SLAPSLY

ライブでベースを絶対弾かなきゃという意識はもうない

そして「Canʼt stop feeling」ですが、今回もライブ中盤のアダルトブロックに入る曲があるなと。

CHIYU:アダルトブロック(笑)。これは俺、マジでめっちゃ良い曲やなと思うんすよね。

これまでのアダルト曲よりはリズムのある感じというか。テンポもゆったりではなく。

CHIYU:そうですね。「あいすくりん」よりは速いし。でも、これがテンポ122か。そこまで速くはないですね。「あいすくりん」はどれくらいだろ…あ、100だ。22違うから、そりゃ全然違うわ。でも、こういう感じの曲調、方向性はあるけど、このパターンは多分今までにないので、新鮮でしたね。これは初めて男目線で歌詞を書いています。というか、これが次に繋がる良いフックの曲かもしれないですね。

次回作にアンサーソングが?

CHIYU:はい、この曲に関してはアンサーソングを作っています。実は「Canʼt stop feeling」の歌詞を書きながら、次の歌詞を同時に書いていたので、次こういう書き方をするんだったら、今はこの書き方のほうがいいなとか、次を考えながら書いていました。蓋を開けたらこういうことねって繋がるから、今回の歌詞をちゃんと読んでいたほうが楽しいと思いますね。

CHIYUさんのこういうタイプの曲は、もれなく歌詞が恋愛系になりますね。

CHIYU:そうですね。恋愛系じゃなくてもいいんですけど、恋愛系を欲すでしょ、あの子らは(笑)。しかも、幸せになれないのを欲する傾向があるんですよ(笑)。「あいすくりん」なんて、言ってしまえば遊ばれてる女の歌ですからね。だけど、男目線でハッピーエンドな曲は今までなかったので、そういう方法で書いてみようと思って。これはすっごく純粋な恋だと思うんですよね。こんなに一途な人がいていいのかというくらい、本当に大好きな人ができたんだなっていう感じですね。

この曲の歌録りは結構神経を使いましたか?

CHIYU:歌い方は決めてはいたんですけど、その通り歌うのがスゲー難しかったですね。あと、2番のAメロの言葉のはまりが悪くて、レコーディングしながら歌詞を入れ替えたりしました。〈ある日あなたが突然〉なのか、〈ある日突然あなたが〉なのか、そういうちょっとしたニュアンスの違いで、大分歌い方が変わったので、良いほうに変えていきましたね。

「アマランブ」は、周年ライブでの初披露が思い起こされます。

CHIYU:あのクラップ(ライブレポート参照)は思ったよりできていましたけどね。ファンサイトのラジオで流した時に、ホンマにできない空気感がすごかったので、本来は入れる予定じゃなかったけど、とりあえずイントロに〈Hey AMA乱舞 ノってけ clap clap〉って歌詞を当てはめたら、結構わかりやすくなるかなと思って入れました。サビは完全に歌ってもらう前提で作ったので、抜けの部分の歌詞をどうしようかなと。同じ言葉をリフレインする歌詞って今まであまりなかったなと思って入れてみましたね。

クラップ必須の曲もCHIYUさんらしさの一つですよね。

CHIYU:いつも通りただパンパンするだけだと芸がないから、ちょっとリズムを入れてみたら、ムズいって怒られるという(笑)。けど、ちゃんとできたら楽しいと思いますけどね。これは完全にライブを見越した作り方をしたので、大枠の枠組みを決めて、コードとメロを後から当てはめました。なので、ノリから作ったというか、あのクラップのリズムから作りましたね。それと、ライブの時は前後の尺がめっちゃ長くなっているんですよ。アウトロも倍にしてるし、イントロはクラップからだから結構長いことやって、いきなりベースに入ったらカッコいいかなと思って。既にライブバージョンで変えていますね。

この曲はベースソロもありますし、色々な魅力が詰まっていますね。

CHIYU:結構ベースフィーチャーな曲ではあるかな。頭と中間にちょっとしたスラップソロも入ってるし、 ガッツリしたベースソロもあるし。だからAメロ、Bメロは逆にベースを弾かないほうがライブの動きが出るかなと思って、そこに関してはベースを同期で入れて、ワイヤレスマイクでライブをやってみたんですけど、良かったなと思って。ベースを絶対弾かなきゃという意識はもうないので、例えば「FREAKY DANCE」とかもAメロ、Bメロは流していたりするし、最後だけ弾くとか、いろんなパターンがあってもいいなと。ライブが盛り上がる、ライブの勢いが出るんだったら流しちゃおうと、ここ1〜2年で結構割り切れましたね。

ちなみに、「AMArican Dream」に続く尼崎シリーズなので、特に尼崎のライブはめちゃくちゃ盛り上がるんじゃないかなと思って。

CHIYU:「AMArican Dream」と「アマランブ」交互にしたろかな(笑)。この前のMCでチラッと言ったけど、「アマランブ」を繰り返し繋げて2〜3回やったろうかな(笑)。尼崎はファンクラブ限定ライブだから、意外とそういうのも楽しくていいかも。

確かに。ところで、今作全曲にギターソロが入っているのは、SLAPSLYというバンドのような感覚で1年やってきた結果なのかなと?

