「ギター殺し」の異名を取る、日本屈指のテクニカルベーシスト・MASAKIが、自身4作目となるソロアルバム『PIT-LOW2』(読み:ピロピロ)を完成させた。ゲストに迎えた錚々たる顔ぶれのアーティスト達、その中で惜しみなく披露される超絶技巧はまさに圧巻。ぜひとも手に取っていただきたい1枚だ。それにしても、多くのアーティストやファンから熱烈にリスペクトされているMASAKIとは一体どんな人物なのだろう。その人となり、そして最新作の魅力を、MASAKIと親交の深いIKUO(B/BULL ZEICHEN 88、Rayflower)、都啓一(Key/Rayflower)、村井研次郎(cali≠gari、ELLEGUNS)、燿(B/摩天楼オペラ)、RENO(G/ex.ViViD)、Boogie(B/JILUKA)と共に徹底解剖。そこから明らかになる“MASAKI”という人物に、あなたもきっと夢中になるはずだ。
(CANTA、地獄カルテット、LIV MOON、DAIDA LAIDA)
1968年12月19日大阪府出身。176cm/68kg/AB型。
15歳からベースを始める。マルチフィンガーピッキングを駆使し、3フィンガーによる高速ピッキング、小指を使った4フィンガーレイキング、親指を使ったスウィープと多彩なピッキングスタイルを持つ。同時にタッピングやフラメンコ奏法など特殊技術を取り入れた独自のベーススタイルを確立。2002年にex.聖飢魔IIのルーク篁、雷電湯澤と共に結成したトリオバンドCANTA、2007年には地獄カルテット、2011年にはシンフォニックメタルのLIV MOON、ジャパメタの猛者が集まったバンドDAIDA LAIDAを結成するなど、その活動は多岐に渡る。
MASAKIを紐解く一問一答
Q 1.ベースを始めたきっかけと、影響を受けたベーシストは?
中3の時にエイジアが好きでベースのジョン・ウェットンに憧れました。そこからベースオタクとなり、ジャコ・パストリアス、スタンリー・クラーク、ジェフ・バーリン、スティーブ・ハリス(アイアン・メイデン)、ボブ・デイズリー、ビリー・シーン(Mr.Big)などなど様々な偉人達から影響を受けてギターを殺したくなりました!
Q 2.ベースの魅力とは?
ギターに比べると人口が少ないので敵が少ないこと。メロディー楽器であり、リズム楽器でもある中間管理職的立場。ギターを殺せる重低音!
Q 3.愛用のベースは?
シェクターのMASAKIモデル。4弦24フレットでアーム付き。その他オンオフスイッチや、ヒップショットのDチューナーペグも付いています。全てはギターを殺すためです!
Q 4.次に狙っているベースは?
デビュー25周年を記念したモデルが登場します。今までのMASAKIモデルを継承しつつ、ニューペイントでポジションマークが光ります!
Q 5.最近プライベートで仲良くしているアーティストは?
よくライブに来てくれて飲んでいるのは、DのHIDE-ZOU&HIROKI、ギルドのYOSHIHIRO、DIAURAの佳衣かな。でも沢山仲間がいます。ロック界の仲人と言われてます!
Q 6.趣味は?
ポケモンGO、洋服、映画、Yahoo!知恵袋閲覧。
Q 7.仕事の成功の為にしている習慣は?
遅刻はしない(30分前行動)。酒には飲まれない。レスポンスの良いメール返信。仕事の出来る方ほど何事もレスポンスが早いと思います!
Q 8.バッグに必ず入っているものを三つ教えてください。
虫めがね、印鑑、爪切り!
他にも3メートルのスマホ充電ケーブル、サプリ、イヤホンなど。
Q 9.人に言われて嬉しい褒め言葉は?
「MC面白いです!」
Q 10.座右の銘
「人にしてあげたことは、忘れたほうがいい。人にかけた迷惑は、忘れちゃいけない。
人にしてもらったことは、忘れちゃいけない。人にされたいやなことは、忘れたほうがいい。」
クマのプーさんの言葉です!
