インタビュー

K

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新宿ReNYでの1stワンマンライブを成功させ、大きな一歩を踏み出したK。
彼がそこで得たもの、そしてこれから進む道とは――

今年8月19日、新宿ReNYでソロアーティストとしての1stワンマンライブ『Rebirth of the Kingdom』を行い、会場限定シングル『Rebirth』をリリースしたK。あの夜、個性豊かな五人のサポートメンバーたちと共にステージに立ち、実に熱く、愛に溢れたライブを展開したことは記憶に新しい。次なるライブも続々と発表され、ヴォーカリスト兼ギタリスト、コンポーザーとして本格的に動き出した彼に、あの日のこと、未来への思い、そして1stライブを経た今だからこそ見えてきた課題を聞いたアフターインタビューをお届けする。

◆反省点はたくさんあるけど、悔いは一つもない

――まずは、あの日を振り返って率直な気持ちを聞かせてください。

K:ステージでも言ったんですけど、大変だったけど楽しかったというのがデカいです。今は全ての肩の荷が降りた思いですね。あの短期間で、よくこういうライブがやれたなと思うんです。曲を書いて、歌詞を書いて、メンバーをそろえて…本当に、やれるだけのことをやったなと。

――セットリストに並んだ11曲の新曲を、あの短期間で完成させたのには驚きました。

K:性格的に、早め早めにやるタイプなので、この日までに曲を書いておかないと、と思いながら書きました。ちなみにセットリストの原案は、ライブの1ヶ月以上前に作ってメンバーに送っていたんですよ(笑)。結果的に最初のセットリストから大きく変わることなく、思い描いていたライブ像を突っ走った感じです。

――リハは順調でしたか?

K:最後のリハがライブの6日ぐらい前で、3~4日前には完パケして作業は全部終わっていたんです。バンドの時は最後のリハで「こういうのをやりたい」って言われたり、出番直前にセットリストが変わったりしたんですけど、そういうのもロックだし、それがバンドの楽しさの一つだと思ってやってきたんです。でも今回、俺は根本的に、こういう風にやりたいんだということがわかりました。「後はなるようにしかならない」と言えるところまで持って行けた。だからこそライブは楽しさしかなかったです。もちろん、ヴォーカリストに転向してわずかな期間でステージに上がったから、反省点はたくさんあるんですけど、悔いは一つもないんですよ。あの日のライブは、ライブをやる前にもう決まっていたというか、勝負する前に決まっていた気がします。

――ライブ当日までで印象に残っていることはありますか?

K:リハで色々勉強になることがありました。例えば曲が終わった後に、ジャーンと鳴らすじゃないですか。そうするとSORA(Dr/DEZERT)が「K兄、これは何のためのジャーンなの?」って言うんですよ。ヴォーカルの俺としては「曲が終わったから」としか言えないんですけど、楽器隊は違うんですよね。音に魂を込めているし、その一発に命をかける勢いでやっているんです。よく考えると俺も前にそういうことをすごく言っていたなと思って。「これは何のための一発なの?」とか「フレーズに気持ちがないなら、ないほうがいい」とか、意味のない演奏をするぐらいだったら意味のある一発を誰かが鳴らしたほうがいいんじゃないか、ということをすごく言っていたんです。

――立場が変わったことで楽器陣とは異なる視点も出てきたんですね。

K:そうですね。その時はSORAに「ここはバスッと止めたほうが良くないですか」と言われて、実際やってみたらカッコ良かったんですよ。なのでその案でいくことになったんですけど、全員それぐらい音に気を張っているメンバーだからこそあのサウンドが作れましたね。Cazqui(G/NOCTURNAL BLOODLUST)も本当に頑張ってくれました。直前までヨーロッパツアーに行っていて、初めてのスタジオに入るまでに二日ぐらいしかなかったんです。そこから、ちゃんと形にしてくれたのは、さすがだなと。だからこそ、そんなメンツを背負ってステージに立つというのは、自分にとって良いプレッシャーでした。

――メンバーとはどんな風に向き合ったんですか?

K:今回、リハが終わるごとに一人一人としっかり連絡を取ることを心がけました。バンドをやっていたからこそわかるんですけど、ストレスを溜めてほしくなかったんですよ。ラフに連絡して、リハで何か思うことはあるかを聞いて。そうすると、やっぱりみんなからいろいろ意見が出てくるんですよね。だから俺は、その全てを叶えてあげようと思ったんです。

――サポートメンバーの皆さんにとって、とても良い環境だと思います。それは、もしかするとKさん自身がこれまで不足していると思っていたことを補っているのかもしれませんね。

K:そうかもしれないですね。考えてやっているわけではなかったんですけど、今思うと色々やっていたなと思います。セットリストを超早めに送るとか、ライブをオンタイムにスタートさせるとかね(笑)。

◆全てひっくるめて、本当にすごい化学反応が起こった日

――万全の態勢で挑んだライブ当日、緊張はありましたか?

