特集-Special Feature-

◆信頼感も含めて今の方がバンドっぽい(Aiji)

智

――「MONROEwalk」というタイトル、すごくLM.Cっぽい!という印象を受けました。

maya:「何かの時に使いたい言葉リスト」というのが携帯にメモしてありまして、この言葉はその中の一つなんです。メモした時、この言葉のキャッチーさに惹かれたんだと思うんですけど、語感が好みに合うというか、LM.Cと共通する部分があるからじゃないかな。

――曲自体はいつ頃作ったんですか?

Aiji:この曲は一昨年くらいの曲出しの時に出てきたmayaの曲なんです。ストックの中で、今の自分たちがやるならこれかなと。

maya:これをどういう形でリリースする、しないというのは置いておいて、作業自体はもう始めていたんです。歌詞はシングルになると決まってから詰めましたけど、それ以外は早い段階で完成してました。

Aiji:出す予定の決まってない曲のレコーディングはずっとやっているんです。なので、何曲か出来上がっている曲があるんですよ。

――貯金がたくさんある感じ、良いですね。

Aiji:ありがたいですね(笑)。でも、本来この形で良いんじゃないかなと思うんです。リリースが決まってから曲を作ってそれに向かうっていうのは日本のショービジネス的にはありなのかもしれないけど、そういう時代でもない気がして。自分たちのライフワークというか、人生の中で良い曲できたから録音して、その中から「今だったらこれがシングルかな」って出すのがあるべき姿なのかなとも思っているんです。ただ、楽曲はできていても歌詞がなかなか上がってこないんですよね。それもわかるんですよ。言葉ってその旬の思考回路と直結するものだから、メロディやトラックみたいにはいかない。なので、ある程度アウトプットする時期が見えた段階で書き始めたほうが、その瞬間の思想や思考が反映されていいだろうとも思います。なので歌詞以外は完成した曲がたくさんあるんですよ…というプレッシャーをmayaにかけると(笑)。

maya:歌詞はね…貯金があっても現金化できていない感じですね(笑)。でも今回は原曲の時点でタイトルは決めていて、何となくの歌詞も決めていたんです。

Aiji:確かに、ディテールは結構違うけど、雰囲気はほぼこれでした。サビも一緒だし。こういうことを歌いたいんだろうなっていうのは一昨年のデモでも感じられましたし。

――今回のサビの歌詞に一瞬ドキッとしたのですが。

Aiji:お、LM.C解散しちゃいます(笑)?

――すみません、うっかり変な方向に深読みしまして(笑)。

maya:ここは最初からこういう言葉がはまっていて、そこを残したということは必然なのかなと思います。こういうのは活動開始当初は使わなかった表現なんですよ。でも、意図的に「今までのLM.Cとは違って聴こえる風にしたい」とか「ドキッとさせたい」ってやったわけじゃない。極自然にこうなったので違和感はないです。これも、経験を積み重ねてきたっていうのが大きいんでしょうね。今のツアーで活動開始当初の曲をたくさんやっているんですけど、言葉として当時の文字の並びを振り返ると、今はこういう風にはしないなと思います。ただ、「こういう風にしておけばよかった」とは一切思わないし、「若いな」とも思わない。表現として今とは違う部分があるなと。うちは、最新が最高だと常に思っていますからね(笑)。

――確かに、同じ単語を使っていても過去の歌詞との違いを感じます。

maya:少しずつ変化や違いを楽しんでいきたいなと思っていて。今回も今までと変わらない部分と変えた部分が混在していて、楽しいですよ。

――歌詞で伝えたいことは、曲ができた段階から決まっていたんですか?

maya:今回は少しずつ決まりました。最終的にシングルにしよう、歌を録ろうと言う時に少しずつ詰めていって。曲によっては最初からテーマがある場合もあるんですけど、テーマが先にあるとそればっかり広がってバランスを取るのが難しいときもあるんです。今回はタイトルが最初に決まっていたのでそれも一つの縛りになって、今何を言葉にしたいかを探して、これに至った感じです。自然と10周年に向けての気持ちも入っていると思うし。

Aiji:最近のmayaの作品は歌詞もタイトルもついてデモが上がってくるので、良い悪いじゃない、もう“それ”なんです。

――ある意味そこで完成しているんですね。

Aiji:そうです。基本的にmayaの曲の時は、変えてほしいって言わないですからね。自分の曲の時にメロディに対しての言葉のハマりに違和感があった場合には言うんですけどね。

