新たなアルバム『PARADISE LOST』を世に放ったアンフィル。彼らが描く失楽園、そこに込めたメッセージとは――
精力的にライブ活動を展開しながら、驚くほどのハイペースで作品を生み出し続けているアンフィル。今年1月に新宿BLAZEで2周年記念ワンマンライブを行った彼らが、時を置かずに2枚目となるフルアルバム『PARADISE LOST』を完成させた。アダムとイヴが神の禁を破り「知識の実」を食べたことでエデンの園を追放されるという物語だが、アンフィルはこの物語を多彩な楽曲たちで彩り、その結末を実にポジティブに描いてみせた。喜びも痛みも知らずに楽園で暮らす安寧よりも、そこから飛び出したからこそ手に入れることができる幸せがある――それこそが彼ら自身が強く伝えたかったメッセージだ。8月には2度目の東名阪ワンマンツアーを控え、更なる飛躍を誓う5人に話を聞いた。
◆色々な層のリスナーが喜ぶ、馴染みやすいアルバムを作りたいと思った(未月)
――前回のインタビューからわずか3ヵ月でフルアルバムをリリースするとは予想外でした。
未月:確かに、前回のアルバムからも1年ちょっとしか経っていないですからね(笑)。
――これで5月17日にライブDVD(『アンフィル 2nd Anniversary Oneman Live「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE』)がリリースされると、アンフィルは2年余りでシングル9枚、フルアルバム2枚、DVD2枚をリリースしたことになります。
未月:ファンも追いつかせないほどのリリーススピードですね(笑)。でも今年はまだまだ驚かせるかもしれないですよ。
――意味深な発言…! 楽しみにしております。今回のアルバムはいつ頃から制作がスタートしたんですか?
未月:レコーディングが始まったのは、1月の新宿BLAZEでのワンマンライブが終わった後ですね。タイトル曲の「パラダイム・ロスト」は去年から制作がスタートして。
yukito:1回目の曲出しは、前回のインタビューの時くらいだったよね。
未月:うん。『Lamplight=melody』ができてすぐに次に取り掛かろうということで、曲出しが始まったんです。
――選曲の段階で何曲くらいあったんですか?
翔梧:20曲くらいあったよね。
未月:去年4枚のシングルを作ってどんどん制作していたので、デモのストックが残っていたんです。今回のアルバム収録曲は、そこから使った曲もあれば完全に新規で書いたものもあります。
――今回のアルバムを制作するにあたって、テーマはありましたか?
未月:前作のフルアルバム『LUNAR PHASE』(2015年11月リリース)は、自分たちの音楽性を詰め込んだちょっとアダルティーな作品になったんです。それはそれですごく気に入っているんですけど、それを踏まえて次はどういうアルバムを作ろうかと話した時に、キャッチーさがあって色々な層のリスナーが喜ぶ、馴染みやすいアルバムを作りたいと思ったんです。
――今回の作品は前回のアルバムに比べて間口が広い感じがしました。それでいて楽曲一つ一つは攻めているなと思ったのですが。
yukito:確かに独特な曲が結構ありますね。今回は前回の作品を考慮して「元気なアルバムでいこう」ということになったんですけど、そうすると必然的に曲のバランスは、激しい元気な曲と、あとはバラードとちょっと他とは違う雰囲気の曲、という感じになるんです。でもみんな穴狙いで曲を作ってきたりして面白かったですよ。
――曲作りの段階でそういう駆け引きがあるんですね。
未月:あります。「この人はこういうタイプの曲を作ってくるな。じゃあ俺がこういう曲を作ったらいいかな」っていう、まさに駆け引きです。メンバーそれぞれに得意なジャンルがあるので、各々の役割に合った曲が集まったアルバムかなと思いますね。
――今回のアルバムには5人それぞれの作曲した曲が収録されていて、楽曲の多様性もあってとても聴き応えがありました。
未月:内容も濃いんじゃないかなと思います。
――今回収録されている、去年リリースされた4枚のシングルもそれぞれ個性的でしたが、シングルをリリースする段階でアルバムは見据えていたんですか?
