2026.02.16
ASAGI@Zepp Shinjuku
「ASAGI solo works 20th Anniversary Tour chapter I 『Another me』FINAL」


2026年、ソロ活動20周年イヤーを迎えたASAGIが、昨年11月にスタートさせたツアー「ASAGI solo works 20th Anniversary Tour chapter I 『Another me』」のファイナル公演を、2月16日Zepp Shinjukuで開催した。
ASAGIは2006年9月にソロ初音源であるシングル『Corvinus』を発表し、2016年4月にはシングル『Seventh Sense/屍の王者/アンプサイ』でメジャーデビュー。2018年1月のメジャー1stアルバム『斑』から2024年11月のシングル『桃太郎伝記 ~我武者羅~』まで、和をコンセプトに“浅葱”として活動を重ねたのち、2025年5月に再び“ASAGI”名義でのシングル『天啓/GORE』を発表して以降、二つの表現軸で活動を展開している。

このたび開催されたツアーは、ASAGI名義での最新シングル『Another me』を引っ提げて行われたもの。本作のリリースに際して公開されたセルフライナーノーツには、極めて重要なメッセージが綴られており、その冒頭には以下の言葉があった。
「2026年の春で、Dの無期限活動休止から2年を迎えようとする今、僕があの日、あの夜に感じた現実世界の静寂と、今まで描いてきた無数の虚構世界を繋ぎながら、一歩ずつ前に進んで行きたいという気持ちを描いた楽曲です」(全文は下記リンクから)
歴代のソロ作品同様、『Another me』にも豪華ミュージシャンが名を連ね、ツアー最終夜では、サポートにHIRO(G/La’cryma Christi)、ギル(G/Angelo、ex.Vidoll)、亜季(B/Sadie、AXESSORY)、HIROKI(Dr/D)、ゲストとして燿(B/摩天楼オペラ)を迎えた。ASAGIと彼らが織りなす抜群のバンド感で、全27曲というフルボリュームのステージを繰り広げていったわけだが、先に記した表題曲の核心は、当然それを軸としたツアーの本質に結びつくものだった。




あらゆる時代の楽曲を通して、“もう一人の自分”と対峙しながら、未来へ向けた確固たる決意を示した夜。その象徴となる「Another me」は幕開けと本編ラストを担い、疾走感溢れるロックチューンに乗せて〈僕が僕であることに意味があるのなら 音の消えた世界へ この声が届くように叫び続けよう〉と、リアリティのあるメッセージが響き渡った。加えて、本編ラストでのプレイでは、2サビの途中でひとたび音を止め、ASAGIがオーディエンスの大歓声を全身で受け止めたワンシーンが忘れ難い。


ASAGIが生み出してきた数々の作品は、制作時期を超えて楽曲同士が深く結びつき、その組み合わせによって一つのステージとしても高い構築美を描き出す。彼のキャリアと本ツアーの意味合いを踏まえれば、そこにDの楽曲が織り込まれることも、極めて自然な流れである。
幕開けを飾った「Another me」の後に配されたのは、Dの「Sleeper」「弾丸」。前者は曲調の親和性に加え、苦しみの中から生まれたという背景においても「Another me」と響き合う。後者は、タイトルからして続く「HUNTING」とのリンクは明白であり、2曲で序盤の熱量を一段階引き上げた。そこからは2025年発表のシングル『LEVEL INFINITY』収録曲が連なる展開へ。バラの荊を編んだ鞭を手に、「HUNTING」に次いで空気を一変させた耽美かつ叙情的な「赤い森のロゼ」、「今日も限界を超えていけるか!?」というASAGIの言葉を合図にスタートした力強い「LEVEL INFINITY」と、同作の世界観を立体的に表現していった。



「走って走って、走り続けなければ見えない景色がある。今ある景色は、積み重ねた経験の結果だ」――そんな言葉から披露されたのは、『Another me』のc/w曲「Destrier」。さらにDの「花惑」「メテオ ~夢寐の刻~」と、ASAGIの描く“メテオ”という馬をモチーフにしたハードナンバー3曲を畳み掛け、ステージは激しさを増していった。
一転、中盤ではブルーのレーザーライトが場内を漂い、温かくもエモーショナルなバラード「天啓」が奏でられた。ダークなミディアムナンバー「R.E.D. ~Regenerate Emerge Dawn~」を経て、凄まじい轟音とASAGIのデスボイスが炸裂する「GORE」へ。さらにステージとフロアがOiコールをぶつけ合った「Fea[the]r」まで、『天啓/GORE』の楽曲群が並んだ。白と黒、光と闇を対比させた本作は、メジャー1stシングルの世界観とも地続きにある。その収録曲である「屍の王者」「アンプサイ」がここに続いた構成は、過去と現在を鮮やかに繋ぐ流れとなった。




さらに、エキゾチックなムードを纏う「Unknown」、ヘヴィーなリフやASAGIの伸びやかなファルセットが印象的なロックチューン「Corvinus」と、ソロの始まりの楽曲をプレイ。そしてASAGIの咆哮からDの鉄板曲「鬨の声」が投下されると、場内に熱狂の光景が広がった。終盤に進むにつれて時代を遡るような構成でありながら、ラストを最新曲「Another me」で締めくくることで、現在進行形にあるASAGIの音楽家人生を映し出す形となった。なお、「Corvinus」の最後に綴られているリリックは、〈最後の日まで 生きてこそ 叶う願いを 手に入れて〉。それはまるで、過去のASAGIから現在のASAGIへと手渡されたメッセージのようだった。

