1年ぶりに音源を世に放つメトロノーム。記念すべき20周年YEARの幕開けを飾る最新シングル『弊帚トリムルティ』、そこに込められた思いとは――
昨年3月にリリースされたメトロノームの再起動後初のフルアルバム『CONTINUE』。そこから1年の時を経て、ファン待望の最新シングル、その名も『弊帚トリムルティ』が遂に完成した。2017年に印象深いライブの数々を展開してきた彼らが、20周年YEARの最初に作り上げたのは、3人の個性が色濃く滲みつつ、新鮮な驚きに満ちた珠玉の3曲。彼らが過去を糧に、未来を目指して作り上げたこの作品をぜひ手に取っていただきたい。さらに、このシングルを掲げての、久々のQUATTROツアーも開催し、20周年へと共に突き進む、シャラク(Vo)、フクスケ(G)、リウ(B)に話を聞いた。
◆20周年はその力を持って神が進んでいくぞと。むしろ、我は神なり!です(フクスケ)
――今回のシングルは前作アルバム『CONTINUE』からちょうど1年後のリリースとなりましたが、2017年のメトロノームはライブに重きを置いていたんでしょうか?
フクスケ:どちらかと言えば、20周年の頭に何か出せたらなという気持ちのほうが強かったです。やっぱり節目ですからね。
シャラク:とは言え、実際ライブの本数はそんなに多くなかったんですよ。昔はすごくライブが多かったですけど、再起動してからはそこまでは…(笑)。
リウ:ツアーを除けばライブは月に1本あるかないかだったので、むしろ普通のバンドよりも少なかったかもしれないですね。でも、確かに周りの人からよく「すごく活動しているね」って言われるんです。それだけ濃い感じなのかもしれないですね。
――メトロノームのライブは1本1本に強烈なインパクトがあるせいかもしれませんね。さて、今回の『弊帚トリムルティ』は、フクスケさん曰く、「どんな曲か妄想してください」とのことでしたが、妄想が膨らむ意味深なタイトルです。
フクスケ:本来、「弊帚」と「トリムルティ」の二つがくっついた言葉はないですからね。この言葉自体は僕が考えたんですけど、そもそも今回、シングルのタイトルよりも先にツアーのタイトルを決めたんです。そこで「弊帚トリムルティ」という名前を付けたら、それをシャラクが拾って曲のタイトルにしてくれました。
――珍しいパターンですね。
フクスケ:そうですね。今回のように曲が作られる根本的なところから3人全員が参加しているというのは初めてかもしれないです。
――このタイトルは、どういう意味合いで付けたんですか?
フクスケ:メトロノームが活動し始めた頃、言い回しや言葉のチョイスに宗教的なものが多かったり、音の感じもインドっぽいものが入ったりしていたんです。それを経て20周年を迎える今、そういうものをもうちょっとわかりやすくポップに入れていこうと。そう考えたときに“自分たちがやってきたことは古いものでも千金の価値がある”という意味の「弊帚千金」という四字熟語は、とても良い言葉だと思ったんです。とは言え、自ら「自分たちに価値があるんだよ」と言うのは嫌なので、弊帚という言葉だけ取り入れました。
――では、トリムルティは?
フクスケ:これは“三つの神には、種類は違えど同等の力がある”という意味です。三つの神様(ヒンドゥー教のブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ)を自分たちに置き換えて、「みんなで千金の技術を今こそ!」という感じですね。そして弊帚には「並走」の意味合いも込めて、20周年はその力を持って神が進んでいくぞと。むしろ、我は神なり!です。
――まさかの神宣言! カットした千金を上回る発言ですね(笑)。
フクスケ:より上に行っちゃいましたね。千金どころじゃない! 私は神様だ!
全員:(笑)
――このタイトル、原点回帰でありつつも前に進んでいく感じがあります。
フクスケ:そうですね。どちらかと言えば前に進む意味合いを強く出せたので良かったです。ただ戻るだけではダメですからね。
――未来を見据えているんですね。ところで、1年ぶりの新譜をどういう作品にするかはどの段階で決めたんですか?
