「Far East Dizain×JILUKA」スペシャル対談第2弾・ドラマー編～Sujk×Zyean～

◆対バンする時は、横目で見たりしますから（Sujk）

――Far East DizainとJILUKAの皆さんはリハーサルスタジオでよく会うそうですね。

Sujk：そうなんです。でも、いつも「お疲れ様です」という挨拶をするくらいで。

Zyean：スタジオ以外でお会いしたのは、去年の4月に行われたイベント「beauty;tricker」で対バンさせていただいた時でしたよね。本当はその時、Sujkさんとお話しするためにもっとグイグイ行こうと思っていたんですけど、Sujkさんの寡黙なオーラに負けてしまって…（笑）。でも、FEDのЯyu君から「大丈夫だからもっと喋りなよ！」と言われたので、今後もっと仲良くなって一緒にご飯に行ったりしたいなと思っています。

Sujk：ぜひぜひ。

――Sujkさんは話しかけづらいオーラを漂わせていたんですね。

Zyean：そうなんです。なので、ちょっと怖い人なのかなと思って…。

Sujk：寡黙に見えて、案外そうではない（キリッ）。

Zyean：あ、そうなんですね（笑）。俺は昔から「ヴィジュアル系と言えばSujkさん！」というくらい尊敬していて、ずっとお話してみたいと思っていたんです。なので、今日はこうやってお話しできているのが夢みたいです。

Sujk：ありがとうございます。そんなに言ってもらえるなんて思わなかった（笑）。

Zyean：本当に、素直に嬉しいです！

――Sujkさんから見たZyeanさんはどういう印象だったんですか？

Sujk：第一印象は「真面目そうだな」でしたね。対バンの時にドラムプレイを裏で聴いていて、すごくしっかりしたドラムを叩くなと思いましたし、スタジオで音漏れが聴こえてきた時も、「上手いな」と思ったんです。

Zyean：（小声で）めっちゃ嬉しい…！　同じパートだと相手の音が気になりますよね。似たようなジャンルだと余計に。

Sujk：そうだね。なので結構チェックしますよ。対バンする時は、ライブが始まる前まで横目で見たりしますからね（笑）。リハの段階では、機材を作っているふりをしてめっちゃ聴いているし。「beauty;tricker」で初めて対バンした時は、時間的にJILUKAさんのライブを観る余裕があまりなかったけど、裏でライブの音が聴こえるからそれをずっと聴いていて。

Zyean：俺は逆に全力で堂々と見ちゃいます。そして、「beauty;tricker」の時はフロアに出てFEDさんのライブを観ていました。めったにそんなことはしないんですけど、ライブを絶対に観たいという衝動を抑えられなくなって。観たら案の定、「やべーな！　すげーな！」と。

――将来、尊敬する先輩を超えられそうですか？

Zyean：…いずれは超えたいです！

Sujk：いや、すでに超えていると思う（笑）。

――では、お二人がドラムを始めたきっかけを教えてください。

Sujk：俺はX JAPANが好きで始めたんです。1番影響を受けたのは、ヴィジュアル系ではXやLUNA SEAで、あとは洋楽ですね。

Zyean：洋楽ではどの辺に影響を受けたんですか？

Sujk：一番好きなのがトゥールのダニー・ケアリー。メロコアとか、パンクも結構聴いていて。俺は元々ラウドロックとかヘヴィロックとかハードコアをやっていて、ヴィジュアル系はFEDの前のバンドで始めたんです。

Zyean：俺がドラムを始めたきっかけは、高校時代の同じクラスの友達ですね。そいつがドラムをやっていて、二人で遊んでいる時にドラムについて色々教えてもらったんです。それで段々のめり込んでいって、その1年後には毎日のようにスタジオに行って、何もわからないまま全部自己流でただただドラムを叩いていました（笑）。その頃聴いていたのはXやGALNERYUSですね。あとはドラゴンフォースとか、スピード重視のメタルばかり聴いていました。

Sujk：俺はスピードメタルを通っていないんです。どちらかと言うとヘヴィロック寄りなんですよ。

――Zyeanさんはお友達がドラムを持っていたことから、ドラマーへの道が開けたんですね。

Zyean：そうですね。普通のドラムセットではなくてパッドのみのやつなんですけど、それを友達の家で叩かせてもらったり、一緒にスタジオに行ったりしたことがきっかけでした。

Sujk：俺もドラムを始めたのは友達がきっかけだったな。そいつはギターをやっていて、ある日「ドラムをやらない？」って誘われて。それで「じゃあ買っちゃおう」と思ってツーバスセットを買いました。ノリで（笑）。だから家には最初からツーバスセットがあったんです。

Zyean：すごい（笑）。でも実は俺とSujkさんでちょっと似ているなと思ったのが、ツインペダルなんですよ。俺がスタジオで最初に生のドラムに触れた時、ツインペダルが付いていたんです。友達が使うのでセットした後の状態だったと思うんですけど、その時からペダルは二つあるのが当然で、両足でドコドコ踏むのが基本のスタイルだと思っていたんです。そこが始まりなので、ツーバス系に近いんですよ。

