NIGHTMARE

NIGHTMARE

15周年のアニバーサリーイヤーを飾るニューシングルが完成!
『落園』に収められた3つの楽曲が描き出すNIGHTMAREの今を紐解く。

結成15周年のアニバーサリーイヤーを駆け抜けるNIGHTMAREが、ニューシングル『落園』を完成させた。リリース日の10月28日は、今年6月に豊洲PITで行われたライブの模様を収めたDVD&Blu-ray『NIGHTMARE 15th Anniversary Tour CARPE DIEMeme TOUR FINAL@豊洲PIT』のリリース、さらに、このシングルのタイトルを冠したライブ「FALL OF EDEN」の実施と、まさにアニバーサリーイヤーにふさわしい1日となりそうだ。Vifでは、そんな5人にスペシャルインタビューを実施。今回もコメント動画と併せて、じっくりお楽しみいただきたい。

◆ベースラインのアイディアがすぐに色々出てきた(Ni~ya)

Ni~ya

――10月28日はシングル『落園』と同時にライブDVD&Blu-rayがリリースされますね。このライブ、振り返ってみていかがですか?

咲人:良かったと思いますよ。2Daysあったから、どっちがどっちだっけ?っていうのはありますけど。収録は初日だけだったんですよね。

柩:1日目2日目って区別があんまりつかないんですよね。でもDVDで観ると、ステージから見た時より会場が広く見えました。

Ni~ya:確かに。映像で観ると幕張メッセみたいだよね。

――2日目はNi~yaさんのお誕生日でしたね。

Ni~ya:そうです。あんな大勢に祝われることってなかなかないから、単純に嬉しかったですね。

――ライブレポートにも書きましたが、長渕剛をあれだけ大勢の人の前で披露する度胸に脱帽しました(※残念ながら今回のDVDには収録されないそうです)。

Ni~ya:あれね!

咲人:でも、さすがにあれは急すぎたよね。準備もできてなかったでしょ。

Ni~ya:できてないよ。いきなり「弾き語りしてよ!」って言われて、「ええ~~!?」ってなったからね。足元に歌詞は出るんだけど、コードが出なくて、「コード出して!」って言ったら歌詞が出なくて…。どっちかしか出ないから「どうしよう…無理だ!」と(笑)。

――これはメンバーの皆さんも知らないサプライズだったんですか?

RUKA:うん。俺も知らなかった。

Ni~ya:知ってたのはゾジー(YOMI)くらいだな。

RUKA:お前知ってたの!?

YOMI:うん、知ってた。打合せがあって進行した感じ。

――パンチの効いたバースデーサプライズでした。さて、シングル『落園』についてお聞きしたいのですが、RUKAさんの曲でタイトルが漢字二文字というのは珍しいですね。

RUKA:前は結構あったんですけどね。「東京傷年」とか。最近漢字曲は少なくなったな。あ、タイトルと歌詞に出てくる漢字(歌詞では〈楽園〉)が違う理由は、読んでいくとわかると思います。

――頭の7秒くらい沈黙ですが、これはどういう意図が?

RUKA:ここは実は薄っすらとパッドの音とかが入っているんです。曲頭で急にアルペジオが始まるより、2段階、3段階で徐々に上げたいと思って。

Ni~ya:この曲はベースラインのアイディアがすぐに色々出てきた曲、っていう印象がありますね。最初に聴いたときから、できるだけ違うトリッキーな方向に持って行きたいなとは考えていました。でも本当は、自分は2曲目の「empty.」がA面にくるだろうと勝手に思っていたんですよ。そのせいもあって「B面だし思いっきりやっちゃえー」と思った部分もあります(笑)。

――なるほど(笑)。ちなみに『blur』の時は「スラップやって」とRUKAさんからオーダーがあったそうですが、今回は?

Ni~ya:今回はなかったです。昔は結構ありましたけどね。「動いて」って言われて「どんなの?」って聞くと「ブンブンいってるやつ」とか言われたりして。でも最近はあんまりないな。

――信頼されているんですね。

Ni~ya:だといいんですけどね。

RUKA:…。

Ni~ya:ノーコメントか(笑)!

◆自分のギターよりヴォーカルを立たせようと思った(柩)

柩

――各々、聴きどころを挙げるとしたらどこでしょう?

Ni~ya:俺、Aメロが好きで。Aメロからのブリッジからの2Aが自分的にツボです。

RUKA:おー、なるほどね。

柩:曲調的に、俺はベーシックな感じで弾いてます。最初に聴いた印象で、自分のギターよりヴォーカルを立たせようと思ったので、聴きどころは歌ですかね。とは言え、そもそも機材は何を使ったかも覚えてないっていう…(笑)。

RUKA:録ったの春だしな。曲を作ったのも年頭だし。

咲人:かなり前っていうこともあって、俺はデモの印象はあんまり覚えてないんですよね。最終的な仕上がりって何かしらトゲというか、突出した部分が出ると思うんですけど、デモはそれがない状態だと思うし。でも、割と最近の傾向のど真ん中って印象だったかな。

