2017.4.1
NOCTURNAL BLOODLUST@新木場STUDIO COAST
ONE MAN TOUR “DEIMOS” -TOUR FINAL-
昨年9月に始まったNOCTURNAL BLOODLUST のONE MAN TOUR “DEIMOS”。全28本に上る全国ツアーがこの日、新木場STUDIO COASTでファイナルを迎えた。
フロアを埋め尽くした猛者たちが気炎を吐き、一触即発ともいえそうな臨戦態勢で待ち構える中での暗転。ステージ後方のスクリーンにこのツアーの映像が映し出され、その最後に「2017.4.1 新木場STUDIO COAST」の文字がクレジットされると、大きな拍手が沸き起こる。さらに熱を増したオーディエンスの前に姿を現した新衣装に身を包んだ5人を、特大の歓声が迎え入れた。
幕開けは「Pleasure of Torture」。尋(Vo)、Cazqui(G)、Daichi(G)、Masa(B)の4人がお立ち台に立ち、尋のスクリームが熱をはらんだ空気を切り裂く。「行くぞ、新木場!」の声を合図にフロア中央に巨大なサークルモッシュが生まれ、あっという間に彼らのライブならではのカオティックな空間ができあがった。さらに、オーディエンスを狂喜乱舞させた「T.Y.R.A.N.T」、激しくもメロディアスな「Last relapse」を立て続けに奏で、会場は開始20分で汗がにじむような熱が充満した。
「本日は遂にNOCTURNAL BLOODLUSTツアーファイナル! 今日は、やべー1日になるぞ。ここにいる誰一人として手加減すんな。今日ここに来たからには死んで帰れ!」
そんな尋の咆哮と共に投下されたのは「Obligation」。Natsu(Dr)が繰り出す強烈なビートとCazquiの速弾きに彩られたイントロから、ダンサブルなサビへと目まぐるしく表情を変え、客席を翻弄していく。踊り狂うオーディエンスをCazquiとDaichiが仲良く背中合わせで煽り、ボルテージは天井知らずに上がり続ける。さらに「EXCEED」では容赦なく響き渡る尋の怒号にフロアが上手と下手に分かれて激突! ステージもフロアも闘志が漲り、全員が本気でぶつかり合う様は圧巻だ。
そんな激情が迸る本編中盤、空気をガラリと変えたのは「Rebellion」。青く冷たい光の下、響き渡る鐘の音にフロアは静まり返り、重厚なサウンドが会場内を満たしていく。さらに、立ち込めるスモークの中、リリースされたばかりのベストアルバム『THE BEST ’09-’17』に収録された新曲「Calamity of Victims」を披露。赤い光の中、噴出するスモークに包まれながら感情を振り絞るように歌い上げる尋、そして轟音を奏でる4人の姿はどこか異世界のようで、その気迫からか曲が終わりステージから一人、また一人と去った後も、フロアは静寂に包まれていた。
その静けさを打ち破ったのはステージに一人残ったNatsuが打ち出した強靭な一打。堂々たる風格でドラムソロを展開し叩き切ったNatsuが客席に拳を突き出すと、大歓声が沸き起こった。
さらにそこに、Cazqui、Daichi、Masaの弦楽器隊が加わり、Masaが奏でる美麗なフレーズに静かに音を重ねていく。感情豊かに、丹念に描かれるその音世界は、聴き手に彼らの持つ多彩な音楽性を強く印象付けたのだった。
そんな穏やかな空気を吹き飛ばした「後半戦、始めようか!」という尋の咆哮と噴出する炎。「BREAK THIS FAKE」ではヘドバンの嵐が巻き起こり、拳が視界を埋め尽くす。ギター隊はスイッチしてステージを駆け回り、Cazquiはクルクル回り、ハイキックを繰り出し、積み上げられたMarshallの壁の上でギターをかき鳴らし、果ては新品のフライングVを振り回し…と、ド派手なアクションで客席に更なる燃料を投下していく。
感情をむき出しにし、息もつかせぬセットリストを叩きつけながら、1曲1曲を深く刻み付けていった本編ラスト。「お前らの超カッコいいところ見せてくれ!」と投下されたのはBPM240というノクブラ史上最速を誇る「Malice against」! 18曲にも及ぶセットリストのラストにこの曲を持ってくる容赦のなさは、さすがの一言に尽きる。Natsuの高速のブラストビートで幕を開けたハードすぎるナンバーは、最後の一音に至るまで一分の隙もなくフロアを狂乱の渦に叩き込み、超ド級の高揚感で締めくくったのだった。