リウ:曲出しをした後に決めたんですけど、曲出し自体は結構早くて、去年の11月には12~13曲出ていました。そこから選曲で難航している間にタイトルが決まったんです。良い曲が多くて、選ぶのに悩みました。
フクスケ:前からそうなんですけど、メトロノームはCDを作るときにあまりきちんとしたテーマを決めないんですよ。今回は珍しく先にツアーのタイトルがあって、それがグッとCDに近寄った感じですね。
――これまでの作品同様、今回もそれぞれが作曲した曲が入っていますが、これは偶然だったんですか?
フクスケ:あえてそれぞれ平等な曲数にしています。神の力はみんな同等ですからね!
――さすがトリムルティ! では、それぞれの個性が滲む各曲の聴きどころを教えてください。
01.「弊帚トリムルティ」(作曲:リウ、作詞:シャラク)
――この曲はリウさん作曲ですね。
リウ:僕は曲を書くときに、ライブの風景や映像をイメージして書くんです。今回はメンバー3人に次々とスポットが当たっていくイメージや、お客さんと一体化できる感じをこの時期に作りたいなと思って書きました。
――今回リウさんが出した他の曲も、こういう曲調だったんですか?
リウ:いろんなタイプを書くようにはしていますけど、このテンポはこの曲だけでしたね。3人ともデモの段階では自分で歌うんですけど、その段階でシャラク君が歌うところをイメージして、気持ち良く歌い上げてほしいなと思って作っています。
――シャラクさんは以前、「他のお二方が作った曲はブレスが難しい」と言っていましたが。
シャラク:今回も難しいです。サビでファルセットになるところがあるんですけど、その付近のブレスが特に。
――「強くてNEW GAME」もそうですが、リウさん曲はキーが高いですよね。
リウ:高めには作っていますね。シャラク君はファルセットも上手に使っているので、入れたいなと思って。でも、年々シャラク君のキーが高くなっている気がして、トップがどこだか僕にもわからなくなっています(笑)。
シャラク:歌録りは、バンドのレコーディングとは違って自分でスタジオを予約して行くんですけど、朝起きたときに、「今日は無理かも…。いや、夕方になれば行けるかも…」と喉の調子を計りながらスタジオを予約したので、録りが遅くなってしまいました(笑)。自分の曲であれば全然気にしない感じなんですけど、やっぱり人の曲なので気を使いましたね。
――ご自分の曲とは向き合い方がちょっと違うんですね。リウさんは、ご自分の曲だとベースは弾きやすかったりするんでしょうか?
リウ:どの曲でもそうですけど、他のパートを先に決めて、ベースは最後に決めます。この曲はボコーダーの間奏にいく前に、ギターのリフだけが目立つところがあるんですけど、そこであえてベースを弾かないところが、自分的には気に入っています。その後の部分がボコーダーでフクスケ君がフィーチャーされるところだから、その前のギターから目立ったほうがいいかなと思って。そういう意味では、すごく良いアレンジができたなと思っています。これは自分でアレンジをやっているから、こういう大胆なことができるんですよね。
――リウさんのアレンジにも要注目ですね。そして、この曲のフクスケさんのギターソロが素晴らしかったです。
フクスケ:実はデモの段階で、ソロが入るシャラクの曲がもう1曲あったんですけど、そっちのソロは上手くできなくて。全然思いつかないなと思ったときに「弊帚トリムルティ」を弾いたらすぐ決まったんです。他の人が聴いても入ってきやすい、良いメロディが付けられたんじゃないかなと思います。
◆本当のありがとうは初めてです。今までは嫌味な感じでしたからね(シャラク)
――ところで、今回の歌詞はこれまでから一気に変わった感があります。
シャラク:本当にこれまでにはないくらい前向きと言うか、気持ち悪いぐらい感謝に溢れていますよね。
――特に〈優しい気持ちと感謝にあふれている〉の部分では、シャラクさんのこんな歌詞、読んだことがない!と思いました。