――mayaさんの曲は何も言わずともOKが出るというのは、ここまで積み重ねてきた結果ゆえですね。

Aiji:そうですね。そういう意味で、今一番バンドっぽいんです。10年前は理想ばっかり追ってそっちに必死になっていたんですけど、今はある種の余裕とお互いの間合いと、思っていることをそれぞれ言いつつ形にできている気がする。信頼感も含めて今の方がバンドっぽいですね。

◆それぞれのアルバムを楽しんで、その先に10周年がある(maya)

――『PERFECT FANTASY』のインタビューの時、Aijiさんが「ちょっとしたノイズが許せなくて全部録り直した」と言っていましたが。

Aiji:当時は家の作業環境の電源まわりのノイズ処理がし切れていなかったんですけど、今はちゃんとスタジオを作ったので、後で気づく「やっちゃった!」感はないですね。今回はよりシームレスに、全てが気持ちよく終わりました(笑)。

――今回も各自で自宅作業だったんですね。

Aiji:そうです。今回mayaの曲がデモの段階で良くできていて、やりたいこともはっきりしていたので、それをいい意味でブラッシュアップして、より良くなる形にアレンジして戻すという感じでした。元をぶっ壊して0から始めようとは全く思っていなかったです。

maya:自分は今回も自宅で歌録りしました。もう慣れてきたんですけど、前と違った理想も出てきて。それが次に生きる気もしますね。考えてみると、10年前はまさか本チャンの歌を録るとは思ってもいませんでした。自宅での歌録りは一番理想的なんですよ。わかることも増えるし、自分のタイミングでできるから、何より気楽。自分がどれだけ気楽に生きていても、外のスタジオが関わったりすると気を使っちゃいますからね(笑)。

Aiji:自分のタイミングで録れない環境って、mayaは絶対向いてないよ。俺も嫌なんですよね。エンジニアさんと作るのは楽しいけど、レコーディングと音作りはまた別で、自分のプレイは自分のタイミングで録音したい。mayaは自分でやるようになって明らかに良いテイクが残せるようになってますからね。

maya:それに時間的にも早いんですよ。録り直すにしても説明なしでいけるから、その時間も短縮できるし、調子が出ないから明日にしようっていうのも余裕でできちゃう。判断は自分でするっていう前提があるから、いろんな状況が重なった時に早いし。最初の頃は言われるがままにやってたから、すごい時間をかけて録っていた気がします。そういえば、1曲録るのに休憩を入れながら13時間とかかかってたな…今思うとそんなに時間をかけて何をしてたんだろう(笑)。それに付き合ってくれた人たちには感謝です。

Aiji:俺は途中で放棄しましたけどね。

――そこは付き合ってあげてください(笑)。

Aiji:(笑)。そもそもmayaは元がギタリストだから、歌のレコーディングをしたこともなかったし、時間がかかっちゃうのは当然だよね。最初は手法もテクニックもわからないし。俺も20年くらい前に初めてプロのレコーディング現場ってモノを経験したとき、16小節のギターソロを8時間かけて録ってたからね。…ダメでしょ(笑)?

maya:それは…ダメですね(笑)。

Aiji:フレーズは何となく決まってるんだけど、OKテイクがわからなくて。自分の中の正解が定まっていなかったからすごく時間がかかっちゃったんですよ。これはもう経験でしかないですね。

maya:当時の自分のところにいってレコーディングしてあげたいですよ。「俺が歌うわ!」って。もしかすると13時間じゃきかなくなるかもしれないですけど(笑)。

Aiji:逆にこだわっちゃってね(笑)。

――今年は10年間を振り返るツアーが満載ですが、どんなツアーになりそうでしょうか。

maya:曲目は懐かしい感じはしますけど、発信しているのは常に現在最新の我々なので、振り返りつつ、新たな成長を期待している感はあります。それを一通り噛みしめて10周年が迎えられたら素敵な流れだなと。単に今までをなぞって「こういう曲あったね~」って終わるのも楽しいんですけど、渋谷と浜松の2本を終えた今、それだけではない可能性を感じているので、成長を楽しみたいですね。

