2017.2.24
Angelo@TOKYO DOME CITY HALL
Angelo LIVE at TOKYO DOME CITY HALL「Category:[memento]」
キリト(Vo)の誕生日当日にあたる2月24日、Angelo LIVE at TOKYO DOME CITY HALL「Category:[memento]」が行われた。近年、恒例行事となっている(今年で6年連続)バースデーライブということもあり、この記念すべき日を祝うべく満員のオーディエンスが詰めかけた。
定刻を迎え、「FAITH」でスタートを切ったこの日のステージは、序盤からメンバー、オーディエンス双方がフルスロットルでその熱をぶつけ合い、様々な場面を経ながら本編18曲を駆け抜けたわけだが、2015~2016年発表の楽曲たちで構成された前半戦の後、最新アルバム『CORD』の1曲目を飾るドラマティックな「Umbilical cord」、続いて2010年発表の「EVE」が久々の披露となった場面は、印象深いものだった。キリトの発する歌声は、強さと優しさの両方を持ち合わせている。彼自身がそうであるように。しかもそれは、強さゆえの優しさであり、これまでの彼の人生、音楽活動の中で育まれてきた一つの愛の形なのだろう。
特別な日ということもあり普段よりも口数の多いキリトだったが、「記念すべき日に、よくぞお集まりくださいました。キリト嬉しいー!!」という直球の言葉もあれば、「君たちが崇めているのは神ではありません。一人の可愛いおっさんです」と場内を和ませつつ、「だから強制はしない。ライブの楽しみ方も自由です。これは予言です。間もなくお前たちは一人残らず頭が取れるくらい頭を振るだろう!」という言葉を口火に「CONVICTION」を投下。客席に背を向け、拳を握りしめ両腕を広げたキリトが真っ赤なライトに照らされる姿は、まるで民衆を先導する神のようで、フロアは彼の“予言”通り、ヘドバンの嵐を巻き起こしたのだった。「限界の先があるはずだから。真剣勝負だぞ!」と、オーディエンスにさらなる熱狂を求めた終盤戦、「Daybreakers」ではキリトが客席に降り1階バルコニーで歌うという展開に、オーディエンスから悲鳴が上った。
アンコールで披露された「Beginning」では、〈誰が決める…? 誰に従う…?〉の一節に、いつにも増して強い力が込められ、何があろうと繋がっているというメッセージが綴られた「CONNECT」を終えると、キリトは「人間は年をとると丸くなるのか、約20年かけて証明してきました。何も変わっていません。お前たちも丸くなんなよ? そんなのつまんねーぞ。何かにくじけそうな時はキリトを思い出せ。老けるどころか、どんどん可愛くなっていく」と、再びオーディエンスを笑顔にさせる一幕も。そして「キリトを好きと言いながら、時には悪口も書くんでしょうが、そんなこともひっくるめて全てのキ●ガイを愛しているから。悪口を書いても、一時的に上がっても(ファンを辞めても)、最終的に必ず戻ってくると思っています」という愛ある言葉が贈られ、「REBORN」からラストスパートへ突入。「PLOSIVE」「Script error」で、この日一番の一体感ある暴れっぷりを見せ、記念すべきステージは終幕を迎えた。
最後に、本人の要望により、キリトをどのくらい好きなのか各メンバーが答えることに。
TAKEO(Dr)「長年彼の背中を見てドコドコ言わせてる…そのドコドコで感じてくれていると思っているんだけどな…それくらいキリトに愛情を注いでる。それくらい好きだ!」
ギル(G)「これだけ飴と鞭のバランスがすごくて、俺をコントロールできる人はこの人しかいないんだなと。そのお陰で成長できたと思います。もう好きっていうか、愛にぶら下がってるよね!」
KOHTA(B)「実の兄なんでね。即答でLOVEです! 家族ですから」
Karyu(G)「個人的に宇宙が好きなんですけど、キリトさんは宇宙っす! 未知で、懐の広さが計り知れない。一緒にいて楽しいし…好きです!」
四者四様の告白が行われたところで、「まだやってないことがあるよね。持ってきてください!」と、かつてないほどスムーズなKOHTAの進行でケーキが登場。今年もメンバーと多くのファンによる「Happy Birthday」でキリトの誕生日を祝福した。ここで各メンバーの告白に対し、キリトから「一番俺の心に刺さったのは…KOHTA!」と告げられると、場内は拍手喝采。KOHTAは誇らしげにガッツポーズを決め、笑みを見せた。
