新たなスタートを切った5人が作り上げた待望のニューアルバム『心技体』。名曲たちに彩られた最新作をフィーチャー!
ドラマ―・直人の正式加入後初にして、約3年ぶりとなるニューアルバムが完成した。既に公開されたリード曲「SM」のMVにもその片鱗が見られたとおり、今回の作品にはダウトらしくありながらも、これまでとは一線を画した息をのむような音世界が広がっている。久々のセルフプロデュースによって実現した、真摯でありながら遊び心が散りばめられた純度100%の彼らの音の真価をぜひとも堪能していただきたい。このアルバムを引っ提げ、華々しく2016年のスタートを切る5人に、今作をたっぷりと語ってもらった。
◆今の5人で作る曲を全部詰めたいと思った(ひヵる)
――前回のインタビューで、ひヵるさんが「すごく良いアルバムになりそうです」と言っていたので、とても楽しみにしていました。BORNの猟牙さんもこのアルバムをべた褒めしていましたね。
幸樹:あれね! 本当に評論家みたいに書いてましたからね。すごく褒めてくれました。
――実際、あの言葉に偽りなし!の1枚でした。今回のアルバムは直人さんが入って初のアルバムですが、どんな作品にしようと思っていましたか?
直人:幸樹から作る前に、「せっかく5人で初めての長いワンマンツアーをやるから、ライブ映えする曲中心にしない?」っていう提案があったんです。でも、まずは各々が納得いくものを持ってこようって言っていたら、結果的に全部ライブ映えしそうな曲になりました。
――完成したアルバムは、当初思い描いていたものに近いものになりましたか?
幸樹:むしろ超えたと思いますね。これに関しては全員が同じことを言うんじゃないかな。早くリリースして、早く反響を耳にしたいです。
――前回「新しいダウトを見せたい」という言葉もありましたが、その点は意識しましたか?
玲夏:直人がドラムを叩く時点でこの5人として成立しているので、変に意識はしていないです。むしろ、意識せずとも自然とそうなったっていう感触はありますね。変にわざとっぽくなるより、自然体で発信できるのが一番じゃないですか。
――なるほど。そしてこのアルバムには5人それぞれの曲が入っていますね。
威吹:うん、すごくきれいに散らばりましたね(笑)。選曲の段階で30~40曲くらいあって、バラエティ豊かなアルバムになるなと思っていたんですけど、できあがってみたら本当に色とりどりで、聴いていて楽しいです。
ひヵる:今回、5人の音を作品としてちゃんと作りたい、今の5人で作る曲を全部詰めたいと思って「恋ができない」以外の曲は新曲なんです。実際できあがったものを聴いたら、バランスも取れていて作品としてもすごく良いし、ライブで聴くとより良くなりそうな曲ばっかりなんですよ。昨日、スタジオで「TAXI」を合わせたんですけど、その時に初めて、「これはライブ映えしそうな曲だ!」と思って、さらに燃えました(笑)。
――「TAXI」はライブの画が見えない印象だったので意外です。
ひヵる:ちょっとミディアムな感じですけど、バンドっぽいんですよ。心地よく演奏が…
直人:ありがとーーー!!!(大声)
全員:!?
直人:いや、「TAXI」の作曲者なもので。
ひヵる:(笑)。内なる炎を感じる曲です。
◆自分が発信したものをダイレクトに届けられる(威吹)
――今回、名曲揃いの中でも1曲目の「心技体」には度肝を抜かれました。これまでとはまた違う美麗な楽曲と、「心技体」という言葉の本来の意味とは違う独自の解釈と展開の歌詞に、そう来たか!と。
ひヵる:確かに「そう来たか!」という感じですよね。
幸樹:歌詞は、タイトルのまま歌うのもいいんですけど、裏切るのも作詞の楽しみなんですよ。ちなみに、このタイトルは精神論です。直人が入ったことでもう一回、音楽と向き合いたいなと思って。
――久々のセルフプロデュースで、さらに音楽と向き合えたのでは?
