2018.2.10
wyse@TOKYO FM HALL
Opening of the 20th year Special Live「360°~1999-2018~」

2月7日にニューシングル『Break Off/キミグラデーション』をリリースしたばかりのwyseが、2月10日、TOKYO FM HALLにて19周年記念公演を行った。『Opening of the 20th year Special Live「360°~1999-2018~」』と冠された通り、wyseの19周年を祝う記念日でありながら、20周年へ向けた始まりの日。さらに、バンド初の360°ステージで行われることが事前に発表されていたものの、どんな仕掛けが待っているのか、多くのファンが期待に胸を膨らませていたに違いない。

会場に入って目に飛び込んできたセンターステージには、ドラムとキーボードを中央に据え、四方にメンバー4人が立つであろうマイクスタンドがそれぞれ配置されていた。ステージ上にアンプ等の機材は皆無…つまり誰がどこに立つのか、全く予想が付かない状態でもあったのだ。この初めての光景を前に開演の時を待っていると、オープニングSEと共にミラーボールが回り出し、思わず客席から歓声が上がった。会場全体に煌めくアンバーカラーの光の粒が、360°ステージという空間を一気に印象付けてくれた。

オーディエンスのハンドクラップに迎えられ姿を現したメンバーが四方に着くと、2001年のメジャー1stアルバム収録曲「微笑む事からはじめよう」でこの日のステージは幕を開けた。観客にとって360°であることの一番のメリットは、どこにいてもメンバーとの距離が近いこと。実に楽しげな4人の表情がハッキリと見て取れた。

月森(Vo)が「19歳の誕生日へようこそ!」と挨拶し、「Perfume」で温かなムードに包まれれば、「Distance」ではツインヴォーカルをとるTAKUMA(Vo&B)に月森が時折寄り添う姿が印象的で、熱量を上げていくオーディエンスに「もっと!!」とMORI(G)が叫んだ「J・E・T」の頃には、すっかりメンバーは汗ダクの状態。また、曲毎に4人がフォーメーションを変えながら展開していく様子は、この日ならではの光景だ。

「これまでのwyseを辿りながら、未来を示せるライブにしたいと思います。ファンの皆のリクエスト=思いも反映させたライブです。次は久々の曲を」と、TAKUMAの口から楽曲名が告げられた瞬間に歓声が上がったのは「am0:00の警笛の中で」。最後のフレーズを歌い上げた月森は、腕を真っ直ぐに伸ばし、天を見上げた。続いて披露された「Sweet rain」では、青色に染まった場内全体に雨を思わす照明の効果が、とても美しかった。この2曲は2000年に発表されたものであることから「懐かしいね」と月森。そして、「今のwyseの精神状態が自然と出てしまう曲です」と、彼らにとって大切な楽曲の一つ「With…」を贈ったのだった。

ここで4人によるMCタイムへ。
「提供する側だからイメージはしていたけど、イメージしきれない楽しさがあるね! 色々話したいことはあるけど、“ありがとう”しか言えない。感謝しかないです」(TAKUMA)
「全国から19歳の誕生日に集まってくれてありがとうございます。これ、想像以上に楽しいね。俺らが喋っているってことは、もう半分終わってるってことだよ。早くない?」(月森)
「もう死んでもいいくらい楽しい記念日ですね。緊張していたけど、1曲目が始まったら楽し過ぎて、自分のギターソロ忘れた(笑)。大失態をしました。360°すごい景色です」(HIRO)
「下見に来た時はまだ画が見えなかったけど、今、感動しています。すごい景色ですよ。記憶に焼き付けて帰ってください。皆さんはすごくラッキーな人たちです」(MORI)

そして、「1年前の今頃を覚えていますか? もう忘れているかもしれないけど、忘れさせられるくらい僕らは動いてきたんだと思います。20年に向けて最高なスタートを切るライブにしよう」というTAKUMAの言葉から、会場全体が笑顔に溢れた「キミグラデーション」、そして「Break Off」と、最新のwyseを提示。さらに昨年リリースしたアルバム『Breathe』から「Break Off」と共通するメッセージを持つ「Open Your Eye’s」を披露し、今現在のwyseの意志を真っ直ぐに届けてくれた。

「この1年は、それまでのどれとも違う時間を過ごせました。すごく不安だけど、1年後にはもっと良い未来が見られると信じています。15周年の時に、未来を見据えて作った曲…バラバラな4人が一つに重なったらwyseになる、そう確信した時に作った曲です」(TAKUMA)と「Primal」を、次いで、優しさに溢れた名曲「Like sewing up」へ。歌い終えた月森は「本当にありがとう」と言うと、声を詰まらせ、涙を見せた。そして「幸せに満ちたこの曲を皆と一緒に歌いたいと思います」と、「Glorious Story」が本編ラストを飾り、進み続ける彼らの未来を煌びやかに照らし出したのだった。

