インタビュー

vistlip

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大きく飛躍した7周年を経て、新たな1年のスタートを切ったvistlip。
最新作『OVERTURE』に見る、彼らの未来への“序曲”とは――。

7月7日にZepp Tokyoで8周年記念ライブを行い、新たな年の幕開けを華々しく飾ったvistlip。そのライブで初披露された「MONOGRAM」と「BABEL」という2曲を収録したシングル『OVERTURE』が8月5日にリリースされた。アルバム『LAYOUT』を経て、自らの目指す場所を再確認した彼らが“序曲”として放つ濃密な二つの曲。輝かしい未来を見据え、更なる飛躍を誓った今回の作品について、智(Vo)、Yuh(G)、Tohya(Dr)の3人に語ってもらった。

◆智という人間の分厚いメッキを全部はがして自分を素直に提示する(智)

――この取材の前にツアー「Left side LAYOUT[idea]」がファイナルを迎えましたが、今回はどんなツアーでしたか?

智、Tohya:楽しかったですよ。

Yuh:苦しくもあり、楽しくもありました。基本的にアルバム『LAYOUT』の曲だけで本編を完結させるというのが我慢のしどころでしたね。途中で盛り上がる曲を入れたらアッパーな感じになったと思うんですけど、あえてそうせずにやりきりました。ファンの子たちをそれで満足させたいというのもあったし、こういうライブに免疫をつけてもらおうという意図もあって。結果的にみんな楽しかったって言ってくれたし、ついて来てくれたファンにありがとうと言いたいです。

Tohya:僕は、曲で盛り上がる、盛り上がらないということは特に感じていなかったので、どの曲も全力でプレイするだけでした。むしろ、ライブと関係ないところで苦しんでましたね…ダイエットとか。

――智さんもツイートしていましたが、一時期Tohyaさんのツイートはダイエットの話がてんこ盛りでしたね。7月7日のZepp Tokyo(vistlip 8th Anniversary Live [OVERTURE])前日には「カレーを作った」とツイートしていましたが。

Tohya:あれはライブ用です。僕の特製カレーをケータリングで提供しているんですよ。

――メンバーによるケータリングとは珍しいですね。

Tohya:去年からやっているんです。「俺、すげー美味いカレーが作れるよ」って話したら「じゃあ作ってこい」って言われて。メンバーの皆様に食べていただいたところ、大変ご好評をいただいたので今年も作っているというわけです。

智:まぁ、Tohyaには毎年作れるってことを喜んでほしいですね。

Tohya:vistlipさん、作らせていただいてありがとうございます!

智:1回でもまずくなったら終わりだからね。

Tohya:緊張するわー。去年と全く同じ味にしないといけないんでしょ?

Yuh:そうだよ。がんばって。

――厳しい…! それにしても、前回の『LAYOUT』のインタビューでTohyaさんが「自分のスキルにはないところに駆け上がったからレコーディングが大変だった」と話していたので、ケータリングしか苦労がなかったというのは意外でした。

Tohya:そうですね。とは言え、楽曲の中で挑戦的なフレーズを多く取り入れてしまったばかりに、やっぱり練習も大変で。ツアー中はライブ前に必ず個人練習をしたし、スタジオに入る回数も多かったです。でも、スキルアップにつながったから、良い苦しみだったのかもしれないな。

――一歩前進したんですね。智さんはメロディのキーの高さを心配していましたが。

智:そうなんです。すごく高かったし、パフォーマンスも変わってきて、のどの負担も大きかった。でも、「こんなもの、やりこなさなきゃしょうがない」って思ったんですよ。今回は、“当たり前のことなんだけど、忘れてしまうこと”を意識させられるツアーでした。このツアーがあったから今もその意識を保っていられるし、スキルアップにもつながるだろうから、今後に活きていくんだろうなと思いますね。

Tohya:ツアー前のリハでは、あまりにも高い曲はヴォーカルのキーを下げようかって話もあったんです。でも結果的に原キーのまま全部やり通したんですよ。

――多くを得たツアーだったんですね。それにしてもツアーで多忙な中、今回のシングルはいつ録ったんですか?

Tohya:曲自体はツアー前にできていたんです。

智:ヴォーカルレコーディングは6月の頭だったかな。ツアーをやりながら生まれた気持ちを歌詞にしたので、今回の曲には新しい気持ちが書かれています。vistlipっていうバンドをやる中で、今まで形成されてきた智という人間の感情が分厚いメッキになっていた部分があるんです。それを『LAYOUT』で全部はがして、これが自分ですと素直に提示することが大事なんじゃないかと思って。それは、俺がなりたかったヴォーカルの姿でもあるんですよ。

――今は理想のヴォーカル像に近づけたと実感していますか?