CHIYU:いや、意外とそうではなくて。基本、今まで自分が作る曲にベースソロを入れたことがないんですよ。「TRICK STER」は完全にベースフィーチャー曲にしようと思ったから、ベースソロを入れたんですけど、それ以外で俺発信でベースソロを入れることがなくて、それをするくらいだったらギターソロのほうがいいなと思っているんですよね。だから、当たり前になりすぎていて、今回全曲あることに気づいていなかったです。

意識的なものかと思っていました。

CHIYU:本当は、もう別にベースソロもいらないと思っているんですけど、一応ベーシストのソロプロジェクトではあるから、定期的に入れるようにはしているんですよね。なんなら、ギターやドラムとか、他のほうが目立ってほしいなと思うんですよ。もう今、客観的に聴くようになっちゃったので。昔は自分のベースが良けりゃいいやっていうところもあったんですけど、今はベースが一番後回しかもしれないですね。ミックスでは歌、シーケンス、ギターの出具合を特に聴いていて、「ここのシーケンスもうちょっと出して」とか、そういう部分を言うほうが多いですね。俺、ベースに関してはあまり言わないです。なんなら「ベース下げて」ぐらい(笑)。

SLAPSLYはメンバーを固定しないということで、実際ドラムは都度いろんな方が参加してきましたが、ギターはJOHNさんが割と固定になっていましたよね。

CHIYU:そうですね。JOHN育成もあったんですけど。自分としては絶対変えたいとか、絶対変えたくないとか、どちらもなくて。その時にできる人がやろうよという感じですね。

1年いろんな方とプレイしてきたのは良い刺激がありましたか?

CHIYU:もちろん個人的にも刺激はあったんですけど、JOHNにいろんな人とやってほしいという部分が大きかったかもしれないですね。意外とJOHNって今、KIRITOさんの現場ぐらいなので、いろんな人とやる機会って多分なかったと思うんですよ。ギターもめちゃくちゃ上手だし、曲の理解力も高いけど、ドラムによってこんなにノリが違うんだよと。ただ音源通りできれば上手かと言ったら、実はそうじゃなくて、そのドラムに合わせたフレーズの弾き方ってあるでしょというのを結構言っていたんですけど、やっぱり体験しないとわからないことって多いんですよね。この人はこういう特徴があって、だからこういうふうにしてくるんだ、じゃあこうしようって、その理解力をどんどん高めていったら、いろんな現場で広げていけるよという話をずっとしていて。だから「いろんな人とやらせるから覚悟しろよ」と(笑)。今、SLAPSLYで4人ぐらいやったんかな。やっぱり全然違うし、ギターのノリもちょっと変わったんじゃないかなと思います。

まさにJOHNさん育成ですね。

CHIYU:本当に。あとはそれを活かすも殺すもJOHN次第で。次のツアーはギターをタイちゃん(タイゾ/ANONYMOUS)がやってくれるから、逆に今度は俺も刺激があるし、ギタリストが変わったら、こんなに変わるんだっていうところから、どう良くしていくか話し合いもできるなと思っています。自分も次に、例えばPENICILLIN、KIRITOさん、gremlinsの現場で、ちゃんとまた違う見せ方ができるのかなと。やっぱり日々成長と言っていますけど、まさにその通りで、個人的にも色々経験したいですよね。

10月19日に始まるSLAPSLYのツアーは、その3アーティストのサポート業とほぼ同時進行のような形になっていて、なかなかですよね。

CHIYU:本当になかなかっすよね(笑)。PENICILLINのリハーサルに行ったら、O-JIROさん(Dr)に「スケジュール、ヤバいね」って笑われました(笑)。今回、タイトル「SLAPSLY Tour 2024 〜One grows「EXCITED」〜」の通り、ライブで盛り上がりそうな曲が多くなると思うし、なおかつ「アマランブ」みたいな、ちゃんと体に叩き込んで、一緒に作り上げていかなきゃダメな曲ができたので、ツアーを通してお互いがどんどん成長していって、しっかり良いファイナルを迎えられればいいなと思っております。

(文・金多賀歩美/写真・堅田ひとみ)

SLAPSLY

CHIYU(Vo&B)

オフィシャルサイト

リリース情報

New EP『EXCITED』
2024年10月9日(水)発売

[通常盤](CD)FAM-10007 ¥2,500(税込)
(発売元:FUN ALL MUSIC/販売元:ダイキサウンド)

[限定盤](CD+DVD)FAM-10008 ¥7,500(税込)
(発売元・販売元:FUN ALL MUSIC)
※オフィシャルWEBサイト、ライブ会場限定販売

収録曲

[CD]※共通

  1. Slayyyyy
  2. Anser indicus
  3. Can’t stop feeling
  4. アマランヴ
  5. fleek=fleek

[限定盤DVD]
・「fleek=fleek」ミュージックビデオ
・「fleek=fleek」ミュージックビデオ Directors Cut
・EXCITED メイキング

ライブ情報

●SLAPSLY Tour 2024 〜One grows「EXCITED」〜
10月19日(土)横浜 BuzzFront
10月25日(金)名古屋 ell.SIZE
10月26日(土)心斎橋 OSAKA RUIDO
10月28日(月)尼崎 SCOPE ※FAN SITE会員限定ライブ
11月3日(日)赤羽 ReNY alpha
SLAPS MEMBER:タイゾ(G/ANONYMOUS)、直人(Dr/ダウト)

●CHIYU 聖誕祭2024 〜ランヴランヴで痺れさせて〜
12月27日(金)高田馬場 CLUB PHASE
SLAPS MEMBER:JOHN(G)、YASU(Dr)