Aiji:今と未来を感じたいです。過去の曲をやっていても現在進行形の今と、まだ10周年を迎えていないんだけど、そこまでやった時にお客さんも自分たちも15年目が見えてくるような、未来への期待が持てたらいいなと。今回、アルバムごとにツアーを区切っているので、ツアーファイナルの舞浜アンフィシアターに向かっているという感じはないんです。その日その日をベストなライブを更新していけたらなと思っています。

maya:それぞれのアルバムを楽しんで、その先に10周年がある。5周年の時は武道館があってわかりやすかったんですけど、その前に起こる出来事を楽しんで、現時点では何も想像しないほうが楽しいんじゃないかなと思います。…アンフィシアター、行ったことないし。そういう意味で素敵な会場だと思うんです。自分たちの色がついていないというか、渋谷公会堂とか武道館みたいな歴史がまだ刻まれていない場所ですからね。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

LM.C

<プロフィール>

maya(Vo)とAiji(G)によるミクスチャーユニット。2006年10月に、マキシ盤『「Trailers【Gold】」』『「Trailers【Silver】」』を同時発売しデビュー。海外ツアーや武道館公演など精力的に活動を続け、2013年12月には15枚目のシングル『My Favorite Monster』をリリース。2014年2月にアルバム『PERFECT FANTASY』をリリース。2016年は「Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016」と題し、「SUPER GLITTER LOUD BOX」「GIMMICL☆IMPACT」「WONDERFUL WONDERHOLIC」「STRONG POP」の4本のライブを行い、ファイナルに10月16日(日)舞浜アンフィシアターでのアニバーサリーライブを行うことが決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.lovely-mocochang.com

【リリース情報】

『MONROEwalk』
2016年3月16日発売
(CJ Victor)
10周年YEARを駆け抜けるLM.Cが約2年3ヶ月ぶりに完成させたニューシングル。

MONROEwalk
【初回限定盤】
(10th ANNIVERSARY BOX仕様)
(CD+DVD+スペシャルブックレット)
VBZJ-13
¥4,800+税
amazon.co.jpで買う
MONROEwalk
通常盤
(CD only)
VBCJ-30005
¥1,000+税

【収録曲】

[CD]※初回限定盤、通常盤共通
01. MONROEwalk
02. MONROEwalk (Instrumental)
03. MONROEwalk (banvox Remix)

[DVD]※初回限定盤のみ
・「MONROEwalk」Music Video
・10th ANNIVERSARY SPECIAL TALK SESSION

※初回プレス分のみ、トレーディングカード封入(全10種/ランダム封入)

【ライブ情報】

-Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016-
<GIMMICAL☆IMPACT!!>
4月2日(土)柏PALOOZA
4月9日(土)ESAKA MUSE
4月16日(土)盛岡 the five
4月17日(日)仙台CLUB JUNK BOX
4月23日(土)名古屋Electric Lady Land
4月29日(金・祝)東京キネマ倶楽部
4月30日(土)東京キネマ倶楽部
チケット:3月5日(土)全国一斉発売

-Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016-
<WONDERFUL WONDERHOLIC>
6月3日(金)新宿BLAZE
6月5日(日)名古屋Electric Lady Land
6月12日(日)福岡DRUM Be-1
6月14日(火)広島セカンド・クラッチ
6月18日(土)金沢AZ
6月25日(土)KYOTO MUSE
6月26日(日)OSAKA MUSE
チケット:5月14日(土)全国一斉発売

-Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016-
<STRONG POP>
8月7日(日)札幌cube garden
8月9日(火)青森Quarter
8月11日(木・祝)仙台MACANA
8月13日(土)水戸LIGHT HOUSE
8月14日(日)HEAVEN’S ROCKさいたま
8月20日(土)名古屋Electric Lady Land
8月21日(日)OSAKA MUSE
8月27日(土)高崎club FLEEZ
8月28日(日)長野CLUB JUNK BOX
チケット:7月16日(土)全国一斉発売
前売り¥5,500(tax in)当日¥6,000
※DRINK代別

<Go to the 10th Anniversary TOUR FINAL>
10月16日(日)舞浜アンフィシアター

LM.C オフィシャルサイト http://www.lovely-mocochang.com/
レーベルサイト http://jvcmusic.co.jp/lmc/