「vistlip10周年✕Vif」第1弾 Vol.4 Yuh✕瑠伊

Yuh✕瑠伊

「vistlip10周年✕Vif」第1弾 Vol.4 Yuh✕瑠伊

例えば緊張感のあるような時でも、二人は自然にお互いを和ませてしまうのだろう。vistlip 10周年✕Vif、メンバー対談4組目は、Yuh(G)と瑠伊(B)。ギタリストとベーシストという関わりの中で、ステージではお互いの動きをよく見て高め合う二人が、ありのままの笑顔で語り合う。vistlipのメンバーとして、そして、人生で出会ったかけがえのない存在として、いつも二人はこんなふうに言葉を交わし、共に歩き、同じ景色を見て、喜びの時間を過ごしていることを感じさせてくれた。

◆今は「これが僕です」っていう主張はしたい(瑠伊)

瑠伊

――前回の対談に登場した智さんから、お二人への伝言です。「車の中で油そばを食べるのはやめてください」だそうです。

Yuh&瑠伊:(爆笑)

瑠伊:最近のツアーで、ライブが終わってすぐに移動の時があったんですけど、その時に僕たちお腹が減っちゃって。次の場所に着くまで我慢ができなくて、コンビニでご飯を買って車の中で移動中に食べたんです。多分、その匂いでお腹が減っちゃうからやめてくれってことだと思うんですけど、彼もやってますからね。

Yuh:やってます。以前、ツアーの移動の車の中で餃子を食べていたので、人のことは言えません(笑)。

――普段、二人だけで話すことはありますか?

瑠伊:ありますね。特に、ツアー先の地方で一緒にいることが多いです。オフとか空き時間があると、よく二人でその土地の観光スポットに行ったりします。

――最近二人で行ったところで、印象に残っているところはどこでしょうか?

瑠伊:鳥取ですね。僕が『名探偵コナン』が好きだから、作者の青山剛昌さんの出身地に二人で1時間くらいかけて電車で行きました。

Yuh:ローカル線に乗って行きましたね。めっちゃ蒸し暑かったね。

瑠伊:しかも着いたら、青山剛昌ふるさと館は終わっていて。

Yuh:そうそう。夕方くらいに着いたので、入館時間の17時にギリギリ間に合わなくて。

瑠伊:何をしに来たんだっていう(苦笑)。でも、街のコナン通りにあるコナンブロンズ像を見て、たくさん写真を撮りました。僕らは観光大使と言われている二人なので(笑)、地方に行くと一緒によく出かけます。

――さて、vistlipが7月7日に結成10周年を迎えます。10周年について、Yuhさんは今どんなふうに捉えていますか?

Yuh:特に実感はないですね。個人的には10年だからという気持ちもそんなになくて。どちらかというと、「10年という節目だね」ということで、周りの人たちと一緒に10年を共有するということが大きいです。

――最近、YuhさんはTwitterで「47都道府県全部まわるのに10年かかったけど、ちゃんと全国まわれて良かった」と書いていましたね。

Yuh:やっぱり47都道府県を回るって、なかなかできないことだと思うんです。例えば、47都道府県ツアーを一気に回ると、一つの場所に行って、すぐにその次の場所へ移動というスケジュールで、一瞬だけその地に留まって通過していくという感じになってしまうじゃないですか。それに比べて、自分たちは10年かけて、ゆっくりだったけど47都道府県を回ったので、その土地での滞在時間も長く取れたところはあったし、だからこそ、瑠伊と観光ができたりもした。全国でライブをやりたいという思いがあったので、この10年以内にやれたのは良かったですね。

――10年前と比べて、お互い変わったところはありますか? また、変わらないなと思うところはありますか?

Yuh

瑠伊:Yuhは、すごく大人になった(笑)。

Yuh:そうですね(笑)。

瑠伊:昔は感情を表に出しやすいタイプだったんです。今でも感情的になる時もあるけど(笑)。

Yuh:昔の方が怒りやすかったです(笑)。短気は多少直りました。瑠伊は、もちろん中身が大人にはなっているんですけど、良い意味で大きな変化はないと思います。でも、ベーシストとしては、変化がありますね。昔から、フレーズとかこういうのがやりたいというこだわりはあったと思うんですけど、最近は良い意味で自己主張が強くなって、前よりも自分をベーシストとして出したいという気持ちがあるのかなって、俺は感じています。

瑠伊:あるかもしれないですね。昔は「みんなが言うのであれば、僕はこれでいいです」というタイプだったかもしれない。でも今は「これが僕です」っていう主張はしたいなっていう気持ちはありますね。

――Yuhさんの変わらないところは?