アンコールでは、ASAGIが艶やかな黒の打ち掛けを羽織って登場。「自分自身と向き合い、皆と向き合い、様々な思いを背負ってこの日を迎えました。生きていれば、色々な思いがあります。傷や痛みも受け止めて、自分らしく生きていきましょう。誰かを貶めたり、傷付けるような言葉のナイフは、僕には必要ない。自分が自分であること、歌い続けることが何よりも強い武器になる。そしてこの歌や曲は、皆を包み込む防具となる。今この瞬間、ここで歌えて幸せです」と、胸の内を述べた。



彼は今年1月に浅葱名義での最新シングル『魑魅魍魎』もリリースしており、ここからはその収録曲を中心に据えた和のステージを展開することに。まずは本編のベース亜季に代わって燿が登場し、彼が音源参加している楽曲を披露していった。ASAGI曰く「もしかしたら世界初かもしれない(笑)」というキュウリを模した小道具を手に繰り広げた「魍魎 -MIZUHA-」、打ち掛けを翻しながら歌う姿が鮮烈だった「物の怪草子」、そして「今宵も派手に花火を打ち上げようぞ!」と投げかけた「狐華火」で、場内は祝祭さながらの高揚感に沸き立った。


再び燿と亜季が交代し、当夜のステージはいよいよクライマックスへ。鬼の面を携えた浅葱による狂気じみた悲鳴から始まった「魑魅 -SUDAMA-」を皮切りに、「月界の御子」「桃太郎伝記 ~我武者羅~」と怒涛のライブチューンを連投する。さらに全員揃ってのプレイとなった「鬼眼羅」では、各メンバーコールとソロ回しが炸裂。ASAGIがフロアに降り立つ場面もありながら、この日一番の熱狂に包まれた。なお、当夜の参加ミュージシャンは、今ツアーのみならず過去にもASAGIとステージを共にしてきた面々。そうした積み重ねがあるからこそ、それぞれの個性がいっそう際立つアグレッシブなパフォーマンスへと結実していたことも印象深い。
そして当夜は、ASAGI自らの名を含む「アサギマダラ」をもって、死生観、次なる旅路へ向かう姿を示し、美しいエンディングを迎えた。この日、20周年を記念したツアーの第2弾を今夏に開催することも発表され、「新たな扉の先でも、新たな仲間に出会えると思います」と告げたASAGI。ここから彼が歩を進める先に、どんな物語を描き出していくのか、楽しみにしたい。
◆セットリスト◆
01. Another me
02. Sleeper
03. 弾丸
04. HUNTING
05. 赤い森のロゼ
06. LEVEL INFINITY
07. Destrier
08. 花惑
09. メテオ ~夢寐の刻~
10. 天啓
11. R.E.D. ~Regenerate Emerge Dawn~
12. GORE
13. Fea[the]r
14. 屍の王者
15. アンプサイ
16. Unknown
17. Corvinus
18. 鬨の声
19. Another me
En1
01. 魍魎 -MIZUHA-
02. 物の怪草子
03. 狐華火
04. 魑魅 -SUDAMA-
05. 月界の御子
06. 桃太郎伝記 ~我武者羅~
07. 鬼眼羅
En2
01. アサギマダラ
(文・金多賀歩美/写真・TAKUYA ORITA)

【ライブ情報】
<浅葱/ASAGI 20th Anniversary Year chapter II>
●私立薔薇学園
4月11日(土)SHIBUYA REX(二部制)
Support Musicians:HIRO(G)、HIDE-ZOU(G)、亜季(B)、HIROKI(Dr)
●GW 3 Days
5月3日(日)SHIBUYA REX
5月4日(月・祝)SHIBUYA REX
5月5日(火・祝)SHIBUYA REX
Support Musicians:HIRO(G)、ギル(G)、亜季(B)、HIROKI(Dr)
●浅葱 夏ツアー2026
6月28日(日)池袋EDGE
7月3日(金)大阪MUSE
7月5日(日)福岡DRUM SON
7月19日(日)高田馬場CLUB PHASE
7月20日(月・祝)高田馬場CLUB PHASE(HIROKI BIRTHDAY)
7月23日(木)仙台ROCKATERIA
7月26日(日)札幌CRAZY MONKEY
8月2日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!
8月9日(日)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心 VJ-3
8月22日(土)名古屋ell.FITS ALL
8月28日(金)Spotify O-EAST(ASAGI BIRTHDAY)
Support Musicians:HIRO(G)、ギル(G)、亜季(B)、HIROKI(Dr)
【アウトストアイベント情報】
4月12日(日)Studio Rosarium(私立薔薇学園)
6月27日(土)Studio Rosarium
7月4日(土)大阪 MUSE BOX(昼帯)
7月18日(土)Studio Rosarium(HIROKI BIRTHDAY)
7月25日(土)札幌 ZEUS SAPPORO(夜帯)
8月23日(日)名古屋 静かの海(昼帯)
8月29日(土)Studio Rosarium(ASAGI BIRTHDAY)
出演:浅葱/司会:大城
4月12日のみ出演:ASAGI/司会:HIROKI、HIDE-ZOU
※その他詳細近日発表