棗:そこは特に意識していなかったんですけど、シングルごとにテーマをかぶらないようにしたのがうまくハマったんだと思います。
未月:シングルを作る時って、毎回今までやって来なかったことをテーマにするんです。だから4枚のシングル曲も全部違う。聴き応えがあるといのはそういう部分の影響もあるかもしれないですね。
――今回のアルバムも前回のアルバムもインストゥルメンタルから始まっていますが、これは何か意図があるんでしょうか。
未月:アルバム1枚のテーマって、タイトル曲よりもインストゥルメンタルの世界観で決まるかなと思うんです。それで前作同様に今回もインストゥルメンタルから始まっています。オープニングテーマのような感じですね。
yukito:今回のアルバムは物語性を重視しているんです。初回限定盤のジャケットは、扉を開けて新しい世界で冒険をする感じなので、インストゥルメンタルの「paradise lost」から始まることでゲームのサントラ的なニュアンスが出るかなと。最初から激しく「いきなりボスが現れた! ここからどうなる!?」みたいな感じですね(笑)。
――なるほど(笑)。ところで、今回の収録曲も多くは翔梧さんが作詞を手掛けていますが、テーマや課題はありましたか?
翔梧:今回、景色がちゃんと浮かぶような歌詞をいつも以上に重視しました。ジャケットや歌詞カードにも反映されているんですけど、作曲者から曲のテーマをもらったら、情景が思い浮かぶように書くことを意識したんです。
――2曲目の「パラダイム・ロスト」と最後の「ひだまりアンサンブル」に〈生まれた瞬間から〉という歌詞が入っていますが、そこはアルバムの最初と最後ということも意識して入れたんでしょうか。
翔梧:…あれ? 同じ言葉が入ってたんだ…(小声)。
yukito:今回偶然が多いって言ってたね(笑)。
翔梧:…。あ、でもそうなんですよ~! バレちゃったか~(笑)!
――怪しい(笑)。
翔梧:でもちゃんと収録曲の順番にもこだわっていて、特に最初と最後の“始まって終わる”ということはすごく意識していたので…壮大な伏線だった、ということで(笑)。
全員:(笑)
◆みんな前よりも格段に良いメロディーを持ってくるようになった(翔梧)
――今回のアルバムの聴きどころを教えてください。
棗:自分が作った「RIP」はすごく速くて疾走感がある曲になっています。とりあえず速い曲をやりたくて、ギターがカッコイイ、ゴリゴリした男らしい曲をやりたいなと思って作りました。サビがキャッチーになっていてスッと耳に入るし、ライブでも盛り上がる曲になるんじゃないかなと思います。アルバム曲ってライブのセットリストに入れるのが難しかったりするんですけど、この曲はすんなり馴染むんじゃないかなと。…ただし弾ければ(笑)。予想以上に速くしすぎちゃって、レコーディングでは作った僕が一番弾けなかったですからね。
――でも未月さんは以前「棗さんの曲が速くて楽しい」とブログに書いていましたよね。
未月:そうなんです。バンドで合わせると楽しいんですよ。ただ、レコーディングでは一人の戦いだったので、何度も吐きそうになりながら「できない…できない…」って(笑)。あとこの曲は、ギター二人で一番ディスカッションした曲かもしれないな。
yukito:ツインリードっぽくしようということで、掛け合いも考えて、「ちょっと難しいフレーズやハモリも入れちゃおう!」と。
――元々難易度の高い曲に、さらに難しい要素を入れたんですね(笑)。
yukito:確かにそうですね(笑)。でも楽しかったです。ギターソロもハモリもツインリードで弾いたのでお互いの癖がわかりやすいというか。
未月:ツインリードのギターソロを初めて試みたんですけど、間違えないで弾けばいいということではなく、お互いの癖までしっかりと合わせないと綺麗に聴こえないことがわかって勉強になりました。
棗:日々練習をして慣れれば、ライブでもアルバム以上にカッコよく見せられるんじゃないかなと。ベースは、Bメロがお客さんは縦ノリなんだろうと思うんですけど、あえて縦ノリっぽくないような流れるベースラインにしています。Bメロで動いて、サビでパーンと疾走感が出る感じに流れるところが、聴いていてすごく気持ちいいんじゃないかなと。イントロはギターとユニゾンしていて、ゴリゴリしてカッコイイのでぜひ聴いてほしいです。