アンコールでは、TAKUMAが「どうしても届けないといけない曲。大切なんだけど、僕らの曲になり過ぎていたので、これを機に皆の曲にしたいと思って」と告げ、この日のために歌詞を変更した「Friend」が届けられた。TAKUMAが19歳の頃に書いたという楽曲が、19年の時を経て、wyseとwyseを愛する全ての人たちの温かな1曲に昇華した瞬間だった。さらに、月森とHIROが向かい合い、満面の笑みでスタートした「I believe」は、この「Friend」からの流れにより、今、本当の意味で悲しい思い出と決別できたように感じられたと同時に、これまでのwyseを更新する果てしなくポジティブなメッセージソングとして捉えることができた。

そして、「今日一番の楽しさを!」(月森)と、光り輝くラストシーンに相応しい「in the Moonlight」でのメンバー、オーディエンスの眩い笑顔をもって、この19周年記念公演は終幕を迎えたのだった。そこには、決して夢見心地な温かさではなく、この場に居合わせた全ての人たちと共に未来を歩いていくのだという4人の確かな覚悟と愛情が感じられた。

「僕らはまだ諦めていませんから。自分たちのためだけにやる時期はもう終わった。かと言って、皆のためだけなんて、押し付けはしません。まだまだ本気でやれる。挑戦し続けて、小さなことの積み重ねが、結果未来に繋がっていくと思います」――ラストナンバーを披露する直前、TAKUMAはこう語ったのだった。そしてこの日、ファン投票による再録アルバム『TREE』シリーズの最終章『TREE -Wish-』が5月16日にリリースされること、それに伴う東名阪ツアーの開催が発表された。過去最高の結束力のもと、20年目という新たな道を歩みだしたwyseの快進撃に期待したい。

最後に、この日の「Friend」に綴られた一節を記そう。
〈だからね これからも 君と歩いていたいんだ〉――。

◆セットリスト◆
01. 微笑む事からはじめよう
02. chain
03. Heart
04. Perfume
05. Distance
06. J・E・T
07. Rollin’ Rollin’
08. Secret Lip
09. am0:00の警笛の中で
10. Sweet rain
11. With…
12. キミグラデーション
13. 終わらない夜のマーメイド
14. Break Off
15. Open Your Eye’s
16. Fake Monster
17. L.A.S.P.U.P. -Unperformed Performer-
18. Primal
19. Like sewing up
20. Glorious Story

En
01. Friend
02. I believe
03. in the Moonlight


<終演直後の楽屋にてミニインタビュー!>

――お疲れ様でした! まずはライブ直後の率直な感想をお願いします。

MORI:さっきのさっきなので、大雑把な感想になっちゃいますけど、楽しかったというのが大前提ですし、周年ライブというのは毎年やってきましたけど、19周年の今年はちょっと特殊だったなと。公演自体も特殊でしたけど、観ている皆の顔も今までに見たことのないような笑顔でした。すんげー大変な一日でしたけど、みなさんが協力してくれて作ることができて、やって良かったなぁと思いました。

HIRO:まずは、終わっちゃったなぁという寂しさを感じています。楽し過ぎてギターソロ飛ぶくらい(笑)。

TAKUMA:あれ言わんかったら良かったのに! お前とかわからんぐらいグシャってたから!

月森:そうそう!

TAKUMA:俺とスミちゃん(炭竃智弘/Key)とボンさん(安東祐介/Dr)、めっちゃ必死やったで(笑)。追いかけっこしとったもん。皆、好き勝手やるから全然わからへん(笑)!

HIRO:始まった瞬間から「何これ、めっちゃ楽しい」ってなって、考えていたいろんなものが一気に飛んで、「もうダメだ、真っ白だ」ってなって、あの状態です(笑)。

TAKUMA:何回リハやってきてん(笑)。

HIRO:360°のリハなんてやってないもん。

全員:(笑)

HIRO:本当に楽しくて、終わっちゃって寂しいので…なかなか簡単にできるライブじゃないというのは重々承知なんですけど、またやりたいなと思っています!

――ある種、1曲目から忘れられない日になりましたね(笑)。

HIRO:はい(笑)。もしも次にやる機会があったら、1曲目は「微笑む事からはじめよう」でお願いします。

TAKUMA:いやいやいや(笑)。

HIRO:リベンジしたい!