そして、「今後も色々とお騒がせしますけど、何があろうと、全てはキリトの掌で踊っているに過ぎないのです。一つの真意を胸に、色々なことがあると思いますが、楽しんでいってください。ドキドキハラハラしているお友達には、キリトを信じろ、愛せ、と言ってください。今この瞬間を、Angeloというバンドを愛していますから、これからも行動で表していきます。限界を超えたライブを作ってくれた君たちが愛おしい」(キリト)と最上級の告白を。さらに、マイクレスで「46歳の時もよろしくー!」と来年の約束を交わし、ステージを後にしたのだった。
音楽やライブの楽しみ方は個人の自由であり、誰も強制できるものではない。だが、少なくてもこの日この場所に集まった約3,000人にとって、Angeloというバンドと彼らが生み出す音楽たちは、何物にも代え難い特別な存在であることは間違いない。そしてそれは一方通行の思いなんかではなく、深い愛情と信頼で結ばれた、唯一無二の強固な関係性なのだということを実感した一夜だった。これから先も、Angeloと彼らを愛する人々によって、多くの“記憶の種”が美しい花を咲かせ、また新たな種を生んでいくだろう。その素晴らしい景色をいつまでも追い続けていきたい。
◆セットリスト◆
01. FAITH
02. Cut
03. Pendulum Clock
04. Experiment
05. DAY OF THE END
06. 狂人
07. Collapse parade
08. Umbilical cord
09. EVE
10. FACTOR
11. URGE
12. CONVICTION
13. リテラシー
14. RETINA
15. FIELD OF GOD
16. My strife
17. THE CROCK OF ULTIMATE
18. Daybreakers
En
01. Beginning
02. 嗤う月
03. CONNECT
04. REBORN
05. PLOSIVE
06. Script error
(文・金多賀歩美)
【ライブ情報】
●Angelo Tour 2017「THE CONNECTED STRINGS」」
2017.4.26(水) TSUTAYA O-EAST 18:15/19:00
2017.4.27(木) TSUTAYA O-EAST 18:15/19:00
2017.4.29(土) YOKOHAMA Bay Hall 17:15/18:00
2017.4.30(日) YOKOHAMA Bay Hall 16:15/17:00
2017.5.3(祝) 金沢Eight Hall 17:00/17:30
2017.5.5(祝) 名古屋DIAMOND HALL 17:15/18:00
2017.5.7(日) 大阪 BIG CAT 16:45/17:30
2017.5.10(水) 郡山 Hip Shot Japan 18:15/19:00
2017.5.11(木) 仙台 Rensa 18:15/19:00
2017.5.13(土) 札幌 PENNY LANE 24 17:00/17:30
2017.5.18(木) 神戸Harbor Studio 18:15/19:00
2017.5.20(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM 17:15/18:00
2017.5.21(日) 高松モンスター 17:15/18:00
2017.5.23(火) 高知 CARAVAN SARY 18:15/19:00
2017.5.25(木) 松山 SALON KITTY 18:15/19:00
2017.5.27(土) 福岡DRUM LOGOS 16:15/17:00
2017.6.2(金) EX THEATER ROPPONGI 18:15/19:00
チケット料金:スタンディング ¥6,000(税込) ※ドリンク代別
一般発売日:2017.3.12(日)
Angelo オフィシャルサイト http://angeloweb.jp