――では、未月さんの思う聴きどころを教えてください。
未月:今回「A.C.T.C」と「ルピナスアンハピネス」の2曲を作ったんですけど、曲の色が違うんです。どちらもライブで映えそうな曲なんですけど、アレンジにもこだわっていて。中でも「ルピナスアンハピネス」はダークな世界観というか、可愛らしく見えてもどこか闇の雰囲気を感じるような曲になっています。元々ティム・バートンの作品のような世界観が好きで、そういう曲をいつか作りたいと思っていたんですよ。
――シングル曲でもある「パロニリア」に通じる世界観のような気がしました。ちょっと毒っぽい感じがアルバムの中でも一味違ったアクセントになっていますね
未月:今回、せっかくアルバムを作るんだし、「パロニリア」に近いものを作ろうと思って。それに、こういう曲は誰も作ってこないだろうなと思ったんですよ(笑)。
――そこを狙ったんですね。それにしてもこの曲はヴォーカルが大変だったのではないかと思ったのですが。
未月:メロディーもある意味悪ふざけで考えた感じですからね。翔梧には「変えたいところがあったら言って」とは伝えたんですけど、「いいじゃん」って言ってくれて。
翔梧:前はメロディーをガッツリ変えたりしていたんですけど、最近はあんまり変えないんですよ。変えずとも、というのもありますし、個々の作ったメロディーを尊重したほうがいいんじゃないかという思いもあるし。…あとは、良いメロディーがあったら自分の曲に使おうと思うようになったっていうのもある(笑)。
全員:(笑)
翔梧:変えるとしたらヴォーカルじゃないとわからない部分ですね。例えばブレスの感じとか、すごく高い音は一瞬だったら大丈夫だけど、やや高い音がずっと続くほうがキツイとか。そういうところは変えたりするけど、根本的にはあまり変えないです。みんな前よりも格段に良いメロディーを持ってくるようになりましたから。
◆1stフルアルバム収録の「冬桜」の意思を引き継いでいるような曲(yukito)
――yukitoさんの思う聴きどころは?
yukito:僕は自分が作ったバラードの「星の雫」ですね。珍しく3拍子のリズムなんです。バラードを作るにあたって、翔梧さんが「3拍子がいいんじゃない?」って言ってくれて、それが自分の作っていた曲にすごく合ったんです。そして作った瞬間「星だな」と思ったので、星を見ている感じのニュアンスで色付けしていきました。こういう曲なのでレコーディングでも優しく弾いています。バーンバーンじゃなくて、シャラランと包み込むような感じで。
――雰囲気の伝わる擬音ですね。
yukito:ポワーン、シャララン、みたいな。
ハル:シャラポワ系ってこと(笑)?
yukito:うん、シャラポワ系だね! 隙間にピアノやストリングスも入っているし。あと、ラスサビの後半でヴァイオリンソロというか、差し音が聴こえてくると思うんですけど、翔梧さんが良い歌を歌っている裏で鳴らしているので、そこに注目して聴いていただけたら嬉しいです。ラスサビの盛り上がりは結構考えて作ったので、ドラマティックに彩った感じになったと思います。
翔梧:yukitoさんはドラマティックを重視するからね。
yukito:そうだね。そして、1stフルアルバムに収録された「冬桜」の意思を引き継いでいるような曲になっているんです。連続というわけではないんですけど、「冬桜」と「星の雫」のどちらも世界観があるじゃないですか。ギターソロでも「冬桜」のニュアンスを入れていたりするので、そこを感じ取っていただけたら嬉しいです。
翔梧:この曲はアンフィル史上最強のバラードです!
――そしてこの曲がアルバムのラストから2番目に入っているというのもいいですね。
yukito:絶妙なバランスだと思います。この曲の前が「ラヴァ」で激しさとそれを滑らかに包み込み、最後は「ひだまりアンサンブル」で締めるという流れは絶妙だなと。
翔梧:火山が噴火して、満天の星空を見るわけね。
ハル:そういえば「ラヴァ」に〈ドラマティック〉って歌詞入ってなかった?
翔梧:…そういえば!
