Angelo

Angelo

より鋭く、よりドラマティックに――。
飽くなき挑戦の果てに完成した『CORD』。10周年アニバーサリーを迎えるAngeloが生み出した至極の10曲。

2月に新木場STUDIO COAST公演を成功に収め、その後も全国ツアー、Zepp DiverCityでの夏の3days公演など精力的にライブ活動を展開してきた2016年のAngelo。そんな彼らが10月4日“天使の日”にTOKYO DOME CITY HALLで行う10周年記念ライブを目前に、ニューアルバム『CORD』をリリースする。2015年発表のEP盤2作『FACTOR』『RESULT』からさらに進化を遂げたAngeloサウンドによる至極の10曲が収められた今作について、Karyu(G)、ギル(G)、KOHTA(B)、TAKEO(Dr)の楽器陣4人によるスペシャルインタビューと、キリト(Vo)からのメッセージをお届けする。

◆極端に変わっているという自覚はないかな(TAKEO)

TAKEO

――10周年おめでとうございます。

全員:ありがとうございます。

――ついにTAKEOさんが初登場です。

全員:(笑)

KOHTA:そうなの!?

TAKEO:そうですねぇ。あんまり初登場な気がしていないですが(笑)。

――皆さん、10周年という感覚はありますか?

KOHTA:言われてみて、あぁもう10年かぁという感じなので、意外とあっという間だったのかな。

TAKEO:改めて振り返る機会がないので、10年って言われると、あぁそんなに経ったかぁという感じのほうが強いです。二人(Karyu、ギル)が入ってからは5年で、それもあっという間だった気がしていて、基本的にはあっという間の10年間という感じですね。

――Karyuさんとギルさんが加入して5年ということで、以前のインタビューで加入当初よりレコーディングが早くなったというお話がありました。

KOHTA:早くなったのかな(笑)? スピードはわからないけど、年々いいコンビネーションを見せてくれているというか。密度が濃くやれているように見えますね。どうですか?

Karyu:KOHTAさん、インタビュアーですか(笑)。

ギル:あの…、この4人でインタビューを受けるのが初めてなんですよ。

――そうだったんですね!?

ギル:なんていうか、この独特な空気がくすぐったいというか(笑)。

――昨年ギター隊でのインタビューの時も、初めてのことで「大丈夫かな」と言いながら始まりましたね(笑)。

ギル:そうですね(笑)。あれはもう去年ですか、早いもんですね。

――その時、お互いのギタリストとしての魅力を聞いたので、今回はリズム隊のお互いの魅力を教えてください。

KOHTA:もう20年以上一緒にやってるから、小っ恥ずかしいですね(笑)。僕にないものをたくさん持っているというか、安定感だったり、非常に心強いですし、頼りになりますし、やっぱり冷静ですよね。バンドの屋台骨というパート的にもあるかもしれないですけど、性格的にも自らグイッと出るよりは、下から支えてくれていて。そういう部分がプレイにも人間性にも出ていて、非常に心地よくて安心できます。

――そういえば以前、キリトさんがTAKEOさんのことを、自分より遥かに落ち着いていると言っていました。

全員:(笑)

KOHTA:落ち着き度で言ったら、やっぱりTAKEOさんは一番ですよ。安心感と安定感は抜群です。

TAKEO:落ち着いているのか、ただ静かなのか(笑)。KOHTAは基本的に男らしいところがあるので…

KOHTA:喋りが?

TAKEO:ん? 喋り? そこはあえて触れないように(笑)。

全員:(笑)

TAKEO:男らしいところを一番感じるけど、プレイ的にはガツガツしているだけじゃなく、俺に寄り添うようなノリを作ってくれたり、その辺の押し引きの感覚がすごく気持ちいいですね。

――Karyuさんとギルさん曰く、KOHTAさんはリハなどでリードをとってくれて空気も和ませてくれる、頼れるお兄ちゃん、とのことでした。

KOHTA:おー。場の空気は…和ませる能力があるので(笑)。

全員:(笑)

KOHTA:言い過ぎた(笑)。まぁでも、やるならなるべく楽しくやりたいし。MCを聞いてもらえれば、仕切りの上手さがわかると思いますけど(笑)。

――仕切り…(笑)。ちなみに、外から見たギター隊のイメージはMだけど、本当は二人ともS気質だという新事実が以前発覚したのですが、リズム隊のお二人は…?

