AYABIE

AYABIEインタビュー

AYABIEのメジャー1stフルアルバム『ANSWER』、遂に完成!
留まることなく進軍を続ける4人が1枚の作品に描き出した“答え”に迫る!

4人での活動を開始して2年。AYABIEが、待望のメジャー1stフルアルバムをリリースする。『ANSWER』という、実に明快、かつ意味深長なタイトルを冠したこの作品には、聴くほどに響き、深みを増す、底知れない彼らの音世界が広がる。夢人(Vo)、タケヒト(G)、インテツ(B)、KENZO(Dr)、4人が13曲に込めた美しくも力強い“答え”に迫るスペシャルインタビューをお届け!

◆「ANSWER」というタイトルを付ける自信がつきました(タケヒト)

――アルバム制作はいつ頃スタートしたんですか?

インテツ:録り始めたのは実は2月くらいからなんです。シングル『覚醒シュプレヒコール』と並行してレコーディングしていたんですよ。途中、ツアーもあったので、レコーディングは前半・中盤・後半と分かれてはいたんですけど。

――レコーディングを始めた段階で、アルバムのタイトルやコンセプトは決まっていたんですか?

インテツ:完全に決まっていたわけではなくて、方向性の決まったものから録っていった感じですね。2曲目の「RIZE」は、かなり前からKENZOくんがデモを作っていて「この曲かっこいいから絶対やろう」と。イメージも共有できていました。

――『ANSWER』というアルバムタイトルはどの段階で決まったんでしょう?

タケヒト:アルバムの収録曲を半分くらい録り終わった、5月末頃ですね。

――意外! 最初からこのテーマで曲を選って、というわけではないんですね。

タケヒト:はい。ただ、メジャーデビューして1年というタイミングで、何のために4人で音楽をやっているのかという答えをどこかしらで出したいと思ってはいたんです。メンバーの頭の中にも“ANSWER”という言葉ではないにしろ、そういうイメージはあったんじゃないかと。

――このタイミングで出す作品に、まさにぴったりのタイトルだと思いました。

タケヒト: 2年ぶりに(彩冷えるの)5人でライブをやったり、色々なことが重なって、今の段階で「ANSWER」というタイトルを付ける自信がつきました。

――今の気持ちは全てこの作品の中に入っているんでしょうか?

インテツ:そうですね。僕たちが今まで乗り越えてきたものとか、4人でどんな風にやっていくかを音楽で表したかったんです。どんなに言葉を尽くしても中身がなかったらミュージシャンとしては空虚になってしまいますし。曲作りの段階から、僕たちの音楽性をメジャー1stフルアルバムという大事な時に伝えきれるよう、妥協しない作品作りをしたいという想いはありました。

――その想いが伝わる、完成度の高いアルバムだと思いました。夢人さんは全13曲作詞をしていますが、詞を書いてみていかがでしたか?

夢人:順番に時間を置いて書いていったので、そんなに苦ではなかったです。日々考えることや気分も違う中で書いたので。いろんな話が書けて楽しかったですね。

――今回のアルバムの歌詞を読んでいて、夢人さんの言葉選びの秀逸さに感心しました。

夢人:あ…ありがとうございます…。

タケヒト:褒められると…(笑)。

KENZO:夢人は褒められると委縮して、けなされると凹むんですよ。

――え! けなした方が良かったですか!?

夢人:いやいや、褒められて嬉しいです! 良かった、歌詞書いてて!

――(笑)。AYABIEは曲ができてから歌詞の方向性を決めるんですか?

インテツ:はい。歌詞を書いてもらう前に、「これくらいの気持ちで書いたんだよ」というのを夢人くんに長文のメールで送るんです。伝えるまでがデモを作った人の役割だと思うので。そのイメージで歌詞を書いてもらっても嬉しいですし、音を聴いて閃いた違うものを書いてもらってもそれはそれで正解だと思っています。あとは夢人くんらしい言葉遣いが優先されるように心がけています。それがAYABIEらしい言葉遊びだったり、表現になると思うので。

◆言うところはめちゃくちゃ言いますよ(KENZO)

――今回、楽曲がバラエティに富んでいますよね。

タケヒト:元々、僕たちは聴いてきた音楽がバラバラなんですよね。好きな音楽が一緒だから一緒にバンドをやっているわけではないので、自由にそれぞれがAYABIEの曲を作ると自然とバラけるというか。

――4人とも曲を作れるというのはすごい強みです。

インテツ:それぞれの個性も出ますし、アイディアが枯渇しないですよね。他のメンバーが持ってくる曲を楽しみにできるから選曲会がいつも楽しみなんです。

――全13曲で、気に入っている曲やフレーズはありますか?

