インタビュー

vistlipインタビュー

vistlip

vistlipが放つ次なる作品は、両A面シングル『深海魚の夢は所詮、/アーティスト』。不思議なタイトルを冠した彼らの最新作の魅力に迫る!

彼らの10作品目となるシングルは、初となる両A面+両曲タイアップシングル。今年7月7日に行われたTOKYO DOME CITY HALL からさらに一歩前進し、2月1日には、バンド史上最大のキャパを塗り替える東京国際フォーラムホールAでのライブが決定している彼ら。海(G)、Tohya(Dr)の仲良し(!?)二人に、音作りのことから、ライブのことまで、じっくり語ってもらったスペシャルインタビューをお届け!

◆Tohyaの作る曲は、楽器でメインになるものとか、筋道が明確にあるんです(海)

――せっかくお二人にご登場いただいたので、今回お二人の仲の良いところなんかを掲載できたらと目論んでおります。

海:じゃあ、仲が良い体(てい)でいきます(笑)?

――そんな感じでお願いします(笑)。早速シングルの話に入りますが、今回のタイトルには驚きました。これはどの段階で決まったタイトルなんですか?

海:結構早い段階からありましたね。日本語と英語、どちらも歌録りの段階からだったかな

――タイトルは智さんが付けるそうですが、お二人は最初にこのタイトルを聞いたとき、どう思いました?

Tohya:「何だこりゃ」と(笑)。中身を見る前にタイトルだけ見たので「また、すげー方向のが来たな」と思いましたね。

海:俺、ややこしい漢字の羅列とか長いタイトルが好きなんですよ。長くすればするほど中身が「何だろう」って感じになるじゃないですか。

――確かに、このタイトルからは中身の想像がつかないです。このタイトルには続きがありそうですが、「深海魚の夢は所詮、」何なんでしょうね。

海:続きは曲中で歌ってますけど、智はその答えを聴き手に問いかけているのかなと。端的には出ていますけど、その結果が全てではないし…という事をこの前別の取材で智が言っていました。

――情報ありがとうございます(笑)。今回の楽曲はYuhさんとTohyaさんの合作ですが、作った段階ではどういうテーマ設定だったんでしょうか?

Tohya:特にテーマを設けて作ったわけではないんです。選曲の段階ではYuhが作った違うメロディがのっていたんですけど、オケがすごくかっこいいから別のメロディをのせたらもっと良くなるんじゃないか、ということで、全体的に付け直したという。

――選曲の段階から曲の完成までに曲の全体像を変える、ということは多いんですか?

Tohya:そうですね。構成も変わったりするし。

海:俺らの場合、ちょっと変えるってことがなくて、ほとんどそのまま行くか、すごく変わるかのどちらかですね。いつもは、メロディにしろ、バックにしろ、構成にしろ、作曲者がメインで変えるんですけど、今回はYuhの曲をTohyaがいじくり倒したという。

――他の楽器のアレンジも作曲者がメインで指示出しをするんですか?

海:Yuhは、他の楽器も本人がかなり作り込んでくるんです。バックの演奏は完成形にほぼ近い状態だったりしますね。Tohyaが作ってくるときは、彼はギターを弾かないので、ギターの部分だけYuhに投げたり。あとは、Tohyaの曲はシンセがガッツリ付けられているので、ギターはシンセに沿った感じでこっちで考えて、ケチ付けられて直して…みたいな。

Tohya:もっとましな言い方はないのか。

――仲良い体でお願いします!

海:(笑)。瑠伊は、自分が譲れない部分だけ言ってきますね。彼の曲は割とわかりやすいんですよ。特に俺が弾くギターの部分はバッキングをそれっぽく弾いてくるので。

――無茶振りをされたりはしないんですか?

Tohya:瑠伊には無茶振られることが多いね。

海:うん。RECしてる現場で「ここタッピング入れて」ってYuhに平気で言ったり(笑)。分数コード(※1)バリバリだったりとか。コードブックに載ってないくらいの分数コードを探ってきたりして(笑)。

Tohya:良く言えば感覚派で、悪く言えば理論を知らない。でもそれゆえの良さがあるんですけどね。

海:瑠伊はYuhを困らせてることが多いですね。

Tohya:いや、俺も困るよ? シンセで、その訳の分かんないコードを耳コピして打ち直すんだから。

海:確かにね(笑)。Tohyaの作る曲は、楽器でメインになるものとか、筋道が明確にあるんです。

Tohya:まるで人のこと知ってるみたいな口ぶりだな…まぁ大体その通りですけど。

海:合ってんじゃないかよ(笑)!