瑠伊:いたずらっ子(笑)。彼は、いたずらが大好きなんですよ!

Yuh:ライブでステージに出る直前に、足を引っ掛けてコケさせようとしたり、脇腹をズンッて突いたりします(笑)。

瑠伊:僕はライブの時には、ステージに立つ人間としてのスイッチが入るんですけど、そのぐらいの時に、ブスッとくるから。

Yuh:瑠伊は「ああ…!」ってなって(笑)。

瑠伊:一気に現実に引き戻される(笑)。ステージに出る間際のSEが鳴っている時の攻撃は未だにあります。

――Yuhさんのいたずらはメンバー全員にやるんですか?

Yuh:ほぼ瑠伊だけですね(笑)。瑠伊は一番リアクションが大きくて、ナチュラルなビビりやなんで。

瑠伊:そうなんです(笑)。

――7月7日のZepp Tokyoのライブでも、Yuhさんはいたずらを仕掛けるのでしょうか(笑)?

Yuh:壮大なのを計画しておきます(笑)。

瑠伊:落とし穴とかね(笑)。

Yuh:お立ち台に足を置いたら、底が抜けるとかね(笑)。

◆本当に原点という感じなんです(Yuh)

Yuh

――ここで、vistlipのこの10年を振り返る思い出のアイテムのお話を伺いたいと思います。今回は、Yuhさん編です。選んでいただいたアイテムを教えていただけますか?

Yuh: アルバム『Revolver』です。「EDY」だったり「the surface」だったり、ミクスチャーっぽい要素を含めて、vistlipというバンドでこういう感じの曲がやりたいんだっていうことをメンバーに聴かせたりしたから、本当に原点という感じなんです。

――ライブでのお二人についてお聞きしたいと思います。ギタリスト、ベーシストとして、ステージに立っていて、お互いここはすごいよなと思うところはありますか?

Yuh:瑠伊は、動きがアクティブ。海の動きとは違いますね。海は、何かやっぱりへんてこ(笑)。

瑠伊:(笑)

Yuh:海は、いい意味で特徴が強すぎるぐらい独特なアクティブで、瑠伊はスタンダードなアクティブの中に、瑠伊なりの個性がある。自分の見せ方とか、自分自身にスイッチを入れてやるというところが俺にはないところですね。

瑠伊:僕は結構必死にがんばってるつもりなんですけど、それをなかなか認めてもらえないんですよ(笑)。がんばっていたつもりなのに、「あんまり元気なさそうだったね」とか言われたり。僕的には「あれ? あんなに必死に動き回ったのに…」という、やっている側と観ている側での温度差を感じることもしばしばで…。Tohyaと対談した時も思ったんですけど、Yuhもちゃんとわかってくれていて、見てくれている人は見てくれているんだなと思いました(笑)。 Yuhは瞬発力がすごいんですよ。一番びっくりしたのが、すごく高いドラム台にひとっ飛びで乗った時ですね。複雑なフレーズを弾きながら、ピョンと飛んだりする時のかっこよさはすごいなと思って、いつも見ています。運動神経がよくて、お客さんの前にある柵のような細いところにも歩いて行けるくらい、バランス感覚もいいんです。

Yuh:瑠伊は、曲を通してまんべんなく動くタイプ。それに比べると、俺は自分が気持ちよく楽しくノっている節目でたまに何かをするという感じです。

瑠伊:必殺技みたいな。

Yuh:そうそう(笑)。溜めて溜めて、必殺技!みたいな(笑)。

瑠伊:僕は常に、中パンチをバン!って出す感じ(笑)。ファンのみんなも、Yuhの必殺技のような動きがあると、「わっ!」って見に行くんですけど、そうなっているところで、僕は満遍なく中パンチをしていますね(笑)。

Yuh:確かにそんなイメージはあるかもしれない(笑)。

――Zepp TokyoのライブでもYuhさんの必殺技を楽しみにしています(笑)。

Yuh✕瑠伊

瑠伊:上手に遊びに行った時にも、Yuhが1番絡みやすいかな。演奏中も、いたずらし合ったり。

Yuh:結局ふざけちゃうんですよね(笑)。

瑠伊:そうそう(笑)。そういう雰囲気も作れる間柄かな。

――Yuhさんも、瑠伊さんが1番絡みやすいですか?

