D

全ての曲がエンディングに向かっている

Tsunehito

今作はマルチエンディング仕様という形で、3曲のエンディングが用意されています。

ASAGI:ずっと前から考えていたエンディングは「Nirgends ~[F]inal End~」だったんですけど、全て消え去る世界というエンディングだけではなく、分岐するエンディングがあってもいいかなと思ったのは、後からだったんですよね。「血界 NEW WORLD」がツインヴォーカルというのもあったので、それぞれのエンディングがあってもいいんじゃないかなと、この形になりました。不死者であるヌルという存在によってヴァンパイアが生まれるんですけど、ヌルが赤子に還るというところは3曲共通していて、「終末と逆行のコナトゥス ~[D]reizehn End~」はドライツェンとロザリーが育てるというエンディングになっています。対して「Arca ~[J]ustice End~」では、旅に出るジャスティスとブランシェが我が子として育てていくエンディングですね。あと、各ヴァンパイアのキャラクターがある程度の距離を保ちながら離れて、血界を作ることによってヌルの力を抑え、守る役割もあるという部分も3曲共通で、それらの共通項があった上での分岐、マルチエンディングになっています。

3曲ともグッとくる聴きごたえのある楽曲ですよね。

ASAGI:全曲聴きどころは、やっぱりサビですかね。

ちなみに、「終末と逆行のコナトゥス ~[D]reizehn End~」の歌詞にある〈春が来る度 薔薇を贈ろう 想いは変わらぬ 逢えずとも〉という、Dの今とリンクさせているであろう歌詞が素敵だなと思って。

ASAGI:ありがとうございます。ヴァンパイアストーリーは自分を含めDのメンバーありきで考えていたことだったので、やっぱり現実とリンクしている部分もあって。春はDの結成の季節だったので、そういった部分を重ねましたね。

「Arca ~[J]ustice End~」の聴きどころはいかがでしょう?

ASAGI:冒頭のクワイアですかね。民族的な要素や不思議な感じを出したかったんですけど、音楽理論重視でシンプルに3度と5度のハモリとか、そういうのじゃないものでハーモニーを作りたいなと考えた時に、楽器だったら不協和音に聴こえるようなものも、ヴォーカリゼーションで不思議な感じに聴こえさせるというのをチャレンジしました。3度5度も使ってはいるんですけど、基本的にはそこじゃなくて、2度や4度、6度という部分で、他の曲との差別化だったり、これまでにない不思議な雰囲気を出せたらいいなというところから取り組んだので、この部分はすごくポイントですね。

まさに不思議な雰囲気です。

ASAGI:このクワイアの〈Lore〉というのは伝承を意味するラテン語で、声が追いかけて紡いでいくことによって、伝承が繋がれていくみたいな感じも表現したかったんですよね。ストーリーとしてはドライツェンと対になる感じで、ジャスティスとブランシェがヌルを育てるというものになっているんですけど、個人的にはこのエンディングが一番気に入っているというか。ドライツェンとロザリーに育てられると、王に育てられる重圧だったり色々なものがあるんじゃないかなと考えた時に、自由さという意味ではジャスティスに育てられるほうがいいのかなと個人的には思っていて。全部自分で作ったストーリーではあるんですけど、これが一番納得している感じではありますね。

なるほど。そして最後は壮大なバラード「Nirgends ~[F]inal End~」で締め括られます。

ASAGI:ずっと頭の中にあったことなので、迷いとかは一切なくて、頭の中にあったものを具現化していくという作業だったんですけど、前々から思い描いていたことプラス、現状も関わってくるので、それが上手くリンクできて今の気持ちを表現できたと思いますね。すごく良い曲になりました。

本当に名曲です。歌詞はヴァンパイアストーリーというモチーフを通しながら、現実へのメッセージとリンクさせているということで、今回の新曲たちはどれも“最後”に焦点が当たっているのも特徴の一つだなと。

ASAGI:やっぱり活動休止というのが一番大きかったんじゃないですかね。それで今回のアルバム制作に入っているので、メンバーそれぞれの曲のエンディングだったり、そこに向けての持って行き方とか、すごく考えました。そういった意味ではこれまでとは違いますよね。全ての曲がエンディングに向かっているので。かつ、目標としていた大ボリュームとか、メンバーの曲は必ず入れるとか、そういうのを一切の妥協なしに達成できたことが何より嬉しいですね。