――それも壮大な伏線だったんですね。
翔梧:そうですね! いやー、伏線を回収するのに1年かかっちゃいました(笑)。
――(笑)。3拍子のバラードはドラマーとしてはいかがでしたか?
ハル:この曲と言えば、今年の初めに僕の身に壮大なこと(体調不良で検査入院)がありまして、やることがなかったのでベッドの上でこの3拍子を1日中聴いていたんです。何なら今回のアルバムの収録曲でこの曲を一番聴いたかもしれない。心にポッカリと穴が空く気持ち…病院のベッドから一人で外の星空を見る感じに、すごく合っている曲で、そのシチュエーションと共にすんなりと自分の体に入ってきた3拍子でした。
◆こういう曲が好きなんだ、こういうジャンルがやりたいんだと改めて思った曲(ハル)
――アルバムを締めくくる「ひだまりアンサンブル」はハルさんの作曲ですね。
ハル:そうですね。昨年末に某超大御所の男性アイドルグループが解散してしまったじゃないですか。僕はそのアイドルの方々の音楽を聴いて育ってきたんです。なので、自分はこういう曲が好きなんだ、こういうジャンルがやりたいんだと改めて思った曲でした。今回ギターソロではなく、ピアノソロっていうものを入れてみたんです。基盤だけ作って、あとyukitoさんに手伝ってもらったんですけど、いい感じになりました。
yukito:この曲はハルが作った2作品目なんですけど、「こんなの作れるの!?」ってすごくびっくりしたんです。コードもしっかりしているし、ピアノのフレーズも全然違和感がなくて。
ハル:よかったです。今、ライブで再現するにあたってyukitoさんにピアノを弾いてもらいたいなと思っているんですよ。そして、できればショルダーキーボードで弾いてほしい。
全員:(笑)
ハル:ショルダーキーボードだとアイドル感も増すじゃないですか。やってほしいな~。
yukito:機会があれば(苦笑)。
ハル:それ絶対やらないやつじゃん(笑)。でもピアノは絶対入れたいですね。あと、この曲は歌詞も意思の疎通ができていて、「こんな感じで考えているんだけど」と言ったら「そうだよね」と言ってもらえたのでとてもスムーズにできました。
――実に爽やかで幸せな曲で、アルバムが締めくくられるんですね。
翔梧:今回はハッピーエンドで終わらせたかったんです。最初のデモの段階で完成形がある程度見えていて、だからこの曲たちが採用されたと思うんですよ。前回のアルバムにはちょっと切なさが入っていたんですけど、今回のアルバムはタイトルからしてネガティブっぽいじゃないですか。アダムとイヴが楽園から追放された、いわゆる「失楽園」の話なんですけど、自分の込めたメッセージは「それは本当に悪いことなのか? 喜びも痛みも知らずに楽園で暮らすことが本当に幸せなのか?」ということなんです。だから間違っていなかったぞという意味を込めて明るく終わりたかったんですよね。なので曲順を決めていた時にこれでいいと思えたんです。
――楽園を出たからこそ手に入れられたハッピーエンドなんですね。
翔梧:そうですね。嬉しいことも悲しいこともあったけど、やっぱり楽園から飛び出してよかったって思えるようにしたかったし、そういうメッセージが伝わればいいなと思って。
――リード曲である「パラダイム・ロスト」の歌詞も今の話に通じるような内容です。
翔梧:リード曲の歌詞ができてから全部の歌詞を書いたんです。メッセージ性のある曲って、自分が思っていることをそのまま書くじゃないですか。だから嘘をついていなければ、同じ時期に書いた曲は伝えたいことの根底にあるものが一緒なんじゃないかなと思うんです。アンフィルには前向きな曲が何曲もあるけど、例えば「Lamplight=melody」にはちょっと卑屈な部分があるんですよ。「何があっても負けません」「辛いけど負けません」みたいな。そうじゃなくてもっとポジティブなものを書きたかった。同じ前向きでも今はそういう考え方をしているんだと自分でも思ったんです。
――そんな翔梧さんが思うこのアルバム聴きどころは?
