2026.02.22
DIAURA × アルルカン@恵比寿LIQUIDROOM
「DIAURA × アルルカン 2MAN LIVE『THIS IS MY CULT.2026』」

DIAURA
アルルカン

同志でありライバル、切磋琢磨できる相手が存在するというのは、なんと幸福なことなのだろう。人が一歩先へと進み続けるための、確かな原動力になるのだから。かつてyo-ka(Vo/DIAURA)が語った言葉を借りるなら、バンドは「戦いながら育っていくところも大きい」。このたび開催されたDIAURAとアルルカンによるツーマンライブ「THIS IS MY CULT.2026」もまた、その事実を証明すると同時に、両バンドと愚民(DIAURAのファンの呼称)・ダメ人間(アルルカンのファンの呼称)を含めた共闘感を、より強く刻んだ一夜だった。

改めて、ここに至るまでの時系列を振り返っておきたい。事の始まりは2023年に遡る。12月26日に2バンドによる無観客生配信ライブが行われ、そのタイトルとして初めてこの「THIS IS MY CULT.」というワードが用いられた。一つの会場に二つのステージが向かい合う配置で組まれ、DIAURAとアルルカンが1曲ずつ交互に演奏をぶつけ合うという前代未聞の形式で進行したライブは、独特の緊張感と両者のひりついた空気が、何とも形容し難い熱量を生んだ。

これを前哨戦として、本戦となったのが2024年4月から6月にかけて開催された全19公演に及ぶツーマンツアーだ。開催に先立ち、両バンドは初の合同楽曲を制作。佳衣(G/DIAURA)と奈緒(G/アルルカン)が共作で作曲を手掛けた同一楽曲に、それぞれが異なる歌詞とアレンジを施し、各々のシングルのc/w曲として収録した。これらに掲げられたタイトルは全て「THIS IS MY CULT.」。さらに、ラフォーレ原宿でのショップコラボや限定イベントも実施されるなど、単なるツーマンライブの枠を超えた一大プロジェクトとなった。

ただし、DIAURAとアルルカンの関係性はそれらが起点ではない。DIAURAは2026年1月に15周年、アルルカンは2025年10月に12周年を迎えたバンドだが、活動初期には幾度も対バンを重ねてきた間柄だ。その後、互いの道を突き進む中でコロナ禍も含む年月を経て、「改めて拳を交えて、初心に返って殴り合いをしよう」と再び向き合ったのが、「THIS IS MY CULT.」なのだ。

かくして、ツーマンツアーから1年半余りを経て実現した「THIS IS MY CULT.2026」。恵比寿LIQUIDROOMを舞台に、2月21日を前夜祭「BEHIND THE CULT[ure]」、翌22日を本編とする2days公演として開催された。

アルルカン

迎えた2月22日、先攻はアルルカン。オープニングSEから準備万端のOiコールがフロアに巻き起こる中、「さぁ始めようか」という暁(Vo)の一声を合図に、凄まじい重低音を轟かせる「Eclipse」で火蓋を切った。続いて、トリッキーなリズムとキャッチーなメロディを共存させながら、表現者としての覚悟を歌う「ARTIST」、軸のブレない祥平の強固なベースプレイに、來堵と奈緒によるツインギターの双璧ぶりが圧巻の「墓穴」を畳み掛けた。

序盤ブロックのムードを一変させたのは、「消えていくオレンジの空へ」。「THIS IS MY CULT.」収録シングルの表題曲であり、叙情性が際立つこのナンバーで、〈もう一度だけ もう一度だけ 祈りながら 愛しながら 呪いながら 抱え続けた 希望よ 芽吹け〉と、フロアのすべてと対峙し、一人ひとりへ訴えかけるように歌い上げる暁の姿が強い印象を残した。そこへ不穏な旋律に乗せて〈愛してる〉がループする「バール」が続いたことで、前曲と通底する軸を持つリリックが重なり、生きること、愛することをより色濃く浮かび上がらせた。

