2021.12.11
ν[NEU]@高田馬場AREA
Takadanobaba AREA presents特別公演「Thank you for 高田馬場AREA」

◆高田馬場AREAに愛を込めて、この日だけのスペシャルセッション!

1997年オープン以来、数々のヴィジュアル系バンドを支え、育んできたライブハウス「高田馬場AREA」が、オーナービルの取り壊しに伴い2021年12月31日で閉店することになった。高田馬場AREAはν[NEU] が最も多くライブをしてきたライブハウスでもある。この思い出深いライブハウスに感謝の気持ちを伝えるため、1日限りの特別公演が開催された。

2020年に1年間限定の復活をアナウンスしていたν[NEU]だが、コロナ禍の影響を受け復活が叶わずにいる。また、現在のν[NEU]メンバーは仕事も生活環境もそれぞれ異なり、全員が一堂に会することは難しかった。今回のライブも“復活ライブ”ではなく特別公演という位置付けだ。mitsu、タクミ、ヒィロは全曲、ЯeIはライブ終盤のみ、華遊はこの日のために収録した音声データでの参加となった。ЯeI、華遊が参加できない楽曲についてはLiN(ユナイト)、SARSHI(HERO)、風弥~Kazami~(DaizyStripper)、shinpei(ex.SuG)という豪華なゲストメンバーを迎えた。皆、ν[NEU]と親交の深いアーティストたちだ。心強い仲間とともに披露されるν[NEU]の楽曲は、懐かしさだけでなく、新鮮さも感じさせた。

◆思い出と新鮮さを同時に味わうライブ

会場はν[NEU]スペシャルセッションの登場を待ちわびるファンで満員。ファンの手にはν[NEU]ライブに欠かせないグッズ“キラリンパ”がきらめいている。ライブはゲストにSARSHI 、shinpeiを迎え「PULSE」で幕を開けた。解散以来、7年ぶりのライブだ。緊張するのも無理はない。少しだけ歌詞を飛ばしてしまったmitsuだが、ファンにとってはライブならではのハプニングとして笑顔で受け入れられた。このハプニングのおかげか、緊張が解け2曲目「LIMIT」へ。

MCで「みんな楽しみにしてた? 俺もめちゃくちゃ楽しみにしてた! 楽しみというか大切に思ってた」と話すmitsu。久しぶりのライブということで改めて自己紹介をするヒィロ、タクミにツッコミを入れつつ、ゲストを紹介した。

今回、ライブ前にゲストメンバーに取材をすることができた。shinpeiはこの日が高田馬場AREAでのライブ出演が最後とのこと。高田馬場AREAはSuG加入発表の場であったことから特に思い出深いライブハウスだという。ν[NEU]のファンが待ち望んでいたライブに参加できて嬉しい、と話してくれた。SARSHIは「楽しみだけど緊張してます!」と正直に明かしてくれた。

MCの最後、「準備はいいかい?」とお決まりの煽りを入れるmitsu。声を出すことができないファンたちは手振りや拍手で精一杯応え、「cube」「desire」「Key of Life」と続く。今回のセットリストはスペシャルセッションならではの、そして、今の自分たちだからこそ表現できる曲を選んだとのこと。MCで「いい曲が多い!」としみじみ噛みしめるヒィロに「自画自賛(笑)」と言っていたmitsuだが、彼も今回のライブのためにν[NEU]の楽曲を改めて聞き込み、「いい曲だなぁと思っていた」と話す。

ライブは「LAB」「スプラッシュ!」と続き、SARSHI とshinpeiを加えたパートが終了。LiN 、風弥をゲストに迎える後半へ。

ライブ前の取材でLiNは「14日にユナイトのワンマンがあるけど、AREAでν[NEU]の曲を演奏するのは感慨深い。ちゃんとサポートできるように頑張ります!」と意気込みを話してくれた。風弥は「対バンしていた時によく耳にしていた曲を演奏できるのが楽しみ。でも、たくさん対バンしたν[NEU]の曲だからこそ、自分らしさもちょっと織り交ぜてみたい」と、今回のセッションを楽しんでいる様子。

そんな二人を迎えた後半は、メジャーデビュー曲「RED EMOTION 〜希望〜」でスタート。このメンバーでのセットリストはν[NEU]を代表するような曲たちで構成されている。セカンドシングルの「カレイドスコープ」と続きMCへ。LiNがν[NEU]解散公演の渋谷公会堂でのライブの思い出を話し、MC前に次の曲「恋模様」のイントロを流してしまった風弥をmitsuがイジリつつ「恋模様」へ。mitsuは「恋模様」で大サビ前の一番の聴かせどころをノーマイクで歌い、ボーカリストとしてパワーアップした姿を見せた。「YES≒NO」では参加が叶わなかった華遊の音声が流れるというサプライズ。テンション高めの煽りが会場を盛り上げた。ν[NEU]が活動していた当時の思い出話に花が咲くMCをはさみ、「妄想接吻」へ。曲が始まる前の決め台詞「妄想する?」は、ステージ上のメンバーが“妄想”部分を思い思いのワードに変換して言い合う一幕も。後半メンバーでの演奏は「The 25th Century Love」で終了となったが、会場の盛り上がりは最高潮。ν[NEU]メンバーはステージから下がることなく、そのままЯeIが参加しアンコール「ピンクマーブル」へと突入した。「ピンクマーブル」ではゲストアーティストたちをステージに呼び、全員で盛り上がる。mitsuもファンも振り付けは完璧。アーティストもファンも弾けるように楽しんだ。

アンコール2曲目「エンドロール」はmitsu、タクミ、ヒィロ、ЯeIの4人で演奏。ν[NEU]解散時のメンバーで奏でられる楽曲はエモーショナルに響き、特別な1日を締めくくった。

◆最後の時間を最高の時間に

高田馬場AREAに感謝の気持ちを伝える手段としてν[NEU]が選んだのは「楽しむ」ということ。楽しい時間をたくさん過ごした場所だからこそ、最後の時間を今までで一番楽しいものにしたいという想いでライブに臨んだ。現在、音楽をメインに活動しているのはmitsuのみではあるが、タクミ、ヒィロ、ЯeIも7年のブランクをまったく感じさせないどころか、思い出を噛みしめる以上の、素晴らしいステージングを見せてくれた。「状況が変わると、好きという気持ちだけでは集まれないことってあるでしょ? でも、今日はこんなにたくさんの人に集まってもらえて、本当にうれしい。 想像もできなかった形でAREAのステージ立つことができてうれしいです。ありがとうございました!」と感謝を伝え、「またみんなで集まることができる未来を願っています」という言葉を残しステージを降りた。

ライブ後のν[NEU]公式Twitterのツイートによると、12月29日(水)に告知があるとか…。今後の展開が楽しみだ。

◆セットリスト◆
01. PULSE
02. LIMIT
03. cube
04. desire
05. Key of Life
06. LAB
07. スプラッシュ!
(Vo.mitsu、G.タクミ、B.ヒィロ/ゲスト:G.SARSHI 、Dr.shinpei)

08. RED EMOTION 〜希望〜
09. カレイドスコープ
10. 恋模様
11. YES≒NO
12. 妄想接吻
13. The 25th Century Love
(Vo.mitsu、G.タクミ、B.ヒィロ/ゲスト:G.LiN 、Dr.風弥)

En1. ピンクマーブル
(Vo.mitsu、G.タクミ、B.ヒィロ、Dr.ЯeI/ゲスト:G.SARSHI)

En2. エンドロール
(Vo.mitsu、G.タクミ、B.ヒィロ、Dr.ЯeI)

(文・板垣可奈子/写真・Intetsu)


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