翔梧:僕の思う聴きどころは「ルピナスアンハピネス」のサビの最後〈独り占めで 右斜めへ、〉のところのハモリですね。1個ずつハモリが増えていくんです。今回はオペラっぽくしようというところにこだわったんですよ。ハモリをつけた時に、オペラや合唱のように主メロと同じ動きで辿るんじゃなくて、わざと違う動きをしているハモリをどんどん増やしていったんです。
未月:作曲者なのに知らなかったです。さらに言えば気付かなかったです(笑)。
翔梧:え、そうなの!? ちなみにレコーディングで一番大変だったのは「星の雫」のAメロですね。自分史上最高に小さな声でささやく感じで歌っているんですけど、大量の空気を含ませてウィスパー気味で歌っているから、普通に声を張るよりもむしろたくさんの酸素を消費するんです。すごく疲れて、終わった後は「ハー…」って感じです。逆に「A.C.T.C」なんかはわりとサラッと歌えました。
――細かい部分も含め、聴きどころ満載のアルバムが完成しましたね。
未月:そうですね。アルバムって何回も聴いていると「これは飛ばそう」っていう曲が絶対出てくると思うんですけど、なかなか飽きがこない1枚になったかなと思います。
翔梧:順番に全部聴くことにちゃんと意味を持たせられたなと思うんです。今まで自分がアルバムを聴く時って「好きな曲だけどシングルで散々聴いたし」と思って飛ばすことも多かったんですよ。でも今回のアルバムは既存のシングル曲の新しい魅力を、曲同士が引き立て合っているなと。そういうところもいいところだと思いました。
◆僕はある一定の条件を満たすとヤングになります(棗)
――ところで、翔梧さんは前回のインタビューで「アーティスト写真の撮影の時間がめっちゃ短くなりました」と言っていましたが、今回はいかがでした?
未月:最近の撮影は、時間がかかっていた時が思い出せないくらいサクサク進むんですよ。
翔梧:ちなみに今回のアーティスト写真のテーマは“フレッシュ感”でした。
未月:今だからこそ、若手っていうのをめちゃめちゃ押し出したくて。
――なぜ今?
未月:バンドに興味を持ってもらうには今が絶好の時期だと思うんです。今年の1月で結成から2年が経ったわけじゃないですか。そんな中で、お客さんにどうアプローチするかを考えたんです。それで、結成して2年ですごく落ち着いているバンドよりも、「結成して2年なの!?」ってびっくりされるくらい見た目に華やかさがあってヤングを感じるようなバンドの方が「お、このバンドは!」って気にかけてもらえるんじゃないかと思って。
――…ヤング?
翔梧:そう。ナウい感じのね。
未月:バンドも賞味期限が絶対あると思うんです。だから今こそ貪欲に行こうと思って。うちはめちゃめちゃヤングですよ。そのへんのヤングよりヤングですからね!
翔梧:今回、メイクとか髪型のテーマもヤングです。俺は今までで一番髪色が明るいし、ピンクのエクステとかつけてるし。
未月:それに、作品を1枚作るときはそれに合わせたルックスで写真を撮りたいんですよ。今回は派手なアルバムを作ろうということになったから、自ずとああいう衣装やメイクにしたいなと思った。おかげでヤングなアルバムができました。
――とても落ち着いている印象の棗さんもヤングな感じに?
未月:棗さんはこう見えてヤングな一面があるんですよ。
棗:僕はある一定の条件を満たすとヤングになります(笑)。
翔梧:俺は人生で常に意識している人がいるんですけど、野原しんのすけさん(『クレヨンしんちゃん』)なんです。だから俺はヤングです。
――(笑)。ところで今回、初回限定盤付属のDVDに新宿BLAZEで行われた2周年ライブの楽曲が2曲収録されていますね。
翔梧:今回はDirector’s cut verが収録されています。
未月:5月にリリースされるライブDVD『アンフィル 2nd Anniversary Oneman Live「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE』には別バージョンの映像が収録されるので、また違った楽しみ方ができると思います。
――そして8月には2度目のワンマンツアー「一石を投じる」が開催されますが、このタイトルにはどんな意味があるんでしょう?