來堵

「DIAURAと愚民、アルルカンとダメ人間で作るこの『THIS IS MY CULT.』。こうして再会するたびに、お互いにこの瞬間が価値のあるものだと感じ合えるように、愛しているし、愛してもらえる自分でいたいから、今日一番カッコいいアルルカンを持ってきました」

そんな暁の言葉から披露された新曲「DAWN」は、「バール」とも親和性の高いダークなナンバー。次いで、存在証明を叫ぶハードなライブチューン「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」で一気に振り幅を反転させ、強烈なコントラストを描き出すと、そのまま「THIS IS MY CULT.」へなだれ込み、場内の熱量は加速の一途をたどる。さらに、「ダメ人間! 愚民! この二度とない1日を焼き付けようぜ!」(暁)と、ヘヴィーかつドラマティックな「SP4RK」で劇的な景色を生み出した。

奈緒
祥平

ここで暁が述べた「愚民のことを“戦闘民族”だと思っていて。俺、頑張ってファイティングポーズをとっていた時があったんだけど、今は思いきりぶん殴れる相手でよかったなと思っています」という言葉は、DIAURAと愚民に対するこの上ない賛辞。そのうえで「俺とめいっぱい生きてくれ! 今あるものを声に出してくれるだけでいい!」と叫び、さらなる新曲「AFTERMATH」へ。満場のOiコールが鳴り響くなか聴こえてきた、〈一瞬を繰り返して〉〈永遠を〉といったフレーズが忘れ難い。

それを皮切りとした最終ブロックでは、歌謡ロック「人形-ヒトガタ-」でメンバーコールを挟みながら、「見せつけてやる準備はできてるか、ダメ人間!? 狂ってこられるよな、愚民!? ダメ人間、歪でいい! 愚民、愚かでいい! 今日欲しかったものを思いきり欲しがってくれ。欲しいものがある限り、愛する俺のダメ人間だ! 全員でかかってこい!」という暁の絶叫から、鉄板曲「ダメ人間」を投下。フロア一面に広がる凄まじいヘッドバンギングが、この夜の熱狂を鮮烈に刻みつけた。

「今、お前らが聴いている音は、ただの音だ。手を伸ばして、初めて力になる」と暁。アルルカンの当夜ラストナンバーとして「世界の終わりと夜明けの前」が届けられ、オーディエンスがステージへ手を伸ばす美しい光景とともに、絶望の夜に希望の光を見せるカタルシスに満ちたエンディングとなった。

DIAURA

後攻のDIAURAは、登場と同時にyo-kaがフラッグを翻し、彼らの原点たる「DICTATOR」で幕を開けた。当夜披露された全13曲は、始まりと終わりにバンドの本質とカラーを明確に示す代表曲を配しながら、1月にファイナルを迎えた前ツアーのムードを引き継ぐような構成だった印象が強い。

「DICTATOR」の後に供されたのは、オーディエンスとの掛け合いを含む「ドラスティックダイヴ」、〈FOOL&FOOL LOVE〉のリフレインに合わせてフロアに手が揺れる「愚踊」。ベクトルの異なるライブチューン2曲で熱量を上げると、「愚踊」との相性が抜群のダンサブルな「THIS IS MY CULT.」で横モッシュの光景を生み出した。

yo-ka
佳衣

「共に作り上げてきた…まだ完成形ではないと思うので、作り上げて“いる”ものだと思います。暁も言っていたように、やり合うのがこの『THIS IS MY CULT.』。やり合いましょう。ただそれだけ。やり合うと気持ちいいのよ。だから、今日も悔いを残さないようにやり合いたいと思います。次の曲はお前たちの声を求めます。求めるのは一言だけ。『独裁』」(yo-ka)と告げ投入された「愚民党賛歌」は、そのタイトルが示す通り、本来は愛する愚民たちへ捧ぐ楽曲だ。それをこのツーマン公演で鳴らすことの意義は決して小さくない。「THIS IS MY CULT.」だからこそ生まれた共鳴が、そこにはあった。

