lynch.

当時のように曲自体に向き合うツアーに

晁直

「GOD ONLY KNOWS」のMVに圧倒されました。GODの要素も散りばめられていて茨の冠が目を引きましたし、悠介さん(G)の謎めいたソロカットもありましたし。 

葉月:光を神として表現しているらしいです。今回のMVでは、初めて皆からの「ここを変えてくれ」という要望がなかった気がします。いつも絶対あるんですよ。この部分はもうちょっとスピード感を出してくれとか色々。でも今回は基本的になくて、ほぼ一発OKでしたね。すごく良い映像作品だと思います。 

玲央:バンドの20周年にふさわしい、バンドの持っている良さが伝わりやすいMVという印象ですね。監督さんが僕らのことをちゃんと理解してくれていて、それがきちんと形になっていると思ったので、もう直すところがなかったです。 

バンドの味方、理解者がどんどん増えている感じがしますね。 

玲央:そうなんですよ。続けていないと味方は増えないですからね。 

10周年の時に玲央さんが「何年先でも、見て良かったとか、好きになって良かったって思われるようなライブバンドになりたい」と言っていましたが、その目標は達成されていると感じますか? 

玲央:最近のライブをステージから見ていて、割と初期から通ってくださっている方々がかなり来てくれているなと思うんですよ。 

客席を見てわかるものなんですね。 

玲央:わかります。FCに入っていただいたりして、早い整理番号だから前の方にいるというのもあると思うんですけど、ホールだとスロープになっているので、なおさらよく見えるんです。皆さんがそうやって応援してくださっているから、もっといいものやらなきゃと思って僕らもステージを重ねるんです。そしてそれを観て、次は何をしてくれるんだろうと期待しながらまた来てくれる。バンドはお互いの相乗効果で続いていくし、登っていくものだと思っています。だから、本当に良い関係のまま20年近くやってこられたなと思うんです。やっぱりダメなライブをやったらダメだって思われるし、人は離れていくんですよ。毎回が勝負する場で、切磋琢磨する場だということを痛感しているので、そうやって初期から応援してくださっている方が未だに来ていただいていることが本当にありがたくて。この先もこの関係を続けていきたいなと心から思っています。 

今回の作品は、lynch.から少し離れてしまっていた方が戻ってくるきっかけにもなりそうです。 

玲央:そうだと嬉しいですね。今回、そういった会場を意図的に選んでいるんです。会場の規模感とかインディーズの時に使わせていただいていた会場でやりたくて。 

今回のツアーの会場は、今のlynch.を観るには贅沢な規模感ですよね。 

玲央:そうかもしれませんね。ソールドアウトしてしまった会場もあるんですけど、やっぱりライブバンドと自負して足繫く通った会場、よくしてもらった会場もあるので、そこで今のlynch.がやることで恩返しにもなるんじゃないかという思いもあります。それに、ライブハウスから「また来てくれたんだ! ありがとうね」という声をいただけると次への活力になるので。そして、若い皆は絶対にライブハウスは味方にするべきですよ! 

含蓄あるお言葉です(笑)。そして今回のツアーでは、葉月さんの20年来の夢だった悪魔的ヘヴィネスが聴けるということで。 

葉月:そうです。当時表現しきれなかった部分も今ならできると思うんですよ。初期の曲を今演奏すると、どうしても「レア曲でしょ?」っていう雰囲気ありきになっちゃうじゃないですか。でもそうじゃなく、当時のようにちゃんとその曲自体に向き合ってやりたい。このツアーの期間は、全然レアじゃなくなる感じで向き合えたらと思っています。 

「SLEEPY FLOW」あたりでしょうか。 

葉月:これは一回もやってないですからね。昔はライブの途中で流したりしていましたけど、演奏自体はしてないですし。「らせん」とか、たまにFC限定や周年でやるイメージの「VERNIE」もそうかな。 

