特集-Special Feature-

◆今はどんな歌詞が来てもLM.Cっぽくなる(Aiji)

――以前のインタビューでmayaさんは歌詞を書くときに、かなり事前取材をすると伺いましたが、今回はいかがでしたか?

maya:調べましたよ。例えば「MOGURA」。

Aiji:じゃあ、今回調べてわかったモグラの驚くべき生態について教えてよ。

maya:んー…惹かれたのは「土竜」っていう漢字ですね。あと、あの第三形態みたいな画像…

(ここで、mayaさん言うところの「第三形態モグラ」もとい正式名称「ホシバナモグラ」の画像検索開始)

maya:あった!

Aiji:すげー! …どんだけ高まったらこうなるんだろう…。

――え、これ、高まってる状態なんですか?

Aiji:多分(笑)。いや、ヤバいわこれは。


――こうしてLM.Cの動物シリーズに新たにモグラが加わったわけですが。

maya:着々と増えてますね。

Aiji:そろそろ歌詞の題材になりそうな動物がなくなってきたんじゃない? 次はゴリラの歌とかにする?

maya:(笑)。まぁ何でもできちゃうんですけど、定期的に無理矢理やりたいわけじゃなくて、ひらめけば書きたいなと思ってます。

――そんな「MOGURA」の歌詞も“黒”に通じる言葉が多用されていて意味深でした。これを読んで、てっきり逆説的に使っているのかと。

maya:そこは必要以上に意図していないんですけど、根本的に天邪鬼な部分があるんですよ。…二人とも。

Aiji:ちょっと、何で俺も入れたの(笑)!?

maya:(笑)。歌詞でも天邪鬼な部分が出ているなと思いますね。だけど、ただ人が期待する何かを覆して楽しいというわけではなくて、自分の理想と重なって成立するのが一番楽しいんですよね。予定調和も大好きなんですけど。今回の歌詞で何か変わった印象を受け取ってもらえるんだとしたら、LM.Cの歴史に後押しされているんだと思います。歴史がいろんな方向へ行かせてくれるというか、色々試させてくれる。数年前だったら「MOGURA」のような歌詞は発想できなかったと思うんです。自分に似合わないというか、ひらめかないタイプの歌詞だったので。

――今だから書ける歌詞なんですね。「キミヨサラバ」の歌詞も意外性がありました。

maya:この曲は、歌詞は割と最近書いたんですけど、曲自体は4年くらい前にもらっていたんです。曲調的にそれまでのLM.Cになかった雰囲気で、当時の自分にはどういう風にしていいかわからないまま、時間が経ってしまって。自分の中でハードルが高かったのかもしれませんね。でも、月日が流れても曲の候補としては常にあって、今回、今一度取り組むというか、向き合ってみました。まず歌い出しのタイトルにもなっているフレーズが出てきて、そこからこのタイトルからどういう物語が見えるかを書いていったんです。

――〈君〉〈事勿れ〉という歌詞に、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」が浮かびました。

maya:あはは(笑)。最初の1行は書き始めた時からあまり変わらないんですけど、物語の方向性としては、最初に勢いで書いていた時の、旅立ちをただ見送る主人公から、激励する感じに変化しました。

――この曲はLM.Cには珍しい日本語のタイトル+カタカナ、歌詞には漢字を多用していますね。

maya:表記は基本的にわかりやすくしたいんですよ。いつもは自分が知っていたり、学んで自分のものにできたものを使っているんですけど、今回はその先の、言葉の印象をさらに進めてくれるような漢字を使いました。それが似合うと思ったので、色々調べて由来を探ったりして。

――世界観が一気に広がります。Aijiさんは4年前にこの曲を作った時、どんなイメージで作りましたか?

Aiji:単純に良い曲を作って、誰かのそばに置いていただける曲になればいいなと思って作りました。毎回そうなんですけどね(笑)。でもミドルテンポ以下の曲は自分的にあまり作らないので、久々だったし、LM.Cでそれまでやっていない雰囲気にしようと思っていたことは確かです。

――完成した作品は予想通りでしたか?