◆海は良い曲を作るんですけどね。数が少ないからもったいない(Tohya)

――海さんとTohyaさんで久々に合作はしないんですか?

Tohya:あれは合作っていうか、海があまりにも出来損ないなのを持ってくるから!

海:シンセが全くない状態で、バックと俺が歌っている方のコーラスだけを持って行ったら、Tohyaがあの完成形に昇華させたんです。合作っていうか…整形?

Tohya:美容整形。

海:磨けば光る気がする、ってみんなが思ってくれたものを彼が磨いてくれたんです。

――原石を磨いたわけですね。

Tohya:ひどい原石でしたけど。でも、元があるからあの曲が完成したわけで、人気の楽曲だし、ライブでは定番にもなってるし。そこは海さんの実力あってのあの曲なのかなと。

海:ウゼェ…。

――仲良いじゃないですか(笑)。

Tohya:海は良い曲を作るんですけどね。数が少ないからもったいない。

海:形にならないことが多くて。「FIVE BARKIN ANIMALS」の時は無理やり形にして、多大なるご迷惑とお手間をこちらのお隣の方(Tohya)におかけしたんですが(笑)。なかなか頭の中に鳴っているものの雰囲気が出なくて。

Tohya:今時のDTM(※2)は、ドラムのパターンがたくさんプリセットで入っているのに、無理やり自分で打ち込もうとしたりするからできないんですよ。

――海さんはこだわりが強いんでしょうか。

海:いや、一個一個探っているうちにわけわかんなくなるんですよ。あんまり曲にトライもしなかったので。

――そろそろ海さんの曲も聴きたいと言う人も多いと思うので、ぜひトライしてください。

◆「あなただったらできるでしょ」ってことで、Tohyaにはよく無茶を言います(海)

――今回のジャケットも海さんが手がけたんですか?

海:そうですね。でも今回は下絵から描く、ということはしてないです。あまり描くとデザインの枠を作っちゃうので。いつも同じデザイナーさんにお願いしているんですけど、最近は前以上に下絵を持って行くのはやめてますね。

――今回も不思議なデザインですよね。深海魚好きにはたまらないです。

Tohya:深海魚好きなんですか?

海:ここにも変な人がいた! うちのヴォーカルもそんなこと言ってましたよ。

――あれ!? 男子はみんな深海魚好きじゃないんですか?

Tohya:あんまり深海魚拾わないよねー。

海:好きになるきっかけがないよね。標本とかは欲しいですけど、深海魚に特化しない。

Tohya:そんなポピュラーじゃないしね。

――…深海魚の魅力を共有できず悲しいので、「Secret File」に話を移します。

海:(笑)。この曲はYuhの曲特有の無茶振りはありました。イントロのメタルみたいなリフは、元々はライブで体を動かすために考えて作っていたので、ギターを持った人が5秒で弾けるようなシンプルなリフだったんですよ。そのつもりでRECに行ったらベース録りの時に「リフ変えたから」ってわけわかんないのを持ってきやがって。Yuhはたまに、90度~180度変えるっていうことをやらかすんですよね。

――他の方のアレンジはどうだったんですか?

海:ベースは、Yuhが弾けるフレーズだから瑠伊は絶対弾けるだろうと。ギターもすごくややこしいように聴こえるけど、落ち着いて弾けば何とかなる。でもこれを全員でライブでノリながら合わせるのがちょっと…。

――「Secret File」はライブではまだやっていないですよね。

海:やりたくないです。

――ライブ楽しみにしてます。みんなで海さんを見てますからね。

Tohya:しっかり練習しといてね。

――この曲もYuhさんとTohyaさんの合作ですが、これも「深海魚の夢は所詮、」のように、YuhさんのオケにTohyaさんのメロディをのせ直して…という流れですか?

Tohya:そうです。こっちの曲はYuhが元々付けていたBメロを活かしてますけど。

――それにしても、他の人の曲のメロディ部分をいじるというのは珍しいと思うのですが。

Tohya:珍しいといえば珍しいですよね。メロディを変えると曲そのものが変わるから、あんまりやらないし、自分だったらやってほしくないかも。

海:「だったら俺が直す!」ってなるんでしょ(笑)? Yuhは割とその辺は柔軟で、むしろ「このギター弾きたい」というのをメインで作っているんでしょうね。

――ここまでの2曲はどちらも大幅改造されていますが、今回原型をとどめている曲はあるんですか?