――咲人さんは以前、「王道だと天邪鬼だから何とかしたくなる」と言っていましたが。

咲人:今回は目立った天邪鬼はできていないかもしれないな。何かないかなって毎回絶対考えるんですけど、流れに身を任せたというか。アルペジオが入っていた印象が強かったので、それを残しつつどう変えようかなとは考えました。アルペジオをデモ通りの部分に入れて、不思議なハーモニーになるように重ねたり。

――印象的なアルペジオでした。

咲人:あれをライブでどこまでやろうか悩むところですね。色々重なってくるので。元々俺はアルペジオ人種じゃないんですよ。弾けるから、デモに入っていたら自然と弾いちゃうけど。

柩:うん。ほとんどの場合弾いてるよね。

咲人:ちなみにこの曲はLUNA SEAの時代から脈々と受け継がれているステイ系アルペジオです。アルペジオにはコード進行によってどんどん変わっていくタイプと、そのキーのまま外れる音は変えるけどコードとコードの間の共通の音を残しつつステイさせるっていうのがあって、後者はINORANさんに多いんですよ。この曲の聴きどころを挙げるとしたら、ステイ系のアルペジオのハーモニーですね。

――もう一度じっくり聴いてみます。ではYOMIさんは今回の歌録りはいかがでしたか?

YOMI:今回の「empty.」と「Gotta Get a Ghost」はこの前のアルバム『CALPEDIEM』のツアーの前にレコーディングしていて、「落園」だけツアー中になっちゃったんです。自分的にはツアー中は喉が疲れるから、できるだけ録りたくないっていう話はしていたんですけど、どうしても録らないといけなくて。自分の中ではその段階でのベストな状態で録ったんですけど、ツアーが終わって録り直したら、やっぱり後から録った方が良かったのでそっちが採用されました。ツアー中にレコーディングするのは良くないなと改めて思いましたね。

――ツアー中のレコーディングはこれまでもありましたか?

YOMI:ほとんどツアー中に録ってます。多いんですよ。そういうのが原因で喉を壊したりもしたから、ツアー中はツアーに、レコーディングの時はレコーディングに集中したいってスタッフとも話して、今年はできるだけそういう形でやらせてもらってます。

◆目覚めさせられちゃいました(YOMI)

YOMI

――「落園」のMVはRUKAさん主導で制作されたと思いますが、これはどういうテーマだったんですか?

RUKA:都市伝説です。

――意外な答えが返ってきました。

RUKA:俺、昔あの話(※某アニメの最終回で、実はすべて主人公の夢だったという都市伝説)を聞いたときに怖くて衝撃を受けたんですよ。でも、よく考えたなと。いつかこれでMVをやりたいなと思っていたんです。で、今この瞬間がゾジオさん(YOMI)の夢だったっていうのは面白いなと。

――久々にYOMIさんに主役感のあるMVでした。

YOMI:撮るの大変だったんですよ。

Ni~ya:ゾジーはカット数多いもんな。

YOMI:そうなんだよね。2曲撮ったんですけど、結構厳しいスケジュールで。寝ている病院のシーンとか、「empty.」のリップシーン(※MVで映像の背景に流れる歌声に合わせて、唇を動かすシーン)とか演奏シーンは別日に撮っていて、さらに外のロケのシーンを全員で1回撮りに行ったんですけど、風が強すぎて撮れず、結局別の日に俺だけ一人で茨城に行って海で撮って帰ってきたっていう…。

柩:ちなみにあのシーン、4人は合成なんですよ。

――全く違和感がないですね!

RUKA:うん。なかった。もっと違和感あると思ったんだけどな。

柩:みんなそこにいる感じになったよね。

RUKA:あそこまでできるなら今後も合成で良いんじゃないかって思ったけど、その風景にもよるんだろうな。今回はうまくなじんだけど、モロばれみたいなのもあるしね。

柩:でも、今回みたいな出来ならゾジーも行かなくてもよかったんじゃないの?

――がんばって茨城で撮ったのに(笑)。

YOMI:ひどい話ですよ。

Ni~ya:それにしてもきつかったな。最初に全員で行った日は、FC旅行の前日だったんですよ。でも結局撮れず無駄足だったっていう。その後に「落園」の演奏シーンを高田馬場AREAで夜撮って。

YOMI:それを言ったら、俺はFC旅行が終わってすぐ茨城ですよ。雨ザーザーで撮れないんじゃないかって状態だったのに、「晴れるらしいですよ」って言われて。晴れなかったらどうするんだろうっていう不安を抱えた状態で行ったっていう(笑)。

――挙句に、行かなくて良かったんじゃないかと言われてますが。ところで今回の「落園」は最後にちゃんとYOMIさんが目覚めますよね。歌詞も〈前を向いて迷わないで歩き始めよう〉という、RUKAさんの歌詞には珍しい前向きなもので驚きました。

柩:そこは「悪いことでもなるようにしかならない」って意味だよね。

RUKA:そうそう。そっちのほうで。

――状況改善ではなく、現状維持なんですね。

RUKA:そうですそうです。

YOMI:あと、俺は個人的にMVで死にたかったんですけど、死ねませんでした。

Ni~ya:心電図がピーーーってなるやつがよかったんだろ。

YOMI:そうそう! それで「ガクッ」ってなりたかったんだけどね。目覚めさせられちゃいました。

咲人:まだ稼げってことだよ。

YOMI:ひどい話ですよ!