Sujk：それは結構重要な気がする。それにツーバスって、最初はやれると思うんだけど実際やってみるとやっぱり難しいんだよね。俺はツーバスを買ったときにXの「紅」をやりたいと思っていたんだけどできなくて、「WEEK END」辺りでお茶を濁した思い出があります（笑）。さすがに、いきなり「紅」は無理だった…。

Zyean：（笑）

――他にもお互いに似ていると思うことはありますか？

Zyean：Sujkさんは割とストイックに叩くイメージで、そこがちょっと自分と近い気がします。叩いているスタイルも、ドラムの音を一打一打どうやってライブで出していこうかという感覚にも、ストイックな印象があるんです。

Sujk：確かに似ているかもしれない。あと、映像で見ていて思ったんだけど、Zyean君は叩く時の姿勢がいいですよね。俺も結構姿勢がいいと言われるからその辺が似ているのかなと。

Zyean：確かに、ドラマーの中には姿勢を崩しながら叩いている人もいますけど、Sujkさんはそういうことがないイメージです。

Sujk：似ているのは姿勢の良さ、ということで（笑）。

Zyean：ところで、Sujkさんは昔ハイピッチのスネアがお好きなイメージがあったんです。なぜだったんですか？

Sujk：音がよく出るからですね。カンカン鳴るのが良くて。

Zyean：単純に音の好みだったんですね。メタル系のジャンルでカンカン鳴るスネアを使っている人は少数派な気がしていたので、珍しいなと思っていたんです。あと、一時期クリアのヘッドを貼っていましたよね。あれを使っている人を初めて見ました。

Sujk：センタードットのクリアのやつね。あれは前やっていたラウド系のバンドで一時期流行ったことがあって、みんな使っていたんですよ。ヴィジュアル系を始めた時に、またあれをやりたいなと思ってやったの。

――ZyeanさんはSujkさんのことをとてもよく見ていますね。

Sujk：：そうですね。あれを使っているのがわかるというのは相当ですよ。何でわかったんだろう？

Zyean：Sujkさんのこと、本当に尊敬しているんです。それで、初期の頃のライブDVDで使っているのを見て「珍しい」と思って。

Sujk：あ、確かにあのとき使ってた！　俺も忘れていたぐらいなのに本当によく見てるな（笑）。ところで、Zyean君のドラムセットってMVで観るとすごく点数が多いですよね。俺は逆に最近点数が減ってきているから、シンバルの位置もかなり低い位置なんですけど。

Zyean：ほぼ水平ですよね。

Sujk：うん。最近、横に平べったいセットが好きで。

Zyean：椅子も低いですか？　どんな叩き心地なのかすごく気になるんです。僕も個人的には低いほうが好きなんですよ。効率を考えると低くしたほうがいいのと、あとはお客さんから見やすいメリットもありますよね。

――徐々にディープなドラマー対談になってまいりました（笑）。

Zyean：Sujkさんとこういう話ができるのがすごく嬉しくて！　もっとやりたい（笑）！

Sujk：（笑）

◆ツーマンはある意味ガチンコ対決。大先輩に挑むつもりで（Zyean）

――10月28日に新宿BLAZEで開催されるFED主催のハロウィンライブ「Far East Gathering vol.2」が、12月20日には池袋EDGE で開催される2MAN LIVE「FED×JLK」がありますが、それぞれ思い入れは違うものですか？

Sujk：違いますね。やっぱり主催イベントは、FED主催ということで集まっていただきますから。

Zyean：主役は主催バンドですからね。なので「一緒に盛り上げていこう！」というイメージですね。ツーマンは、いい意味で対決的な意味も含んでいるなと。

Sujk：そうだね。これまで一緒にやる機会がなかったので、今回はいい機会をもらったなと。対バンが楽しみです。

Zyean：こちらとしてはライブでご一緒したかったので、すごく嬉しいです。

――ところで、KeitaさんとRickoさんのヴォーカル対談で、主催イベントで着るハロウィンの衣装の話が出たのですが。

Sujk：主催で誰が一番目立つか、ということですよね。

Zyean：ということは、これはフラグですか？

Sujk：うん。フラグが立っていてもいいんじゃないのかな…（笑）。

Zyean：じゃあそっちも楽しみにしています。Sujkさんは去年は何を着たんですか？

Sujk：俺は生まれて初めて女装をしてアリスになりました。

Zyean：アリス！　初女装はどうでした？

Sujk：よくわからなかった（笑）。まず歩き方の練習から始めたんだけど、全然女の子っぽい歩き方ができなくて。

Zyean：すごいですよね。女装して演奏するだけじゃなくて、歩き方から練習するなんて。

Sujk：だって、SEが始まってメンバーがステージに出てきたときに、アリスが男らしい歩き方だったら変でしょ？　だから頑張って…って言うと本気な感じだけど（笑）。

Zyean：なんでアリスにしたんですか？

Sujk：女の子がいいなと思って。本当は去年流行った映画『スーサイド・スクワッド』のキャラで青と赤のハーレイ・クインをやりたかったんですけど、売り切れで揃えられなくて。