アンコールの幕開けはスクリーンに映し出された雨。そこから壮大な世界観を作り上げた「FATE」、そしてサックスの音色にフロアを沸かせたモダンハードコア「NG+」とアンコールも濃密なセットリストで展開していく。
MCでは、この日のセットリストの長さに触れ、「長すぎるって怒られたから1曲だけ減らしました。やりたい曲、いっぱいあるからね。今日はとことん遊ばないと!」という嬉しい言葉を投げかけた。笑顔溢れるフロアに最後に投下されたのは、おなじみのパーティーチューン「V.I.P」。Cazquiは巨大なキャノン砲を掲げ、Natsuも尋の「V.I.P」のコールに合わせてポーズを取ると、全員で極上の“パーリナイ”を作り上げたのだった。
「新木場ありがとう。最高でした。また遊びましょう」
ステージもフロアも一瞬たりとも力を抜くことなく全力で挑み続けた全24曲。常に“規格外”であることを再確認させられる彼らのライブだが、この日の約3時間に渡って行われたステージはまさに圧巻だった。
オーディエンスの心のタガを外し、解放感に満ちた稀有なライブを作り上げ、さらにそれを回を重ねるごとに進化させていくNOCTURNAL BLOODLUST。この日の景色は、彼らだからこそ作り上げられたものだとここに断言したい。
さらにこの日のライブの最後に、次なるツアーと新たなアーティスト写真が公開された。ツアータイトルは「業火」を意味する『TOUR OF GEHENNA 2017』。NOCTURNAL BLOODLUSTの新章となるこのツアーで、また新たな“規格外”の彼らを目にすることができるに違いない。
◆セットリスト◆
01. Pleasure of Torture
02. 銃創
03. T.Y.R.A.N.T
04. Last relapse
05. Obligation
06. EXCEED
07. Rebellion
08. Sphere
09. DESPERATE
10. Calamity of Victims
11. BREAK THIS FAKE
12. Strike in fact
13. DEAD END
14. Punch me if you can
15. Deep Inside
16. the strength I need
17. I-V-III
18. Malice against
EN
01. FATE
02. NG+
03. GENESIS
04. V.I.P
EN2
01. A Day to Re:member
02. VENOM
(文・後藤るつ子/写真・nonseptic)
【ライブ情報】
●NOCTURNAL BLOODLUST Presents「TOUR OF GEHENNA 17-18」
8月11日(金)渋谷 CLUB QUATTRO
8月19日(土)柏 PALOOZA
8月20日(日)HEAVEN’S ROCK さいたま新都心
8月25日(金)札幌 cube garden
8月26日(土)札幌 cube garden
9月02日(土)仙台 darwin
9月03日(日)新潟 CLUB RIVERST
9月09日(土)TSUTAYA O-WEST《男限定》
9月10日(日)TSUTAYA O-WEST《女限定》
9月16日(土)神戸 VARIT.
9月17日(日)名古屋 Electric Lady Land
9月23日(土)大阪 umeda TRAD
9月30日(土)福岡 DRUM Be-1
●ASIA TOUR 2017 「GRIMM the PILGRIM」
4月14日(金)香港 HIDDEN AGENDA
4月16日(日)台北 THE WALL
《EVENT LIVE》
5月23日(火)TSUTAYA O-EAST
6月02日(金)Zepp Tokyo
《Cazqui・Daichi LIVE》
6月23日(金)池袋EDGE
NOCTURNAL BLOODLUST オフィシャルサイト http://www.nocturnalbloodlust.com