KENZO:自分の曲はこだわった部分がたくさんありますね。タケヒトに「ここ、つまんねー」って言ったり(笑)。「RIZE」だと「ここは若干ためてほしい」とか。

――結構細かく…

KENZO:言います! 俺は! 言うところはめちゃくちゃ言いますよ。

タケヒト:曲によりますけど、KENZOは、ドラム以外の楽器にすごくはっきりとしたイメージを持っているんです。「RIZE」は特にそれが強くて。

――KENZOさんの指示がビシビシ入ったと。

タケヒト:そうですね。AYABIEは基本的に作曲者が指示を出すというスタンスを取っているんですが、「RIZE」はAメロに入る前にドラムとか全部ユニゾンしたりするんですけど、そこはKENZOの中でしっかり組みたてられていたものを再現した感じです。「RIZE」のデモなんて、夢(夢人)が歌えばそのまま出せるんじゃないかというくらいまで作り込んであったんですよ(笑)。

KENZO:デモの段階から細かく作っちゃうんですよね。イメージがあるものは作り込みますし、そこまでないものは「ここ、こうしようか」って相談しながらですけど。

タケヒト:僕も「RIZE」が気に入っています。一番演奏にこだわっていますし、テクニカルな部分が今までの曲より入っていて、今までの自分のパターンになかったようなアレンジなんですよ。

――ちなみに私、「RIZE」の“探して 求めて 見つからなくてもいい”の部分のギターとベースがとても好きなんですが。

夢人:初めてピンポイントで言われました! 細かく聴いてくれて嬉しいです。

KENZO:ありがとうございます。あそこ、良いですよね。

――そこだけ何回もリピートして聴いてしまうくらいに(笑)。

KENZO:マニアック(笑)!

◆捻って捻って絞り出したワンコーラスなのに、プラスまだある!っていう(夢人)

――タケヒトさんは「RIZE」はテクニカルな面でこだわったということですが、今回ギターを変えたりはしなかったんですか?

タケヒト:この曲で特別変えたということはないんですが、使いたかったアンプが「RIZE」のレコーディング中に壊れちゃったんです。自分が昔使っていたアンプの音を、壊れてしまったアンプの音に近付けようとしたけど近づかなくて。でも、別の方法で作ったらすごく良い音になったという。

――大変でしたね。

タケヒト:そうなんですよ。アンプが壊れちゃったからインテツが秋葉原にヒューズを買いに行ってくれたり(笑)。

インテツ:タケヒトに「これを買ってくるんだ!」って言われて「わかった。行ってくるよ!」って。

タケヒト:結局その部分が原因じゃなかったので復活できなかったんですけどね(笑)。

インテツ:でもきっといつか僕が買ってきたヒューズが役に立って救われる日が来るんですよ!

タケヒト:あれどこにしまったか、もうわからないんだけど…。

インテツ:(笑)。

――(笑)。では、インテツさんのおすすめ曲は?

インテツ:ベースのプレイ的には「独楽」です。一番自由にやらせてもらったので。

KENZOくんにプリプロ段階で全部のデータを一度送ってもらって、シンセのベースで打っている部分を生で弾きました。ちょっと攻めるようなプロットでいきたいというのが最初にデモを聞いた段階で浮かんで。リズムの部分がガッチリ絡んだライブ感がある曲がアルバムに入っていると、その後のワンマンライブも楽しみになりますし。録っていてもやりやすいですし、実際録っている時間も一番短かったです。

――夢人さんはいかがですか?

夢人:僕も「RIZE」かな。イントロのギターがすごくテクニカルで絶対まねできないなと思いましたね。プロになりたいギターキッズが聴いたらコピーしたくて燃えるかもしれないです。すごく難しいらしいので。

――作詞での苦労はなかったんですか?

夢人:「LOVE SONG」はちょっと尺が長くて大変でした。

タケヒト:物量的な問題か(笑)。

夢人:物量って大事ですよ! 捻って捻って絞り出したワンコーラスなのに、プラスまだある!っていう(笑)。そういう意味で大変だったのは「LOVE SONG」ですね。

――実は物量的なことを言うと、「LOVE SONG」は4分21秒ですが、「虹」は5分05秒なんですよね。

タケヒト:あれ? そうなんだね。

KENZO:「虹」はイントロが3ブロックくらいあるもんね。

夢人:「虹」はサラッと書けたので良かったです。

――それにしても「LOVE SONG」とはとてもストレートなタイトルですが、これはどなたが?

インテツ:インテツが付けました。タイトルを付けたのはレコーディングに入ってからなんです。デモの段階で夢人くんにこういうテーマでお願いしたいって伝えてあったんですけど、その段階では「浮気ソング」っていう仮タイトルで。浮気というか、彼氏彼女がいるときの恋愛の曲です。

夢人:まぁ浮気ですよ。

――夢人さん、一言で片づけましたね(笑)。

夢人:はい(笑)。不純だけど、気持ちさえ二人が純粋であればそれも綺麗なんじゃないか、ラブソングになりえるんじゃないかっていう、ただの浮気ソングです。ちゃんと別々に家に帰る描写もありますもん。

インテツ:その時の別の人への恋愛感情が嘘とは言えないだろうし、社会の尺度で測れるものではないのではないか、というテーマのもと書いていただきました。サウンド面では、その頃からスガシカオさんブームがきていて、あのおしゃれグルーヴ感にチャラい歌詞がのったら最高なんじゃないかなと思って。タケヒトにも「午後のパレード」(スガシカオの21stシングル)って曲を聴いてみてって伝えたんです。