K:いや、ドキドキしていたというより、ワクワクしていましたね。正直ライブなんてどうなるかわからないじゃないですか。例えば機材が壊れたり、何かあって自分のテンションが乱れたりするかもしれない。前のインタビューでは「とんでもなく緊張していて、正直、不安や恐さはすごくあります」って言いましたけど、ライブ前の時点でやれるだけやったって思えたから緊張はなかったです。

――あの日の最初のMCで、フロアにいるファンの方々に「そんなに心配そうな顔をするなよ」と言っていましたが、皆さんそんなに心配そうな顔をしていたんですか?

K:あのときの空気はそんな感じでしたね。面白かったです(笑)。

――アンコールのMCもCazquiさん(G)とSORAさん(Dr)のトークもあって、大盛り上がりでしたね。

K:あれは素直に嬉しかったです。こいつら楽しそうだなと思って。皆よく喋っているなと(笑)。

――そこは想定外だったんですか。

K:想定外でした。むしろメンバー紹介はもっとサクッとやってhideさんの曲に行くつもりだったんです(笑)。でも、アンコールのMC後にSORAがあのギター(hideモデルのモッキンバード)やhideさんのぬいぐるみを持ってきて、ああいう展開にしてくれた。それが俺らの関係性の中では熱かったですね。「お前が大好きなギターで俺が弾いていいのか!」っていう。

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――サポートの方が、ああいうことをする展開は珍しいですよね。あくまでもサポート、という立ち位置であれば、そこまでする必要はないわけですし。

K:そうなんです。だからこそ、あの場面は本当にすごかったんですよ。実は、SORAに最初に叩いてくれって話をしたときに、絶対にフルセットで出させてくれって言われたんです。SORAが使っているドラムセットは、D’ERLANGERのTETSUさんからもらったものなんですよ。hideさんの曲をやるなら、ぜひTETSUさんのセットで叩かせてくれと言われて。だから、俺がモッキンバードで、SORAがTETSUさんのドラムでやれたということは、ある意味サーベルタイガー(1981年にhideが結成したバンド。D’ERLANGERのKYO、TETSUが在籍していた)を彷彿とさせると言うか。これは、ファンの子たちにどこまで伝わるかはわからないですけど、俺らの中ではすごく熱いことだったんです。

――ドラマのあった夜だったんですね。

K:全てひっくるめて、本当にすごい化学反応が起こった日でもあったし、素晴らしい日でした。もう胸を張って言えます。あとはみんなから「打ち上げをいつやるんだ」って煽られているので、それだけですね。あの日はそれぞれ事情があったので後日ということになったんですけど、皆忙しいので集まるのが大変です(笑)。

――打ち上げが終わって、みんなを家に帰すまでがKさんの仕事なんですね。

K:そうです、安全にね(笑)。

◆BORNが好きだからやっている

――あの日は、BORNの「MAD whistle」「Rotten cherry」「ケミカルロマンス」もセットリストに組み込まれていました。個人的に「ケミカルロマンス」で、もう一度あの景色が観られたことがとても嬉しかったです。

K:そうですよね。俺も自分がファンの立場だったときにそう思ったことがあります。この話題は色んな考え方があると思うんだけど、俺は自分というアーティストが成長した過去の場所を忘れるつもりはないんですよね。

――ソロでありつつ、しっかりBORNの遺伝子を残しているんですね。

K:正に遺伝子という言葉が合っていると思います。きっと、ファンの子たちにとって俺が思っている以上にBORNというバンドは大きな存在だったんだと思うんです。でも、その逆ももちろんあって、皆が思っている以上に俺の中でもデカいんですよ。だからそこに関しては、皆と同じで俺も人間なのですぐには切り替えられないと思うんです。頭でわかっていても体や心は別なので。でも今は初ライブをやって、気持ちの整理もできて、ここからはKとしてのスタートを新たに切った気持ちでいます。

――真っ直ぐな姿勢で自分にもメンバーにもファンにも向き合っているということがよくわかりました。ライブの後、ベースの美央さんがTwitterで、「彼の音楽やファンに対する真っすぐで偽りのない姿に我々も突き動かされている一人なんだろうな」とツイートしていたのもそれ故かもしれませんね。