威吹:メジャーデビューしてから初ですからね。レコーディングに関してはジャッジする人がいない分、シビアになりました。でも自分が発信したものをダイレクトに届けられるからめちゃくちゃ楽しかったです。
玲夏:プロデュースが入る場合とセルフ、どっちにも良さがあるんですけど、今までうちはずっと岡野(ハジメ)さんとやっていたので、今回は「これ入れたら岡野さん怒るだろうな。でも俺はこれ好きなんだよな」ってやつを入れるという楽しみ方をしていました。
――それが一番強く出ているところはどこでしょう?
玲夏:まず、「SM」がMVになるのは、岡野さん的には絶対なしじゃないかな。昔「変拍子は表題曲としてはあり得ない」って言われたことがあったから。
幸樹:選曲会でもバサバサ切るからね。前に威吹さんの曲を「全世界で誰もこんな曲求めてないよ」って言われたことがあって。
全員:すげー!
幸樹:俺、心の中で「全世界で誰も求めてない曲作るって、逆にすごくね!?」と思ったもん(笑)。
直人:一体どんな曲持って行ったの(笑)。
威吹:何持って行ったんだろう…。
幸樹:あと「腐った高級食材はいらない」とかね。
――手厳しい…!
玲夏:なので今回は、今の俺らが打ち出したいモードを、どこのフィルターも通さず、ストレートにファンに伝えられるっていうのが一番の醍醐味だと思います。正直、最初は怖かったんですけどね。インディーズの時はセルフでやっていたから、もちろんできなくはないんだけど、今やったらどうなるんだろうとも思ったし。
――今回、一番それを感じたのはどこですか?
玲夏:ヴォーカルと歌詞ですね。プロデュースが助けになることも、邪魔になることもあるなと。
幸樹:ホントそれ(小声)。今回は基本的に「ここ、いらなくね?」って指摘がなかったから、自分のやりたいことができたんです。もちろん、「わかりやすい、シンプルなほうがいい」っていうのは理解できるんです。でも、俺はその人のために書いているわけじゃないし、向こうもイジメようと思って言っているわけじゃない。でも今回、やっぱり好きにできるっていいなと思ったし、作っていてすごく楽しかったです。そのせいか、このアルバムには歌詞も楽器陣も細かすぎて伝わらないけど、自分だけが見たり聴いたりしてニンマリするようなドヤポイントが結構あるんですよ。
直人:例えばどこ?
幸樹:今回は聴感と言葉で遊べたの。例えば「53」で〈桜〉って歌っているように聴こえる部分が、歌詞では〈錯乱〉だったり…
直人:やべー、ずっと〈桜〉やと思いよった。
幸樹:え! あなたはそれじゃダメでしょ! あと〈茜空〉も〈明かねぇ空〉だし…
直人:すげぇ!
幸樹:え、今更…? 「おねだり」の〈聴いてくれないか〉は〈効いてくれないか〉だし。そういう遊び方もできるぞと。
直人:このアルバム、買ったほうがいいですよ。YouTubeとかで聴いちゃダメです。
――ぜひ、散りばめられた遊び心を、歌詞カードを見ながら、じっくり聴いていただきたいですね。
◆シンプルな中に、こういう足技を入れる。見えないおしゃれ感が好き(直人)
――先ほどせっかく「ドヤポイント」のお話が出ましたので、各曲のドヤポイントを教えてください。
1)心技体(作詞:幸樹 作曲:直人)
幸樹:真ん中の〈僕は僕…誰でもない〉っていう、Cメロみたいなところがあるんですけど、そこで声がしゃがれているんです。ここはプロデューサーがいたら絶対弾かれるなと。そのせいか、すごく気に入っていて、いつも鼻歌で歌うのはサビじゃなくてこの部分なんですよね。あとは、サビの導入を〈心〉〈技〉〈体〉で始めているところかな。
玲夏・直人:あ、ホントだ。
幸樹:今さら!? みんなそこわかってると思ったのに!
