ライブレポート

2018.2.4
生熊耕治@TSUTAYA O-Crest
LIVE HOUSE TOUR 2018「12-Twelve-」

昨年、cuneとしてデビュー15周年、ソロ活動5周年という一つの節目を迎え、9月に1stフルアルバム『12-Twelve-』でソロアーティストとしてもメジャーデビューを果たした生熊耕治。その最新作を引っさげ、11~12月、そして今年1~2月の二度に渡って行われてきた東名阪ツアーのファイナル公演が、2月4日TSUTAYA O-Crestにて開催された。

生熊のギターヴォーカル、そして亜季(B/Sadie、AXESSORY)、赤松芳朋(Dr/SOPHIA、HATAKAE BAND、S.R.O.D)のサポートにより、スリーピースで繰り広げられてきた「12-Twelve-」ツアーだが、この日は都啓一(Key/Rayflower)のゲスト出演と、来場者に未発表音源『Mr.ベンダー』が配布されることが事前にアナウンスされており、いやが上にも期待が高まるものだった。

オーディエンスのハンドクラップが生熊、亜季、赤松の3人を迎え入れ、「東京、盛り上がっていくぜ!」という生熊の第一声からタイトルナンバー「12-Twelve-」でスタートを切ると、続く「Golem」で早くも満場の拳が上がり、フロアのOiコールに「そんなもんじゃ聞こえへんぞ!」と、生熊はさらなる熱狂を求めた。今夜はとてつもない一夜になる、そう確信できる気迫が生熊のプレイ、表情、全てから伝わってきた。

ひとたびMCで和やかな顔に戻ると、アコースティックギターに持ち替え「UNDER WANDER」を披露。ステージが温かなアンバーカラーに染まると、穏やかな生熊の歌声が場内を満たし、「ありがとう」と優しく微笑んだのだった。続いて、1stミニアルバム収録の「Tremolo」、1stシングル「Arpeggio」といった過去曲をプレイした後、スペシャルゲストとして都啓一が登場。生熊の故郷・大阪を歌った「176」を関西出身の4人で奏でると、「関西人は関西人を呼ぶよな。すぐリトル関西を作る(笑)」と場内が笑いに包まれる一幕も。また、「久々やな」「変な感じやな」という会話を交わした都と赤松は、この日が久々の共演という貴重なステージでもあった。

再びスリーピースとなった生熊バンドは、このツアーで育ったという未音源化の新曲「虎の如く」をプレイ。タイトル通りの骨太なロックナンバーで場内を揺らすと、「てめえら人間のクズどもに捧げるぜ!」と最新作中最もハードな「garbage」でこの日一番の熱狂を描いてみせた。さらに「アイオライト」では「忘れられない夜にしようぜ」という生熊の言葉もありながら、オーディエンスとの掛け合いを楽しみ、まさに蜂が飛び回るようなギターの音色が印象的な「QueenBee」に至るまで、怒涛のステージを展開していった。

ここで「ちょっと真面目な話を」と切り出した生熊は、この会場での最初のプレイがcuneのFCイベントだったこと、ソロのスタイルがスタートした1stシングル『Arpeggio』のリリースイベント、真剣に歌に取り組もうと思ったcuneの「And TOUR 2014」など、あらゆる節目がこのO-Crestという場所であったこと、そしてソロ活動で悩み続けた末に、昨年ようやくフルアルバムを完成させられたことに触れ、「今後、“生熊耕治”という名義で3人でステージに立つのを辞めようと思います。この3人で立つ時は、新しいプロジェクトにします」と宣言。「音源も作るし、秋を皮切りに色々と動き出すために今整えているところだから、待っていてくれ」と話したのだった。

そして、「俺は生きるために音楽をやっている。辞めたら死ぬんです。明日を飛ぶために音楽をやっている。だから、一緒に飛ぼうぜ!」という言葉を口火に「トナンの翼」へ。この楽曲は、生熊が先のインタビューにおいて「足りないパーツだったんです。さぁここから飛ぼうよっていう意味のものを曲として持っていなかったので、絶対書きたいと思って」と語っていたものだ。彼が書きたかったものは、彼自身にとって必要なものだったからに違いない。そしてこの先も、あらゆる場面でこの楽曲が彼を導いてくれることだろう。オーディエンスと一体となった〈ラララ〉の合唱で、生熊は笑みを見せた。

本編最後に披露されたのは『12-Twelve-』のラストナンバーであり、今から約11年前、cuneの活動休止直後に生まれた楽曲「FISH」だった。穏やかでありながら、強い信念を持つ“生熊耕治”そのものに思えた。そしてこの曲もまた、オーディエンスの歌声が重なり合い、完成する楽曲だ。生熊の楽曲は、こうしてライブでオーディエンスと共に作り上げる音楽が実に多く存在することに改めて気付かされた。それは、アンコールで姿を現した生熊が何気なく口にした「ただ、みんなで一緒に歌いたいんやなと思った」ということが真理なのだと思う。

そして、再び都を迎え入れ披露されたのは、果てしなく深い愛情が綴られた「Eternally」。元々アコースティックで音源化されている楽曲だが、スリーピースのバンドサウンドに都のキーボードが加わることにより、さらにドラマティックで壮大なバラードナンバーへと昇華した。歌い終えた生熊の口から思わず「最高やー!」という言葉が飛び出したことが、まさにそれを物語っていた。さらに「一緒に歌おうぜ!」と、光溢れる「VEGA」をやはりオーディエンスの歌声と共に繰り広げ、この特別な一夜は幕を下ろしたのだった。

最後にスクリーンに映し出されたのは「生熊耕治 新プロジェクト BLUEVINE 今秋始動」、そして「Life’s but a moment Spread your wings And fly away」――。この“BLUEVINE”という名前に込められた思いは、後々明らかになることだろう。2018年立春、確かな決意を胸に動き出した生熊耕治の新たな門出を祝福すると共に、どこまでもどこまでも高く飛び立とうとしている彼の次なるアクションを、今はただ心から楽しみに待ちたい。

◆セットリスト◆
01. 12-Twelve-
02. Golem
03. NERO
04. ANOMALY
05. UNDER WANDER
06. Tremolo
07. Arpeggio
08. 176
09. 虎の如く
10. garbage
11. アイオライト
12. QueenBee
13. トナンの翼
14. FISH

En
01. Eternally
02. VEGA

(文・金多賀歩美/写真・生熊友博)

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