Yuh:うん。海はこっちに来ても割とスルーするし。

瑠伊:海は、どうしていいかわからないよね。彼には彼の世界があるのかなって。

Yuh:そうそう。ありすぎて、踏み込みにくい。多分、海はステージで笑うキャラじゃないんですよ。だから、笑いあったりするような微笑ましい感じではないし。そういう空気感も含めて、瑠伊は1番遊びやすい。

瑠伊:ライブ中は二人とも裸足だから、弾きながら足の爪の付け根を押し合ったりするよね。そこをピッて押すと、痛いじゃないですか(笑)。

Yuh:俺らは本当にそういう、しょうもないことばっかりしてるんですよ(笑)。

瑠伊:それがお互いが楽しくなる秘訣なんじゃないかなと。

Yuh:そういえば、この前のライブで、瑠伊が上手に来た時にガブッて噛んだら、めっちゃしょっぱくって(笑)。

瑠伊:そりゃそうだ(笑)。

Yuh:こんな風に二人とも、空気が緩いんです。だから、一緒に観光できたりするんでしょうね。

◆この5人だけで作り上げられる音楽を書ける人(瑠伊)

瑠伊

――それぞれが作った曲でお互い1番好きな曲や、思い出の曲は?

Yuh:ライブで考えたら「Locoism」が好きなんですけど、曲としてトータル的には「星屑、ボクと君へ。」が好きです。この曲は、自分がライブのセットリストを考える時に落とし所に入れたくなるんですけど、曲からいろんな思いを感じるというか、大切なものが含まれている曲なんじゃないだろうかと思っているから、頻繁に入れたいとは言えなくて、セットリストに入れるのを遠慮してしまうんです。でも、そろそろいいかなって思う時には、やっぱり入れたくなる曲ですね。

瑠伊:確かにそう言われてみれば、結構選んでくれていますね。

――瑠伊さんがYuhさんの曲で1番好きな曲は?

瑠伊:「Recipe」ですね。ライブで演奏した時の上がる感じがピカイチです。ファンもすごく楽しそうに聴いてくれるし、演る度に好きになっていく曲かな。何かパワーがある曲ですよね。

――自分で作った曲で、1番好きな曲や思い入れがある曲はどの曲ですか?

Yuh:自分の曲は、最新の曲が好きなんですよね。「星一つ灯らないこんな夜に。」は、ロックであり、バンド色がちゃんとあって、ライブでも楽しめる。あとは「MONOGRAM」も好きですね。

瑠伊:僕はTohyaとの対談で、ライブで演った時に感じた「flash back blanky」を挙げましたけど、『PATRIOT』に入っている、「Re:明日晴れたら」にも思い入れがあります。実はこの曲は「flash back blanky」より前に作った曲なんですよ。vistlipになってから、僕が初めて書いた曲。『Revolver』の曲出しの時には間に合わなくて、その後にできあがったから『PATRIOT』に入ったんですけど、初めて作った曲というところで、思い入れはすごく強いです。ライブでは、最初のワンマンライブとファンクラブ限定でやったその再現ライブでしか演っていないと思います。ライブでは聴けないし、CDにも“vister”版にしか入っていない曲ですね。

――vistlipは同じ作品でも“vister”と“lipper”によって収録曲が違いますからね。

瑠伊:『THEATER』なんて3曲違いますからね。

Yuh:そうだね。

――この機会にこれまで聴いていなかった曲があれば、ぜひ聴いてほしいですね。さて、作曲者として、ここは自分にはない部分だなと思うところはありますか?

