NIGHTMARE

Nightmare

バンド名を冠した待望のニューアルバム『NIGHTMARE』。
これまでのNIGHTMAREを覆す革新的な1枚を5人が語りつくす!

ついに世に放たれるNIGHTMAREのニューアルバム。収録された14曲(Type Cのみ15曲)が次々と表情を変えながら描き出すその音世界に驚かされ、酔いしれる。インタビューで聞かせてくれた「ここから新しくNIGHTMAREを始める」という宣戦布告に相応しい革新的なこの作品の魅力を、メンバー5人にたっぷり語ってもらった。

◆今までで一番好きなアルバムですね。単純に、良いものができたなと思います。(Ni~ya)

――夏に、YOMIさんとRUKAさんにシングル『SLEEPER』の取材をさせていただいた時、ちょうどアルバムのレコーディング真っ最中でしたよね。完成した今の率直な感想を聞かせてください。

YOMI:頑張ったなぁと。いろんな曲調に合うように歌えたので納得がいく作品ですね。

柩:聴き応えがあるっていうより面白いアルバムになりました。

――苦労はありましたか?

咲人:曲作りが一番きついんですけど、年々レコーディングに関しては気が楽になってますね。

――それは作業的に?

咲人:いや、作業量は変わらないんですけど、最近の曲はイメージを掴みやすい曲が多いから、フレーズを考えるにしても楽でした。今回は柩とNi~yaの曲も入っているので、作曲者が違うだけで、曲に対するギターアレンジの姿勢も自然に変わってくるんですよ。新鮮味もあったし、レコーディング自体、かなり楽しめたなと。まだ客観的に見られていないので、今の俯瞰ではありますけどね。

Ni~ya:俺は今までで一番好きなアルバムですね。単純に、良いものができたなと思います。まぁ毎回、色々反省点はあるんですけどね。後から、こうしたら良かったかなと思うことはあるけど、それはそれで次に繋げたら良いし。

RUKA:俺は録ってる時から不安になってましたね。ライブで全曲やると思うと震えが…

――(笑)。それは武者震いではなくて?

RUKA:いや、怖れのほうですね。「零(-beyond the G.-)」とかシングル曲は、これまでもライブでやってるからいいんですけど、「Q.」は構成を覚えてないんで。だって一回構成が変わったんですよ。これは俺の知ってる「Q.」じゃないんです。

――それは怖いかも…(笑)。

RUKA:他には「$ream」かな。正直俺、これ叩けるかわからないですもん。

柩:そこまで(笑)?

RUKA:(ライブの)頭にやったら確実に叩けないですね。体が温まってないと。レコーディングも他の曲を録ってからだったし。

――ライブでは頑張るRUKAさんに要注目ということで(笑)。ところで、アルバムの内容はいつ頃決まったんですか?

RUKA:今回のアルバム自体が複雑で、どう説明していいか、いまいちよくわかってないんですけど、そもそもは移籍の話が出て、リリーススケジュールが立たない今のうちに曲をいっぱいためておこう、というところから始まったんです。その段階ではまだ全然アルバム話は出ていなかったんですけどね。

――以前から、このタイトルでアルバムを、と考えてはいたんですか?

柩:これまでも候補としては何回か挙がってましたね。

RUKA:時期的にもぴったりかなと。10周年が終わって、移籍後1枚目だし。

――移籍後1枚目、バンド名を冠した今回のアルバムですが、レコーディングで何か新しく取り入れたものはありますか?

咲人:「fragment」でマンドリンを使ったことと、「The sorrow of deceiver」で七弦ギターを導入したことですかね。(音を)重くしたかったんですけど、チューニング落とすだけだと対応できなくなって、七弦にしました。

――使ってみていかがでした?

咲人:別の楽器みたいなもので、慣れるまで大変でしたね。弦が一本増えるだけで、わけがわからなくなるし。何年か前にも一回使おうと思ったことあったんですけど、その時は「これはギターじゃないな」と思ってやめて、今回再チャレンジしました。

――リベンジ成功ですね! では、YOMIさんは今回歌ってみて、満足度は?

YOMI:個人的にですけど、「a:Fantasia」と「零(-beyond the G.-)」は個人的には点数高い! 他は合格点です。

――「cherish」の一番最初のウィスパー、個人的にあれが結構好きなんですが。

YOMI:そうあそこ! あの部分で、まぁ80点中の…

全員:80点中の(笑)!?

YOMI:うん、80点中の60点。

柩:ちょっと待って80点中の60点て何!? 100点中じゃないの?

RUKA:ゾジー(※YOMI)の中では「cherish」の歌は80点なんだよ。だから80点中の、ってこと。

Ni~ya:よくRUKAさん理解できたね。

RUKA:もう飼いならしてるからね。

柩:最初の「cherish」って言ったとこでもう60点使っちゃってるんだ。…お前、歌始まってから20点じゃねーか(笑)!

YOMI:(笑)

――全力の「cherish」だったんですね(笑)。

◆お前だけモテそうだよな。他4人は噛ませ犬で(RUKA)

――今回ジャケット写真と、リード曲である「swallowtail」のPVにアゲハ蝶が登場していますが、何かのキーワードだったりするんですか?