シャラク:今回二人から、こういう感じで歌詞を書いてというザックリとしたテーマをもらったんですけど、それが難しくて(笑)。結果、ツアータイトルを曲のタイトルにして、3人に混ぜてくれてありがとう、という感じで書きました。
――これまでにも「世界はみんな僕の敵」(2008年リリースのアルバム『COLLECTION 2』収録曲)や「BYE-BYE」(2002年リリースのシングル『セルフコントロール』収録曲)で〈ありがとう〉という言葉がシニカルな意味で出てきましたが、今回は本気の〈ありがとう〉ですよね。
シャラク:本当のありがとうは初めてです。今までは嫌味な感じでしたからね(笑)。
――新しいシャラクさんを発見して驚きつつ、ちょっと心配にもなりました(笑)。
シャラク:確かにすごく怪しいですよね(笑)。オイラも心配されるだろうなと思ったんですよ。それぐらい急にハッピー!みたいな感じで、自分でもヤバいなと。
リウ:やっぱり皆心配するんだね(笑)。
フクスケ:シャラク君、大丈夫だよ。僕は信じてた(笑)。
リウ:(笑)。あと僕は、言葉の意味合いとは別で、〈弊帚トリムルティ〉という言葉を、あのメロディに綺麗に乗せたことに感心しました。最初にタイトルを見たとき、この言葉はメロディに乗るんだろうかと思っていたんです。そうしたら、最後の一番目立つところに綺麗に入っていたから、すごいなと思って。
シャラク:試しにやってみたらピッタリはまったんです。自分の中で『弊帚トリムルティ』というアニメの主題歌の歌詞を作ったような気持ちになりました。
フクスケ:じゃあ今年は『弊帚トリムルティ』をアニメ化するか!
全員:(笑)
――さらに今回、〈ありがとう本当に〉や最後の〈ラララ〉のコーラスも新鮮でした。
リウ:ザックリしたイメージで言うと、「絶望さん」みたいにライブで大団円な感じを自分なりにやってみたいなと思ったんです。曲調は全然違いますけど、イメージとしてはああいう感じをやりたくて。だからライブが楽しみなんです。
――ここはファンの方にも歌っていただきたいですね。
リウ:そうですね。ただ、コーラス録りをしたら思いの他、音が高くて(笑)。女性だったら気持ち良く出るかもしれないですけど、僕は機械の力を借りないと難しくて、ビックリしちゃいました。それも含めてライブを楽しみにしています。
02.ボクになりたかった僕(作曲:フクスケ、作詞:シャラク)
――フクスケさんらしさ全開の曲ですね。
フクスケ:そうですね。20周年のことを考えたときに、以前の自分たちに近づけたメロディや曲の雰囲気が出たらいいなと思って作りました。自分が一番好きなテンポですね。
――ギターでこだわった箇所はありますか?
フクスケ:さっきリウも言っていたんですけど、自分の曲はチョイチョイとやっちゃう感じなんです。だから自分の曲のギターほど、デモの段階のものをそのまま使ったりして、違う音にばかり集中しちゃう。もちろん、自分の曲自体はちゃんと作るんですけど、他の人の曲のほうが音作りもちゃんとするし、しっかり弾きます(笑)。ちなみにこの曲のギターソロは毎回ライブの度に変わるギターソロで、決まっていないギターソロなんですよ。
――流動的なギターソロはライブごとに楽しみがありますね。
シャラク:オイラはAメロの譜割り、2行目から3行目にいくところで息継ぎできるところがなくて、大変だなと思いました。
――詞数は多いのにブレスがない。フクスケさん、今回も容赦ないですね。
フクスケ:こういうのが多いんです。自分も歌っているから、苦しいのはわかっているはずなのにやっちゃうんですよ。こういう曲を自分で歌うと、ちょっと意識が遠のくのにね(笑)。でもやっちゃうってことは、多分こういうのが好きなんですよ。
シャラク:今回は違いましたけど、もらったデモで息継ぎがない部分の仮歌のデータが切り貼りだったりすると、「え、嘘…」と思います(笑)。
――(笑)。ところでこの曲で、Cメロからエフェクトのかかったコーラスが入っていますが、あれは何と言っているんですか?