ハル:前回のワンマンツアーのタイトルが「物は試し」だったんですよ。意味としては「物は試し」で感じを掴んだので、「次を投じちゃえ」みたいな感じかな。
翔梧:ヴィジュアル系が氷河期と言われているから俺らがもう一度このシーンを荒らす存在になろう、というテーマは昔からあったんです。なので「いいじゃん。投じちゃわない?」的な感じですね。一石を投じるって、いい意味でヤングじゃないですか。
未月:どこまでもヤングを引っ張ってくるな(笑)。いい意味で、イキがってるっぽいですよね。今年はイキりの1年にしたくて、むしろ「調子に乗ってそう」って思われたいんです。
ハル:他の人の鼻につく存在になりたいですね。とは言え、僕は今年の頭にイキってつまずいたので、イキりすぎは良くないですけどね(笑)。
――現時点で2017年の3分の1が過ぎましたが、イキった4ヵ月間でしたか?
未月:ここまではレコーディングが重なったりDVDの編集だったりと作業が続いて、あまりライブができない期間だったんです。作業に関してはめちゃめちゃイキッたんですけどね(笑)。
翔梧:なのでこれからは、イキッたアルバムを引っ提げて、イキッたツアーを展開していこうと思っています。楽しみにしていてください!
(文・後藤るつ子)
アンフィル
<プロフィール>
翔梧(Vo)、yukito(G)、未月(G)、棗(B)、ハル(Dr)からなるロックバンド。2014年11月に結成、2015年1月22日に始動ライブを行い、結成記念シングル『destin』をリリース。以降、シングルをコンスタントにリリースし、同年11月には1stフルアルバム『LUNAR PHASE』を、2016年8月には初のライブDVDを、12月にシングル『「Lamplight=melody』をリリースした。2017年1月22日に新宿BLAZEにて2nd Anniversary Oneman Live「Lamplight&feel.-equal-」を行った。8月19日の大阪RUIDOを皮切りにアンフィル Oneman Tour 2017「一石を投じる」が開催される。
■オフィシャルサイト
http://anfiel.tokyo/
【リリース情報】
2nd Full Album
『PARADISE LOST』
2017年4月19日発売
(発売元:dotSIX Inc./販売元:ONG DISTRIBUTION)
【収録曲】
【初回限定盤】
[CD]
01. paradise lost(SE)
02.パラダイム・ロスト
03.Lamplight=melody
04.A.C.T.C
05.RIP
06.Scar
07.パロニリア
08.Step bye step
09.ラヴァ
10.星の雫
11.ひだまりアンサンブル
[DVD]
01.パラダイム・ロスト MV
02.パラダイム・ロスト MV Making
03.Lamplight=melody (「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE / Director’s cut ver)
04.迷い姫 (「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE / Director’s cut ver)
【通常盤】
01.paradise lost(SE)
02.パラダイム・ロスト
03.Lamplight=melody
04.A.C.T.C
05.RIP
06.ルピナスアンハピネス
07.Scar
08.パロニリア
09.Step bye step
10.五月一日、幸福論
11.ラヴァ
12.星の雫
13.ひだまりアンサンブル
Live DVD
『アンフィル 2nd Anniversary Oneman Live 「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE』
2017年5月17日発売
(発売元:dotSIX Inc./販売元:ONG DISTRIBUTION)
DSI-007
¥5,000+税
【収録曲】
01.Lamplight=melody
02.trigger
03.迷い姫
04.Red&Black
05.ラヴァ
06.Rasted Chain
07.L.O.L.S
08.パロニリア
09.リオ
10.equal.
11.虹色絵本
12.本懐
13.セピア
14.Step bye step
15.モノポリー
16.賛否両論ストラテジー
17.Sense of wonder
18.アクア
EN01.ポイズンヒーロー
EN02.determination
EN03.unfil
EN04.timeless
【ライブ情報】
●アンフィル Oneman Tour 2017「一石を投じる」
8月19日(土)大阪RUIDO
8月20日(日)名古屋ell.FITS ALL
9月2日(土)高田馬場AREA
9月3日(日)高田馬場AREA
●主催イベント「#秘密の花園」
5月12日(金)高田馬場AREA
[出演]アンフィル/Smileberry/NIL UNDER RAIN/LIRAIZO/REVLOW(50音順)