特集-Special Feature-

摩天楼オペラ

摩天楼オペラ

摩天楼オペラが、力強いメッセージを込めた待望のニューシングルをリリース。次なるアルバム『AVALON』へと続く、最新作の魅力に迫る!

摩天楼オペラが2014年1枚目となるシングルをリリースする。この作品は苑(Vo)曰く、9月3日にリリースのアルバム『AVALON』の内容を少し感じられるような作品だという。コンセプチュアルな前回のアルバムとは打って変わって、様々なコンセプトで作られた曲が収められているという『AVALON』。その入口の一つだという今回の作品から、希望に満ちた世界への気づきを促す真っ直ぐなメッセージをぜひとも堪能していただきたい。この作品について、そして2014年の摩天楼オペラについて、5人のスペシャルインタビューをお届け!

◆素材を聴いたその日の内にアレンジ(Anzi)

――Vifには昨年12月リリースのシングル『Orb』以来の登場ということで、すっかりご無沙汰しております。

Anzi:「明けましておめでとうございます」と言った方が良いかもしれませんね。

――後ほど、今年の抱負を語っていただこうかと…(笑)。年末からはどんな期間でしたか?

苑:アルバムも含めての曲作り期間でしたね。

彩雨:シングルと、アルバムと、あとプラスちょこちょこくらいの曲数はできたよね。


Anzi:20曲くらいはあるんじゃない? まだ形にしないで眠らせている曲もあるから。

悠:そして今は、アルバムのレコーディング真っ最中です。

Anzi:8割くらい終わったかな。あとちょっとですね。

――今回のシングルのレコーディングはいつ頃だったんでしょう?

彩雨:5月ですね。でもツアー(“journey to HEAVEN Tour”)があってギリギリになっちゃったんですよ。

悠:実は「隣に座る太陽」はレコーディング前、一番最後にできた曲なんです。そして、録ったのは最初という…。

Anzi:なので結構バタバタしてましたね。

――最後に苑さんが名曲を持ってきたんですね。

Anzi:そうです。2014年にアルバムをリリースするということで、去年から曲を作ってストックしていたんですけど、その中にはシングル向きの曲もあったものの、「これじゃない」と。そんな時、最後にこの曲が出てきたんです。「お! これじゃないか!?」と大決定して一気に詰めました。

――作曲者の苑さん的には「やったー!」と…

苑:そんなことはありませんでしたけど、歌詞は「やったー!」となりましたね(笑)。歌詞もかなりギリギリで、「明後日までに書いて」と言われていたので。ただ、前回の「Orb」の時は歌詞に色々変更があって、ヴォーカルRECの前日までかかって書いたんですけど、今回は1発OKでした。

――この曲は、どのくらいの期間で完成したんでしょうか?

Anzi:苑が、家でこの曲の骨組みにどのくらいの時間をかけたかはわからないですけど、僕らが素材を聴いてからこの尺のアレンジにしたのはその日の内でしたね。すぐにドラムのパターンを打ち込んだり、「今、リフが思い浮かんだから、今日の内にプリプロ録りたい!」という感じでした。

――レコーディングが早い摩天楼オペラにとっても、今回はかなりの短時間作業だったんですね。

Anzi:加速してますよ(笑)。

悠:ドラム録りは、ギリギリだったといえばギリギリでしたね。ただ、今回は曲も短いし、アレンジも、いつもだったらやらないようなドラムフレーズも入れつつ、ベーシックなものはやることが決まっているので、「この曲で良かった!」という感じです。

燿:僕は今回、ベースを新しくしました。うちの曲は基本、一音半下げダウンチューニングなんですけど、これまで使っていた五弦ベースは、下の方にいくと弦が緩くなって、あんまり芯が出なくなっちゃうんです。もっと良い音が作れるんじゃないかとCOMBAT GUITARSさんと相談しながら作ったら、理想に近い1本ができました。でも、今回はファンフレットという、低音弦に行くに従って扇形にフレットが広がっているベースで、仕様がこれまでと大分違っているんですよ。なのに、完成してすぐレコーディングだったので、ほぼ練習できずで(笑)。全然慣れてなかったのが苦労話ですね。でも音はすごく良いです。

――難しさはありますか?

燿:普段は指板を見なくても弾けるんですけど、ちゃんと見て、しかも意識しないと弾けないですね。

――次のツアーでお披露目ですか?

燿:え!? うーん、どうしましょうね(笑)。ライブは要検討です。

――Anziさんは、レコーディング前に弦を張り替えるそうですが、ギターを変えたりはしないんですか?