海:「アーティスト」と「HEART ch.」ですね。「アーティスト」は原型から華やかに煌びやかに開けた感じで、「HEART ch.」はシンセが変わったくらいで、ほぼそのままです。

――「HEART ch.」は10月6日のZepp Tokyo (little HEARTS.4th Anniversary 「MY little HEARTS.Special Edition Vol.4」)で初お披露目となったわけですが、ファンの方の反応を見ていかがでした?

Tohya:想像以上に盛り上がったなと。イントロでお客さんが棒立ちだったらどうしようと思っていたんですけど、僕が思い描いていた景色とは裏腹にすごくノリが良くて。これからの鉄板ソングになるんじゃないかな。

――すごく綺麗なメロディですが、音の高低が激しいですし、ヴォーカルにはドSなメロディラインですよね。

Tohya:いつも、彼なら歌いきってくれるだろうと願って作ってます。

海:メンバーの無茶振りということでいうと、智への無茶振りが一番多いかもしれないですね。前に智が「瑠伊と、Tohyaと、ちゃんゆー(Yuh)の曲は、つらい」って言ってました(笑)。ブレスのポイントがなかったり、高音域が続いたりして、ワンコーラス歌うならいいけど、ライブでフルで歌うとつらいと。

Tohya:やっぱ鍵盤で音を作っちゃうからね。ちなみに、この曲は海からウザったい注文がいっぱい入ってきたんですよ。「もっとBメロに疾走感がほしい」とか…何だよ、疾走感て! 曖昧なんだよ!

海:俺の注文が一番無茶振りですね(笑)。あんまり具体的なこと言いたくないっていうのもあるし。

――それはさっき言っていた、ジャケ写のデザイナーさんへの依頼の仕方と同じなんでしょうか。

海:それもありますね。あとは、「俺はどうすべきか具体的な方法が出てこないけど、あなただったらできるでしょ」ってことで、Tohyaにはよく無茶を言います。

Tohya:ひどい話ですよ。

海:Yuhとか瑠伊にもたまに言うんですけど、同じ弦楽器だからか曖昧な感じでも捉えて考慮してくれるんですよ。Tohyaは「はぁ?」って言いながら直してくれるので、それを「そうそうそう、さすがさすが」って褒める。

Tohya:イライラしますよね。

海:でも、智だったら、もっとざっくり切っちゃうんですよ。「Bメロ、やだ」の一言でBメロ丸ごと変えることになるので。

Tohya:でもその方がわかりやすくて良いですよ。

――「疾走感」よりも(笑)?

海:「そのままの感じでいいんだけどもうちょっと」とかね(笑)。

Tohya:じゃあそのままでいいじゃねーか!

海:でも、曲は良くなるでしょ。

Tohya:…まあね。

――シングルでこんなに大変ということは、来年リリースのミニアルバムの行方がとても心配です。

二人:間に合ってないです。

――えー…。

Tohya:全然進んでないです。

海:なんとか1曲2曲仕込もうかと。

Tohya:そう言いながら、曲持ってこないしー。

――次こそ海さん曲をぜひ。

海:間に合うか微妙ですけどね(笑)。

◆海、この曲、好きそうだよね(Tohya)

――では両A面のもう1曲「アーティスト」についてお聞きします。この曲、イントロだけ聴いて瑠伊さんの曲だろうなと思ったくらい、瑠伊さんらしい1曲ですよね。

海:うん。綺麗な曲です。でもREC30分前に「Bメロ、何かタッピングして」って急に言われましたけどね。

――言われた方に拒否権はないんですか?

海:うちのメンバーの中で瑠伊さんは一番頑固なんで、やってくれるまで言い続けるんですよ。それをやらずに、違うことをやっても「そっちもいいけど、これもやってみて」って言うし。

――ちゃんと比較して決めるんですね。Tohyaさんは「アーティスト」のレコーディングはいかがでした?