K:本当にやりたいことをやっているだけだし、そこでファンの子のことを考えているというだけなんですけどね。曲げられないんですよ。

――あの日は事務所の先輩であるthe GazettEの面々も来ていて、REITAさんは「話してて思うけど俺とアイツはすげぇ性格が似てるんだ」とツイートしていましたね。

K:俺が元々ベーシストだったというのもあるんですけど、REITAさんと色々似ているんですよ。A型で几帳面で真面目。誕生日も1日違いで、お互いメンバーから言われていることも似ているし、いきなりROCKなスイッチが入ったり優しかったり(笑)…。本当に似すぎていて、共通していない部分を探すほうが大変なんです(笑)。

◆どうせやるんだったら2段3段上よりも100段ぐらい上を見ていたほうがいい

――たくさんの人に見守られての1stライブで、ソロとして良いスタートを切りましたね。

K:本当に自信がつきました。あの日、ステージに立って感じた空気の心地よさというか。それぞれが鳴らしている音や叩き出している音もそうなんですけど、そこで違う方向を向いていたメンバーがいたら、何か引っ掛かったと思うんです。でもそこは何一つ問題がなくできました。ただ、ここからは「よくやれた」なんて言っていていい世界ではないことは自分でもよくわかっているので、あとはクオリティを上げて、もっともっと上を目指したいなと思います。何をもって上と言うかというとまた難しいし、その答えはこれからわかってくるのかもしれないんですけど、今回のライブを経て、俺がこれからもっともっとやっていかないとな、という反省が残りました。

――具体的に見えた課題はありましたか?

K:当たり前のことですけど、歌ですね。あんな風にゼーハーゼーハー言いながら歌うことなんてこれまでなかったですからね。それでもライブ前にやれることはやろうと思って、ボイトレも行ったんです。でもロックバンドって本当に特殊だなと痛感しました。カラオケって、綺麗なチューニングで綺麗にトラックになっているものが流れるから普通に歌えるんですよ。でもバンドはそうじゃない。スタジオでまずビックリしたのが音量でしたからね。しかもチューニングもヨレるから、もうどこを歌っているのかよくわからなくなるんです(笑)。まさに戦場です。

――思った以上に過酷な環境なんですね。

K:そういう音楽を作っている俺も俺なんですけどね(笑)。だから、歌も練習していて楽しいなと思えるようになってきているので、習得して上手くなったらカッコいい自分をライブに来てくれるみんなに見せられるんじゃないかと思います。今は経験不足と実力不足を思い知っていますけど、凹んではいなくて、むしろこれからも頑張って楽しくやりたいなという心境です。

――ダメだったと凹むよりも練習、という発想がKさんらしいです。

K:そこは前回のインタビューで言ったことと全く変わっていなくて、ダメだったと思い知ってからが勝負だなと。だから嫌でも経験しないといけないと思うんです。だって、スタジオでずっと歌っていても、いくらボイトレで教えてもらっても、実際にライブをやらなきゃわからないじゃないですか。自分が1発殴られるの覚悟で、ステージをしっかりやることが大事なんですよ。楽器も歌も同じで、1発くらって、またライブがたくさんあって、どんなに気を付けていても、前日、前々日に風邪をひいて、コンディションが悪い中でステージをやらないといけないときもあると思う。でもそんなことを考えるよりも、日々練習しようと思うんですよね。

――前向きな発言を聞いて、次のライブが待ち遠しいです。9月29日にはALL_CALLのライブ(PS COMPANY PRESENTS『929 Peace & Smile Session 3MAN』@高田馬場AREA)、10月23日にはギタリストとして『明鏡止水vol.26ハロウィンII』に、24日にはSoanプロジェクトpresents「birth-14年目の思想と趣向-」に参加しますね。その後は、11月16日に2度目のワンマンライブ『-The raging party- & Mio birthday』が渋谷REXで、12月23日には3度目のワンマンライブ『-RIOT TO DREAM-』が高田馬場AREAで行われます。『-RIOT TO DREAM-』とは、Kさんの今後を象徴するようなタイトルですね。

K:意味はそのまま「夢への暴動」で、これから先の夢に向かうためのライブです。来年はデカいことをやりたいなと思っているんですよ。どうせやるんだったら2段3段上よりも100段ぐらい上を見ていたほうがいいし、そっちのほうが絶対に面白いだろうなと思うので。

――そのあたりにKさんのロックを感じます。

K:よく言われるんですよ。1stライブをReNYでやると言ったときもそうでした。BORNがZepp DiverCityで解散ライブをやって、ソロの1stライブでReNYをやると言ったら「お前すごいよね。よくそこにしたね」って言われて。そのROCKさと同じぐらい心配性なんですけどね(笑)。

――ご自分のこれからをどんなふうに見ていますか?