今のDが最高、今の自分が最高と思える表現をしたい

HIROKI

改めて、ラストツアー真っ只中の現在、5ヵ所10公演を終えたところです。この後もツアーは続き、3月7~8日の豊洲PITでファイナルを迎えます。

HIDE-ZOU:新曲のノリを掴んでいただくのが早くて、さすがだなと思いました。ライブ感のある曲も多くて、伝わりやすさがあるからこそだとは思いますけど、初日からすごく感じたんですよね。本数を重ねるごとに楽曲が育っていく感覚がいつも以上にありますね。

HIROKI:今までもASAGI君の歌詞は深みのあるものだったんですけど、年を重ねるごとに、自分自身が言葉に対しての重み、深みを表現できる年齢になって、それを演奏に乗せて皆さんに届けられるというのはライブならではだと思います。そういった感動は生の音でより体感できると思いますし、楽曲の深みを感じてもらえるツアーにもなっていると思います。自分自身も表現者として成長できていると感じている部分もありますし、ファイナルに向けて1本1本大切に届けていくので、1日でも多く会場に来ていただけたら嬉しいです。

Tsunehito:このツアーは12月から始まってメンバーの地元公演もありながら回ってきていますけど、本当に1本1本盛り上がりがすごいんですよね。久しぶりに行く土地もあったので、待っていてくれた子たちがたくさんいるんだな改めて思ったり。アルバムをやっと届けられて、ライブで体感してもらうことができて、自分も感動しながら、感動を届けられているなという手応えを実感しています。3月の豊洲PITまで、もう数えられるライブの本数になっていて、つまり自分がDの楽曲を演奏する機会は限られているので、本当に1本1本悔いのないように、皆に感動を届けられるように全力で突き進んでいこうと思います。

HIDE-ZOU:このツアーで積み上げているものもありますし、感覚もどんどん研ぎ澄まされて洗練されてきています。感謝の気持ちをものすごく込めて1本1本大切にやっていくのと、限られた時間の中で自分のベストを尽くしていくために、しっかり引き締めてやっていきたいなと思います。それと、今回のツアーは曲数も多くてボリュームがあるんですけど、全体を通して1曲みたいな印象もあるので、そこが楽しめるポイントじゃないかなと。まだ体感していない方はぜひ来てほしいですし、最後までしっかり頑張りたいと思います!

Ruiza:アルバムの手応えが本当にすごくて、ライブで披露できているのが嬉しいです。HIDE-ZOU君も言ったように初披露の時から本当にノリがすごくて、もう知ってたのかな?っていうくらい盛り上がっていて。10本終えてみて、どんどんノリや熱量が増してきているので、もっともっと高めていけるように表現や演奏を頑張っていきたいと思います! 本当にもう限られていますので、自分自身もしっかりと集中して最後まで駆け抜けていければなと思います!

ASAGI:アルバムが完成した喜びのままツアーを回れていることが本当に嬉しくて。これまで積み重ねてきたこと、ライブでこういうふうに楽しんでもらいたいなという思いが楽曲にも表れているので、それがお客さんにも伝わって反応してくれてという連鎖、相乗効果がすごく嬉しいですね。しかも、想像以上のものをお客さんが返してくれるので、本当にこれがライブの醍醐味だなと。例えば、「血界 NEW WORLD」のライブver.で、曲中に演奏が止まる部分があるんですけど、そこでお客さんがメンバーの名前を呼んでくれるのとか、毎回本当にグッとくるポイントでもあります。その最高を毎回更新して、豊洲PITでも最高のポイントに辿り着きたいなと。今のDが最高、今の自分が最高と思える表現をしたいと思うので、毎回のライブで最高を更新していって、豊洲PITで集大成を見せることができたらいいなと思いますね。もちろん僕らも、皆さん色々な思いはあると思うんですけど、一番は思いっきり楽しんでくれたらいいなということと、感動を届けたいなと思います。時には泣いたり笑ったり…。それと、豊洲PITで「第四のエンディングソング」のプレゼントもありますので、Dが最後にやる最大領域に一人でも多く集まってもらいたいです。

ちなみに8月の発表時、ASAGIさんが「今まで絶対来てくださいとは言ってこなかったけど、本当に最後だから、この日は絶対来てください。Dに時間をください」と言っていたのが印象的でした。

ASAGI:ありがとうございます。「毎回来いよ」と口で言うのは簡単ですし、来てほしい気持ちは当然ありますが、ファンの生活環境だったり色々なことを考えてしまう性格で、「絶対来いよ」とは言ってこなかったんですよね。でも今回は本当に最後なので、絶対に来てください。会場で待っています。