――リズム隊には全然伝わってなかったみたいですね…。
直人:俺、レコーディングに立ち会ったのにね(笑)。
――(笑)。ところで、この〈僕は僕…誰でもない〉の前のギターに、これまでのダウトにはない音を感じたのですが。
直人:ユニゾンの部分ですね。そこは俺のデモを再現してもらったんですよ。あのエモい感じ、確かに今までにないですね。
2)OH! MATSURI MONSTER(作詞:幸樹 作曲:玲夏)
玲夏:いつもは、録る前にベースのフレーズを構築し直すから、デモで作った時と本チャンのフレーズは全然違うんです。でも、これはデモのままなんですよ。変にいじらないほうが楽曲的にはいいかなと思って。
――珍しいパターンなんですね。この曲のベースはとても耳に残りました。
直人:俺は、最後のサビ終わりで、結構高度な足技を入れているのがドヤポイントかな。ラテンっぽいというかサンバキックというか。多分ドラマーじゃないと全然伝わらないとは思うんですけど(笑)。ここまでずっとシンプルなのに、ここでこういう足技を入れる、見えないおしゃれ感が好きなんですよね。服で例えると、タートルネックを着てるのに、中にめっちゃおしゃれなアクセつけてる、みたいな?
全員:…(笑)
ひヵる:僕はこの曲の自分のAメロとかのリズムの入れ方が好きなんです。間をちょっとずつちょっとずつ詰めていく感じになっているんですよ。
威吹:俺は2Aのワウのフレーズですね。今までだったらガツガツ歪ませて、ワウをワウワウ踏んじゃう感じだったんです。でも、そこはちょっと渋さを出して、全然歪んでない音にワウを踏むっていう、今までやっていないことをやったのがドヤ!ですね。
3)ダァァティィ・ロマンチッカァァ(作詞:幸樹 作曲:玲夏)
幸樹:とにかく高い! 音が超高いんです、この曲。
玲夏:ふふふ。
――玲夏さんは作った段階で「高いな」とは思っていたんですか?
玲夏:うん。でもいつもは音が高ければ事前に、いくつ下げたいって言ってくるし、言ってこないってことは、この曲はいけるのかなと。
幸樹:いやー、最初、半音~1音くらい低くしてもらおうかなと思ったんですけど、そうすると最後の〈「判決は有罪」〉っていう部分が低くなりすぎちゃうから、今の状態がいいんだよなー…と悩んだ結果そのまま歌うことにしました。この曲、過去最高ですよ。「花鳥風月・桜吹雪」(2013年リリースのアルバム『歌舞伎デスコ』収録)も高音がありますけど、ここまでずっと出ているのはないですから。
――玲夏さんのドヤポイントはありますか?
玲夏:この曲はリズムが打ち込みなんです。ベースは生で弾いているけど、よりシンセベース寄りにしたかった。人が弾いている感をなくしたくて、リズムをガッチガチにキープして人力の限界に挑戦しました。
――そこであえて人力にするというのがオツですね。
玲夏:頭の中で鳴っているものが打ち込みでは再現できなかったんです。というわけで、がんばってみました。
4)53(作詞:幸樹 作曲:威吹)
ひヵる:この曲の、サビが終わった後の間奏みたいなリフっぽいところのハーモニクスというか、ピンピンいっているブラッシングの音が好きです
威吹:俺は〈いらない!いらない!〉のBメロのノリですね。今までなかったリズムのパターンなんです。この曲はそこから作ったんですけど、すごくのれるリズムができてよかったなと。ライブが楽しみです。
――ちなみにこの曲名は「ゴミ」と読むんでしょうか。
幸樹:らしいです。
威吹:え!? いやいや…
幸樹:だって、威吹さんに読みは何でもいいよって言ったら「ゴミ」って。
威吹:ゴミゴミ言われて慣れちゃったんです!
