERVICE
15. THE PIGS

En
01. CIRCLE
02. Kiravistars
03. Starry eyes
04. Hydrag

(文・金多賀歩美/写真・WHOKO)


【リリース情報】
●New Mini Album『MONARDA』
2024年7月3日(水)発売

[限定盤](CD+DVD)GCR-252 ¥3,190(税込)
[CD]
01. MONARDA
02. Break The Spell
03. One Second
04. DISMALな休日
05. CanDie Bar
[DVD]
01. MONARDA(Music video)

[通常盤]GCR-253 ¥2,640(税込)
[CD]
01. MONARDA
02. Break The Spell
03. One Second
04. DISMALな休日
05. CanDie Bar
06. DROWSY(BONUS TRACK)

【ライブ情報】
●GOTCHAROCKA 12th Anniversary monthly project
「Twelve step stairs」~9th stage~
-GOTCHAROCKAが勝手にTEROをお祝いする会-
9月4日(水)高田馬場CLUB PHASE

●“1 second like an eternity”Spin-off「北の国から-特別編-」
9月14日(土) 札幌SPiCE
9月15日(日) 札幌SPiCE

●GOTCHAROCKA 12th Anniversary monthly project
「Twelve step stairs」~10th stage~
-Dark Fantasy Resort-
10月11日(金)高田馬場CLUB PHASE

●GOTCHAROCKA 12th Anniversary monthly project
「Twelve step stairs」~11th stage~
-暴・青い夜-
11月16日(土)SHIBUYA REX

●JUN Birthday Liveジューンライト伝説 2024
~撃・白い夜~
11月17日(日)新宿 ReNY

●GOTCHAROCKA WINTER CIRCUIT 24’~25’「Go Round 0 to 0」
2024年
12月7日(土)西川口Hearts
12月8日(日)西川口Hearts
12月13日(金)仙台ROCKATERIA
12月14日(土)郡山HIP SHOT JAPAN
12月15日(日)HEAVEN’S ROCK 宇都宮 2/3(VJ-4)

2025年
1月12日(日)OSAKA MUSE
1月13日(月・祝)名古屋ell.FITS ALL
1月18日(土)SHIBUYA DIVE

GOTCHAROCKA オフィシャルサイト