月森:どこでやってもリベンジになるから大丈夫や(笑)。

全員:(笑)

TAKUMA:記念日だし大事なライブだから来てほしいとか、特殊なライブをするからという意味では、ハードルが上がっていたと思うので、すごく気も張っていたし、今、終わっちゃったなという思いが強いのと、皆が喜んでくれている顔を見られた気がしたので、伝わったかなぁという印象はあって、やって良かったなと思いました。思いとしてはすごく満たされていますけど、もし次やれるんやったら、もっとこうしたいというのも見えたので、そういう意味では完結していない感じも良かったなと。

――お客さん側はどこにいてもステージが近かったですが、メンバーの皆さんから見た景色も、やはりお客さんとの距離感は普段より近く感じましたか?

TAKUMA:ステージだけど客席の真ん中でやっている感覚でした。背中を向けているのは気にはなるけど、見渡したらいろんな人が見えるというのは、すごく気持ちいいし楽しかったですね。全員に生声が届くくらいの距離感でもありましたけど、あれだけスペースがあるステージだと、動けるというのも良くて。ライブハウスだと、どれだけ広くてもやっぱり前後関係が違いますからね。初めてのことでしたけど、やり甲斐があったし楽しかったです。

――「Like sewing up」の後に月森さんが感極まっていましたよね。

月森:なんなんでしょうね…。「Like sewing up」の曲が持つパワーやメッセージ性も当然あるんですけど、あの曲はすごくて、会場の空気が変わるんですよ。ギターリフが始まった瞬間、僕が歌い出す前から、ファンの人たちが皆すごく幸せなオーラになるんですよね。それに圧倒されてしまって。表現しているのはこっちなんですけど、それ以上の空気感を作ってくれているのがファンなので、ライブというのはファンのほうが実は大事なんだなというのがすごく感じられる曲なんですよね。それを今日、見事に感じてしまって、絶対に泣かないでいようと頑張って挑んだんですけど、19周年ということや色々なことが重なって、ちょっと耐えきれなかったですね。皆すごいパワーでした。優しさや楽しさ、いろんなものを感じました。

――先日のインタビューの際に、この周年ライブはいつにも増してファンの皆さんが作り上げるものになると言っていましたよね。

月森:そうですね。何が不安って、やったことのないライブの形だから、お互い様子を見合いそうな怖さがあったんですよね。でも、実際に始まってみると不安が一切なくなって、本当に最初から最後までずっと楽しかった。あとは、気持ちのやり取りが完璧にこなせた結果があれです(笑)。

――少し歌詞を変えた「Friend」を披露してみていかがでしたか?

TAKUMA:すごく深くて、思いが入りやすい曲ではあるけど、大事な日の大事な場所でしかやらない曲というふうになっちゃっていたのを、もう少しカジュアルにしていきたかったんですよね。自分たちの方向に向いているように聞こえてしまうタイミングでリリースしちゃったので、そうじゃないんだよというふうにしたかったという気持ちが強くて。だから、今日やることにすごく意味があったと思いますし、歌詞ももっと良く書けたかもしれないけど、頭から全部書き直すというのはちょっと意味が違うんですよね。皆がどこまで聞き取れたのかはわからないですけど…、割とハキハキ歌ってみたつもりです(笑)。

――ちゃんと聞き取れましたよ。

TAKUMA:歌っている気持ちの矛先が変わるから、過去の映像が頭に出てくることはなかったですね。温かい気持ちでやれる「Friend」になったのかなという印象はありました。だから終わってからの雰囲気も、これまでとは違っていたなと思います。

――「Friend」の歌詞が変わったことによって、次の「I believe」の感じ方も少し違ってくるなと思いました。

TAKUMA:これまでの「Friend」は過去の瞬間の歌を一緒に聴いて、そこを辿っているだけだったけど、ちょっと変えたことによって、「まだこれからも行くんだよ」というふうに続きがあるように見えるというか。完結している過去の話ではなくなったんですよね。意味合いが変わるから、その後は「I believe」が絶対にいいだろうと皆で思っていました。僕らが伝えたことのリアクションがお客さんから返ってきたというのもあるし、やっぱり楽しかったから結果的に全て良い方向に行ったんでしょうね。最後は皆で一緒になれたのがよかったし、「I believe」に繋げるというのも、僕らだけじゃなくてファンの人もそうだよねと思ってもらえる流れになっていたのかなと思いましたね。最後の曲が「in the Moonlight」なのも、決めたのは僕らだけど、皆でそうなっていった感じがすごくあったというか。セットリストを辿りながら頭で考えずにハマっていったのは、初めてかもしれないですね。いつも途中でズレているな、ヤバイなとかあるんですけど、今回は全くなかったです。

月森:空気を作っていかなきゃいけない作業とか、やらずに済んだもんね。

――記憶に残る、本当に良いライブでしたよね。

TAKUMA:またやりたいですね。プレゼントみたいなものです。あんなセットや演出で、最初のSEで照明が点いた瞬間に歓声が上がるとか、そういうライブって、そんなにしょっちゅう出来るものではないので、色々な人の力や思いで出来た一日でした。簡単には出来ないかもですけど、もう1回やれるんやったらもっと…

