2024.03.16
DASEIN@渋谷REX
「JOE BIRTHDAY LIVE EVENT 「WELCOME TO THE FACE 2024」~誕JOE日で気分は上々だジョー⤴︎~」

JOE(Dr)の誕生日を祝うライブを毎年3月半ばに実施しているDASEINが「JOE BIRTHDAY LIVE EVENT 「WELCOME TO THE FACE 2024」~誕JOE日で気分は上々だジョー⤴︎~」と銘打ったライブを、3月16日にSHIBUYA REXで行った。今年はJOEの誕生日当日に開催され、さらに昨年のDASEINはRicky(Vo)の意向によりワンマンを行わなかったこともあり、総てのファンがこの日を待ち望んでいたことは想像に難くない。SHIBUYA REXには多くのリスナーが集い、オンライン配信も実施されてJOEの誕生日を華やかに祝う一夜となった。

場内に静かなオープニングSEが流れると共にステージ前に降ろされていた幕が開き、ライブはインストゥルメンタルの「旅愁」から始まった。静から動へと移行する流れに合わせてダイナミクスを効かせたドラミングを展開するJOEの姿は気迫に溢れていて、“ググッ”と心を惹き寄せられる。インストゥルメンタル始まりという、いつものDASEINとはまた一味異なるライブになることを予感させる幕開けに、オーディエンスのテンションが“スッ”と高まったことがはっきりと感じられた。

JOE
Ricky

「旅愁」が終わるとステージにRickyが姿を現し、躍動感に満ちたサウンドと流麗なメロディーを活かした「運命AUTOMATIC」や爽やかかつアッパーな「上昇気流」、ダンサブルな「未練」などを続けてプレイ。ブラック・ジャケットにサングラスというクールないで立ちで情熱的な歌声を聴かせるRickyと笑顔を浮かべながらテクニカルなプレイを決めまくるJOE。2人の姿に目を奪われるし、爽快感を湛えたサウンドは気持ちを引き上げる力に溢れている。オーディエンスもライブ前半から華やかなリアクションを見せ、場内はどんどんひとつになっていった。

「今日はJOEのバースデー当日だぜ! しかも今年1発目のDASEINのライブになります。最後まで、楽しく過ごしましょう。今日はJOEさんの音を、鼓動を皆さんで一緒に感じて、僕もいつもより以上にJOEの生きている音を感じたいと思いますので、みんなでJOEを盛り上げていきましょう。OK? それじゃあ、楽しんでいこうか」というRickyのMCが入った後、続くセカンド・ブロックではファンクが香る「待宵影ーマツヨイカゲー」と、クリアな質感の疾走感が印象的な「キ・ミ・ダ・ケ」が届けられた。

楽曲ごとは勿論、曲中でも表情を変えることで世界観を深めるDASEINの楽曲は魅力に富んでいるし、それをライブでしっかり表現する演奏力の高さを備えていることも彼らの強みといえる。今回のライブでもポテンシャルの高さを遺憾なく発揮して、終始上質な音楽で楽しませてくれた。

Ricky/JOE
Ricky/JOE/PANTHER

6曲聴かせたところで、JOEが「皆さん、2024年3月16日もこうやって集まってくれて、誠にありがとうございます」と挨拶。「誕生日というのはね、生まれた日なので、お祝いということが付きものなんでしょうけど、その日にライブができるなんて幸せ者でございます。本当に、ありがとうございます」というJOEの言葉に客席から歓声と温かみに溢れた拍手が湧き起こる。その情景からはJOEと同じく、ファンもJOEの誕生日を当日に祝えることを心から喜んでいることが伝わってきた。

その後は、柔らかみのあるせつなさを湛えたバラードの「飛べないから」やネイティブ感とメタル・テイストを巧みに融合させたJOEのドラム・ソロ、ゲスト・ギタリストのPANTHER(CYCLE、ex.SEX MACHINEGUNS)が参加したインストゥルメンタルの「存在」“尖り”を感じさせる「Youth Gone Wild」(スキッドローのカバー)などを披露。この辺りのストーリー性を感じさせる流れも実に見事で、惹き込まれると同時にワクワク感が高まった。中だるみなどが一切ない、観応えのある中盤に仕上げたのはさすがといえる。

JOE
Ricky

「暴れていこうぜ!」というRickyのアジテーションと共に届けられたパワフルかつ妖艶な「レジスタンス」からライブは後半へ。PANTHERを迎えた編成で、アグレッシブな「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」や心を駆り立てられる「COGITO ERGO SUM」が畳みかけるように演奏された。通常のDASEINのライブ以上に力感を押し出したサウンドとメンバー全員が織りなすフィジカルなステージングにオーディエンスも熱いリアクションを見せ、熱狂的な盛り上がりを見せて本編は幕を降ろした。

