2023.12.31
DASEIN@初台DOORS
「Shimekukul DASEIN 2023「DAI-DAN-EN」-ようこそドラゴン さよならバニー-」
毎年年末に1年を締め括るライブを開催しているDASEINが’23年12月31日に「Shimekukul DASEIN 2023「DAI-DAN-EN」-ようこそドラゴン さよならバニー-」と銘打った公演を、初台DOORSで行った。
DASEINの恒例行事として根づいている公演だが、’23年はワンマン・ライブを控えたいというRicky(Vo)の意向があったため、DASEINが単独公演を行うのは3月以来。さらに、今回はDASEINの初期にサポート・ベーシストを務めていたジェロニモがゲストで参加することになり、“スペシャル”という言葉が似つかわしいライブとなった。
また、今年は30日にBlack DASEIN(DASEINの音楽と黒をこよなく愛し、DASEINの曲だけをコピーしているDASEIN公認のちょい悪コピーバンドという設定?のバンド)のライブも開催。つまり実質的な2デイズ公演だったわけだが、両日ともに会場はオーディエンスで埋まり、多くのリスナーが年末のライブを心待ちにしていたことがうかがえる。「Shimekukul DASEIN 2023「DAI-DAN-EN」-ようこそドラゴン さよならバニー-」は、華やいだ空気に包まれた公演となった。
暗転した場内に透明感を湛えたオープニングSEが流れ、JOE(Dr)とRickyがステージに登場。客席から大歓声と熱い拍手が起こる中、澄んだギターの音色が響き、ライブはスタイリッシュなミディアム・チューンの「歩」から始まった。シックなロングコートにサングラスといういで立ちで弾力感のある歌声を聴かせるRickyとドラムセットの後ろから強い存在感を発しながら、しなやかなリズムを刻んでいくJOE。大人の色気を感じさせる2人の姿とアーバンなサウンドがひとつになって、ライブが始まると同時に初台DOORSの場内はDASEINの世界へと染まった。
その後は「今年、最後のライブです。皆さん、最高に盛り上がっていこうぜ!」というRickyの言葉を挟みつつラグジュアリィな雰囲気の「英雄ピエロ」とパワフルな歌中とダンス・ミュージックが香るサビを活かした「修羅」を続けてプレイ。抒情味と力強さを併せ持ったRickyの上質なボーカルと2バスやスピーディなフィルなどを織り交ぜたJOEのテクニカルなドラムのコンビネーションは絶妙で、DASEINのサウンドは心地よさに溢れている。翳りを帯びた幕開けから徐々に熱気を高めていく流れも奏功して、ライブが進むに連れてオーディエンスの気持ちがどんどん高まっていくことが如実に感じられた。
3曲聴かせたところで、「こんばんは、DASEINです」とRickyが挨拶。「皆さんこの忙しい年末に、そして大晦日に集まってくれて、ありがとうございます。今日は大晦日なんですね。いいライブをしてさ、みんなで最高の形で1年を締め括りましょう。声出して、動き回って、みんなでちょっと痩せて(笑)、いい年迎えようぜ!」という言葉で客席を沸かせた後、流麗なメロディーやJOEの華やかなドラム・ソロからエモーショナルなギター・ソロへと移行する間奏などが印象的な「夢つれづれ」、キレのよさを湛えた疾走感とロマンチックな味わいを巧みに融合させた「キ・ミ・ダ・ケ」などが届けられた。DASEINの楽曲はキャッチーなメロディーに加えて、1曲の中でのダイナミクスのつけ方も光る。メリハリを効かせたアレンジと幅広い曲調が相まって、エモーショナルかつドラマチックな味わいに仕上がっている彼らのライブは本当に魅力的だ。
ライブ中盤では、「皆さん、こんばんは。“ライブ”という言葉は“生きる”という意味でもあるんですよね。ここにいる皆様方は人生の中にDASEINというものを刻み込んでいただいたわけで、共に時間を過ごしてくれているわけで。こんなにあり難いことは、誠にございません。感謝しても、し切れない。なので、僕らはどうやって返したらいいのか。演奏と、喋りと、あと僕のちょっとした細かな暴走範囲でみんなが少しでも元気になってくれれば嬉しいです」というJOEの言葉と共に心に響くスロー・チューンの「走馬灯」を披露。続けて、どこかネイティブな雰囲気が香る導入からテクニカル&パワフルなプレイに移行するJOEのドラム・ソロとサポート・メンバー(ここからジェロニモが参加)とJOEによるインストゥルメンタルの「旅愁」が演奏された。
