2025.08.09
H.U.G@原宿RUIDO
「H.U.G day 2025 -H.U.G me-」

ryo(Vo)、Karyu(G)、横山和俊(Mani&Key&Per)によるH.U.Gが8月9日、原宿RUIDOにて「H.U.G day 2025 -H.U.G me-」を開催した。本公演は、その冠にある通り“H.U.Gの日”を記念して催されたもの。改めて振り返ると、2022年9月に正式始動したH.U.Gは、翌2023年の8月9日に初ツアー終了打ち上げ&結成1周年記念配信「【ハグの日】Wrap-up party」を実施、2024年の同日にはファン感謝祭としてショートライブ&トーク&サイン会を行ってきた。そして3周年を迎えた今年は、スペシャルな内容を盛り込んだワンマンライブが繰り広げられることとなった。

「皆が待っていてくれたから、このステージに帰ってこられました」「この5人でステージに帰ってこられたのが嬉しいです」とは、当夜ryoが述べた言葉で、H.U.Gのライブは2024年12月のdefspiralとのツーマン「Karyu Birthday Event -Ophiuchus-」以来約8ヵ月ぶり、ワンマンとしては実に1年ぶりの開催。サポートを務めたのは、これまでもステージを共にしてきたMASASHI(B/Versailles)、TAKEO(Dr/PIERROT、Angelo)だが、この日メンバーらが「お帰りなさい!」と発したように、TAKEOは2024年3月の「H.U.G TOUR 2024 -VERSE-」ファイナル以来、約1年5ヵ月ぶりのカムバックとなった。

ryo
Karyu
横山和俊

そんな様々なファクトが折り重なった末に迎えた待望の公演は、当然ながらソールドアウト。フロアの大歓声が5人を迎え入れ、燃え盛る炎の映像を背景に、H.U.Gのバンドサウンドを端的に表す起爆力抜群の「HELIOS」でトップギアのスタートを切った。次いで〈I WANT YOU BABY〉の掛け合いが印象的なアッパーチューン「HIDE AND SEEK」で勢いを加速させると、1曲の中での緩急が際立つ「BLOOD PIN」、ヘヴィーサウンドに艶かしさも漂う「DON’T DOUBT」と、熱量の高い序盤ブロックが展開された。

横山から突如話を振られたTAKEOが、マイクレスで「盛り上がっていこうぜ!」と投げかけ、フロアを沸かせる一幕もありながら、「今日はH.U.Gの日。H.U.GによるH.U.Gのためにお届けする日。最高に愛のある1日にしたいと思います」というryoの言葉から披露されたのは「VENUS」。跳ねたリズムにアダルトな空気を纏うこのナンバーが絶妙なフックとなり、キャッチーさとヘヴィネスが共存する「DROP」、シャウトを多用した「HUG」を畳み掛けた。

MASASHI
TAKEO

本編中盤では、「人生良いことも悪いこともありますが、悪いことがあった時は、今日みたいな楽しかった日を思い出しましょう」(ryo)と、ダークかつ浮遊感のある「BUTTERFLY」がムードを変えるグラデーションを描き、シティポップ調の軽やかなメロディに刹那的な儚さも感じられる「ロゼ」、そしてドラマティックな名バラード「LOVE THAT NEVER ENDS」へと繋いだ、実に美しい流れとなったのが印象深い。

その後、MCでの5人の和やかなやり取りを経て、ソロ回しを含む「MEMBER CALL」からヘヴィーな「WHO IS THE ROMEO」と、鉄板のライブチューンを投入。熱狂の空間を作り上げたのち、〈夢のままで終わらせるか 明日に花を咲かせるのか 選ぶのはキミ以外いないさ〉と歌うメッセージ性の強い「SEEDS」、さらに力強くもキャッチーな愛の歌「HEART」で、鮮やかラストシーンを描き出したのだった。

アンコールでは、Karyuがアコースティックギター、横山がトイピアノ、MASASHIがアップライトベース、TAKEOがカホンという編成にryoの歌が合わさる、アコースティック形態のステージを披露。初めての試みということもあり、なんでも3日間あったリハーサルの内、1日はみっちりこのブロックのみに費やしたそう。なお、横山のトイピアノは2023年の“H.U.Gの日”の配信の中で使用していたもので、それが2年後の当夜、初めてステージ上に登場したという事実も感慨深い。1曲目には、そんな横山のピアノからKaryuのギターが重なる始まりとなった「LOVE THAT NEVER ENDS」が奏でられ、温かな空気が場内を満たした。

ここで突如始まったのは、メンバーとのじゃんけん大会。勝ち残った人には、サイン入りの歴代グッズTシャツがプレゼントされるというものだ。はしゃぐ5人の微笑ましい姿も見られた、“H.U.Gの日”ならではのレアなひとときの後、「まさかこの曲をこのver.でやるとはという曲を夏らしく」(ryo)との振りで披露されたのは「DROP」。爽やかなムードへと変貌を遂げたナンバーに、終始オーディンエンスのハンドクラップが鳴り響いた。そして、「名前の通り、H.U.Gの活動の中心には愛があって。今日を迎えられたのは本当に皆の愛のおかげだと思うので、改めてお礼を言わせてください。今日の最高の思い出を分かち合うために、最後にこの曲を聴いてもらいたいと思います」(ryo)と、軽快なアレンジが施された「HEART」をもって、この特別な一夜は終幕を迎えたのだった。

すべてのパフォーマンスを終えた5人は、「8月9日は確実に“H.U.Gの日”をやりますので、来てください! この空間が大好きです」(横山)、「今年、最初で最後のH.U.Gのステージなのは寂しいですけど、また来年もできるように応援してもらえたらなと思います」(MASASHI)、「皆が本当に待っていてくれたんだなとわかる、最高の1日でした。必ずまた。次は、より楽しむ1日にしたいなと。皆、愛してます」(ryo)、「最高のハグができたんじゃないかなと。またいっぱいハグしましょう」(TAKEO)、「今年の夏のいい思い出ができました。愛溢れるライブになってよかったなと思います」(Karyu)と、それぞれの思いを込めた言葉で“H.U.Gの日”を締めくくった。

この日、5人が口々に「H.U.Gは楽しい」という実感のこもった言葉を漏らしていたのも印象的だった。次回公演こそ未定ながら、Karyuが「音源を作ったり、もっと活動したいなと今日改めて思いました」と語ったように、H.U.Gのこれからに大きな期待が募る。彼らの次なるアクションを心して待ちたい。

◆セットリスト◆
01. HELIOS
02. HIDE AND SEEK
03. BLOOD PIN
04. DON’T DOUBT
05. VENUS
06. DROP
07. HUG
08. BUTTERFLY
09. ロゼ
10. LOVE THAT NEVER ENDS
11. MEMBER CALL
12. WHO IS THE ROMEO
13. SEEDS
14. HEART

En
01. LOVE THAT NEVER ENDS(acoustic)
02. DROP(acoustic)
03. HEART(acoustic)

(文・金多賀歩美/写真・川島彩水)


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