フクスケ:あれは普通に言うのはなかなか難しいんですよ。内容は簡単で、ヒンディー語で「やぁ友よ、元気かい?」みたいな意味の言葉なんですけど、全然覚えられない! 自分でボコーダーでコーラスするんですけど、覚えるのがとにかく大変で…。曲に乗せて言葉に出せば、意外といけるんですけどね。
――それだけ言おうとすると難しいんですね。
フクスケ:そうなんです。しかも発音もよくわからないし。
リウ:ちなみにフクスケ君は今回、3曲中2曲でヒンディー語でコーラスを歌っているんです。
フクスケ:でもカタカナ英語みたいな、カタカナヒンディー語ですからね。
リウ:でもすごいですよね。
フクスケ:じゃあ、目標はインドツアーかな(笑)。
全員:(笑)
――インドツアーが楽しみです。リウさんはこの曲はいかがでしたか?
リウ:この曲は、曲を覚えるとか練習するということを全くしない状態で、頭から録ってみました。「この後の展開があまりわからないけど、ちょっと録ってみようかな」という感じで、「次は何だ? 次は何だ?」と止めながらでしたね。あと、イントロのフレーズが2回目に来たときに、ちょっと展開したいなと思って全く違うベースを弾いています。1回目と同じことをやっていないところが気に入っていますね。後半も、同じコード進行でも、ちょっとずつ変わっているんです。ただ、家で一人で楽しみながら録ったんですけど、自分で弾いたものを覚えていないので、これから耳コピしないといけないんですけどね(笑)。
――なるほど(笑)。「ボクになりたかった僕」というタイトルはシャラクさんが付けたそうですが、このタイトルもストックしている中から選んだのでしょうか?
シャラク:このタイトルは今回考えました。カタカナは、メトロノームのシャラク像、そして漢字が実際の自分で、「弊帚トリムルティ」と2曲でセットなんです。「弊帚トリムルティ」で、ガチガチに頑張ります!と言った上で、「ボクになりたかった僕」では、そうは言っても無理がない程度に頑張ります、という感じですね(笑)。
◆20周年が終わってもその勢いのまま先に行けるように(リウ)
03.友達の和(作曲・作詞:シャラク)
――このタイトル、どこかで聞いた言葉ですね。
シャラク:昔、「笑っていいとも!」であった友達の輪の振り付けを、何とか最後の〈和和和…〉と続くところで入れたいなと思ったんです。振り付けからできた曲ですね。
フクスケ:それをやりたいとは知らなかった(笑)。
――その〈和和和…〉のところで、それまでのピコピコ音から、パッと切り変わって美麗なフレーズに変わります。
シャラク:そこはちゃんと、〈和和和…〉の振り付けができそうなテンポにしています。
フクスケ:僕は、今回のシングルの中でこの曲が一番、自分が録ろうとした音のイメージ以上の良い音で録ることができたので良かったと思っています。この曲にはこの音がいいなという音が上手く出せました。
リウ:3拍子っぽいところの展開はメトロノームでは珍しいと思っています。でもこういう曲調なので、それに沿ったイメージでやりました。「ボクになりたかった僕」のソロではスラップをやったので、この曲はギターっぽい音を出しているんですが、結果バランス良くできたなと思います。
――シャラクさんは、ご自分の曲は歌も作詞作曲もやりやすかったのでは?
