2023.01.20
D＠恵比寿LIQUIDROOM
「D 20th Anniversary year 東名阪ワンマンツアー2023『Revive 荒廃都市 2023』」
2023年4月に結成20周年を迎えるDが、アニバーサリーイヤーの東名阪ツアー第1弾を1月20日、恵比寿LIQUIDROOMでスタートさせた。本ツアーは各公演にこれまでDが生み出してきたヴァンパイアストーリーのシングルタイトルが冠されており、初日となったこの日は2018年発表の『Revive ～荒廃都市～』をコンセプトとした公演。また、「この東名阪は春の『REVENANT』（シングル＆次回東名阪ツアー）に向けて、過去を振り返りつつ新たな未来を築いていくためにあります。今日（こんにち）の暗い世の中を共に薔薇色に染め上げていきましょう」というASAGI（Vo）の言葉があった通り、Dの20年間を彩ってきた様々な楽曲たちと、当日よりライブ会場限定販売となった最新シングル『薔薇の聖戦』も組み込まれた構成で展開していったのだった。
真っ赤に染まったステージに、当時のヴィジュアルを再現したメンバー5人が姿を現す。この日のメインテーマである「Revive ～荒廃都市～」で勢いよくスタートを切り、「Next Generation」「氷の墓標」と一気に畳み掛けると、Ruiza（G）の長尺タッピングも印象的なミディアムナンバー「Mother Doll」をしっとりと聴かせ、次いで厳かかつ重厚な「エトワール ～白き異端者～」へ。HIROKI（Dr）が叩くフロアタムのリズムから「花惑」が始まれば、ASAGIが鞭を打ち鳴らしながら歌い、間奏ではフロント4人がセンターに集結するシーンも見られるなど、様々な表情を魅せていく5人。
さらに、ASAGIが鞭を銃に持ち替えた「弾丸」から「Grand Master」「Sleeper」とDの中では比較的軽快なロックナンバーと言える楽曲が並んだブロックでは、5人が向き合いアイコンタクトを取る場面も。中盤ではドラムソロを経て、Ruiza、HIDE-ZOU（G）、Tsunehito（B）、HIROKIそれぞれの見せ場で魅了するインストナンバー「Diamond shape」をプレイ。続く「Quartet ～真夜中の四重奏～」ではフロアに満場の拳が上がり、「Desert Warrior」では飛び跳ね、さらにここでハードナンバー「メテオ ～夢寐の刻～」を投入。RuizaとHIDE-ZOUによるツインのギターソロも堪らない。
そして、「20周年イヤーの幕開けを飾るにふさわしい楽曲が生まれました。Vampire × FlagというDが誇る二大巨頭のハイブリッド、盛り上げていきましょう。初披露ということで、俺も旗を振るのでついてきてくれ」（ASAGI）と、いよいよ新曲「薔薇の聖戦」をお披露目。『NYASAGIさんによるVampire Flag振付動画』が事前に公式YouTubeで公開されていたこと、目の前のASAGIによる先導があるにせよ、後のMCでメンバーが口々に「すごいね」と述べた通り、オーディエンスのその完璧な旗さばきは「さすが薔薇の申し子」とASAGIに言わしめるほどの光景となった。
その後「In the name of justice」を皮切りに突入した本編ラストブロック。ASAGIの雄叫びから鉄板曲「鬨の声」が放たれると、Tsunehitoは「かかってこいよ！ もっとこいよ！」と煽り倒し、フロアも白熱の応戦ぶりを見せたのだった。
アンコールでは、各メンバーからファンや関係者への感謝の思いが伝えられたことはもちろん、20周年イヤーであり、既に様々なスケジュールが発表されていることから、Ruizaが「皆さん今年1年よろしくお願いします！」と告げれば、「ライブの瞬間というのが本当に堪らなく愛しい。この瞬間を忘れない」とHIDE-ZOU。HIROKIは「1本1本噛み締めて、各会場に集まってくれる皆に全力で1曲1曲伝えていこうと思っています」と宣言した。また、新曲「薔薇の聖戦」について、Tsunehitoは「初披露でこんなにすごくて、名古屋、大阪でどうなってしまうのかなと思っているところなので、皆と一緒にさらに曲を育てていけたら嬉しいなと思います」と述べたのだった。
「この20年間、一人ひとりの思いがあったからこそ今があります。たくさんの出会いと別れ、喜びと悲しみ、様々な思いがDをここまで成長させてくれました。本当に皆のおかげです。どうもありがとう。まだまだこの先、皆と見たい未来があります。人生一度きりの、この20周年イヤー。今まで以上に気持ちを込めて、気合を入れて、そして熱い音楽を届けていきたいと思います。全力で行くから、皆も全力でついてきてください。ここLIQUIDROOMでDが初めてワンマンをやったのは2005年。今から18年前の1月26日でした。今この瞬間だけは記憶を蘇らせよう。そして空高く歌声を響かせよう」（ASAGI）と、「闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア」へ。ハードなバンドサウンドに乗せたASAGIのファルセットが印象的だ。さらに暴れ曲「Lost breath」でオーディエンスとの熱のやり取りを交わし、ダブルアンコールでは「薔薇の聖戦」を再パフォーマンス。「2023年一発目、最高の景色をありがとう！」というASAGIの言葉をもって、この夜のステージは幕となったのだった。