楽器陣にスポットをあてた楽曲はもとより、DASEINのライブはプレイ面の観どころが多いことも魅力といえる。幅広いスタイルに対応するフレキシビリティと安定感を備えたSCOTTIEのギターと長野典ニ/ジェロニモのベース。多彩な音色で楽曲を彩る巧のマニュピレーション。そして、秀でた歌唱力や表現力を誇るRickyのボーカルと高度なテクニックと歌心を兼ね備えたJOEのドラム。特に、楽曲の流れに合わせて絶妙な強弱をつけるJOEのアプローチはさすがの一言で、ライブ全編を通して楽曲の世界観を一層深める良質なドラミングで楽しませてくれた。
「後半、盛り上がっていこうぜ!」というRickyの熱い言葉からライブは後半に入り、キャッチー&アッパーな「アイアイサ」やRickyが“Rickyダンス”を披露した「冷静になれ」、突進力を放つ「金輪際」などが相次いでプレイされた。アーバンな世界観でオーディエンスを深く惹き込む前~中盤を経て華やかにハジケる後半に至る構成も決まって、場内のボルテージはさらに高まる。サポート陣も含めたメンバー全員が織りなすフィジカルなパフォーマンスと爽快感を湛えたサウンドの応酬にオーディエンスは熱さと一体感を伴ったリアクションを見せ、本編のラストを飾った「ケリをつけろ」は熱狂的な盛り上がりとなった。
9ヵ月に及ぶブランクを全く感じさせることなく、ハイクオリティなライブで2023年を締め括ってみせたDASEIN。生々しいバンド・サウンドと洗練されたループやシーケンスなどを融合させて、力強さと澄んだ味わいを併せ持たせた彼らの音楽は唯一無二の魅力に溢れている。そして、優れた音楽性や高度な演奏力、華やかなステージングなどが折り重なったDASEINのライブは何度も観たくなる病みつき感があることを、あらためて感じさせられた。そんな彼らだけに、’24年はより密度の濃い活動を行ってくれることを強く期待したい。
◆セットリスト◆
【2023.12.30 Shimekukul Black DASEIN 2023
「黒士無双」
~兎にも辰にも黒しか勝たん❤︎~】
01. 黒細胞
02. 悲しいkissに消えないで
03. アイアイサ
04. 歩
05. 待宵影
06. 激情
07. Dr.Solo
08. 葬れ
09. 貴方しかいないじゃない
10. 泡沫なる夢幻
11. BREAK OFF!!
12. ほどほどにしろよ
13. 黒胡椒
En
01. 絶望の花
02. 唯、黒で在る事が愛しくて
03. 我ここに在り
04. NO BLACK NO LIFE!!!!!
<麺刃亞>
Drums:上
Vocal:力
Guitar:少
Bass:流(ヘルプ)
Bass:典(体験モニター)
【2023.12.31 Shimekukul DASEIN 2023
「DAI-DAN-EN」
~ようこそドラゴン さよならバニー~】
01. 歩
02. 英雄ピエロ
03. 修羅
04. 夢つれづれ
05. Yの黙示録
06. キ・ミ・ダ・ケ
07. 走馬灯
08. Drum Solo
09. 旅愁-インスト-
10. 闇
11. アイアイサ
12. 冷静になれ
13. 金輪際
14. ケリをつけろ
En
01. 流離人
02. 五月雨
03. 神様も信じない不実で罰当たりな誠実
04. COGITO ERGO SUM
05. 我ここに在り
06. 君の街に降れるオリオン Ba→ツイン
<MEMBER>
Drums:JOE
Vocal:Ricky
Guitar:朝井’SCOTTIE’泰生
Bass:長野典ニ
Manipulator:山田巧
ーGUESTー
Bass:ジェロニモ
(文・村上孝之/写真・川崎篤彦、Lestat C&M Project)
【Black DASEIN ライブ情報】
●Kuroninal Black DASEIN 単独GIG 2024「薔恋多隠」~義理チョコでいつも生きていたいから~
2月25日(日)目黒LIVE STATION
開場16:00/開演16:30
前売券 ¥6,900(D代別)
※チケット詳細近日発表
【DASEIN ライブ情報】
●JOE BIRTHDAY LIVE EVENT「WELCOME TO THE FACE 2024」~誕JOE日で気分は上々だジョー⤴︎~
3月16日 (土) 渋谷REX
開場17:30/開演18:00
前売券 ¥7,500(D代別)/当日券 ¥8,500(D代別)
<チケット先行受付>
受付期間:1月20日(土)12:00~2月1日(木)23:59
入金期間:2月3日(土)13:00~2月5日(月)21:00
一般発売日:2月17日(土)10:00〜
先行・一般購入ページ
【Ricky ライブ情報】
●ソロデビュー15周年記念ワンマンLIVE 2024「THE☆ANNIVERSARI☆CKY」ー春めぐり ソロもそぞろに 十五年ー
3月31日(日)渋谷REX
開場16:00/開演16:30
モバイル会員 前売券 ¥7,000(D代別)/一般 前売券 ¥7,500(D代別)/当日券 ¥8,500(D代別)
※チケット詳細近日発表