智:うん。その道を歩いて行っていると思いますね。

◆新たな1年目の始まりと本来の自分のスタイル(Yuh)

――今回はタイトルと収録曲が異なるという異色の作品ですね。以前、智さんが『Recipe』のインタビューで「シングルにまるでアルバムかのような意味を持たせることに俺を含めメンバーは賛同しなくて。頭曲は頭曲であってほしい。」と言っていたので、とても意外でした。

智:これも心境の変化だと思います。今回の『OVERTURE』というタイトルは、自分たちが一番打ち出したい、新しい自分たちでやっていくよという意思表示だったり、8周年のタイトル(vistlip 8th Anniversary Live [OVERTURE])とリンクしたりしていて、すごくぴったりだった。その気持ちの中に「MONOGRAM」と「BABEL」という2曲が入っているんです。

Yuh:本当は両A面で行きたいくらいだったんですよ。物理的に難しくて、今回は1曲ずつ入れる形式になっているだけで、決して「BABEL」はカップリングではないんです。

智:なので『OVERTURE』という総括したタイトルをつけることで2曲とも押し出せるんじゃないかと。今回の作品は、本来であれば全タイプに2曲入っているべきものだと思うので、「MONOGRAM」のみ収録されているLIMITED EDITIONとvisterはちょっと残念な形ではありますけど、必ず2曲とも心にしみこませてほしいですね。

――『OVERTURE』の中に「MONOGRAM」「BABEL」が内包されているんですね。それにしても“序曲”を意味する『OVERTURE』というタイトルを見て、何か心境の変化があったのかなと思ったのですが。

智:このタイトルは本当に単純に受け取ってほしいんです。7周年で気持ちを切り変えてアルバム『LAYOUT』を出して、ツアーが終わって、本当に今自分たちがどうなりたいかを俺たち自身が再確認した。その序曲としてこの2曲をファンに届けたいという意味合いと、8周年のスタートという意味合いでつけたタイトルなので。でも、輝かしい未来があるんだっていう自信と強さを、全て詰めたタイトルだと思います。

――そんな『OVERTURE』の1曲である「MONOGRAM」はYuhさん作曲ですが、どういうイメージで作りましたか?

Yuh:会社の会議で四つ打ち感のある曲、という話題が出たんです。あと智と話している時に、3マンライブ(8月13日からスタートするダウト、vistlip、R指定による「JAPANIZM MARKET’15」)、4マンライブ(9月9日からスタートする己龍、BugLug、vistlip、R指定「均整を乱す抗うは四拍子」)の時にガンガン使える曲がほしいって話になって。それで、昔俺が目指していたストリート感というかミクスチャー感を原点に返って突き詰めて、自分が今まで経験したことを詰め込んで作りました。

――Yuhさんが自分が目指していた音楽のテイストを出したのは、このタイミングだったからこそなんでしょうか。

Yuh:それはありますね。自分がなりたかった像や、やりたかった音楽が、今までなあなあになってきた部分もあったんです。8年目を新たに、という気持ちがあったので、気持ち的には新たな1年目の始まりであるこのタイミングで、本来の自分のスタイルで作ったんだと思います。

智:今回Yuhが持ってきた曲は、俺がYuhとの思い出の中で懐かしさを感じるような曲が多くて、逆にすごく新鮮に感じたんです。すごく気に入って、どの曲を使おうかという感じでした。

Yuh:この曲は最初、「激ロック」のフェスみたいな方向に寄せるのもいいかなと思っていたんです。でも、それはちょっと違うなと。俺らはヴィジュアル系の看板を背負って戦っていきたいから、ヴィジュアル系らしい世界観の歌詞やメロディを提示する必要がある。この曲だったら武器の一つとして戦えるかなと思うようになりました。

智:Yuhの話を聞いていても思うんですけど、ヴィジュアル系って向こうとは違うエモさがあるんですよ。パッと見てわかるエモさが好きな人もいれば、内面的にエモい人もいる。結局は自分たちの色を出して、向こうにはないもので戦っていったら面白いんじゃないかと思うんです。こうやってヴィジュアル系でやってきたからこそ、Yuhの曲を聴いてこういう歌詞を書こうと思ったわけだし。

――なるほど。さらに「Monogram」では〈毒林檎で出来たパイを好きなだけ御食べ〉〈醜いアヒルのコが白鳥にまでなって〉といったメルヘンなワードが出てきますが、そういう言葉だからこそ、毒っぽさも際立ちますね。

智:自然と出てきた言葉なんですけど、元々の自分のスタイルでもあるし、そこが持ち味なのかなと思いますね。さっき言った懐かしさがあったっていうのはそういうところにもつながっていて、昔の自分の感覚で書いていきたいと思ったのでこんな形になりました。

