インタビュー

BLUEVINE

2019.5.13 Interview

――BLUEVINEとして3人が初めて表舞台に立った今年1月のイベントから約4ヵ月が経ちました。

生熊:あの時のインタビューの公開タイミングが遅くなってしまったのは、ファンの皆さんごめんなさい。色々と考えて、どのタイミングで出してもらうか悩んだ結果、今回の形になりました。

――あのイベントで3人のキャラクター、関係性が垣間見えたところがありましたよね。

赤松:俺の場合は、今までほとんど年上の人としかやったことがなかったので、後輩気質が抜けないんですよね(笑)。生熊は同級生、AKIちゃんは後輩に当たるんですけど、どっちも先輩みたいな感じで接しているというか(笑)。

――後輩に弄られる先輩になっていましたよね(笑)。

赤松:そうじゃないと、むしろやりにくい(笑)。

AKI:僕もどこに行っても変わらないので。

赤松:そうやな(笑)。多分、僕らというより、ファンの子がそれを望んでいるんじゃないかなって。その関係性を楽しんでいる感じもあるというか。「そうそう、その感じでいてください」っていう空気を感じますね。だから、間に受けて「AKIちゃん、先輩に対してその態度はないんじゃないですか?」って言うのはやめてほしいな(笑)。逆に俺がやりにくくなるから(笑)。

AKI:そうですね。先輩のブランディングを潰さないように。

全員:(笑)

赤松:でも本当に、それぞれが培ったキャラをそのままBLUEVINEに持ってきただけなので、いたって普通ですよ。まぁまぁ、こういうポジションになるだろうなと。

――生熊さんとAKIさんはサシ飲みしたそうですが、距離は縮まりましたか?

生熊:結構サシ飲みしているんですよ。元々、距離は感じてないですけど(笑)。飲んで話すことって、シラフで話していることプラスアルファみたいなものなので、音楽的な話をするし、バンドの方向性やイメージをより深く話すくらいですね。ただ、それを飛び越えるところまで行くには、ウィスキー2~3本空けないとダメですね(笑)。

――大分ですね(笑)。AKIさんって、崩れることはあるんですか?

AKI:それはまぁ人間ですからありますけど、耕治さんとご一緒させていただいても、お酒の力を借りないと言えないことは特にないですね。裏表なく生きているつもりではあります。

生熊:そうやな。まぁ、美味しいご飯とか飲みに行くとか、大事だけどね。

◆セッション感覚でやったほうが楽しいバンドなんだなということに気付いた(赤松芳朋)

――2月11日の始動ライブ、4月12日の初主催イベントを経て、演奏面やお客さんの反応だったり、ライブでやってみて見えたことはありますか?

生熊:お客さんの立場で言うと、知っている曲が1曲しかない1stライブだったわけですけど、盛り上がってくれていたと思います。ライブ慣れしている方が多いのかなというのはあるんですけど、楽しもうという気持ちが観に来てくれた方から全面的に出ていて。それが最初のインパクトでしたね。もちろん、反省点は山ほどあるんですけど、それよりもやっとライブができたという楽しさのほうが大きかったです。

AKI:それぞれの曲のキャラ立ちと言いますか、各曲が明確な色を持って独り立ちし始めているなと感じますね。バラエティーに富んだ楽曲、それでいて一本筋が通っていると思うんです。なので、その曲毎にいろんなシーンを見せられていて、それに対して、もちろんオーディエンスの皆の好き嫌いはあると思います。

――始動ライブの1曲目「モーニングスター」で、遂に始まったなという感じがすごくありましたよね。

生熊:そうですね。ベースはトラブったけど(笑)。それはそれで俺ららしいかなとも思うし、そういうハプニングも引っくるめて、結局ライブって面白いんですよね。もちろんハプニングは最小限にしたいし、そうするための努力はするんですけど、それでも起きてしまうのがライブですよね。そこをどう楽しむのかという。だからあの時も、アンコールでもう1回「モーニングスター」ができるわと思いましたから(笑)。

――4月のライブでは、生熊さんのギターの弦が切れるというハプニングもありましたね。

生熊:4月は僕がいろんな意味で力み過ぎましたね。BLUEVINEとして初めての対バンで、ジャンルレスで挑んでみようというのがテーマだったんですけど、それでも対バンって良くも悪くも競う相手なので、すごく刺激になって、自分自身はちょっと力んでしまったところがありました。僕、ピッキングや声に如実に出てしまうので、その辺は40歳を超えてもまだまだお子様やなと、学ぶべきところだなと思いました。