KOHTA:どっちなんですかねぇ…。僕はおそらくそんなに偏ってないと思うんです。

TAKEO:あんまりガツガツしているほうじゃないので、雰囲気的にはSじゃないと取られていると思いますけど、精神的にはSなところは結構あります。でもそんなに外に出すほうではないので、そういう意味ではMになるんですかね。

KOHTA:受け身という意味ではMなんですかね。難しいですね。

――さて、マニアックさとキャッチーさの共存がAngeloの特徴であり魅力の一つですが、マニアックさという部分で言うと、TAKEOさんのドラムが大きな役割を果たしていると思います。ご自身ではそのような自覚はありますか?

TAKEO:素直ではないなという感じはありますけど、昔からどちらかというと、そういうフレーズを料理してきたので、今となってはそんなに変わっていることをやっているとは思わないかな。

――TAKEOさんの中では自然と生まれているものなんですね。

TAKEO:コンポーザーがデモの段階で結構作り込んでいたりするので、それをプレイする時に、これ叩けるのかな!?っていうフレーズが入っていたりして、それを解釈して料理してというのはちょっと大変だなと思うところはあるけど、曲の中でのドラムの存在としては、そんなに極端に変わっているという自覚はないかなぁ。素直に受け入れている感じですね。

KOHTA:TAKEOさんは知的な変態なんですよ(笑)。やっぱり技術もあるし、探究心も強いし、コンポーザーの意向を最大限汲み取ってあげたいというのがプレイにも考えにも表れているので、こっちもどんどん要求してしまうし、本人もそれに応えてくれる。その辺は良い循環かなと思います。

――叩けちゃうから、どんどん要求が大きくなっていくんでしょうね。

KOHTA:そういうところがありますね(笑)。

――いつもアルバム制作の際はものすごく大変そうですが、今回の大変度はいかがでしたか。

ギル:今回は夏の3daysをまたいでだったから、ライブの70曲をやりながら+10曲作ってた=80曲やっていた感じが…。

KOHTA:まぁでもそういうのを除いたとしても、前回出したものを超えてさらに進化するというのを意識できてるし実感できているので、大変で当たり前というか、そういうもんなんだろうなと。

Karyu:本当に毎回、大変さMAX(笑)。

KOHTA:そこがMAXだった分、MAXに良いものができた。ということで。

TAKEO:ということでって(笑)。

全員:(笑)

Karyu:完成した時の喜びも常に更新している気はしますね。

TAKEO:その時その時、めいっぱいやっているので、そこで感じる大変さは一緒なんですけど、それによってすごく良いものができあがった時の喜び、嬉しさは大きいので、そこを楽しみにやっています。なので、大変は大変ですけど、気持ち的にはそういう部分も含めて楽しんで、これからもそうやって上がっていけたらなと思っています。

◆ギターのフレーズはてんこ盛りで、すごく聴き応えがある(ギル)

ギル

――『CORD』に関して伺っていきたいと思いますが、まず、ドラマティックな「Umbilical cord」が1曲目です。

ギル:初めてKaryuさんのデモを聴いた時に、なんてお洒落なんだろうというのが最初の印象で、静と動がうまく重なって、始まったなという感じがする。1曲目っぽいなと思っていて、実際に1曲目になったので自分的には嬉しいです。頭からギター3本で織り成すアルペジオとコード2音、そしてベースも高い音程から入ってくるという新しい試みの音の階段を積んでいる、かつ三拍子で、面白いなと思いました。集中して弾かないと表現しきれない曲です。

――1曲目っぽいと思ったんですね。

KOHTA:僕もそうです。これ絶対1曲目を意識してるなと。

Karyu:全然してない(笑)。

KOHTA:Karyuにしては新しい切り口だったし、1曲目に来たらいいなとデモの段階で思いましたね。抑揚もすごく気を付けた曲です。

Karyu:三拍子で頭から最後までいくというのは、今まで作ったことがなくて…そういう素敵な曲です(笑)。この曲はクリーンからハードになる、その差がすごくあるので、よりドラマティックに感じると思います。

TAKEO:こういう三拍子のフレーズって結構ノリが難しかったりするので、その辺は気を付けつつ、最初に聴いた印象はチャレンジングな曲だなと思ったんですけど、どことなくKaryuらしさが出ているなと感じましたね。