シャラク:そうですね。歌詞はデモのままで、歌はA、B、サビと全部歌い方が違うんです。いろんな声を出そうと思って、違う曲のBメロを無理やり付けたような、曲として統一性がないものを作りたいと思ったんですよ。でも改めて聴いてみると、意外と違和感がないのが、「あれ?」という感じなんですけどね(笑)。
――3曲並べて聴くと、曲も歌詞の感じもそれぞれの個性が出つつ、どれもまさしくメトロノームでした。ところで、今回のシングルのアーティスト写真はロゴもインドっぽさがありますね。
フクスケ:そうですね。ちょっと雰囲気が違います。ロゴも今回用に描いているんですよ。
――アーティスト写真で、リウさんはPhotoshopの修正があまり必要ないそうですね。
フクスケ:そうなんです。リウは美肌なんですよ。僕は心のPhotoshopだけでは見ていられなかったので、本物のPhotoshopを駆使しました(笑)。
シャラク:オイラは前に「ここが気になるのでこうしてください」って言ったら、フクスケさんに、「もうやった後です」と言われて、「…ごめんなさい」となったことがあって。それから自分の顔をあまり見ないようにしています(笑)。
フクスケ:衣装の面では、シャラクが久々に帽子をかぶっています。
シャラク:最初に衣装さんからデザイン画をいただくんですけど、オイラは「すごく黄色いけど平気なの?」って思いました(笑)。でも出来上がってみたらカッコイイなと思いました。
リウ:今までは、黄色と黒の人たちってよく言われていたけど、今回は黄色の人たちって言われそうだよね(笑)。
――そして、今回の初回限定プレス盤に付くDVDがとても豪華で、メトロノーム19周年記念公演「しゃーたん&めとたん」@赤坂BLITZのライブ映像6曲+特典映像が収録されます。「しゃーたん&めとたん」は良い音になったそうですね。
リウ:そうなんです。マスタリングをやって良かったなと思いました。曲の前後がどれぐらい収録されるかはまだわからないですけど、マスタリングスタジオで聴いていたら、やたらとフクスケ君のMCが連続で聞こえてきて(笑)。ライブ感も出ていて良かったですよ。
――この作品のリリースを経て、3月17日からは東名阪のQUATTROツアー「弊帚トリムルティ[05→98→18迄-7=20]」がスタートします。
フクスケ:QUATTROツアーは以前もやったんですけど、全然覚えていないんですよ(笑)。
リウ:今回の大阪の会場はそのときとは違うんだよね。大きくてすごく綺麗な会場だって聞きました。
――楽しみですね。今回はどんなツアーになるんでしょうか。
リウ:まだセットリストを決めていないですけど、シングルが出てからなのでそれをやりつつですね。でも、今回サポートでドラムを叩いてもらうHIROSHIさん(CASCADE)に、結構な曲数を覚えていただいているので、ガラリと変えたいなとは思っています。今まではHIROSHIさんにたくさんの曲を一気に覚えてもらうのが申し訳ないし、無理もあるので、ある程度決まった曲数の中でツアーを組んでいたんですけど、そろそろ昔みたいにライブ1本1本のセットリストが全然違うのもいいかなと。
――これまでとはまた違ったメトロノームが見られそうですね。
リウ:そうですね。あと、前のアルバムもそうなんですけど、メトロノームはアルバムツアーが終わった後でもアルバムの曲を大事にしてきたので、印象に残っているんじゃないかな。よくツアーが終わったらやらなくなったりしますけど、そうじゃなく、新しい曲も昔の曲もと思ってやっているので。
――最後にメトロノームの2018年のヴィジョンを教えていただきたいと思います。「しゃーたん&めとたん」のときに、シャラクさんが「おっきい会場でやりたいんです。もっとおっきい会場が似合うバンドになりたいんです。『ついて来い』なんて偉そうなことは言えませんが、一緒に、どんどん大きくなってどんどん楽しいことをしたいです。…なんで、よろしく」と言っていましたが、具体的な目標はあるんですか?