6人のアーティストに聞いた「MASAKIさんて、こんな人」
IKUO、都啓一、村井研次郎、燿、RENO、Boogieが語るMASAKIの魅力。それぞれの目線から見たMASAKI像から、意外な一面も明らかに!
IKUO
日本のテクニカルロックベースの第一人者だと思います。「日本のベーシスト」という大きな枠組みの中でも極めてオリジナリティーが高く、プレイスタイル、音色、機材、活動の仕方、全てが唯一無二だと思います! そこに迷いが感じられないのが素晴らしい! ジャズ、フュージョンではなく、ロックのジャンルでテクニカルな人は少ないので、その先頭に立って長年シーンを盛り上げてくれているリーダー的存在です。リーダーセッションをよくやられているのでそのマネージメント力や仕切りなど完璧で、そういった部分でも学ぶことが多いです。その反面とてもユーモアがあっていつも周りの人を笑わせていますね(笑)。まさに我が道を突き進んでいるカッコいい人だと思います!
都啓一
MASAKIさんのベースプレイが変態的に凄いのは承知していると思いますが、全てにおいて完璧です! ライブの企画から仕切りまで、打ち上げも含めて完璧。そしてライブの盛り上げ方も最高です! まだ体験していない人はかなり損をしています! それ程凄いです。そんなMASAKIさんについて行くスキルを持って挑みますが、いつも驚かされます。昨今、5弦6弦とベースの音域の幅が広くなり、色々なプレイスタイルが確立されつつある中で、4弦ベースの限界を見せてくれるプレイヤーがMASAKIさんではないでしょうか。
村井研次郎
睡眠時間の少なさは特筆すべき点かと思います! 忙しくて仕方なく睡眠時間を削ってしまうことももちろんあるかとは思うのですが、ツアー中などでも基本的に誰よりも遅く寝て、誰よりも早く起きるスタイル。移動の車でうたた寝をしているところも見たことがありません。ショートスリーパーということもあるのでしょうが、眠っているところを他人に見られるというのはある意味隙を見せてしまうことでもあるので、そう言った点も気にしているのかも知れません。食事も基本的に小食で、お酒を飲んでも取り乱すことはほとんどありません。その延長線上にあると言えるのですが、人前でベースの練習を見せることもあまりありません。努力はこっそりどこかでしているイメージがあります。隙の無さ、という意味で右に出る人はまずいないような気がします!
燿
MASAKIさんは僕がベースキッズだった頃から憧れているベースヒーローなのですが、親しくさせていただいてからよく感じるのが、とにかく優しい!!ということです。ベースのプレイのみならず、人付き合いの上でもたくさん勉強させていただいております。
RENO
僕からMASAKIさんの凄いところを言わなくても既に皆さんはご存知でしょう。でもあえて言わせていただけるのであれば…昨今、早弾き多弦ベーシストが増えているこの時代にギタリストの僕が感じるのは、どうしても音が腰高な人が多く、ギターの音域にぶつかってくる人が多いということです。その中でもMASAKIさんはしっかりとローがあり、4弦とは思えぬ重厚感。本当に音圧が凄いです。あと、とにかく速い。誰よりも速いです。さらに頭の回転もめちゃくちゃ早い。同じステージのMC中、僕は付いて行くのにいつも必死です(笑)。
Boogie
自分がMASAKIさんを知ったのはベースを始めて間もない頃、たまたま手に取った『地獄のメカニカル・トレーニング』(※2006年に発売された、キッズたちをトレーニング地獄へと叩き落とす人気の教則本)でした。物凄い形相をした鬼?が表紙で、教本コーナーの中で異彩を放っていたのを覚えています(笑)。本の中に書かれていたMASAKIさんのベースやプレイスタイルに対する考え方に胸を打たれ、そのまま購入し、家でじっくりと読み、結果、僕の中でベースの神様のような存在になりました(勝手にすみません)。「ベースを高い位置で構えてテクニックのあるプレイヤーはいるから、自分は低い位置でプレイし、ギターを食うぐらいのテクニックを見せつける」というMASAKIさんの言葉はその頃から今でもずっと僕の中の目標であり、教訓であります。
次ページではMASAKIと6人のアーティストと共にアルバム『PIT-LOW2』の魅力に迫る!