幸樹:(笑)。ところで何と実はですね、「ダァァティィ・ロマンチッカァァ」と「53」はストーリーが繋がっていて、「53」はアンサーソングになっているんです。
――なんと!
幸樹:しかも、俺が歌っている最中にみんなが曲順を決めていたんですけど、特に伝えたわけではないのにこの曲順になっていて。
直人:全然意識してなかったね。
玲夏:うん。…あ! もちろん、俺らは歌詞を把握していましたからね! 当然です。
幸樹:…さすがですよね。
――(笑)。
◆この手の曲で休符を入れるのは度胸(玲夏)
6)綺麗事(作詞:幸樹 作曲:幸樹)
直人:この曲は最初に聴いたとき、ドラムは普通のシンプルな裏打ちだったんです。冒頭から普通は人がやらないようなギミックというか、手癖みたいなリズムを入れてきらびやかに見せています。あと今回、金物使い(シンバル)に一番こだわった曲ですね。
玲夏:ベースは休符にこだわりました。イントロでガツッといくと思いきや、休符ありきっていうひねりを入れています。この手の曲で休符を入れるのは度胸ですね。サビの速さは8ビートがちょうどいいのに16分をいきなり入れるっていう度胸。8がずっと並んでいる中で、16がふと入ってきた時の全体のフワッと感がどうしてもほしくて、すげー大変だったんですけど入れました。
――心拍数が一瞬変わる感じが気持ちいいですね。
玲夏:そうなんです。そこがドヤですね。
ひヵる:この曲は、他の曲とはほぼ違う機材を使っています。曲はシンプルですけど、歪みを2種類使ったりしているんですよ。普段使わない歪みも使っているし。
威吹:俺はこの曲が今回のアルバムで一番トラック数を使ってます。違う音色がすごく多くて、一人で10トラックは使ったんじゃないかな。イントロのリードのパターンだけで何トラックも使って、音色違いの同じフレーズを弾いて混ぜたりもしているし、混ぜたやつでバランスを作ったりもしたし。こんなにトラック数を使うことってあんまりないですよ。
――アルバムのド真ん中にこんなに手のかかった曲が入っているとは。
威吹:こんなところに、って感じですよね(笑)。
7)華麗なる外道(作詞:幸樹 作曲:威吹)
――「外道」というなかなか出てこない言葉が、さらっと付けられていますね。
幸樹:え? 漫画『疾風伝説 特攻の拓』で鳴神秀人が入ってた暴走族は「外道」じゃないですか! めっちゃポピュラーな言葉ですよ!
直人:『特攻の拓』を知ってる人は少ないでしょ(笑)。
――しかし、外道という言葉に負けないシャッフルビートの華麗かつパワフルな楽曲です。この曲は作った段階で外道感があったんでしょうか。
威吹:いや、それはなかったです(笑)。この曲はホーンだったりを自分で入れて音色を変えたりしているので、そのホーンの入れ方がドヤポイントですね。あと、ピアノが…
幸樹:この曲はやっぱりピアノじゃないかな。俺最近、ピアノにこだわっていますし。むしろ俺が弾きましたし。
威吹:え! 違うでしょ!
――幸樹さん、さらっと嘘つかないでください(笑)。
8)傷心パラドックス(作詞:幸樹 作曲:幸樹)
――この曲と「綺麗事」は幸樹さんらしい曲ですね。
幸樹:お! そうですか? この曲はバンドだけでやりたいねって作った曲なんです。バンドの音以外、何も入っていないんですよ。だからライブでもそういう風にやりたいなと。
直人:やっぱり、全曲同期入ってます、ウワモノ入ってます、トラック数多いです、だと、それこそギャップがなくなるじゃないですか。シンプルだからこそ良いものがあって、それによってトラック数が多いものが映える。そういう構成だから、このアルバムはさらっと聴けるのかなと思いますね。
9)TAXI(作詞:幸樹 作曲:直人)
直人:この曲はドラムフレーズに関しては繰り返しが多いんです。でも同じこと叩いてもこの人(玲夏)が同じこと弾かないじゃないですか。この曲をやって、「この人はドラムに音色をつけてくれるな」と思ったんです。
玲夏:あざーす!