Tohya:僕はこのドラムのアレンジはかなり気に入ってるんですよ。曲がポップなので、それを邪魔しないようにしつつ、前から使いたかったフレーズを入れられたのが良かったなと。最後のサビの前の「今が動く♪」の後の部分なんですけど。

――おすすめのフレーズ、じっくり聴いてみます。それにしても、今回のA面2曲は、すごく対象的ですよね。

海:元々、両A面の予定じゃなかったんですよ。タイアップの話をいただいて、今ある曲の中からレコーディングできるものを選んでいただいて…という。1曲目が「深海魚の夢は所詮、」でいくことはメンバー間で決まっていたんですけど、俺は「アーティスト」を入れたかったので、決まった時は嬉しかったですね。

Tohya:海、この曲、好きそうだよね(笑)。

海:超好き(笑)。智と曲の相談をしたときに「これが入ったらバランスが良いよ」って説得して。そうしたら選ばれたので「よしよし」と(笑)。

――意外性のある4曲ですが、vistlipの良いところがギュッと詰まっていますよね。

Tohya:そう捉えていただければ幸いです。

――ではこの作品を引っ提げて、しかも合間合間にミニアルバムを制作しつつ、2月1日には東京国際フォーラム ホールAでライブですが、意気込みなどをぜひ。

海:意気込みねぇ…ライブを観てもらえばわかりますよ。

Tohya:出た。

海:何を言ってもライブが全てだと思うので。

Tohya:これまでで一番大きいハコですけど、自分たちらしさをより大きい会場で大きく 見せられたら良いなと。来る人もホールだからってあまり構えてほしくないし、その空間をただ楽しんでもらいたいです。

海:こっちもいつも通り楽しむんで。その代わりできることはいつもより広がるだろうし、魅せる手段も増えるし。走り回ろうと思います。

――じゃあ「Secret File」でもぜひ走り回っていただいて。

海:それは座って弾いてるかも…。

Tohya:最悪セットリストに入ってないとか。

海:それあり得るね(笑)。あ! 俺、「Caramel Macchiato」やりたい! あれ絶対ホールで映えると思うんだよね。

――あ、それは聴きたいです!

Tohya:じゃあ雪が降ってたらやるか。

海:うん、日本のどこかで雪が降ってたら絶対やろう。

Tohya:日本のどこかって、北海道は絶対雪だろ(笑)!

<脚注>
※1:分数の形で表記されるコード
※2:パソコンと電子楽器 をMIDIなどで接続して演奏する音楽や音楽制作

(文・後藤るつ子)

vistlip

<プロフィール>

智(Vo)、Yuh(G)、海(G)、瑠伊(B)、Tohya(Dr)の5人からなるロックバンド。2008年4月、ミニアルバム『Revolver』でデビュー。2011年12月には2ndアルバム『ORDER MADE』、今年7月に9thシングル『B』をリリース。7月7日にはTOKYO DOME CITY HALLでのライブを成功させた。2013年2月1日には東京国際フォーラムホールAでのライブが決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.vistlip.com


【リリース情報】

豪華ブックレット盤(初回生産限定)
デジパック仕様
CD
MJSS-09086
¥1,890(tax in)

(C)高橋和希
スタジオ・ダイス/
集英社・テレビ東京・NAS

アニメ盤
CD+DVD
MJSS-09087~8
¥1,890(tax in)

vister
CD+DVD
MJSS-09089~90
¥1,890(tax in)

lipper
CD
MJSS-09091
¥1,260(tax in)


『深海魚の夢は所詮、/アーティスト』
2012年10月31日発売
(発売元:マーベラスAQL/販売元:ソニー・ミュージック ディストリビューション)
vistlipの記念すべき10作目のシングル。両極とも言うべき2曲で、彼らの楽曲の幅広さを存分に感じられる聴き応え充分な1枚。

【収録曲】
豪華ブックレット盤(初回生産限定)
[CD]
1.深海魚の夢は所詮、
2.アーティスト
3.Secret File
4.深海魚の夢は所詮、(インスト)
5.アーティスト(インスト)

仕様:デジパック
初回限定封入特典:トレーディングカード10種類ランダム封入

アニメ盤(CD+DVD)
[CD]
1.アーティスト
2.深海魚の夢は所詮、

[DVD]
アーティストVideo Clip+TVsize Video Clip

初回限定封入特典:トレーディングカード10種類ランダム封入

vister
[CD]
1.深海魚の夢は所詮、
2.アーティスト

[DVD]
深海魚の夢は所詮、Video Clip+Making

初回限定封入特典:トレーディングカード10種類ランダム封入

lipper
[CD]
1.深海魚の夢は所詮、
2.アーティスト
3.HEART ch.

※初回限定特典:ランダム封入(全10種)