Yuh:瑠伊は、頭の中の絵やストーリーとか、物語を描いて曲を書く人なんですけど、俺はそういうファンタジー的な想像をして曲を作るということがゼロに等しいんです。だから、瑠伊はそれが本当に強みだと思うし、個性だと思う。多分俺が一生かけても、持てないところだと思うから、そこは本当に羨ましいと思う部分でもあります。

瑠伊:Yuhは、この5人だけで作り上げられる音楽を書ける人。僕は、シンセやピアノの音がないと、すごく寂しい曲しかできないんですけど、Yuhが作る曲は、バンドだけで成り立つし、ライブを意識して作られているなっていう感じの楽曲。僕が作った曲でもそういう曲は何曲かあるんですけど、その場合は、悩みに悩んで書くので。だから、そういうタイプの曲がいっぱい作れるというのは、すごいなと思います。

――最後に、この10年vistlipというバンドを続けてきて、「Yuhがいて良かったな」「瑠伊がいて良かったな」と思うことを聞かせていただけますか?

瑠伊:僕はvistlipの前から一緒にバンドをやってきていたから、もう本当に兄弟みたいな感覚になっていて。Yuhが傍にいることが当たり前なんですよね。Yuhはいて良かったというよりも、僕にとっているべき人です。

Yuh:俺もそうですね。瑠伊が言ったことと、本当に同じ気持ちです。例えば、どこかに一緒に行ったり、何かを共にできたり、時間を共有できる人というのは、バンドのメンバー同士だからってできることじゃない。

瑠伊:すごく波長も合うしね。

Yuh:そういうところが一緒じゃないと、できることじゃないから。瑠伊は、「いて良かったな」と思うまでもなく、家族みたいなものです。

Yuh✕瑠伊

(文・武村貴世子 / 写真・コザイリサ / 編集・後藤るつ子)


対談に登場したvistlipの作品たち

※『THEATER』のみvister、それ以外はlipper収録曲

1st Mini Album『Revolver』
(2008年4月23日リリース)
01.EDY
02.BLACK-TAIL
03.the surface
04.Moon Light Snow Rabbits
05.July VIIth
12th Single『Period』
(2014年4月9日リリース)
01. Period
02. Locoism
03. aim
3rd Album『THEATER』
(2009年12月9日リリース)
01.scene:RAM
02.THEATER OF ENVY
03.Dead Cherry
04.星屑、ボクと君へ。
05.OBLATE SCREEM
06.alo[n]e
07.LION HEART
08.drop note
09.FIVE BARKIN ANIMALS
10.BEAUTIFUL CHAINSAW
11.Sara
12.音のカケラ
13.-OZONE-
14.scene:KISS
8th Single『Recipe』
(2012年4月11日リリース)
01. Recipe
02. Einstein
03. トロイ

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5th Album『BitterSweet』
(2017年3月29日リリース)
01.BABEL
02.Antique
03.星一つ灯らないこんな夜に。
04.Walking Dead
05.COLD CASE
06.WIMP
07.MONOGRAM
08.CONTRAST
09.BLACK BOX
10.Snowman
11.BitterSweet Ending
12.Credit
13:Underworld
1st Single『Sara』
(2008年9月3日リリース)
01.Sara
02.flash back blanky
03.EGOIST
2nd Mini Album『PATRIOT』
(2009年4月3日リリース)
01. 音色 -melody line-
02. EVE
03. earl grey
04. Re:明日晴れたら
05. Princess Dizzy
06. 影鬼
ARTIST PROFILE

vistlip

<プロフィール>

智(Vo)、Yuh(G)、海(G)、瑠伊(B)、Tohya(Dr)の5人からなるロックバンド。2008年4月、ミニアルバム『Revolver』でデビュー。2014年4月にリリースしたシングル『Period』では初のオリコンチャート9位を獲得。2015年12月18日には国立代々木競技場第二体育館でワンマンライブ「Right side LAYOUT[SENSE]」を成功させた。2016年3月にミニアルバム『SENSE』を、11月にシングル『Snowman』をリリース。2017年4月16日の大阪IMP HALLを皮切りにvistlip ONEMAN TOUR「Taste of Bitter Sweet」を開催。7月7日にZepp Tokyoにてvistlip 10th Anniversary LIVE『Guns of Liberty』を行う。

■オフィシャルサイト
http://www.vistlip.com

【ライブ情報】

●vistlip 10th Anniversary LIVE『Guns of Liberty』
7月7日(金)Zepp Tokyo
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
価格:¥4,500(税込)※ドリンク代別途
席種:オールスタンディング
問合せ:クリエイティブマンプロダクション 03-3499-6669
チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード:334-749
イープラス http://eplus.jp
ローソンチケット 0570-084-003 Lコード:74068