直人:ドラムが歌っているような…例えばそう、『DEATH NOTE』で原作者と漫画を描いている人が違うような。
全員:…(笑)
直人:あと、作曲者的に言うと、最近の曲って大概Cメロがあるじゃないですか。この曲はないんですよ。そこがミソです。あとはサビでアウトロなしで終わるっていうのがポイントですね。
玲夏:最後の一音が好き。
直人:ありがとう。作曲を始めたばかりで、初めて作った曲なんですけど独特な曲になりました。
幸樹:逆に今まで曲作らないで何してたんですか?
直人:サボってました。
幸樹:やっぱりか(笑)。
直人:あとドラムに集中したかった…っていう言い訳(笑)。でも作曲するようになってドラムの見え方が変わりました。でもこの曲ってジャンル的に言えばV-ROCKではなくJ-POPじゃないですか。それがやれちゃうのがすごいなと。ライブでお客さんをどうのせようかとか何も考えずに作りましたし、何も媚びてないんです。
幸樹:あ、ちなみにサビはモッシュです♪
玲夏:振り付けありです♪
直人:めっちゃ媚びてる!
◆どんな形でもいいので、まずはこのアルバムを聴いてもらいたい(幸樹)
10)おねだり(作詞:幸樹 作曲:玲夏)
――この曲はまた異色中の異色ですね。
玲夏:頭おかしいですよね(笑)。これは仮タイトルが「夜中」で、たぶん夜中に作ったからこういうタイトルだと思うんですけど、こんな曲調な気分だったんでしょうね。
――超低音のピアノが耳に残ります。
玲夏:そこが肝なんですよ。ピアノの低音は俺にはすごく理想的で。ベースじゃ絶対出せないあの硬い感じが要所要所で出てくる。そして、このご時世、曲の分数を短くしようという傾向にある中で、5分越えでも全く気にせず聴けるし、むしろ長いくらいでちょうどいいなという。
幸樹:曲の最後にまばらな拍手が入るんですが、これは愛のない拍手なんです。レコーディングの仕方も特殊で、当事者が真ん中にいてその真ん中で拍手されている感じにしようと。LRで右と左というより、空間をすごく大事にしました。〈うざくない?〉のところも同じ感じで、俺以外の全員で録っています。
威吹:あれをヘッドホンで聴いたらやばいですよ。四方八方から「うざい」って言われますからね。気が狂いそうになります。
――でもこの曲、歌詞を読む限りでは応援歌なんですよね?
幸樹:…のはずなんですけどね(笑)。
11)国立競技党(作詞:幸樹 作曲:玲夏)
――全英詞は「YESTERDAY ONCE MORE」のカバー以来ですね。
幸樹:毛嫌いしていたんですけど、全部英語だと逆に潔くていいですね。これを歌ってからは、バラードを英詞で歌ってみたいと思うようになりました。
直人:この〈all things better.〉の〈better〉の発音がむちゃくちゃいいんですよ!〈better〉が! いい!