――あの時は、ノリ的にも生熊さんがこれまで以上にオラオラだったので、ちょっと驚きました。

生熊:模索している最中というのもあるんですけど、対バン相手がいる状況の中で、ギターヴォーカルとしてBLUEVINEのセンターに立つ以上、確固たるアイデンティティーを持たなきゃいけないという気持ちが、より強くなっていたのかもしれないですね。その辺はBLUEVINEが始まってから、ものすごく意識しています。ギタリストとしての僕というのは出来上がっていたけど、バンドのヴォーカルは初めてなので、同じくらい時間が掛かるかもしれないし、ものすごいスピード感で自分のギターヴォーカル像が確立されるかもしれない…そこはわからないですね。

――AKIさんは2回ライブをやってみて、特に印象に残っている楽曲は?

AKI:「JEWEL」という音源になっていない曲を1stライブの本編最後のほうで演ったんですけど、ショートMCの後、音が入っていった時の会場にスイッチが入ったような感覚…例えばフェスとか、壁すらないような場所でこういう楽曲を演奏できたらいいなというイメージが湧きました。なので、その瞬間が一番印象に残っていますね。

――確かに、あの曲はとても印象深かったです。

AKI:歌もまだ始まってない、演奏が始まった瞬間に、その景色がふと見えたような…まぁ幻覚なんですけど。でも、僕は間違いなくそういうイメージが浮かんだわけで、オーディエンスの子たちの中にも、もしかしたら何人か同じようなイメージを持ってくれているかもしれないと思うと、アーティスト冥利に尽きますね。

――早く音源化してほしいです(笑)。

赤松:ですよね(笑)。

生熊:これ、最後にできたんだっけ?

AKI:そうですね。今ある楽曲の中では一番新しいものです。

――公開インタビューの時に、赤松さんが「Made in Blue」に関して「この曲はややこしい。ドラムは結構大変ですよ。不安になってきたわ」と言っていましたが、実際演奏してみていかがでしたか?

赤松:研修期間みたいな感じで、生熊が好きなリズム、テンポとかを探り探りライブの中で確かめていっていて。リハで決めたことはやるけど、リハでやっていなかったことを本番でやって、生熊の反応を見てニタッとしたら、「あ、これはOKなんやな」というところで、結構自由にしていいんだなと。セッション感覚でやったほうが楽しいバンドなんだなということに気付きました。ドラム的には、これからもっと進化していくんじゃないかなと思いますね。

◆自分のロックスタイルに対して偽りがないのかを見直したい(生熊耕治)

――5月31日の渋谷Star Loungeから東名阪で主催イベントが行われます。4月の主催イベントから「Fuckin’ Fake Rock」というタイトルが冠されていますが、このタイトルにした意図というのは?

生熊:僕自身、ロックミュージシャンとして40代のふるいに掛けられて生き残ったわけですけど、次は50代のふるいがある。今までに辞めていった仲間たちもいるし、復活した人もいるんですけど、もう一度改めて、自分のロックスタイルに対して偽りがないのかを見直したいなという時期で。バンドが組めたこと、ここまで行きたいという大きな目標を立てて、より自分のフェイクな部分を見つけるというか、ぶっ壊していきたいなという気持ちがあって。それを掲げてツアーを回りたいなと。だから、これは第三者に向けた言葉ではないです。僕自身に向けて言っていて、自分のフェイクな部分と戦っていきたいなという。

――なるほど。今後もBLUEVINE主催で対バンイベントを組む時は、このタイトルが続いていくことになるのでしょうか?

生熊:んー、断られるかもしれない。「うち、フェイクじゃないし!」って(笑)。4月の対バンだったJin-Machineのヴォーカルさんは「じゃあ僕、フェイク担当で」って言っていて(笑)。そういうふうに面白がってくれる人もいますけどね(笑)。まぁ、今後変えることもあるかもしれないですね。これはこれで、スタートラインの大事なイベント名なので、周年のイベントとかだったら使ってもいいかなとも思います。

――ひとまずは、今回の東名阪が一つの区切りになるのかもしれないですね。

生熊:そうかもしれないですね。

――3月に配信された6曲以外に未音源化曲が5曲あって、現在の持ち曲数が11曲になりますが、東名阪ツアーに向けてさらに増やす予定はあるのでしょうか?

