ライブレポート

2013.2.22-2.23

Angelo@渋谷公会堂

「INTO THE NEW DIMENSION」

 

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思い返せばちょうど一年前の2012年2月22日、Angeloは『Calvary』をリリースした。5人体制となった“新生Angelo”として、初めて世に送り出した作品はアルバム『BABEL』(2011年10月)だが、『Calvary』は5人での第一弾シングルだった。しかし、今は“新生Angelo”という言葉は不要だし、既に2012年6月30日のNHKホール公演において、「もう“5人のAngelo”とは言わない。これがAngeloだから」とキリト(Vo)ははっきりと宣言していた。なぜ今さらそれをここに記そうと思ったのかといえば、今のAngeloが最高に美しい五角形を成しているのだという事実を、この二日間を通し改めて実感したからに他ならない。

 

昨年末、11月27日から12月31日にかけて最新アルバム『RETINA』を引っさげた全国ツアーが行われ、Vifでは初日の赤坂BLITZ公演のレポートを掲載した。今回の二日間はそのツアーとは別物だが、『RETINA』の楽曲たちがツアーを経てどのように変貌を遂げているのかということも楽しみの一つであった。その結果を特に強く感じたのは両日ともに披露された「RETINA」だ。一筋縄ではいかないダークかつヘヴィーなこのナンバーにおいて、がっちりと合わさる強靭なバンドサウンドに魅せられた。最新作であるアルバムの本質を映し出すこの楽曲がこれほどまでに深化していたことは、Angeloがバンドとしてより強固な生命体へと進化している証でもある。

 

攻撃的なナンバーが並ぶ中でのバラード曲はひと際存在感を放つ。特に「事象の地平線」では、楽曲のドラマティックな展開と共にその言葉一つ一つがダイレクトに胸に響いた。キリトの他に類を見ない透明感と力強さを併せ持った歌声は、その世界観を最大限に表し、聴く者の心の中にしっかりとメッセージを刻んでくれる。

 

また、この二日間は、久しぶりの披露となった数々の楽曲の存在も、フロアの熱を上げる要因の一つとなった。その意外な選曲に驚かされることとなったわけだが、中でも22日に披露された「Noise」(3rdアルバム『Design』収録)、「Last Song」(6thシングル『光の記憶』、3rdアルバム『Design』収録)と、23日の「HALLUCINATION」(1stアルバム『REBIRTH OF NEWBORN BABY』収録)はKaryu(G)とギル(G)にとっては初めての演奏だったそうで、Karyuの話によれば約一週間前から練習をし、実は本番も余裕ではなかったとか。客席からはそんな様子は全く感じなかったし、「HALLUCINATION」においては、楽曲が持つ儚さとサウンドの美しさに見とれるほどだった。

 

Angeloが生み出す作品は、どんなに攻撃的であろうと、どんなに苦しみや悲しみが溢れ出ていようと、どこかに必ず救いがある。キリトが以前話していた、自然にそうなるという“厳しさ8割・優しさ2割”の黄金率の表れでもあるのかもしれないが、それは、一つ一つの楽曲においても、一枚にパッケージされた作品においても、一つのライブという作品においても、同じことなのだろう。

 

こうして様々な色合いを見せながら熱いステージを繰り広げた二日間が終わろうというその時、「あの歌をまだ歌ってないじゃないですか!」というKaryuの言葉を口火に、「Happy Birthday」の大合唱へ。そう、翌日24日はキリトの誕生日。「Happy birthday my brother!」というKOHTA(Ba)の言葉の後、ギルと共にバズーカ砲型クラッカーを撃ち、金テープが舞えば、TAKEO(Dr)が“41”と大きく書かれたバースデイケーキを差し出し、キリトがその火を吹き消すという、なんとも微笑ましいエンディングに。2年連続、渋谷公会堂でキリトの誕生日を祝うことができたこの夜、「前夜祭として二日間愛してくれればいいじゃないか」と本公演が発表された際にキリトが口にした言葉通り、温かな愛に包まれ、会場中が笑顔で溢れ、終演を迎えたのだった。

 

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MCでキリトが口にした「長い年月バンドをやってきて、今、みっともないところも曝け出すことができるようになったのは、寄り添ってくれる君たちがいたからです」、そして「十代でバンドを始めて、太く短く生きて死ぬはずだったけど、全然生きてます。なんだかんだ、この先も大丈夫だと思うので、末永くよろしくお願いします」という言葉。どちらも、照れ隠しか冗談混じりに話していたが、そこに嘘はなく、むしろ純粋なまでの愛のメッセージだったと思う。

 

早くも4月からは「REMODELING OF THE AFTER IMAGE」と冠したツアーをスタートさせるAngeloだが、6月9日、Zepp DiverCity Tokyoでの追加公演も発表された。Angeloは、また新たな次元へと歩みを進めている。己を更新し続ける彼らは、常に今その時がAngelo史上最高であり続けるだろう。

 

◆セットリスト◆

【2013.2.22】

01. Script error

02. シナプス

03. Noise

04. CONVICTION

05. RETINA

06. My Strife

07. White fury

08. 事象の地平線

09. Arès

10. 結晶

11. Forbidden Fruit

12. SEVEN DEADLY SINS

13. EDEN

14. RIP

15. DANCE

16. PLOSIVE

17. PROGRAM

18. Manic State High Pressure

EN

01. 霧雨頬を濡らして

02. 螺旋

03. Last song

04. EASTER AGAIN

05. REBORN

06. MICRO WAVE SLIDER

 

【2013.2.23】

01. シナプス

02. PROGRAM

03. RIP

04. CONVICTION

05. RETINA

06. SEVEN DEADLY SINS

07. DANCE

08. HALLUCINATION

09. EVE

10. Calvary

11. SIGN

12. PANDEMIC

13. My Strife

14. White fury

15. Forbidden Fruit

16. Manic State High Pressure

17. PLOSIVE

18. Script error

EN

01. 事象の地平線

02. Nostalgia

03. Blind Light

04. MICRO WAVE SLIDER

05. CHAOTIC BELL

06. SCRAP

 

(文・金多賀歩美)