幸樹:ありがとう(笑)。この曲は英語ができる方についてもらったんです。日本語英語なんだけど、極力そうはしたくないなと思って。良い歌い方を教わりました。
12)SM(作詞:幸樹 作曲:ひヵる)
――これは「Single Mother」の略なんですね。バラードが最後に来るというのがとても意味深でした。
幸樹:だってこの曲の後、何もできないんですよ。ライブでもこの曲の後に「はい、ということでね、後半戦は~」とか無理ですもん! ヴォーカルあるあるなんですけど、落とすだけ落としたバラードの後のシーンとなった時のMCって本当に大変なんですよ。
――映像はこれまでにない繊細な感じでした。
幸樹:監督さんがヴィジュアル系バンドのMVを初めて手掛ける方だったんですけど、とても若くて怖いもの知らずというか、こうあるべきみたいなものがなかったので、こういう作品ができあがりました。
――玲夏さんのベースも気になります。
玲夏:あれは雰囲気に合わせて違う方向から攻めようと思って使ったんです。「華麗なる外道」のジャズパートのレコーディングでも使っているんですよ。
威吹:ちなみにこの曲は、ギターソロのバックでリズムをガッツリ変えたり、本当に見えないところでちょいちょい変えています。
――今回のアルバム、とても細かいことが散りばめられているんですね。
威吹:そうなんです。実はすごく細かいことをやってるんですよ。
――ダウトらしさがありながら、とても新しいアルバムでした。
幸樹:ここまで魂を込めて作ったアルバムなので、これが届かないのは何より不本意です。借りてでも貸してでも、どんな形でもいいので、まずはこのアルバムを聴いてもらいたいですね。
――ここまで聴いてほしいと思うアルバムはなかなかないです。
幸樹:そこ絶対書いといてください! 「聴かないやつはバカだ!」ぐらいの感じで(笑)!
(文・後藤るつ子)
ダウト
<プロフィール>
幸樹(Vo)、威吹(G)、ひヵる(G)、玲夏(B)、直人(Dr)の5人からなるロックバンド。2011年にメジャーデビュー、2012年12月には国立代々木競技場第二体育館でワンマンライブを行い、2013年6月には、ダウト史上最大規模となるアジアツアーを成功させた。2014年8月『ダウト自作自演【絆-kiz[U]na-】TOUR‘14「我ガ全身全霊魂ハ永久ニ不滅ナリ」』を行い、その千秋楽となる9月23日渋谷公会堂でミナセ(Dr)が卒業。以降、メンバーそれぞれが活動を行い、2015年3月13日、14日ディファ有明でダウト自作自演⑧執念単独公演「約束の場所で会いましょう」でダウトとして成長した姿を見せた。その後、直人(Dr)が正式加入を発表。2016年1月からは全国ツアー「心・技・体」が決定している。
■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/d-out/
【リリース情報】
『心技体』
2016年1月6日(水)発売
(発売元:徳間ジャパン)
新メンバーの直人を迎え、新たなスタートを切ったダウトの約3年ぶりとなる待望のニューアルバム。
【収録曲】
[CD]※全形態共通
01. 心技体
02. OH!MATSURI MONSTER
03. ダァァティィ・ロマンチッカァァ
04. 53
05. 恋ができない
06. 綺麗事
07. 華麗なる外道
08. 傷心パラドックス
09. TAXI
10. おねだり
11. 国立競技党
12. SM
初回限定大盤
[DVD]
「SM」ミュージックビデオ
初回限定吟盤
[DVD]
ダウト JAZZ SHOW (*ジャズアレンジにて生演奏した映像を収録)
1-恋ができない 2-中距離恋愛 3-体温。 4-青い鳥
<封入特典>・伝統芸能スリーヴケース ・特別撮りおろし写真集
【ライブ情報】
●2016年新春
全国ツアー「心・技・体」
1月17日(日)高田馬場AREA
1月22日(金)札幌Duce
1月23日(土)札幌Duce
1月25日(月)青森QUARTER
1月27日(水)仙台MACANA
1月31日(日)HEAVEN’S ROCK熊谷
2月2日(火)横浜BAYSIS
2月5日(金)長野LIVE HOUSE J
2月7日(日)金沢Vanvan
2月9日(火)KYOTO MUSE
2月11日(木・祝)高松DIME
2月13日(土)岡山IMAGE
2月14日(日)広島セカンド・クラッチ(現・広島ナミキジャンクション)
2月16日(火)福岡Drum Be-1
2月20日(土)神戸SLOPE
2月21日(日)OSAKA MUSE
2月27日(土)名古屋ボトムライン