続いて、フロアを大きく揺らしたDIAURA流ダンスチューン「JUDAS」、ヘヴィーかつ緩急に富んだ展開を見せた「Doomsday」は、〈さよならの代わりに 地獄でまた会おう〉と歌う前者と、終末の日を意味しながらその先をも示唆する後者の連なりが感じられた。一転、疾走感のあるロックナンバー「COLD SLEEP」、yo-kaの巧みなヴォーカリゼーションや佳衣の切情を帯びたギターソロが胸を打つバラード「朽白」と、冬を舞台に凍結や喪失を描いた2曲が続き、そこから「ホライゾン」で人の愚かさや命の平等性を示しつつ、なお希望の光を提示する流れは、実に見事な構築美だった。

翔也
達也

「異なるバンドとファン、皆同じじゃないのは当たり前。異なるものが混ざり合うのは簡単じゃない。DIAURA、アルルカンのライブも、温度が確実に増している『THIS IS MY CULT.』になってきたんだなと。やってよかったなと思いました。だからこそ、全ての曲をしっかり届けていこうと、ブッ刺していこうと思いました。暁の言葉を拝借してばかりで申し訳ないけど、一番カッコいい今のDIAURAをお前らに届けます!」(yo-ka)

こうして披露された新曲「独と毒」は、佳衣と翔也(B)による弦楽器隊のハードなアンサンブルや、達也(Dr)の見せ場となるキメを盛り込みつつ、近年のDIAURAが志向するライブ像にふさわしいロックさを際立たせた1曲だ。さらに、〈ここは君の居場所なんだ 君の世界だ〉と歌う「MADDY CIRCUS」で高揚感を引き上げると、代表曲「MASTER」へ。翔也のデスボイス、yo-kaにマイクを向けられた達也の煽りも炸裂し、ヘッドバンギングの絶景をもって、白熱のクライマックスを迎えた。

楽器隊が先に再登場したアンコール。佳衣が「特別な時間になりました。またどこかで交わることもあるかもしれない。いつかはわからないけど、また一緒に立てたら嬉しいし、アルルカンも、愚民もダメ人間も、同じ気持ちだったら嬉しいです」と述べ、yo-kaと暁を呼び込んだ。二人のやり取りは終始和やかなものだったが、その中で暁が口にした言葉は、互いに進化を続けてきたDIAURAとアルルカンの関係性、その現在地を示す象徴的なメッセージだった。

「ずっとDIAURAはお兄ちゃんみたいな存在で。後輩でいるのは楽だし。でも今年は、肩を並べられたと思えた。皆は、自分の好きなバンドが格上の強いバンドとやる時、応援しに行かなきゃって思うのかもしれない。でも、格上の相手と当たることによって、もっとすごいライブができる。DIAURAが相手だからこそできたライブだと思う」(暁)

それに対し、yo-kaが「後輩だと思ってないよ」と返すと、暁は「今やっと、自分に自信があって、肩を並べられるようになったから」と続けた。そのやり取りは、互いを認め合う関係性を物語るものだった。そして、このステージの最後に届けられたのは、ツインヴォーカルでの「THIS IS MY CULT.」。センターお立ち台に二人が並んで腰掛け、歌声を重ねるシーンもありながら、「どうかまた交わる場所で会いましょう!」(yo-ka)、「ぶつかって気持ちよかったのが、皆にも伝わっていると思うので、またいつか会いましょう!」(暁)という二人の言葉をもって、幕となった。

「アイツが言っていることは正しいのか、アイツがやっていることは間違っているのか、色々考えたって皆バラバラだから、信じたいもの愛したいものが一個あるだけで、俺は十分だと思うんですよ」――思い返せば、「THIS IS MY CULT.」の始まりの日、暁はそう語っていた。それこそがこの冠の核心であり、DIAURAとアルルカンがステージを通して体現してきたものだ。ここからまた両者がそれぞれの美学と戦い方で歩みを進め、その先で再び道が交わる日が訪れることを願いたい。

◆セットリスト◆
【アルルカン】
01. Eclipse
02. ARTIST
03. 墓穴
04. 消えていくオレンジの空へ
05. バール
06. DAWN
07. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。
08. THIS IS MY CULT.
09. SP4RK
10. AFTERMATH
11. 人形-ヒトガタ-
12. ダメ人間
13. 世界の終わりと夜明けの前