Aiji:そうですね。あとは歌詞に関してはあまり想像しないようにしてます。そこはもうファンの方と一緒でmayaからどういうものが出てくるんだろうっていう受け身の姿勢でいるので。自分にとって大切なのはタイトルなんですよ。mayaから歌詞が届いたら、まずタイトルで、くるかどうか。でも、大体良いとこ突いてくるので、タイトルについてはダメ出ししたことはないですね。意外に思う部分も含めて、自分が想像していた世界感より少しでも広がってくれてたらOKなんですよ。違和感でも、すごくアジャストされた感じでも、どっちでもいい。自分の想像を少しでも超えていることが大事なんですけど、今回は全曲そういう感じがありました。

――今回のアルバムの収録曲はいつ頃から作り始めたんでしょうか。

maya:制作的には一昨年の夏ですね。ただ、「キミヨサラバ」と「Amnizia」は4年くらい前からあるので原曲が生まれた時期はバラバラです。

――この2曲は4年経った今がベストなタイミングだったんですね。

Aiji:すごくよく言えば、寝かせたってことです。熟成ですね。熟成肉みたいな(笑)。4年前ってもっと自分たちにできることのピース集めをしていたと思うんです。「こういうタイプの曲ができた!」「次はこういうのができた!」って自分たちの持ち球を増やしていた時期だったと思うんですけど、それがアルバム『STRONG POP』(2012年4月リリース)で一通り完成したかなと。LM.C結成当時目指していた「こういうことができるバンドになりたい」っていうのが一応網羅できた気がしたので、そこからちょっとモードが変わってきた気がしてます。

――なるほど。

Aiji:4年前の曲も今だから向き合えるというか。mayaに曲を渡した当時は、果たしてどうなるのかわからなくて、半信半疑の部分もあったんです。でも今はどんな歌詞が来てもLM.Cっぽくなるんだろうなと思ってます。これだけ時間が必要だったんだと思うんですよ。一通り自分たちの得意技を習得した上での今がある気がしますね。

――満を持して収録された今回の8曲、全てキーになる曲揃いですね。

Aiji:そうなんです。まぁ、うちは毎回そうなんですけどね(笑)!

maya:(笑)

Aiji:前回もそうですけど、今回もフルアルバムじゃないので、より1曲1曲、ただ通り過ぎてしまわない強さを持った曲に仕上げようと思っていました。作品としても素晴らしいと思います。

◆みんなでスタートラインに立って、新しいLM.Cのライブを作りたい(Aiji)

――今回のレコーディングはいかがでしたか?

Aiji:二人完全にバラバラの作業でした。

maya:最後の音のバランスの調整以外は顔を合わせていないですね。

――お互いの自宅が徒歩3分の距離は変わらずですか?

Aiji:変わらずです(笑)。役割分担がよりファクトリー化しているんでしょうね。その代わりと言ってはなんですけど、メールの回数が増えた気がします。今回は特にクリエイティブな感じでした。ただイラッとするやり取りがあったりもするんですよ。「これ、来てやったほうが早いんじゃないか?」みたいな(笑)。

――そこでAijiさんがmayaさんちに走って行ったりはしないんですか?

Aiji:いやいやいや! 俺は基本的には「お前が来い」タイプなんですが…、mayaが家に来ると何かしでかすんでね。あんまりうちの敷居は跨がせたくないです(笑)。

――Aijiさん宅での水こぼし事件が尾を引いているんでしょうか(笑)。ところでmayaさんは、前回「Chameleon Dance」と「禁じられた宇宙。」の2曲を自宅で歌録りされていましたが、今回は?

maya:今回は全曲行きました! そこがこれまでの作品との大きな違いですね。そうするって決めたことで自分的に大きく変わりました。前回の経験も生きているんですけど、もっとこうしたら理想に近づけるっていうのを追いかけているんです。今回、その経験が一気に増えました。

――やってみたご感想は?

maya:楽しいですよ! 手間がかかるから大変なんですけど、今のところ楽しい方が勝ってますね。

――Aijiさんもご自宅での作業ですよね。前回は打ち込みが多かったですが。

Aiji:そうですね。でも今回も生ドラムは「キミヨサラバ」と「Amnizia」だけなんです。しかも、どちらも4年前に録ってしまっていたので、あとは家での作業です。