生熊:一応セットリストは作ったんですけど、意気込み的には増やしたいよね。

AKI:僕個人としては、この11曲をもう一度見つめ直す時期でもいいのかなと。音源にしている楽曲に関してはいじらなくていいかなと思うけど、それ以外は、音源になっていないことを逆手に取って、ガラッとアレンジを変えたりしてもいいのかなと思っていて。それこそ新曲を作るくらいの勢いの曲があってもいいのかなと。でも、まだこの楽曲たちでライブを2本しかやっていないから、新しいものを足すというよりも、それぞれを精査するというか、もっと詰められるところはあるんじゃないかなと感じています。ベストな形になった時に音源にしてもいいのかなと思っていて。

赤松:そうやね。そうしたら、お客さんと一緒に作り上げた感が出て良いなと思います。

AKI:全く逆の考え方もできるので、全部違う曲でやるのも面白いなと思う自分もいます。「え、あの曲もうやらないんだ?」くらいの。

生熊:そういうのもカッコいいな。

AKI:捉えようによっては、1回1回のライブをすごく大事にしていることにもなると思うので。だから、新しい曲を入れることに対して、別に制限するつもりはないです。ライブをやる毎に必要なピースは見えてくるので足してもいいけど、皆勤賞のオーディエンスの子でも、まだ2回しか聴いていないですからね。

全員:(笑)

生熊:しかも、4月でやっていない曲もあるから、曲によっては1回しか聴いていないものもあるという(笑)。

AKI:なので、新しい曲をやるよりは前者のほうかなと。

赤松:お客さんとしても、曲を覚えて参加したいという気持ちもあるだろうし。

AKI:あと、僕はライブハウスで聴くのが一番だと思っているんですけど、それを自宅で聴くとイメージが変わったりもするし、ドライブ中、通勤中、やっぱりシーンによって曲の感じ方って変わると思うので、とにかく今ある曲を早くパッケージすることですよね。そのためには、ライブをして育てなきゃいけないから、たくさんライブをする。そんな時期かなと思います。

生熊:まぁ、僕の場合はスイッチが入ったらすぐなので。今はインプットの時期というか。やっぱりアウトプットばかりしていると枯れてくるので、ライブでいろんなものを吸収させてもらって、いろんなことを感じさせていただいてからかな。もう感じていることは色々とあるので、書けるっちゃ書けるんですけど、テーマが偏りたくないんですよね。

――同じ時期に書くと、テーマが似通ったりしますか?

生熊:そうなんですよ。例えば、未音源化曲の「CRYWOLF」と「SHEEPLE」は続けて書いたんですけど、c/wだったりアンサーソングみたいな関係のものにしようと思ったんです。もし今シングルを出すとなったら、この2曲を抱き合わせシングルみたいな形で、兄弟みたいな感覚で作ったというか。どちらの曲にも狼と羊が出てくるんですよ。それと、AKIちゃんにも曲(「シンメトリア」)を書いてもらったので、それも面白かったですね。人が書いた曲に歌詞を書くのは、歌詞コンペ以来だったので、めっちゃ久々でした。一番時間が掛かったかもしれないです。1回メンバーに提出してから、さらに書き直したくらいなので。

◆生きてきた匂いは絶対に消えない(AKI)

――配信後のファンの皆さんの反応で言うと、どの曲が人気が高そうですか?

生熊:「SIGNAL」かなぁ。4月のライブの時に「SIGNAL」終わりでシーンとしていて、「何か言えや」って俺怒ったでしょ(笑)? あれはやっぱりお客さんは聴き入っていたんだねと、後で赤松と話していました。

赤松:次の曲を待っていた感もあったと思うよね。

生熊:世界観を俺の一声で打ち破ってしまって申し訳なかったです。

――沈黙の時間もありですからね。

生熊:ですよね。関西人だから沈黙が苦手なんですよ(笑)。

赤松:それは弱点や(笑)。

――(笑)。「SIGNAL」は公開インタビューの時に「アルバムの中にある名曲みたいな立ち位置になってくれたら嬉しい」と生熊さんが言っていたので、まさにそうなっているのは嬉しいことですね。

生熊:そうですね。この曲をオカンに聴かせたら、「え、何これ!? 何これ!?」って言っていて、ちょっと笑ってしまったんですよ(笑)。

――それはどういう意味の「何これ」だったんでしょう?