【DIAURA】
01. DICTATOR
02. ドラスティックダイヴ
03. 愚踊
04. THIS IS MY CULT.
05. 愚民党賛歌
06. JUDAS
07. Doomsday
08. COLD SLEEP
09. 朽白
10. ホライゾン
11. 独と毒
12. MADDY CIRCUS
13. MASTER

En
01. THIS IS MY CULT. with 暁

(文・金多賀歩美/写真・スズキコウヘイ)


【DIAURA リリース情報】
●15th Anniversary BEST ALBUM『INCOMPLETE Ⅲ』
2026年4月1日(水)発売

[2CD+DVD/豪華ブックレット仕様]NDG-38 ¥8,800(税込)

【アルルカン リリース情報】
●New Album『imagine』
2026年3月25日(水)発売

[初回限定盤](2CD/スリーブケース仕様[フォトブックレットほか限定特典付き])ANMA-029A ¥7,800(税込)
[通常盤](CD/ジュエルケース仕様)ANMA-029B ¥4,300(税込)

【DIAURA ライブ情報】
●達也生誕祭「Joie de Vivre 2026」
3月28日(土)Spotify O-WEST

●DIAURA 15th Anniversary TOUR「独裁の庭」
4月12日(日)下北沢シャングリラ -愚民党LIMITED-
4月18日(土)柏PALOOZA
4月19日(日)F.A.D横浜
4月25日(土)HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
4月26日(日)HEAVEN’S ROCK 宇都宮VJ-2
5月9日(土)郡山HIP SHOT JAPAN
5月10日(日)仙台MACANA
5月14日(木)八戸フォーミー
5月16日(土)札幌SPiCE
5月17日(日)札幌SPiCE
5月23日(土)金沢AZ
5月24日(日)新潟GOLDEN PIGS RED
5月31日(日)神戸VARIT.
6月2日(火)岡山IMAGE
6月3日(水)広島セカンドクラッチ
6月5日(金)高知X-pt
6月7日(日)福岡DRUM Be-1
6月13日(土)OSAKA MUSE -愚民党LIMITED-
6月14日(日)OSAKA MUSE
6月18日(木)浜松フォース
6月20日(土)名古屋Electric Lady Land -愚民党LIMITED-
6月21日(日)名古屋Electric Lady Land
6月27日(土)Veats Shibuya

【アルルカン ライブ情報】
●アルルカン LIVE TOUR 2026「imagine」
4月5日(日)Spotify O-WEST
4月15日(水)京都MUSE
4月17日(金)福岡OPʼs
4月18日(土)福岡OPʼs
5月2日(土)水戸ライトハウス
5月3日(日)HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ-2
5月8日(金)岡山IMAGE
5月9日(土)周南RISING HALL
5月30日(土)F.A.D YOKOHAMA
5月31日(日)F.A.D YOKOHAMA
6月6日(土)HEAVEN’S ROCK熊谷VJ-1
6月13日(土)金沢AZ
6月14日(日)富山Soul Power
6月27日(土)柏PALOOZA
6月28日(日)柏PALOOZA
7月4日(土)HEAVENʼS ROCK さいたま新都心VJ-3
7月5日(日)HEAVENʼS ROCK さいたま新都心VJ-3
7月11日(土)札幌CRAZY MOMKEY
7月12日(日)札幌CRAZY MOMKEY
7月17日(金)盛岡 club CHANGE WAVE
7月18日(土)仙台MACANA
8月14日(金)神戸太陽と虎
8月16日(日)梅田BANGBOO
8月28日(金)静岡Sunash
8月29日(土)名古屋Electric Lady Land
9月6日(日)Zepp Haneda

●奈緒BIRTHDAY LIVE『帰ってきた悪ガキ2026〜SPECIAL 2DAYS〜』DAY2-爆誕祭- 「毎年恒例、怒涛の26曲ワンマン!!」
4月26日(日)岐阜 club-G

●祥平BIRTHDAY LIVE「凱旋-give back to the TACHIKAWA-」
5月12日(火)立川BABEL

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