Tohya:自分は今回、特に新しいことはせず、好き勝手に叩かせてもらいました。この曲はすごくライブを意識しているので、ちょうどツアーの時期だったこともあって、自分がライブで叩いた時にいかにカッコよく見せられるかを意識しましたね。パフォーマンス込みでフレーズを入れたりして。なので早くライブでやりたいです。もう1曲の「BABEL」は、カップリングではないんですけど、いかにもなシングル曲とは違う、ゆっくりした曲を作ろうと思って。さっきYuhが言っていた会社の会議で「アゲアゲな夏っぽい曲を」みたいな話が出たりもしたんですけどね。

Yuh:キラーチューンね。

Tohya:そうそう(笑)。でもやっぱり俺らしい曲を作ろうと思って。今まで作った曲が似たり寄ったりな部分もあったから、テイストの違う曲を作ってみようと思ったのがきっかけなんです。

智:ちなみに、この曲の歌詞はライブのMCで伝えてきたことを書いたラブソングです。重たい恋愛を書きたくて。うちは男性ファンも、女性みたいに俺たちにすごく恋してくれているんですよ。これから俺たちが夢をかなえるために、未来を目指すために、夢に手を届かせるために、男女問わずファンの力が必要なので、今回は2曲とも共通して呪いのような、洗脳のような歌詞になりました。お互いの気持ちをガッチリ確かめることが大事だし、そこを固めないと何もかなえられないと思うので、素直に受け取ってもらえたら嬉しいです。

◆ただひたすらに輝きを求めて突き進む(Tohya)

――どちらの曲も8周年の幕開けにふさわしいですね。2曲ではありますが、「ガッツリvistlipを聴いた!」という気持ちになる濃厚さでした。

智:確かに、この2曲は重たいんです。すごくガツンとくる曲を入れられたと思います。MVも「MONOGRAM」に合ったロックしているエモい作品になりましたし、アングラ感がある。やりたいことやってます!っていうのが映像からも伝わってくるんじゃないかな。

Tohya:結構みんな激しく動いてるよね。

智:そうだね。演奏しているシーンだけでも十分じゃないかってくらいカッコよく撮れていたんですけど、それはみんなのパフォーマンスだったり、一人ひとりが絵になるからだと思います。ファンの子たちも気に入ってくれるんじゃないかな。あ、「BABEL」も一人でビデオは撮ったんですよ。さらっと。

――それはぜひ見たいですね。

智:俺のファンしか喜びませんけどね。あ、俺の周りにメンバーの写真でも浮かべとく?

Tohya:それヤベーな(笑)。

――公開を楽しみにしています(笑)。さて、7周年が終わり、いよいよ8周年の幕開けですね。

智:7周年は早かったですね。急に忙しくなって…1日が早すぎる。本気ってこういうことなんだろうなと日々感謝をしながら暮らしています。

Yuh:ライブで忙しいというのは当たり前だけど、ライブ以外でも忙しい時期が来たね。

――8周年はどんな1年になるか、未来予想図はありますか?

智:確実に飛躍するだろうと思っています。8周年はファンと俺たちが同じところを見る作業を固めつつ、露出がどんどん増えていくと思うので、vistlipに触れてもらって知ってもらえたらなと。3マンも4マンも、いろんな面でトータルして考えると必ず飛躍できるだろうと思うし、それも踏まえて臨んで…そうこうしているうちに1年終わっちゃうのかな(笑)。8周年はそれに尽きますね。

Yuh:俺は8周年をないがしろにする気はないけど、もっと長いスパンで考えていることがあるので、その目標に向けての足掛かりになる年になると思います。その目標に向けて必死に頑張りたい年ですね。

Tohya:僕はただひたすらに輝きを求めて突き進みます。というわけで、最後はこの言葉で締めたいと思います。シャイニング!!

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

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<プロフィール>

智(Vo)、Yuh(G)、海(G)、瑠伊(B)、Tohya(Dr)の5人からなるロックバンド。2008年4月、ミニアルバム『Revolver』でデビュー。2014年4月にリリースしたシングル『Period』では初のオリコンチャート9位を獲得。2015年3月、アルバム『LAYOUT』をリリース。7月7日に8周年記念ライブ「vistlip 8th Anniversary Live [OVERTURE]」をZepp Tokyoで行った。8月13日からダウト、vistlip、R指定による3マンライブツアー「JAPANIZM MARKET’15」を、9月9日から己龍、BugLug、vistlip、R指定による4マンライブツアー「均整を乱す抗うは四拍子」をスタートさせる。12月18日には国立代々木競技場第二体育館でワンマンライブ「Right side LAYOUT[SENSE]」が決定している。


■オフィシャルサイト
http://www.vistlip.com


【CDデータ】

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『OVERTURE』
2015年8月5日発売
(発売元:マーベラス/販売元:ソニー・ミュージックマーケティング)
2015年7月7日に結成8周年を迎えたvistlipが放つシングル。フェスやライブを大いに盛り上げる最強のキラーチューンが誕生!


【収録曲】
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01. MONOGRAM

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ROUGH the vistlip『釣り大好きvistlip』

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「REM SLEEP」music video(original ver.+deregulation ver.)+making

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