赤松:今までの作品をちゃんと聴いているからやな(笑)。

生熊:そう。その上で「SIGNAL」を聴いて、「めっちゃ綺麗なメロディーなのに、アンタのギターの音が邪魔やわぁ」って言われて(笑)。

全員:(爆笑)

生熊:「オカン、それはな、狙ってんねん」と(笑)。

赤松:オカンも成長していく感じやな(笑)。

生熊:「アンタが今まで作った曲に、こんなギター入れへんかったやんか!」「せやな。歌を大事にして作ってたからな。まぁ俺が歌っているんだから、俺のギターで邪魔してええやん」「そういうことか!」と(笑)。

――お母様すごい(笑)。

生熊:ゴールデンウィーク中にこっちに来ていて、そんな会話をしていました。反応がめっちゃ面白かったですね。ジミヘンを初めて聴かせた犬みたいな感じ(笑)。

赤松:オカンからしたら、刺激が強かったんやろな(笑)。

生熊:「ギターが邪魔なんやったら、アコースティックでやる時に聴きに来い」と言っておきましたけどね。

――それもいいですね。最後に、BLUEVINEとしての今後の展望を教えてください。

生熊:僕らはスリーピースなので、やっぱりスリーピースのバンドたちと絡んでいけたらいいなと思って。バンドで言うと最小限の単位ですけど、3人でしかできないことというのはいっぱいあると思うんです。そういう3人で戦っている人たちと一緒に面白いシーンを作れたらなと。スリーピースばかり集めたライブってあまりないと思うので、そういうものができたらいいなと思いますね。

赤松:とりあえず、ライブはいっぱいやりたいですよね。本数を増やして、お客さんを増やして、早く大きな会場でやりたいですね。

AKI:僕はスッピンでステージに立つということが、BLUEVINEが初めてなんです。そのこと自体が挑戦であって。ヴィジュアル系というものにアイデンティティーを持っている中で、それを捨てる気は全くなくて、自身のソロに戻ればメイクはする。ただ、BLUEVINEという団体の中で、そうじゃない自分を出すことは、もちろん否定的な声もあると思いますけど、自分自身としては挑戦していきたいなと。どこまで行けるんだろうなという感覚でやっているところですね。スッピンでカッコよくなれば、メイクをしたらもっとカッコよくなるでしょ?とも思うし。でも僕って、メイクをしなくても、もうヴィジュアル系じゃないですか。

――確かに(笑)。

AKI:そういう生きてきた匂いって、絶対に消えないと思うんです。その中で、どう発信していこうかな、BLUEVINEのベーシストとして何ができるのかなと考えています。普通のポップスバンドのベーシストとは違うポジショニングを探しているというか。ヴィジュアル系の僕がBLUEVINEにいるからこそ、良いバランス、作用が生まれたというふうになるのが、僕の中でのベストかなと思っています。

生熊:ライブを2本やって思ったのは、僕らはそれぞれキャリアはあっても、バンドとしては生まれたてなので、一歩ずつちゃんと踏んでいくことが大事だなと。もちろん本数はもっとやりたいし、基本的にはジャンルに拘らずにやっていこうと思っているので、僕らがイベントに誘ったら出てもらえると嬉しいですね。そういうことができる環境を作りたいです。そして、やっぱりライブで皆と一緒に暴れたいので、配信された音源もぜひ聴いて来てくれたら嬉しいです。

(文・金多賀歩美)

ARTIST PROFILE

BLUEVINE

<プロフィール>

生熊耕治(Vo&G/cune)、AKI(B/Sadie亜季)、赤松芳朋(Dr/SOPHIA)による新プロジェクト。2018年2月に始動を発表。2019年1月11日、活動の序章となる「BLUEVINE-PROLOGUE-Fan Meeting」と題したイベント(音源の試聴会&公開インタビュー)を、2月11日、六本木VARIT.にて始動ライブ「BLUEVINE ORIGIN OF SPECIES」を開催し、両日共にチケットはソールドアウト。3月28日に全6曲の楽曲配信がスタートし、4月12日には初主催イベントを渋谷Star Loungeで行った。5月31日から東名阪での主催イベント「Fuckin’ Fake Rock」がスタートする。

■オフィシャルサイト
https://www.bluevine-official.com/

【リリース情報】

2019年3月28日(木)配信

<配信楽曲一覧>
モーニングスター
Booby Blood
Made in Blue
PRAYER PRAYER
RETRO
SIGNAL

<主な配信先>
iTunes、amazon music、Spotify、Google Play Music、KKBOX、AWA、LINE Music、mora、レコチョク、music.jp、ドワンゴジェイピー 他

【ライブ情報】

●BLUEVINE presents【Fuckin’ Fake Rock】
5月31日(金)渋谷Star Lounge
出演:BLUEVINE、Flutter Echo、Yeti、RAYJI
6月9日(日)心斎橋CLAPPER
出演:BLUEVINE、Flutter Echo、Yeti、initial’L
6月16日(日)今池GROW
出演:BLUEVINE、Flutter Echo、Yeti

●「蒼き泡と成り」
7月27日(土)吉祥寺SHUFFLE
出演:BLUEVINE、泡