シャラク:大きい場所でやりたいですね。具体的にどこというより、大きいところであればいい(笑)。そして今年はできるだけ体調を崩さないようにしたいと思います。再起動するまで全く気にしたことがなかったんですけど、再起動してからは、関わる人たち一人ひとりの顔や人数が具体的にわかるようになったと言うか。オイラの声が出ないだけで、そういう人たち全員に迷惑がかかるじゃないですか。だから本当に気を付けないといけないと思いました。だからとりあえず今年の目標は健康です。
――じゃあ自堕落な生活は封印されたんですね。
シャラク:あっ、それは性格なので…(笑)。
――「今日も床で寝てた。この地球自体がオレ様にとってのベッドだぜ」という言葉が記憶に新しいのですが。
フクスケ:あれを見る度に心配になりますよね(笑)。僕は昔から目標を立てるようなタイプではないんですけど、20周年YEARが「弊帚トリムルティ」とピッタリ合ったり、それ用に考えたわけではないのに歌詞がピッタリ当てはまったことも含めて、良いスタートが切れているなと。なので、このまま最後まで、上手く繋がることがどんどん増えていくような活動ができたらと思います。こういう見た目も、内容も曲も、全部一触汰で20周年が終わる頃には全部がすごく良いライブだった、良い作品だったと言えるような年にしたいです。
――最高のスタートを切ったんですね。
フクスケ:そうですね。まさに最高だと思います。
リウ:僕は今年も楽しい企画を立てて、良い音源を作っていく予定ももちろん立てて走っていきますが、20周年が終わってもその勢いのまま先に行けるような活動にしたいと思います。あと売れたいです(笑)! 売れたいと言うか、今年はもっといろんな人に知ってもらえたらと思います。
フクスケ:じゃあやっぱり『弊帚トリムルティ』のアニメ化を…
全員:(笑)
(文・後藤るつ子)
メトロノーム
<プロフィール>
シャラク(Vo)、フクスケ(G)、リウ(B)によるテクノ・ポップ・ヴィジュアル系バンド。1998年に結成。テクノ・ポップの他、ニュー・ウェイヴやパンク・ロックを色濃く感じさせる特異な音楽性で注目を集める。2009年の5月31日にC.C.Lemon ホールでのライブをもって活動を無期限で停止。7年後の2016年同日に復活を発表。9月19日にZepp Tokyoで行われた再起動後初のワンマンライブ『Please Push Play』をソールドアウトさせた。2016年9月にシングル『解離性同一人物』を、2017年3月にアルバム『CONTINUE』をリリース。2018年3月18日より、メトロノーム QUATTRO東名阪ツアー『弊帚トリムルティ[05→98→18迄-7=20]』がスタートする。
■オフィシャルサイト
http://meto21.com/
【リリース情報】
『弊帚トリムルティ』
2018年3月7日発売
(発売元:KING RECORDS)
【収録曲】
[CD]※初回限定プレス盤DVD付き・通常盤共通
01.弊帚トリムルティ
02.ボクになりたかった僕
03.友達の和
[DVD]※初回限定プレス盤DVD付きのみ
01. 空想ヒーロー
02. 豆腐メンタル
03. MATSURI
04. 強くてNEW GAME
05. 絶望さん
06. ΦD-SANSKRIT
(Recorded at Akasaka Blitz, August 25th, 2017)
【ライブ情報】
『現代MONO/POLY』 ツアー・ファイナル未公開 ㊙ ライヴ ・メドレー
(Recorded at TSUTAYA O-EAST, April 29th, 2017)
【ライブ情報】
メトロノーム QUATTRO東名阪ツアー『弊帚トリムルティ[05→98→18迄-7=20]』
3月17日(土)梅田CLUB QUATTRO
3月18日(日)名古屋CLUB QUATTRO
3月25日(日)渋谷CLUB QUATTRO