Anzi:レコーディング前と言っても、直前ではなく何度かリハで使ってからなので、レコーディングの時にはある程度は弦が馴染んで伸びている状態です。ギターはライブで使っているものしか使っていないので、基本的には変えないですね。ということもあって、僕はこの曲では特に苦労はしていないです。

――Anziさんは、いつもあまり苦労をしていないとおっしゃいますね。

Anzi:そうですね。ただ、次のアルバムではちょっと苦労したので、その話はまた次回にでも(笑)。

彩雨:僕はパート数が多いので、毎回大変といえば大変なんですけど、「隣に座る太陽」はオーケストラがドーン!という感じではないので、そういう意味ではトラック数が少ないし、まだちゃんとPCも動いてくれるので良かったです。曲によってはPCが動かなくなりますからね。摩天楼オペラというと、壮大な大合唱とか、豪華なストリングスたちがバックにいるようなイメージがありますけど、この曲はそういう部分は抑えつつ、いわゆるシンセサイザーの音が散りばめられるようにしました。曲自体が疾走感あふれるロックチューンということで、曲調に合わせた感じを生かそうかなと。

燿:でもエンジニアの井上さんが、今回もトラック数はまだまだすごく多いって言ってたよ。

全員:(笑)

――前回のインタビューで、苑さんのマイクについて伺いましたが、今回のレコーディングでも同じものを使っているんでしょうか?

苑:シングルは同じものですね。安定して、音が割れなくて、なおかつ息成分も入るやつです。次のアルバムでは曲によって使い分けをしています。ライブで使うようなハンドマイクを立てて歌ったりしているんですよ。

Anzi:へぇ、そうなんだ。…すいません、ブースの中を見てなくて(笑)。

苑:(笑)。見た目はハンドマイクなのに、コンデンサーマイク(※レコーディングでよく用いられるマイク。繊細でクリアな音質が特徴)なんだって。ノラ・ジョーンズとかが使ってるらしいよ。

――これは、アルバムが楽しみです。

◆僕がアメリカに行くことでメンバーが休めた(燿)

――ところで、燿さんはいつもレコーディングスタジオに漫画を持ち込んで、寄贈しているそうですね。

燿:今回は漫画ではなく、超大量のうまい棒を持っていきました。うまい棒で色々発見があったんですよ。「この味が一番最初に出たんだ」とか「これが人気なんだ」とか。あとコンビニによっても、市場調査的なものがあって、売れる味しか置いていなかったりするんです。勉強になりましたね。

苑:店長の好みなんじゃ…

燿:そうか!

Anzi:ちなみに、うまい棒は皆で食べて、つい最近はドーナツもいただきました。


――燿さんはおやつ担当なんですか?

燿:レコーディングの頃、僕はアメリカの空気を感じに…ではなく、ブランドさんのファッションモデルのお仕事で、一人アメリカのニュージャージーに行かせていただいたので、そのお土産です。MVを撮った2日後くらいに出発して、5~6日くらい行ったかな。でも、僕がアメリカに行くことで、作業が止まってメンバーが休めたんです。

苑・Anzi・彩雨・悠:…

――皆さん首をかしげていらっしゃいますけど。

燿:でも、おかげでみんなのスケジュールが緩和できたんですよ! …まぁ、僕はすごく満喫してきましたけど…。そういえば、Anzi君だけ「これ買ってきて」ってお土産の指定をしてきたよね。

Anzi:「New Jersey」って書いてある帽子を買ってきてってお願いしました。冗談半分で言ったら2個も買ってきて。

悠:ネタ体質すぎる(笑)。

彩雨:燿さんはNew JerseyのTシャツ着てたよね。

苑:染まったねぇ…。

彩雨:外国人が日本で「東京」って書いてあるTシャツを着るようなものだからね…。

――Anziさんももちろんその帽子を被るんですよね?

Anzi:FCライブとか、時が来たら被るかもしれません(笑)。

◆自分を見つめ直して見方を変えれば、世界は希望に満ちている(苑)

――今回のシングルのタイトルは『落とし穴の底はこんな世界』(2011年リリースのシングル)を彷彿とさせます。

苑:そうですね。いろんな解釈があると思いますが、僕は太陽を「希望」としてこのタイトルを付けました。いつも隣にあるんだけど、不満ばっかり言っている時は気付かない。自分を見つめ直して見方を変えれば、世界は希望に満ちているのにね、と。

――MVを通して聴くと、さらに興味深いですね。

彩雨:実は、今回のMVは、摩天楼オペラ史上初めてバラバラに撮影していて、5人揃っての撮影が1度もないんです。監督は、個人ショットをパチパチ切り替えていく手法が、この作品に合うと感じたんだと思います。


Anzi:今回のMVに関しては、こちらからこうしたいという提案をそんなに投げていないんですよ。信頼している監督に投げたらこういう案が戻ってきたんです。

――この曲を聴いて、一番最初に作られた客観的なヴィジョンなんですね。

Anzi:そうですね。監督は、この話を戦争まで拡大解釈してみたと言っていました。歌詞をそのまま表現するのではなく、一つのアートとして面白い作品を、という方なので独特の解釈が面白かったです。

――その解釈を通して聴くと〈国民ありきが口癖で〉という歌詞の意味合いが違って見えますね。

苑:確かに。この歌詞は、自分が今いる立ち位置に対する鬱憤を強い口調で表しているんですけど、「不満ばっかり言っていても前に進めない。よく自分の居場所を見渡して見方を変えたら不満ばっかりの世界じゃない。良い世界に変わるんだよ」ということを書いています。言っていることは変わらないんですけど、戦争にも置き換えられますね。