アンコールを求める熱烈な声に応えて再びステージに立ったDASEINは、愛を誓う言葉を煌びやかなサウンドに乗せた「大切な人へ」と、透明感を纏ったポップネスが心地いい「まぶしくて」を披露。激しくいきあげた本編後半からガラッと雰囲気を変えて、エモーショナルなナンバーをしっかり聴かせるのもさすがの一言。幅広さを見せながら散漫な印象になることは皆無で、オーディエンスがDASEINの多彩な世界に浸る快感を堪能していることが感じ取れた。

ステージに持ち込まれたバースデーケーキのロウソクをJOEが吹き消した後、Rickyの「あらためてJOEさん、みんなでお祝いされて、どんな気分ですか?」という問いかけに応えて、JOEは現在の心境を吐露。

「ありがとうございます。52才になりましたよ、僕も。僕は結構いろいろ考えるようになったんです、50を過ぎてから。いろんな問題が起きて、身体にもね。でも、こうやってまだドラムを叩けているというのが現在であって、そんなにマイナスのことばかり考えていちゃいけないなと。意欲のある一方だという意識を持とうとしています」(JOE)

長いキャリアを持つパワーヒッター・ドラマーだけに身体面の不安などもあるとは思うが、1日でも長く活動を続けて、ファンに笑顔を与えてほしいと思う。その後は再びPANTHERが加わり、ツインギター・スタイルで洗練されたハードネスを打ち出した「BREAK←SHAKE→BRAIN」や、ウォーム&スタイリッシュな「泡沫なる夢幻」、煌びやかなファスト・チューンの「愛のために夢のために」(Wアンコール)をプレイ。場内は熱気と一体感に溢れた盛り上がりとなり、終演後のSHIBUYA REXは爽やかな空気に包まれていた。

バースデー・ライブにふさわしい特別感のあるライブで楽しませてくれたDASEIN。最良の形で2024年をスタートさせると共に、今回のライブで今夏に全国ツアーを行うこともアナウンスされた。今年のDASEINがより強い輝きを発することは間違いないだけに、今後の彼らにも大いに注目していきたい。

◆セット リスト◆
01. 旅愁
02. 運命AUTOMATIC
03. 上昇気流
04. 未練
05. 待宵影ーマツヨイカゲー
06. キ・ミ・ダ・ケ
07. 飛べないから
08. Drum Solo
09. 存在
10. 闇
11. Youth Gone Wild ~SKID LOW cover~
12. レジスタンス
13. 今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ
14. COGITO ERGO SUM

En1
15. 大切な人へ
16. まぶしくて
17. BREAK←SHAKE→BRAIN
18. 泡沫なる夢幻

En2
19. 愛のために夢のために

(文・村上孝之/写真・Lestat C&M Project)


【ライブ情報】
●Soconial DASEIN SUMMER TOUR 2024「ACOUSTIC ELECTRIC」〜陽炎立つ 夕闇に燃ゆ〜

7月14日(日)渋谷REX
開場 16:00/開演 16:30
前売¥7,500/当日¥8,500(D別)
※スタンディング

先行受付期間:3月17日(日)12:00~4月1日(月)23:59
入金期間:4月4日(木)13:00~4月6日(土)21:00
一般発売日:6月1日(土)10:00
購入ページ

7月20日(土)仙台ROCKATERIA(旧:仙台hook)
開場 17:30/開演 18:00
前売¥7,000/当日¥8,000(D別)
※アコースティックver.
※指定席

7月21(日)仙台MACANA
開場 16:00/開演 16:30
前売¥7,500/当日¥8,500(D別)
※スタンディング

7月27日(土)阿倍野ROCKTOWN
開場 17:30/開演 18:00
前売¥7,000/当日¥8,000(D別)
※アコースティックver.
※全席指定

7月28日(日)阿倍野ROCKTOWN
開場 16:00/開演 16:30
前売¥7,500/当日¥8,500(D別)
※スタンディング

8月3日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!!
開場 17:30/開演 18:00
前売¥7,000/当日¥8,000(D別)
※アコースティックver.
※全席指定

8月4日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!
開場 16:00/開演 16:30
前売¥7,500/当日¥8,500(D別)
※スタンディング

先行受付期間:5月1日(水)12:00〜5月31日(金)23:59
入金期間:6月4日(火)13:00〜6月6日(木)21:00
一般発売日:7月7日(日)10:00
購入ページ

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