ライブレポート

2012.7.7
vistlip@TOKYO DOME CITY HALL
「THE END.」

 

 

あいにくの曇天、時々小雨となった7月7日、vistlipは5歳のバースデーを迎えた。
毎年、着実にキャパシティを上げ続け、結成5周年を迎えた今年の晴れ舞台はバンド史上最大キャパであるTOKYO DOME CITY HALL。いやが上にも期待が高まる。
掲げられたライブタイトルは何やら意味深な「THE END.」。この、一見ネガティブな意味にも受け取れる言葉に、ファンは少なからず不安を抱えていたことだろう。だが、この日彼らが見せたステージは、そんな不安を容易く払拭してしまう、実に力強いものだった。

 

ざわめく会場内。ふいにスクリーンに映し出されたカウントダウン。
「5、4、3、2、1 Are You Ready?」
フロアを埋め尽くし、この瞬間を待ちわびていたオーディエンスから大きな歓声が沸き起こる。次いで、ステージ後方の高みからメンバーが姿を現すと、その歓声はさらに大きなものへと変化し、会場のヴォルテージは急上昇した。

 

幕開けは、最新シングル「B」。スクリーンに映し出される不穏な紅い空を背に、この日のタイトル「THE END.」ともリンクする彼ら流の“世界の終わり”を歌い上げる。先日のインタビューで智(Vo)が話してくれた、「(「B」は)バンドがみんなを先導しているような、『俺たちは楽しく行くからみんな付いてきて』っていう歌詞」という言葉どおり、オーディエンスをぐんぐん引っ張っていく。さらに、「RETRO」「XEPPET」そして再録によって生まれ変わった「the surface[Re:birth]」と、智ののびやかな声を最大限に生かしたセットリストで、あっという間に会場を彼らのカラーに染め上げてしまった。

 

「vistlip、ついに5歳を迎えてしまいました! 先日までの『the end of ORDER MADE』とは違う、今日という日をお祝いできたらと思います」

 

智の言葉が終わると同時に、「the wonderland from LAB.」のシンセ音とヘヴィーな重低音が響き渡り、立ち込めるスモーク。サーチライトかのような赤い光があたりを照らし、ステージは物々しい様相を呈した。「closet auction」ではYuh(G)のテクニカルなギターに目を奪われ、「flash back blanky」では海(G)のシャウトに満場の拳が応え、「Mr.Grim」では妖しく艶やかな智の歌声が巧みに表情を変えながら客席を魅了し、激しいナンバーを息つく間もなく展開していく。
一転、ファンに向けてのバースデーソング「PERFECT CRIME」では、この時期の恒例行事と化しつつある髪をブレードにした瑠伊(B)、そしてステージ後方で軽快にしてパワフルなドラミングでステージを支えるTohyaのリズム隊が満面の笑みでオーディエンスを見回すと、会場全体をポップな空気が包み込む。「Dead Cherry」「偽善MASTER」「Hameln」と、立て続けの名曲で1部は幕となった。

 

智曰く「いつの間にか2部制になっていた」というvistlipのライブ。1部と2部の間には、Tohya(Dr)による、彼ららしいサプライズが届けられた。

 

大爆笑と共に幕間を終えると、2部はガラリと空気を変え、ハードなナンバー「トロイ」でスタート。炎噴き出す演出で激しく「Night Parade」を奏でたかと思えば、「Little Fabre」では作曲者・瑠伊による可愛らしい振付レクチャーが行われ、1部とはまた違った魅力で展開された2部のクライマックスともいうべきタイミングで奏でられたのは「ORDER MADE」。この上なく優しく、切なく、慈愛に満ちたその旋律にのせて雪が舞い、その場にいた全員が美しさにしばし目を奪われる。

 

 

アンコールで奏でられたのはこの日のための楽曲「July Ⅶth」。瞬く満天の星を背に歌い上げた〈この先何年も天の川見て笑いたい〉というメッセージは、この日この場を共有した全ての人の胸にまっすぐに届いたことだろう。

 

とてつもなく鮮烈なライブで飾った5周年。当初、『ORDER MADE』の世界をここで終わらせる、という意味合いでつけたツアータイトルだそうだが、既にその世界は見事に完結し、そこから更なる一歩を踏み出したことをしっかりと見せつける力強いアクトだった。

この日、発表されたニューシングル、ミニアルバム、DVDのリリース。そして、来年1月、彼らの過去史上最多キャパを大きく塗り替える東京国際フォーラム・ホールAでのライブ。6度目のバースデーを待たずして、大きな一歩を踏み出す彼らの今後が楽しみでならない。

 

 

◆セットリスト◆

第一部
01. B
02. RETRO
03. XEPPET
04. the surface[Re:birth]
05. the wonderland from LAB.
06. closet auction
07. flash back blanky
08. Mr.Grim
09. Drama Queen
10. SINDRA
11. PERFECT CRIME
12. Recipe
13. Dead Cherry
14. 偽善MASTER
15. Hameln

 

第二部
16. トロイ
17. EVE
18. entrance of NIGHT PARADE.
19. Night Parade
20. Little Fabre
21. FIVE BARKIN ANIMALS
22. LION HEART
23. ORDER MADE
24. -OZONE-

 

EN
01. July Ⅶth

 

 

(文・後藤るつ子)