Zyean：ハーレイ・クインは人気がありましたよね。

Sujk：うん。それで第二候補のアリスになったという（笑）。

――どちらにしても女装だったんですね。

Sujk：女装はやろうと思っていたんです（笑）。今年は去年と同じ轍を踏まないように、ちゃんと準備を早めにやって、万全の態勢で主催に挑めればなと思っています。Zyean君はコスプレをやったことはある？

Zyean：去年と一昨年やりました。去年は『テガミバチ』というアニメのキャラクターでしたね。

Sujk：『テガミバチ』？

Zyean：郵便屋さんです。きっかけは、けっこう個人的な理由なんですけどね（笑）。一昨年はメイクだけだったんですけど、ゾンビメイクみたいなものを初めてやりました。ちょっと血のりっぽい感じでハロウィンっぽい、ホラーっぽい感じです。

Sujk：そういえば俺はジェイソンをやったな。ジェイソンは完璧だった。それにしても、一昨年がジェイソンで、その次の年がアリスか…2017年はもっと面白いことをやりたいな（笑）。

Zyean：楽しみだ…！

Sujk：やるからにはやり切らないとダメだと思うので、本気で挑みたいと思います。

Zyean：Sujkさんのそういうところ、すごく尊敬します！

Sujk：やるからには全力でやりますよ。アリスも全力でやったけど、ちょっとなり切れていない部分があったので（笑）。

――ところで、Sujkさんの初の女装に対してのファンの方の反応はどうだったんですか？

Sujk：悲鳴があがりました（笑）。

――それは阿鼻叫喚的な？

Sujk：よくわからないんですけど、とりあえず悲鳴が起きていました。

Zyean：Sujkさんみたいな人が女装すると、ギャップで喜んでくれるんじゃないですか？

Sujk：でもワンテンポ遅れての悲鳴だったから…何だろう、本当の悲鳴かもしれない…。

Zyean：（笑）

――主催イベントへの期待がますます高まりました。12月のツーマンはどんな感じになりそうでしょう？

Sujk：2バンドしかいないので対決ではあるんですけど、もっとお互いのバンドをよく知れる機会だとも思うんです。

Zyean：そうですね。これをきっかけに、もっと今後ともお互いのバンドが交流するきっかけになればと思います。

――ツーマンライブでは相手の曲をカバーすることが多々ありますが、もし実現した場合に自分のバンドの曲で「これを叩いてほしい」という曲はありますか？

Zyean：個人的には「Screamer」（2015年2月リリースの1stシングル）とか「Twisted Pain」（2015年8月リリースのアルバム『DESTRIEB』収録曲）とか、初期からある表題曲をぜひ聴いてみたいです。

Sujk：俺は最近の曲ですね。

Zyean：「蜃気楼」（2015年11月リリースの1stアルバム『TONICK DIZAIN』収録曲）とかだったらいけます。

Sujk：むしろ最近の曲をカバーして、俺にドラムを教えてください（笑）。

Zyean：いやいや、まずそれを叩けるようになるまでに、倍以上教えてもらわないといけないですから（笑）！

Sujk：ところで、JILUKAの「ダンダンダンダン…」ていうドラムの曲が気になってるんだけど、何て曲？

Zyean：「ZONE」（2015年8月リリースの2ndミニアルバム『DESTRIEB』収録曲）ですね。

Sujk：あの曲好きなんです。ギターのリフも斬新で、ライブが楽しそう。

Zyean：ライブでは結構やるんですけど盛り上がりますよ。

――ちゃんとお気に入りの曲まであるなんて。

Zyean：ありがとうございます。ビックリしました。

Sujk：スタジオから漏れる音でその曲が聴こえてくると、俺はコーヒーを飲みながら、「ダンダンダンダン…」…とやっているんです（笑）。

Zyean：え、嬉しすぎる…！

――お二人が思っていた以上に相手のことを知っていたことが発覚した対談でした。では最後に、10月のFED主催イベントと12月のツーマンライブへの意気込みをお願いします。

Sujk：お互いのバンドをもっとよく知れる機会だと思うので、どちらも楽しいイベントにできたらと思います。あとハロウィンが近いので、そのあたりも密かに楽しみにしています。ツーマンは、将来的にはツーマンツアーができるようないいきっかけになればなと。そして、お互いのお客さんと、もっと仲良くなってもらえればいいなと思っています。

Zyean：主催は時期的にハロウィンなので、ワイワイやれたらいいなと思っています。

Sujk：ワイワイね（笑）。

Zyean：そういうSujkさんの一面をもっと掘り出していけたらいいなと（笑）。ツーマンはある意味ガチンコ対決だと思っているので、勝ち負けというわけではないですけど、個人的には大先輩に挑むつもりで頑張ろうと思っています。そして、今後は個人でもバンド単位でも、もっと仲良くなれたらいいなと。先ほどお話に出たツーマンツアーが今後実現させられるような、そういうきっかけになるライブになればいいなと思います。そしてSujkさん、今度飲みに行きましょう！

Sujk：酒は弱いですけど…ぜひ（笑）。

（文・後藤るつ子）

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