2023.08.18
GOTCHAROCKA@duo MUSIC EXCHANGE
「11th anniversary tour ~D1MLY L1T FLOOR~ TOUR FINAL -The 11th anniversary day-」
8月18日が始動記念日のGOTCHAROCKAにとって、新譜のリリースや全国ツアーの開催など、バンドの動きがより活発になるのが夏という季節だ。過去10年間、毎年欠かさず8月18日にはO-EASTにてアニバーサリーライブを行ってきた彼らだが、11周年となる今年は舞台をduo MUSIC EXCHANGEに移し、新たな門出を迎えることとなった。
「11th anniversary tour ~D1MLY L1T FLOOR~ TOUR FINAL -The 11th anniversary day-」という冠が示すように、この日は7月8日にスタートした全国ツアーのファイナルを兼ねたものであり、本ツアーを前にミニアルバム『CAST』がリリースされたことから、その最新作が軸となったことは言わずもがな。とは言え、そこに収録された全6曲という曲数は、既存曲と組み合わせて1ステージを作り上げるうえで実に絶妙な数であることも確かで、それらがツアーの最終夜かつ特別な記念日にどのような効果をもたらすのか、期待の高まるものであった。
『CAST』のイメージカラーと言えるピンクをメインとしたレーザーライトが鮮やかにフロアを照らす中、今作の1曲目かつリード曲である「宵」が幕開けを飾り、ノイジーなサウンドで勢いのある「NONFICTION」が想像以上のライブ映えを見せれば、JUN(G)の印象的なギターフレーズから始まるミドルテンポのロックナンバー「MURKY」は、セクションごとに表情を変えていく構成がやはり何とも魅力的。
楽器陣のユニゾンに合わせて樹威(Vo)とフロアもハンドクラップを打ち鳴らした「ENDORPHINE」では、〈君の為だけに歌うから〉というサビの一節が胸を打つものであったし、既存曲「HYPER NEXT WORLD」が「MURKY」と「ENDORPHINE」の間に配されたことで、それぞれが引き立ち合い、不透明な未来へ突き進むことを示した「HYPER NEXT WORLD」のメッセージがより力強く響いたことも印象深い。また、ライブナンバー「White-Hymn-Choirs」「THE PIGS」は、それぞれ本編後半戦への入口とアンコールの1曲目を担い、その役割を存分に果たしたのだった。
中盤ブロックにおいて、2020年のコロナ禍初期に作られた「CREATORS」で歌う〈二度と戻れぬ旧世界 一度サヨナラ言うけど やり直せるさ新世界〉というリリックが改めて実感を伴って響き、さらに2022年の周年曲「Bring back memories」、10周年を前に作られた「愛錠」が続いた場面は、この日のハイライトと言えよう。中でも「愛錠」でフロアを見渡しながら歌う樹威の姿、その後半セクションで樹威のファルセットとJUN、十夜(G)が奏でるギターの音色がフロアを包み込んだシーンはあまりにも温かく、〈気づけば遠くへ 悲しみも喜びも 戻りたい場所はない いつだって君がいる〉という一節は、GOTCHAROCKAと彼らを愛する人々が共に歩んできた歴史を感じさせてくれるものだった。
また、オーディエンス参加型の楽曲を多く持つのがGOTCHAROCKAというバンドであり、そこでのメンバー同士のワチャワチャ感も魅力の一つ。本編最終ブロックでは「SHE LUVS “POPSTAR”」でJUNと十夜が向かい合いステップを踏みながらプレイ、からの背中合わせでプレイする場面が何とも微笑ましく、高速ハードチューン「Trigger」でオーディエンスを挑発する樹威とJUNに対し、ヘドバンの嵐と化すフロアを前に十夜が和やかな笑みを見せた場面は何ともGOTCHAROCKAらしいワンシーン。さらに、お馴染みの暴れ曲「OUT OF SERVICE」とメロディアスな「Ash」で多幸感溢れる本編ラストを迎えた。
アンコールの「撃愛」では樹威がJUN、十夜とそれぞれ肩を組んで歌ったり、ツインのギターソロ終わりで二人がアイコンタクトを取る尊い場面もありながら、オーディエンスの大合唱に「ありがとう! その声が聴きたかったぜ!」と樹威。「まだまだやれるでしょ?」(樹威)と「#スグ消シマス」となだれ込めば、3人がステージを上手下手と動き回り、より自由度の高いパフォーマンスを繰り広げていった。そして、今年の周年曲であるバラードナンバー「DIMLY LIT FLOOR」をエモーショナルに届けた後、この日一番のコール&レスポンスを楽しんだ「Hydrag」をもって幕となり、最後に樹威は「もっと言葉があればいいと思うけど、絞り出して、出てくる言葉が『ありがとう』しかないです。本当にありがとう!」と告げたのだった。
今後のGOTCHAROCKAの動向として、冬ツアーとJUNのバースデーライブ、年末のFC限定公演の開催が新たに決定した。「11周年を迎えて、これからもっと最高のものをGOTCHAROCKAと皆で作っていけると思いました。ツアーを通して、皆の笑顔と声に救われている部分があるので、そのエネルギーを糧にこれからも頑張っていきたいと思います」と樹威。11周年という新たな門出を迎えたGOTCHAROCKAの今後に期待したい。
◆セットリスト◆
01. 宵
02. BRAND NEW DEVIL
03. NONFICTION
04. MURKY
05. HYPER NEXT WORLD
06. ENDORPHINE
07. JapanesQ
08. CREATORS
09. Bring back memories
10. 愛錠
11. White-Hymn-Choirs
12. SHE LUVS “POPSTAR”
13. Trigger
14. OUT OF SERVICE
15. Ash
En
01. THE PIGS
02. 撃愛
03. #スグ消シマス
04. DIMLY LIT FLOOR
05. Hydrag
(文・金多賀歩美/写真・WHOKO)
【ライブ情報】
●JUN Birthday Live ジューンライト伝説 2023
11月12日(日)新宿ReNY
●GOTCHAROCKA WINTER TOUR ’23~’24「CrUeL underground」
2023年
12月2日(土)西川口Hearts
12月3日(日)西川口Hearts
12月15日(金)仙台ROCKATERIA
12月16日(土)郡山HIPSHOT JAPAN
12月17日(日)HEAVEN’S ROCK宇都宮 2/3(VJ-4)
2024年
1月6日(土)OSAKA MUSE
1月7日(日)名古屋ell.FITS ALL
1月20日(土)新宿BLAZE
●GOTCHAROCKA FC限定&主催LIVE “暴年会2023”~登竜門~
12月30日(土)高田馬場CLUB PHASE