RUKA:うーん、考えた時には色々意味があったと思うんですけど、なんせ忘れちゃうんですよね。

――発案はRUKAさんだったんですか。

RUKA:うん。ジャケットの蝶は、いつも写真を撮ってもらっているカメラマンの宮脇さんの作品なんですけど、この写真がすごく好きで。

――今回のリード曲2曲は音も映像も対象的ですが、すんなり決まったんですか?

RUKA:紆余曲折あり。すんなりは決まらなかったよね。

柩:「cherish」と「零(-beyond the G.-)」も候補にあがってたし。

咲人:でもリード曲になるってことは映像を撮らなきゃいけないですからね。どうしてもイメージがわかない曲もあったし。

――「cherish」を映像にしたらどうなってたんでしょうね。

柩:サイコじゃないかな。

RUKA:それかゾジーの顔をアイコラだな。犬に。

――(笑)。映像は作詞作曲者のイメージで作ると前回RUKAさんが言っていましたが、「swallowtail」のイメージは?

RUKA:例えば戦争が起きた世界と起きなかった世界があったとして、それぞれの世界に生きる女の子がいるわけです。戦争が起きた世界はガスマスクがないと生きられないような世界で、そこで生きている女の子は戦争が起きなかった世界の女の子を憎んで殺しに来るんだけど、その世界の女の子はどうしても二人とも幸せになりたいっていう…そういうオーダーで作りました。

――深いですね。ではもう一つのリード曲「RAY OF LIGHT」は、作詞がYOMIさん、作曲がNi~yaさんですが、PVはどちらの案?

Ni~ya:ゾジーっすね。

YOMI:あれはここで撮りたいとか、こういう風にとか、大雑把に注文しただけなんです。

――よく天文台での撮影許可が下りたなと思って。

RUKA:もう稼働してないところなんですよ。

咲人:博物館みたいになってて。

Ni~ya:撮影日はとんでもなかったですけどね。台風直撃で。

柩:名古屋から関東に台風来た日だったんですよ。ラストの天井が開くシーンを撮る頃には落ち着いてたんですけど。

RUKA:最後天井開けたんだ! へー! で、何か見えた?

YOMI:何も見えなかった。

RUKA:(笑)

YOMI:でも(望遠鏡が)動いてるのは、すごいかっこ良かった!

――歌詞と相俟ってキュンとくるPVですよね。

RUKA:お前(YOMI)だけモテそうだよな。他4人は噛ませ犬で。

YOMI:いやいやいや、みんなかっこよく撮ってくださいって言ったよ!

――こっそり「俺だけかっこよく」って言ったりしなかったんですか?

YOMI:言ってないっす! 言ってないっす!

◆じゃあVifだけに教えてあげる。答えは俺だったって(YOMI)

――ところで「零-beyond the G.-」ですが、ジャイアニズムは「死」と「天」で完結したと思っていたのでライブで初めて聴いた時は驚きました。

咲人:仮タイトルは「ジャイアニズム零」だったんですけど、「(ジャイアニズムは)一回終わったよね」っていう人もいたので、最終的にタイトルには使わなかったんです。結構悩んだんですよ。「ジャイアニズム零(仮)」でも良いんじゃないか、とか。でもさすがに「(仮)」はまずいなと思って。ただ、「ジャイアニズム」を全く匂わせないのはなしだと思ったので、サブタイトルで補った感じですね。

――作る段階では「ジャイアニズム零」のスタンスだったんですね。「ジャイアニズム」は今後も続くんですか?

咲人:いや、もう完全に終わり。続かないです。

――続かないんですか…ちょっと寂しいですね。

咲人:ライブで盛り上がれる曲は今後も作っていくと思うんですけど、ジャイアニズム絡みのものはもう絶対作らないです。けじめですこれは。

柩:とか言いながら曲出しの時に、しれっと「ジャイアニズム11」が入ってたりしてね(笑)。

全員:(爆笑)

柩:「あれれ?」みたいな。

Ni~ya:間違いなくタイトル変えられるよな(笑)。

咲人:(笑)。でもまぁ、もしかしたら解散するとか、そういう話になったら作るかもしれないですけどね。局地的な場面じゃないと作らないですよ。

――ところで咲人さん作詞作曲の「Q.」、これの答えはあるんですか?

咲人:あります。でもこれは言わないって決めてるので。

柩:どうする? 答えが「ゾジー」とかだったら。

全員:(笑)

YOMI:でもこれ最後に「愛しい」ってあるから、俺でもいいかなー。

柩:「作る、壊す、飾る、繰り返す…」

RUKA:ふふふ(笑)。

YOMI:歌うっていうのも入ってるしね。

柩:ゾジーかもしんないよ。

Ni~ya:ゾジーだな。

――答えが決まりつつありますね。

咲人:いやいや、決まらないですよ!

YOMI:「悪いところばかりだけど、悪いところばかりでもない」

全員:(爆笑)

YOMI:じゃあVifだけに教えてあげる。答えは俺だったって。

柩:違うわ! でもこの答えは、その人の思うもので良いってことですよね。

――では、この場では満場一致でYOMIさんということで…

咲人:いやいやいや! まぁ、そうも捉えられるってことですよ。