先述の通りDはこの東名阪ツアーの後、様々なスケジュールが予定されている。2月19日に代官山UNITにてRuizaのバースデーライブ、3月5日に下北沢シャングリラにてTsunehitoのバースデーライブが控えるほか、3月17日には実に7年ぶりとなる主催イベント「Mad Tea Party vol.35」を川崎CLUB CITTA’にて開催。さらに、春にはニューシングル『REVENANT』をリリースし、その作品を引っ提げ4月20日～5月19日に2023年二度目の東名阪ツアー、5月3～4日に目黒鹿鳴館でのFC限定ライブを行うことが決定している。また、9月22日～10月2日Japanese Visual Metal「共同声明」（Moi dix Mois、Versailles、D、摩天楼オペラによるプロジェクト）でのZeppツアー開催も。
現段階でこれだけ多くの予定が組まれているわけで、おそらく下半期も今後さらに情報が追加されていくのではないだろうか。彼らの2023年は20周年というアニバーサリーにふさわしい激動の1年となることは間違いない。ASAGIの言葉を借りるなら「Ｄの20周年は一生に一度きり」。ぜひより多くの時を彼らと共有してほしい。
◆セットリスト◆
01. Revive ～荒廃都市～
02. Next Generation
03. 氷の墓標
04. Mother Doll
05. エトワール ～白き異端者～
06. 花惑
07. 弾丸
08. Grand Master
09. Sleeper
-ドラムソロ(太古の牙) –
10. Diamond shape
11. Quartet ～真夜中の四重奏～
12. Desert Warrior
13. メテオ ～夢寐の刻～
14. 薔薇の聖戦
15. In the name of justice
16. Knightly Nights
17. 鬨の声
En1
01. 闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア
02. Lost breath
En2
01. 薔薇の聖戦
（文・金多賀歩美／写真・TAKUYA ORITA）
【ライブ情報】
●D 20th Anniversary year 東名阪ワンマンツアー2023
1月20日（金）恵比寿LIQUIDROOM「Revive 荒廃都市 2023」
1月26日（木）名古屋ReNY「Deadly sin 2023」
1月27日（金）梅田クアトロ「UNCROWNED KING 2023」
●Ruiza BIRTHDAY LIVE・Kircheis Day
2月19日（日）代官山UNIT
●Tsunehito BIRTHDAY LIVE・Carbuncle Day
3月5日（日）下北沢シャングリラ
●D 20th Anniversary year 主催イベント「Mad Tea Party」
3月17日（金）川崎クラブチッタ
出演：D、GOTCHAROCKA、摩天楼オペラ、RAZOR（順不同）
●D 20th Anniversary Year 春 東名阪ワンマンツアー「REVENANT」
4月20日（木）名古屋ELL
4月22日（土）江坂MUSE
5月19日（金）新宿BLAZE
●D オフィシャルFC「Ultimate lover」主催LIVE
5月3日（水・祝）目黒鹿鳴館 「Dahlie Day」
5月4日（木・祝）目黒鹿鳴館 「Dreizen Day」
●Versailles × D 2マン「BLOOD OF ROSE」
5月8日（月）川崎CLUB CITTA’
出演：D、Versailles（順不同）
●Japanese Visual Metal「共同声明」Zepp Tour
9月22日（金）KT Zepp Yokohama
9月28日（木）Zepp Nagoya
9月29日（金）Zepp Osaka Bayside
10月2日（月）Zepp Haneda
出演：Moi dix Mois、Versailles、D、摩天楼オペラ（順不同）
【リリース情報】
●New Single Vampire × Flag曲『薔薇の聖戦』
2023年1月20日（金）よりライブ会場限定販売
●New Single『REVENANT』
2023年春発売