――2曲目「Cut」は7月のライブで初披露されましたが、相変わらずファンの皆さんの適応力が素晴らしかったですね。

KOHTA:最初からノッてくれるので、こちらとしても助かります。

――この楽曲は、ザ・Angeloという印象です。

KOHTA:そうですね、ザ・Angeloというか、ザ・Karyuというか(笑)。得意とする感じで、仕上がりもAngeloらしさを出せたなと思います。

――続いて3曲目「リテラシー」はイントロのリフがKaryuさんらしいなと。

Karyu:ザ・Karyu(笑)。

KOHTA:これはデモを聴いた時「ザ・Karyu」と思いました(笑)。

Karyu:自分的にも、一番自分らしいなと思う曲です。だけど、展開としては歌とドラムに落ちてみたり、そこからメロディとバックのコード進行が変わっていくという、今までにないやり方ですね。

――この曲はリズムが結構、変態感があるなと(笑)。

KOHTA:ドラムが基本的に変態なので(笑)。

TAKEO:語弊があるじゃん(笑)。

――間奏の変拍子がまた。

KOHTA:あぁ~、あそこは俺は大変でしたね。

Karyu:作った時も大変だった(笑)。あそこだけ拍がおかしくなるんですよ。ちょっと事故ったかもと思ったくらいおかしくて、皆できるかなって(笑)。

――ライブでは見どころですね。

TAKEO:慣れだね(笑)。

ギル:この曲はザ・Karyuさんなんですけど、パワーコードのオープンとクローズを繰り返したり、力強いリフがメインで、曲の持っている力だけで押していけるんですけど、メロディとバックが変わっていって違う印象を与える技法だったり、Karyuさんって間奏をこだわるじゃないですか。そこに今回は変拍子をぶちこんできて、急にブレーキがかかったような感じがするんですけど、それがあることによってその後の展開が積まれていって曲が完成している。すごいなと思う曲なので、じっくりと聴いていただきたいです。

――続いて4曲目「PROTOCOL」です。

KOHTA:これはもう、ザ・キリトです(笑)。

Karyu:これこそ変態的ですよね。ドラムもそうだし、ギターも結構変わった音色が入っていたり。

KOHTA:確かに、変態度で言えばKaryuの曲より高いかもしれないですね。

ギル:フレーズの組み合わせが複雑で、一方はドラム、ギター、ベースでユニゾンしていて、僕のパートだけ裏から入ってきてるけど、変なところでアクセントが一致しているからすんなり聴ける。なので、初見だと何が主役かわからないんですけど、聴き慣れてくるとメインリフがあって、その混沌さみたいなものの良さを理解してもらえたらなという曲です。

Karyu:ギターのリフだけで言うと、毎回違うかもしれないです。

――確かに、1コーラス目と2コーラス目で、違うことを弾いているなと思いました。

Karyu:そうなんです。1Aと2Aが違って、2A’があってみたいな。

KOHTA:ツインギターの醍醐味が存分に詰まっている曲なので、聴き応えがあると思います。

――そうですね。5曲目「嗤う月」は構成的にはシンプルな歌モノです。

KOHTA:個人的には、これが一番大変でした。フレーズも詰め込んで、疾走感もあってテンポも速いので。メロディの綺麗さは兄さん(キリト)節でもあるし、僕らが得意とするものでもあるので、その辺は存分に表現できたと思います。

――ベースがとてもメロディアスですよね。

KOHTA:そうなんです。この曲が一番動いていますね。リズムというよりは歌っているイメージでプレイしています。

ギル:この曲は割とパワーコードが少なめですね。コードのボイシング(音の組み合わせ方)に重点を置いて音の置き所を考えたりして、すごく苦労した曲です。わざとコードがぶつかりかけているんですけど、上手く歪みの具合とかで棲み分けをしつつ。なので、ギターは割とチャレンジした曲でしたね。これもギターのフレーズはてんこ盛りで、イントロ、A、サビ、アウトロも全然違って、すごく聴き応えがあります。歌モノだけどしっかり集中しないと、という曲でした。

――サビのドラムも特徴的です。こういう歌モノのサビとしては珍しいリズムだなと。

TAKEO:場面場面で展開が多くて、サビのフレーズは一番特徴的なリズムですね。メロディ自体がすごくキャッチーなので、その中でのサウンドのアレンジの構築の仕方が、色々と絡み合っている様みたいなものを感じてもらえたら嬉しいですね。ああいうサビの特徴的なリズムに、他のパートがどう絡んでいるのかとか、その辺を感じ取ってもらえたら嬉しいです。