KIRITOの全10公演にわたる全国ツアー『KIRITO Tour 2024「ALTERNATIVE SPECIES」』が6月2日、EX THEATER ROPPONGIにて最終夜を迎えた。
2024年のKIRITOのステージは、二部作のような関係性にある最新アルバム『ALPHA』(2023年11月発売)と前作アルバム『NEOSPIRAL』(2022年11月発売)を軸に据えて展開している。去る2月のバースデー公演では、二作の楽曲を交互かつ収録順通りに演奏し、本ツアーの初日では1曲ずつ交互とはならなかったものの、それらの楽曲たちが各作品の収録順に並ぶ形がとられていた。
そして当夜、『ALPHA』の1曲目である「THE ULTIMATE BEGINNING「ALPHA」」でスタートを切り、最終的に披露されたのが『NEOSPIRAL』の6曲、『ALPHA』の9曲、その他8曲という全23曲。二作の楽曲がほぼ収録順での配置であったことはこれまでと共通していながら、過去曲の曲数および『NEOSPIRAL』『ALPHA』との組み合わせ方に変化が見られた。
初日では6曲の過去曲が本編終盤とアンコールのみに配されていたのに対し、当夜では8曲が本編中盤と最終ブロック、アンコールに分散。中盤では初日と同様にバラードナンバー「hope」「不条理な闇」(共に『ALPHA』収録)から「Storyteller」(『NEOSPIRAL』収録)へと繋ぐメッセージ性の強い流れとなったが、さらにそこへ心の葛藤が表れた初期のソロ曲「EXIT」が続いた場面は何とも胸を打つものだった。そこから感じられたのは、今もあの時も変わることのないKIRITOの意志…何一つ諦めないこと、歌い続けること、その根底にあるファンへの深い愛情だ。
また、「昔から言ってきました。狂っているほど美しい」とのKIRITOの言葉から、「Suicide View」を皮切りに突入した本編後半は、「THE SUCCESSOR「OMEGA」」(『ALPHA』収録)、「RAID」「NEOSPIRAL」(共に『NEOSPIRAL』収録)、そして過去曲と、息つく間もないほどのハードナンバーの畳み掛けで、本編ラストを『NEOSPIRAL』『ALPHA』以外の楽曲が担うという意外性のある展開となった。
なお、サポートメンバーの海(G/vistlip)、JOHN(G)、Chiyu(B)、Hiroki(Dr/C-GATE)と共に初日から抜群のグルーヴと熱量を生み出していたステージだが、随所でメンバー4人の見せ場があることや、センターお立ち台にKIRITOを含めたフロント4人が集結するシーンが見られたことは、現在の“概念/GAI-NEN”(KIRITOバンドの呼称)がいかに良好な状態であるかを示すものだと言えよう。
当夜は『NEOSPIRAL』『ALPHA』それぞれのラストナンバーである、温かな「I BLESS YOU」「DEAR PLUS ALPHA」をもって終幕となったが、この後KIRITOは7月20〜21日KANDA SQUARE HALLにてアコースティックシリーズの第7弾公演『KIRITO Acoustic live 24’「Phantom Ⅶ – THE TIMELESS VISIONS -」』が控えていることに加え、新たに8月24日CLUB CITTA’にて有村竜太朗とのツーマンライブが開催決定。これは、昨年8月開催のワンマンライブを第1弾として、「今後、対バンや主催イベントもやっていこうと思う」と、夏の恒例イベントとしていくことが公言されていた「THE CHEMICAL DESTRUCT」と冠した公演の第2弾となる。
さらに、10月11〜12日には国立代々木競技場 第一体育館でのPIERROTとDIR EN GREYのツーマンライブが決定していることもあり、「さすがにこのスケジュールの中、KIRITOにも限界があるだろうと思われているかもしれませんが」という前置きをしながら、ペースを一切緩めず11月13日にニューアルバム『CROSS』をリリースすることを発表したのだった。この発表にあたり、KIRITOが述べた言葉を記したい。
「今年はいろんな情報が入ってきて、KIRITOはどこに行くのかと思われるかもしれないですが、行動で見せていきます。一つ言えることは、その筋書きを書いているのは俺だということ。皆さんも笑みが溢れるような、『やってくれるな』という感じにしかならないので、安心して楽しんでいきましょう。(中略)いつまでやれるかなんて定かじゃない世の中で、こうしてやれるということには何か意味があるんだと、俺には役割があるんだと思います。それを素直に受け止めて、役割を果たしていきたいと思うので、その全てが幸せなことで、感謝したいと思います。そういう前提で色々と仕掛けていくので、皆さんはKIRITOが何をしでかしても味方でいてください」
2024年下半期も怒涛の展開となることが約束された当夜。今後もKIRITOの言動と生み出すもの全てを注視していきたい。
◆セットリスト◆
01. THE ULTIMATE BEGINNING「ALPHA」
02. Discord
03. BALANCE
04. GRAND SCHEME
05. REPEAT
06. Gene
07. MASTERMIND
08. hope
09. 不条理な闇
10. Storyteller
11. EXIT
12. Suicide View
13. THE SUCCESSOR「OMEGA」
14. RAID
15. NEOSPIRAL
16. Awaking bud
17. PLOT
18. カンナビス
En
01. 誰もいない丘
02. Clue
03. Aim
04. I BLESS YOU
05. DEAR PLUS ALPHA
(文・金多賀歩美)
【リリース情報】
●New Album『CROSS』
2024年11月13日(水)発売
10 Songs Include
※詳細は後日発表
【ライブ情報】
●THE CHEMICAL DESTRUCT – ANTI-PARTICLE – KIRITO vs 有村竜太朗
8月24日(土)川崎 CLUB CITTA’
17:45開場/18:30開演
KIRITOサポートメンバー:海(G/vistlip)、JOHN(G)、Chiyu(B/SLAPSLY)、Hiroki(Dr/C-GATE)
<チケット>
スタンディング
一般料金:¥9,800(ドリンク代別・税込)
早割チケット料金:¥9,000(ドリンク代別・税込)
早割チケット先行受付期間:6月2日(日)21:00~6月16日(日)23:59
詳細はこちら
●KIRITO Acoustic live 24’「Phantom Ⅶ – THE TIMELESS VISIONS -」
7月20日(土)KANDA SQUARE HALL
17:00開場/17:30開演
7月21日(日)KANDA SQUARE HALL
16:30開場/17:00開演
サポートメンバー:JOHN(Ag)
<チケット>
全席指定
一般料金:¥11,000(ドリンク代別・税込)
チケット一般発売中:イープラス