玲央:「STUCK PAIN」とかね。「UNKNOWN」「MELT」「PULSE_」あたりはずっとやっていますけど、その他は実はあんまりやっていないですから。 

晁直:何か今回、歌ものが多いなと思って。まだセットリストが決まっていないから何とも言えないですけど。 

葉月:セットリストはどうなるんですかね。ちょっと考えないと不思議な感じになっちゃうので、楽しめるようにしたいです。 

晁直:「ラティンメリア」は本編の最後にやるのかなぁって予想はしているんですけど。 

葉月:まぁ最後か真ん中が妥当かなぁ。 

玲央:今思い出したんですけど、最初に鹿鳴館で2days(2005年の東名阪oneman tour『underneath above ground』)をしたときの2日目の1曲目が「ラティンメリア」だったんですよ。 

えっ、どうしてそんなことに!? 

玲央:そう思いますよね(笑)。あの頃ちょっと尖りすぎていて、1日目は『greedy dead souls』を1曲目から順番にやったんです。そして2日目は逆に10曲目、9曲目、8曲目…という感じで、2日間でカウントアップとカウントダウンにしたんですよ。だいぶトリッキーなことをやっていました。2日目の「vernie」のラストはすごかったですね…。こじらせていました(笑)。 

今回のツアーでも、どこかの会場でこじらせたり…? 

玲央:それは、今は言えないです(笑)。まずは今回のアルバムとツアーを皆さんに楽しんでいただきたいなと思っています。そして次の周年プロジェクトは、今のターンがしっかり伝わったなと思う頃に…と思っているので、楽しみにしていてください。 

(文・後藤るつ子)

lynch.

葉月(Vo)、玲央(G)、悠介(G)、明徳(B)、晁直(Dr)

オフィシャルサイト

リリース情報

『GREEDY DEAD SOULS / UNDERNEATH THE SKIN』 
2025年4月30日(水)発売
(KING RECORDS)

[数量限定盤](CD+Blu-ray)KIZC-90771~90774 ¥9,900(税込) 

収録曲

[Disc.1:CD]『GREEDY DEAD SOULS』

  1. VERNIE
  2. QUARTER LIFE
  3. 矛盾と空
  4. 59.
  5. らせん
  6. REW
  7. SLEEPY FLOW
  8. UNKNOWN LOST A BEAUTY
  9. DISCORD NUMBER
  10. ラティンメリア
  11. PULSE_

[Disc.2:CD]『UNDERNEATH THE SKIN』

  1. THE WHIRL
  2. ALIEN TUNE
  3. MELT
  4. LIZARD
  5. ABOVE THE SKIN

[Disc.3:CD]『GOD ONLY KNOWS』

  1. GOD ONLY KNOWS(新曲)
  2. A GRATEFUL SHIT
  3. STUCK PAIN
  4. STARZ
  5. 無題
  6. DIZZY

[Disc.4:Blu-ray]

  • GOD ONLY KNOWS(新曲)MUSIC VIDEO
  • GOD ONLY KNOWS(新曲)MUSIC VIDEO MAKING

ライブ情報

●lynch. 20th ANNIVERSARY PROJECT “XX act:5” 
TOUR’25-UNDERNEATH THE GREED- 
4月18日(金)新横浜NEW SIDE BEACH!! 
4月20日(日)HEAVEN’S ROCK熊谷VJ-1 
4月24日(木)大阪Yogibo META VALLEY 
4月26日(土)和歌山SHELTER 
4月29日(火・祝)岐阜club-G 
5月15日(木)札幌Bessie Hall 
5月16日(金)札幌Bessie Hall 
5月18日(日)青森Quarter 
5月20日(火)仙台darwin 
5月30日(金)福岡BEAT STATION 
5月31日(土)熊本B.9 V1 
6月5日(木)名古屋ElectricLadyLand 
6月7日(土)高知X-pt. 
6月8日(日)岡山IMAGE 
6月13日(金)長野CLUB JUNK BOX 
6月15日(日)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE 
6月20日(金)Spotify O-EAST