タケヒト:ギターはシンセアレンジが全部終わってから録ったんですけど、その段階で曲が成立していて、特にギター必要ないんじゃないかなと思いましたけどね(笑)。

――俺はここにどう入れば良いのかな?と(笑)。

タケヒト:そうそう(笑)。サビのバッキングはいつも通り歪みで薄っすら入れていたり、イントロのテーマっぽいカッティングとか、おしゃれ風にやってますけど。

インテツ:この曲、レコーディングで結構パターン当てたよね。

タケヒト:そうだね。でも最後は一番シンプルなところに落ち着いた感じです。

◆「うぉぉぉぉ」って感じでした(インテツ)

――9月2日にはワンマンツアー「ANSWER」も始まりますが、ライブでは「prelude」も聴けるんですか?

タケヒト:もしかしたらどこかで使うかもしれません。

インテツ:リリース日にお披露目ライブ(「ANSWER」発売記念LIVE なんと!「ANSWER」全曲やっちゃうの巻)があるので、新録曲はそこで披露されます。

――楽しみですね。アルバムの一番最初の音として、すごくインパクトがありました。「RIZE」でカチッと切り替わる感じがまたメリハリが効いていて。

インテツ:「prelude」は「流星」のメロディーを二胡を使ってオリエンタルな感じが強すぎないようにアレンジしたんです。あくまで「RIZE」への導入なんですが、テンポ感も全然違うので、そこからカッコいい曲に入るっていうのが面白いですよね。

――ライブといえば6月にはアメリカ・テキサス州で行われた『A-Kon 23』に出演されましたが、やはり日本と海外は違いましたか?

インテツ:ちがいますね。ステーキの肉の硬さとか!

――そこですか(笑)。

インテツ:すごいんですよ。サラダが一人1サラダボウルあって。その段階でヤバいと思いました。コーンを付け合わせで頼んだ人は丸々一本出てきて(笑)。

KENZO:サラダとコーンだけで腹いっぱいだったよね(笑)。ファミレス行ってステーキセット頼むとグラタンとポテトフライと別でサラダみたいなのが一人分で出てくるんです。一人分が4人前くらいあった。

インテツ:驚いたよね。文化の違いってすごいなと。ライブは、3000~4000人くらい入る大きな宴会場みたいなところが特設ステージになっていて。

タケヒト:「ホテルニューオータニ ○○の間」みたいなとこです。

――想像しやすい(笑)。

インテツ:ライブが初めてという人もいたんですけど、僕たちがアクション取れば向こうも応えてくれたし、機材トラブルの時は夢人くんがMCで盛り上げてくれて。

夢人:大変でした。

――AYABIEの最近のシングル曲は特にライブでフリがガッツリ入っていますが、あちらのノリはどうでした?

インテツ:「うぉぉぉぉ」(拳を振り上げつつ)って感じでした。丁寧な言葉で伝えるより、アクションと音楽で伝えて、楽しかったね!っていうそんなライブイベントでしたね。

――テキサスとは全く違うノリだと思いますが、ワンマンツアー「ANSWER」、楽しみですね。

インテツ:衣装は『ANSWER』ツアーライブ仕様にアレンジしたりはあると思うんですけど、このアートワークのイメージでできるだけ行きたいなと思ってます。僕とかライダースジャケットなので、夏のライブハウスでは溶けちゃいそうですけど(笑)。楽しみにしていてください!

(文・後藤るつ子)


AYABIE

<プロフィール>

彩冷える -ayabie-の元メンバーである、夢人(Vo)、タケヒト(G)、インテツ(B)、KENZO(Dr)の4人によって2010年9月結成。10月22日に初ライブを行った。2011年夏、トイズファクトリーよりシングル『流星』でメジャーデビュー。8月22日にメジャー1stアルバム『ANSWER』をリリースし、同日AYABIE「ANSWER」発売記念LIVE なんと!「ANSWER」全曲やっちゃうの巻を開催。9月2日よりワンマンツアー『ANSWER』がスタートする。

■オフィシャルサイト
http://www.ayabie.co.jp/

【リリース情報】


初回生産限定盤A
(CD+DVD)
¥3,500(tax in)

通常盤
(CD only)
¥3,000

『ANSWER』
2012年8月22日発売
(トイズファクトリー)
1stシングル「流星」、2ndシングル「メリーゴーランド」、3rdシングル「覚醒シュプレヒコール」を含むアルバム。AYABIEの武器である「オリエンタルな響きと様式美」、「こだわり抜いたポップ感」が際立つ。

【収録曲】
<CD>
01.prelude
02.RISE
03.Reflector
04.覚醒シュプレヒコール
05.虹
06.LOVE SONG
07.Paradise Paradox
08.メリーゴーランド
09.独楽
10.SICs
11.HERO
12.Season
13.流星

<DVD>
【初回限定盤】
Document Movie ~ANSWER~

☆封入特典(初回生産分のみ)
「ANSWER」ワンマンツアー連動企画 LIVE特殊効果アイテム引換券