2024.08.03-08.04
DASEIN@新横浜NEW SIDE BEACH!!
Soconial DASEIN SUMMER TOUR 2024「ACOUSTIC ELECTRIC」~陽炎立つ、夕闇に燃ゆ~

DASEINが7月14日から8月4日にかけて「Soconial DASEIN SUMMER TOUR 2024「ACOUSTIC ELECTRIC」~陽炎立つ 夕闇に燃ゆ~」と銘打った全国ツアーを行った。同ツアーはDASEINにとって約2年ぶりのツアーということに加えて、“アコースティック・デー”と“エレクトリック・デー”という2デイズ・フォーマットで開催。また、アコースティック・デーはピアノ/キーボードにD.I.E(hide with Spread Beaver、LOOPUS)が招かれ、さらにツアーの最中の7月31日にデジタル・シングル『陽炎立つ、夕闇に燃ゆ』がリリースされるなどトピックが多く、大きな話題を呼んだ。

“2年ぶりのツアーだし、普通にライブをすればいいだろう”ではなく、より観応えのあるライブで来場者を楽しませたいと考えるDASEINのスタンスはさすがといえる。彼らの意欲的な姿勢が奏功して同ツアーは各公演共に大盛況となり、ライブの内容も素晴らしく、「Soconial DASEIN SUMMER TOUR 2024「ACOUSTIC ELECTRIC」~陽炎立つ 夕闇に燃ゆ~」は大成功で幕を降ろした。そんな同ツアーのファイナルを飾った新横浜NEW SIDE BEACH!! の2デイズ公演の模様をお伝えしよう。

アコースティック・デーとなった初日(8月3日)の公演は「絶望の花」からスタート。繊細に始まり、エンディングに向けて徐々にクレッシェンドしていく流れやダイナミクスを効かせつつ鮮やかに歌い上げるRickyのヴォーカル、温かみとキレの良さを併せ持ったサウンドなどが折り重なった同曲の完成度は圧倒的で、場内は瞬く間に濃密な空間へと化した。

その後は妖艶かつアダルトな「夢つれづれ」やメロディアスな「激情」、JOEが紡ぐパーカッシブなリズムとRickyの情熱的なヴォーカルをフィーチュアした「Yの黙示録」、光を感じさせる「天つ風」などが届けられた。アコースティック・デーはカホンを軸にしたJOEのパーカッションとウッドベース、アコースティック・ギター、コーラス、そしてピアノをメインにしたD.I.Eの鍵盤という編成で、同期は使用しないスタイルをチョイス。ピュアなアコースティック形態でそれぞれの楽曲のエモーションをしっかりと表現してみせたのはさすがといえる。“アコ・ライブ”というと静かでおとなしいライブをイメージする人もいるかと思うがDASEINのライブは華やかさに溢れていて、観飽きることがなかった。

D.I.E

ライブ後半ではファンクが香る「COGITO ERGO SUM」を皮切りに、アッパーな「冷静になれ」や躍動感を放つ「レジスタンス」などを相次いでプレイ。アコースティックならではの柔らかみと生楽器のみとは思えない力強さを兼ね備えたサウンドは心地よさに満ちていて、オーディエンスも熱気と一体感に溢れたリアクションを見せる。ステージ、客席の双方が熱く盛り上がった後、ウォームなバラードの「共鳴り」で締め括る構成も見事に決まって、本編を終えてDASEINがステージから去ると同時に客席からはアンコールを求める熱い声と手拍子が湧き起った。

プリミティブな味わいとDASEINならではの洗練感が融合された彼らのアコースティック·ライブは独自の魅力を湛えている。非常に観応えがあって楽しめただけに、今後もコンスタントにアコースティック·ライブを行ってくれることを強く願う。

通常のバンド形態で行われたエレクトリック・デー(8月4日)はパワフルに疾走する「まぶしくて-HBR ver-」で幕を開け、緊迫感を湛えた歌中と高揚感を放つサビを配した「上昇気流」、ファスト・チューンの「BREAK OFF!!」などを続けて聴かせる流れで始まった。華やかにパフォームしながらエモさと力強さを併せ持った歌声を聴かせるRickyとスクエアなビートとテクニカルなフィル・ワークが光るドラミングで楽曲のエナジーを増幅させるJOE。強い存在感を発する2人の姿と心を駆り立てるサウンドの応酬に、オーディエンスのボルテージは一気に高まった。