ASAGI

(文・金多賀歩美)

D

ASAGI(Vo)、Ruiza(G)、HIDE-ZOU(G)、Tsunehito(B)、HIROKI(Dr)

オフィシャルサイト

リリース情報

New Album『血界』
2023年12月23日(土)発売

[数量限定盤TYPE-A](2CD+DVD)GCR-245 ¥7,700(税込)

※ライブ会場、オフィシャル通販限定

[数量限定盤TYPE-B](2CD+DVD)GCR-246 ¥7,700(税込)

※ライブ会場、オフィシャル通販限定

[通常盤TYPE-C](2CD)GCR-247 ¥4,400(税込)

収録曲

[Disc-1(CD)]

  1. 血界 NEW WORLD ~Dreizehn ver.~
  2. Noblesse oblige
  3. 組曲「狂王」第一番 ~灯火の雄馬~
  4. 組曲「狂王」第二番 ~死の影を運ぶ鳥~
  5. 組曲「狂王」第三番 ~美醜なる不死の獣~
  6. 組曲「狂王」第夢番 ~旅鼠の行進~(Instrumental)
  7. 組曲「狂王」第幻番 ~死出虫の舞踏会~(Instrumental)
  8. 組曲「狂王」第四番 ~黒羊は忠誠の夢を見る~
  9. 組曲「狂王」第五番 ~落陽に哭く蝙蝠~
  10. シュヴァルツヴァルトの獣
  11. ヴァイスヴァルトの花嫁
  12. 天象Parade(Instrumental)
  13. 流線上のアクア
  14. 紅沙 ~マカイロドゥスの涙~
  15. 終末と逆行のコナトゥス ~[D]reizehn End~

[Disc-2(CD)]

  1. 血界 NEW WORLD ~Justice ver.~
  2. Kudlak ~死の巨星~
  3. 薔薇の聖戦
  4. Revive ~荒廃都市~
  5. Deadly sin
  6. UNCROWNED KING
  7. REVENANT ~黒夜現の章~
  8. REVENANT ~白昼夢の章~
  9. 天球Syzygy(Instrumental)
  10. 赤い惑星の天秤
  11. 千年樹の希い
  12. Arca ~[J]ustice End~
  13. Nirgends ~[F]inal End~ ※TYPE-Cのみ収録

[TYPE-A:Disc-3(DVD)]

  1. 血界 NEW WORLD ~Dreizehn ver.~(Music Video)
  2. 血界 NEW WORLD ~Dreizehn ver.~(Music Video Making)

[TYPE-B:Disc-3(DVD)]

  1. 血界 NEW WORLD ~Justice ver.~(Music Video)
  2. 血界 NEW WORLD ~Justice ver.~(Music Video Making)

ライブ情報

●D 無期限活動休止前 Last Tour 2023~2024
1月20日(土)名古屋 ell.FITS ALL
1月21日(日)名古屋 ell.FITS ALL
1月27日(土)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心 VJ-3
1月28日(日)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心 VJ-3
2月3日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!!
2月4日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!
2月10日(土)江坂MUSE
2月11日(日)江坂MUSE
2月24日(土)札幌cube garden
2月25日(日)札幌cube garden

D 20th Anniversary Year Grand Final
3月7日(木)豊洲PIT
3月8日(金)豊洲PIT
※豊洲PIT2daysにご来場のお客様全員に、第四のエンディング曲(タイトル未定/CD SINGLE)をプレゼント

●Ruiza BIRTHDAY
2月17日(土)高田馬場CLUB PHASE

●Tsunehito BIRTHDAY
3月3日(日)渋谷REX

アウトストア情報

1月19日(金) 名古屋 静かの海(トーク&チェキ撮影会/Member Costume:私服)
2月12日(月・祝)大阪 MUSE BOX(トーク&チェキ撮影会/Member Costume:私服)
2月18日(日)東京 Studio Rosarium ※-Ruiza BIRTHDAY-(一部:トーク&チェキ撮影会、二部:トーク&サイン会/Member Costume:ASAGI・Dreizehn、他四騎士)
2月23日(金・祝)札幌 ZEUS SAPPORO(トーク&チェキ撮影会/Member Costume:私服)
3月2日(土)東京 Studio Rosarium ※-Tsunehito BIRTHDAY-(一部:トーク&チェキ撮影会、二部:トーク&サイン会/Member Costume:ASAGI・Dahlie、他四騎士)