MORI:もっと金かける(笑)。

全員:(笑)

TAKUMA:いやいや(笑)。今回の公演、それに関係するすべての結果、経験を受けて、良かった部分とそうではないと判断した部分それら全てを学びとして次回に反映させて、もっと良い最高な時間を届けたいですね。あとは構成や楽しむ方向。バラードをやってこんな雰囲気になるんだとか、ライブハウスではない空間だからこそ出来るものを出せたのかなと思うので。

――19周年がこれだったので、20周年のハードルも上がります(笑)。

TAKUMA:ヤバイですねぇ。365°やるということで…。

全員:(笑)

HIRO:数字がおかしなことなってる(笑)。

TAKUMA:でも、1年後に同じ場所で同じことをやるというのも、意味があるかもしれない。もちろんセットリストは変えますけど。まぁでも費用のレベルがな…(笑)。

MORI:240°くらいにしといたらいい(笑)。

HIRO:角度の問題じゃない(笑)。

TAKUMA:でも、やり甲斐はあったなぁ。楽しかったなぁ。

――ここからwyseの20年目がスタートします。最後に読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

MORI:去年の2月から環境が変わって、1年間で色々なことが届けられたと思うし、割と掴みにいけた1年やったと思うんですけど、メジャーデビューしてアルバムもシングルも作って、そこから派生した今日というのが、すごく区切りが良いなと。ここからまた未来を作る1年間を経過しての20周年というのは、形としてすごく良いなと思っていて。そこに向かうための今日、良いスタートが切れました。僕らが用意していることではありますけど、今日も蓋を開けてみないとわからなくて、開けてみたら想像をうんと超えてきた一日になったので、今年1年また楽しみだなと。今日発表したライブも含め、色々なことを楽しみたいと思います。

HIRO:20周年に向けてやっていくわけですけど、それがゴールとは思っていなくて。節目ではあるので大事な日になるとは思うんですけど、一つの通過点として、その先を見据えて頑張っていきたいなと思います。今日、次の未来が発表されましたけど、僕らはまたその一歩先の未来を作っていくということをやっていきます。そうやって常に皆の一歩先を行って、皆がそれを追いかけてきてくれる、この構図がずっと続いていくといいなと思うので、そういう良い流れのまま20周年に向かいたいですね。

TAKUMA:ライブがどれだけ良かったと伝達されても、本当の部分ってやっぱり自分で見てもらわないと伝わらないんですよね。その場にいてくれないと、僕らも伝えたくても伝えられない。逆に言えば、僕らはそれをやり続けるしかないんですけど、この先の未来でももっともっとそういうものを作っていく気でやっているので、この文章を読んで何か伝わったのであれば、来てもらいたいです。未来に繋がっていくための一つをどんどん生み出し続けたいなと思いますね。このインタビューのように気持ちを喋れる場所も大切で、ここまで読んでくれた人には何か残せている気がするので、その人たちの期待を更に高めていけるように頑張りたいなと思います。

月森:19周年のライブは、こんなに楽しいのは初めてだったんじゃないかなというくらい楽しかったんですけど、20周年はこんなものじゃ済まないライブにしなきゃいけないわけで。形はまだわからないですけど、その凄まじいライブに向けての1年というのは、とんでもない活動をしなきゃいけない大変さもあるんでしょうけど、19周年のライブでこんな気持ちになれたのなら、多分20周年のライブはもっとすごい気持ちになれるんだろうから、そう感じられるように、この1年、気合いを入れて責任を持って、皆を引っ張っていって、良い活動が出来たらなと思います。

(文・金多賀歩美)


【リリース情報】
New Album『TREE-Wish-』
2018年5月16日(水)発売
wyse official ECサイト/会場物販のみで販売

リクエスト:2月11日~2月20日
http://wyse-official.com/request/

【ライブ情報】
「Opening of the 20th year Special Live wyse Live Tour 2018「Tree -Wish-」東名阪TOUR」
5月19日(土)大阪MUSE HALL
5月26日(土)名古屋SPADE BOX
6月2日(土)TSUTAYA O-EAST

<全公演共通>
OPEN16:30 START17:00
チケット料金:4,800円
プレイガイド:Yahoo!Ticket
一般発売日:3月10日10時~

<chain会員先行>
受付期間:2月10日(土)21:00~2月19日(月)23:59
抽選期間:2月20日(火)~2月23日(金)
当選発表:2月24日(土)15:00

<Yahoo!チケット最速先着先行>
受付期間:2月24日(土)10:00~3月7日(水)21:00

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