K:いいことばかりじゃなくて、ダメなときももちろんあると思う。でも、「いつか来るかもな」と思っているから、いろんな意味で覚悟ができているんだと思います。

――今現在の率直な思いと課題を聞いて、今後がますます楽しみになりました。

K:これからまた面白いことができそうだなと思っているんですよ。今も構想が色々あるので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

K

<プロフィール>

BORNのギタリストとして活動し、今年5月26日のZepp DiverCity公演をもって解散。その晩、いち早くソロ活動のスタートを発表する。ヴォーカリスト兼ギタリスト、コンポーザーとしての活動を展開し、8月19日には新宿ReNY でPS COMPANY PRESENTS K 1st ONEMAN LIVE『Rebirth of the Kingdom』を開催。当日は初の音源となる会場限定シングル『Rebirth』がリリースされた。

■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/k/

【CDデータ】

Rebirth
2016年8月19日(金)発売

Rebirth
PSKK-0001
¥2,000(税込)

【収録曲】

01. Rebirth
02. Lily
03. Screaming for~
04.「affect」

【ライブ情報】

●PS COMPANY PRESENTS『明鏡止水vol.26ハロウィンII』
10月23日(日) 高田馬場AREA
[出演]the LOTUS/シュヴァルツカイン/IGGY/怪盗少年/iNSOMNiA/LAGLESS/Special Session Band「ハロウィンズ」
ハロウィンズ:Hitomi(Vo/ex.Moran)/K (G/ex.BORN)/Ryuto(G/the LOTUS)/NAOKI(B/FANTASISTA)/Aki(Dr/Lc5)

●PS COMPANY PRESENTS『929 Peace & Smile Session 3MAN』
9月29日(木) 高田馬場AREA
[出演]
NAOKI [Vo:NAOKI/G:RENO/B:K/Dr:靖乃]
RENO [G:RENO/G:K/B:NAOKI/Dr.靖乃]
K [Vo&G/K/G:RENO/B:NAOKI/Dr.靖乃]

●Soanプロジェクトpresents「birth-14年目の思想と趣向-」
10月24日(月) 高田馬場AREA

●PS COMPANY PRESENTS K ONEMAN LIVE『-The raging party- & Mio birthday』
11月16日(水) 渋谷REX

●PS COMPANY PRESENTS K ONEMAN LIVE『-RIOT TO DREAM-』
12月23日(金・祝) 高田馬場AREA

【BORN DVDリリース情報】

BORN 8th ANNIVERSARY SPECIAL ONEMAN LIVE【SUPER BLACK MARKET】Zepp DiverCity
2016年8月22日(月)発売

BORN 8th ANNIVERSARY SPECIAL ONEMAN LIVE【SUPER BLACK MARKET】Zepp DiverCity
PSBO-0128
¥9,000(税抜)

【収録曲】

01. Extremely waltz
02. Vermin’s cry
03. more Deep
04. 鴉
05. Rotten cherry
06. モザイク
07. 剥愛のスローモーション
08. FACE
09. foxy foxy
10. BECAUSE
11. 愚弄
12. THE STALIN
13. RED DESIRE
14. Criminal Berry
15. Son Of A Bitch
16. GOD COLLAPSE
17. BLASTED ANIMALS
18. felony
19. BREAKTHROUGH
20. DIRTY STACKER
21. DEMONS

EN1
22. THE ANTHEM
23. オルタナ
24. 乱刺℃
25. SATISFACTION?
26. 春煌花 -SAKURA-
27. Deep Affection
28. Recall the mind
29. SUICIDAL MARKET~Doze of Hope

EN2
30. ProudiA
31. MOTHER
32. Devilish of the PUNK
33. with hate
34. MAD whistle
35. 黒蟻
36. SKIN
37. 殉恋歌
38. [B.D.M]
39. -&-
40. RADICAL HYSTERIA
41. ケミカルロマンス

[販売期間]
2016年5月27日(金)12:00〜2016年9月26日(月)23:59、PS COMPANY OFFICIAL ONLINE SHOP(http://psshop.jp/ PC・スマホ共通)にて販売!