――2曲だけですか? てっきりそれ以外の何曲かも生ドラムだと思っていました…

Aiji:基本打ち込みです。でも、生なのか打ち込みなのか、もうわからないと思いますよ。今回もテクノロジーの進化の恩恵をしっかり受けつつ、効率良く制作できました。今の時代だからできるというか、俺ら二人だからフレキシブルにできるんですよね。

――そういうフレキシブルな感じもLM.Cらしいですよね。

Aiji:そうですね。便利なものは便利に使っていきます。ただ、それをどう使うかだと思うんですよ。便利なものがあってもそれに追いつくセンスや知識がなければ意味がないですからね。でも、今回の作品は今までで一番良いんじゃないですか? これ、毎回作品を出すたびに言ってますけど(笑)。

――(笑)。作品を出すたびに前回を超えられるというのは素晴らしいと思います。

Aiji:ラッキーですよね(笑)。作品作りには絶対嘘をつかずにやっているんですけど、生きていれば前作を越えられなかったなって思うこともあると思うんです。なのに、自分たちの場合はそれがない。本当にラッキーです。

――この過去最高傑作を引っ提げて、12月30日には渋谷公会堂で「LM.C LIVE 2014 PERFECT RAINBOW -Release Party-」が行われますが、2014年の年の瀬、どんなライブになりそうでしょう?

Aiji:リリースパーティなので、みんなでまたスタートラインに立って、このアルバムの曲が加わった新しいLM.Cのライブを作れたらいいなと思います。

maya:この日は、新曲お披露目という“始まり”と、年の瀬という一年の“終わり”の狭間ですけど、結局のところLM.Cのライブになればいいなと。新曲が加わるとまた空気も変わるし、そこで見えるものはたくさんあると思うんです。それぞれの曲がどういう風に育っていくのか楽しみつつ、今年一年もハッピーだったな、間違ってなかったなってことを再確認できるかなと。新曲もそうだし、忘年会的ノリも…あるのかな(笑)? 9月にやった「YAON de FEVER MAX!!!」とはまた違うお祭り感があるのかなと思います。

Aiji:「MOGURA」を耳にしたファンの方から「ライブが楽しみ!」って声も多いんですよ。楽しみにしていてください!

(文・後藤るつ子)

LM.C

<プロフィール>

maya(Vo)とAiji(G)によるミクスチャーユニット。2006年10月に、マキシ盤『「Trailers【Gold】」』『「Trailers【Silver】」』を同時発売しデビュー。海外ツアーや武道館公演など精力的に活動を続け、2013年6月、ベストアルバム『B-Side BEST!!』を、12月には15枚目のシングル『My Favorite Monster』をリリース。2014年2月にアルバム『PERFECT FANTASY』をリリース。同年9月7日に日比谷野外大音楽堂で行われた「YAON de FEVER MAX!!!」を大成功させる。12月30日に渋谷公会堂にて、「LM.C LIVE 2014 PERFECT RAINBOW -Release Party-」を行うことが決定している。


■オフィシャルサイト
http://www.lovely-mocochang.com


【リリース情報】
『PERFECT RAINBOW』
2014年12月17日発売
(CJ Victor)
ビクターエンターテイメントへの移籍第一弾作品『PERFECT FANTASY』からわずか10か月でリリースされるオリジナルアルバム。

『PERFECT RAINBOW』初回限定盤
初回限定盤
(CD+DVD)
VUZJ-18
¥6,800+税
『PERFECT RAINBOW』通常盤
通常盤
(CD only)
VUCJ-60004
¥2,300+税


【収録曲】※初回限定盤、通常盤共通
01. VantaBLACK
02. JUST LIKE THIS!!
03. MOGURA
04. Amnizia
05. Minor Leaguers’ Song
06. LADY TALK
07. キミヨサラバ
08. Brand New Rainbow

【初回限定盤特典】
(スペシャルBOX仕様)
CD+DVD(「MOGURA」Music Video&メイキング映像収録)+豪華スペシャルブックレット(80P)