Ricky
JOE

その後はハイテンションな「Do NoT TENdER!?」や爽やかなせつなさを纏った「歩」、妖艶な惹き込み力を持つ「葬れ」などをプレイ。幅広さを見せた後、JOEのドラム・ソロが始まった。ネイティブ・テイストが香る穏やかな導入から徐々に熱量を上げていき、パワフルかつテクニカルなクライマックスに至るドラム・ソロは聴き応えがあったし、メタル・ドラマーの枠に収まらない懐の深さを見せたのもさすがといえる。

ドラム・ソロの後はJOEのドラムを軸に据えたインストゥルメンタルの「旅愁」やスタイリッシュかつラグジュアリーな味わいの「陽炎立つ、夕闇に燃ゆ」(新曲)などが演奏された。様々な情景を描いて世界観を深めていく流れは魅力に富んでいるし、それぞれの楽曲に合わせて豊かな表情を見せるRickyのヴォーカルも実に見事。ストーリー性を感じさせる構成にオーディエンスが強く心を奪われて、DASEINの世界に酔いしれていることが如実に感じ取れた。

SCOTTIE
リウ

メタル・テイストとキャッチーネスを融合させた「ケリをつけろ」からライブは後半に入り、SCOTTIE(G)とリウ(B)によるスリリングな掛け合いをフィーチュアしたハード・チューンの「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」や大陸的などっしりとしたグルーブが心地いい「COGITO ERGO SUM」などが畳みかけるように演奏された。サポート陣も含めたメンバー全員が織りなすフィジカルなステージングや爽快感に溢れたサウンド、熱いリアクションを見せるオーディエンスなどがひとつになり、新横浜NEW SIDE BEACH!! の場内はツアー・ファイナルにふさわしい熱狂的な盛り上がりとなった。

Ricky
JOE

今回のエレクトリック・デーは透明感を湛えたいつものDASEINとは一味違って、熱さを押し出していることが印象的だった。アコースティック・デーとエレクトリック·デーに分けることでよりホットなライブになったことがうかがえるが、結果的に今回の2デイズはDASEINのまた新たな魅力を味わえる場となった。

約2年ぶりのツアーで全くテイストの異なる2本のライブを行い、その双方が魅力的で、なおかつ新鮮さも見せた彼らには圧倒されずにいられない。今回のツアーを経て、DASEINがさらに魅力を増すことを強く予感させられる、素晴らしい2日間だった。

◆セットリスト◆
【08.03】
01. 絶望の花
02. 夢つれづれ
03. 修羅
04. 激情
05. Yの黙示録
06. 天つ風
07. 待宵影
08. バラバラ
09. COGITO ERGO SUM
10. 冷静になれ
11. レジスタンス
12. 泡沫なる夢幻

En1
01. I miss you
02. ほどほどにしてね
03. 共鳴り

En2
01. 愛のために夢のために

【08.04】
01. まぶしくて-HBR ver-
02. 上昇気流
03. BREAK OFF!!
04. 漣
05. Do NoT TENdER!?
06. 天つ風
07. 歩
08. 葬れ
〜Drum solo〜
09. 旅愁
10. 陽炎立つ、夕闇に燃ゆ
11. ケリをつけろ
12. 今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ
13. COGITO ERGO SUM

En1
01. 流離人
02. 555
03. I miss you
04. 共鳴り

En2
01. 我ここに在り

En3
01. 大切な人へ
02. 陽炎立つ、夕闇に燃ゆ

(文・村上孝之/写真・Lestat C&M Project)


【ライブ情報】
●Crazy Monsters Halloween Party 2024
DAY.1:10月26日(土)新宿ReNY
開場15:30/開演16:00

<出演>
・Crack6
・Moi dix Mois
・DASEIN
・CASCADE
・XA-VAT
MC:団長(NoGoD)

<チケット>
一般発売:8月24日(土)10:00〜
イープラス
ローソンチケット

●DASEIN
12月30日(月)初台DOORS
12月31日(火)初台DOORS
※詳細後日発表

●Black DASEIN
9月6日(金)目黒LIVE STATION
※硬派GIG
開場 17:30/開演 18:00
チケット:前売¥6,900(D別)

<麺刃亞>
Drums:上
Vocal:力
Guitar:少
Bass:典(体験モニター)
Bass:流(ヘルプ)

9月7日(土)目黒LIVE STATION
※軟派GIG
開場 17:00/開演 17:30
チケット:前売¥6,900(D別)

<麺刃亞>
Drums:上
Vocal:力
Guitar:少
Bass:典(体験モニター)
Bass:流(ヘルプ)

9月8日(日)目黒LIVE STATION
※打上GIG&PARTY
開場 16:00/開演 16:30
チケット:前売¥5,900(D別)

<麺刃亞>
Drums:上
Vocal:力
Guitar:少
Bass:典(体験モニター)
Bass:流(ヘルプ)

DASEIN オフィシャルサイト