2022.07.01
ν[NEU]@新宿BLAZE
ν[NEU] 13th Anniversary ONEMAN「ν[NEU] BEST」

2022年7月1日、13th Anniversary ONEMAN「ν[NEU] BEST」が新宿BLAZEで開催された。ν[NEU]が現在のメンバー構成になり活動を再開したのは2009年7月1日。13周年を迎えたまさにその日に開催されたライブは、ν[NEU]の歴史に残るライブとなった。

解散から約7年半、ν[NEU]のメンバーが再集結した今回のライブには“やっと”という表現を用いたくなる。そもそも、期間限定の復活がアナウンスされたのは2019年12月のことだ。当時ですら、それぞれの人生を歩んでいたメンバーが再度集結するには簡単にはいかない課題があった。さまざまな事情をクリアして公表された「1年限定の復活」だったが、その後、最も大きな障壁となったのはコロナ禍だ。多くの人が直面した“やりたくてもできない”状況にν[NEU]も巻き込まれた。コロナ禍は現在もなおライブシーンに制限をもたらしてはいるが、開催そのものを見送るほどではない状況になり、“やっと”今回のライブが実現したのだ。復活告知から現在までの経緯については、公式ウェブサイトで公開されているメンバーのインタビューをご参照いただきたい。

インタビューではもうひとつ、大事なお知らせがあった。華遊が参加できないということだ。現在のν[NEU]は、各メンバーが異なる状況下で活動していることに変わりはない。仕事や私生活など、あらゆる事情のバランスを取りながらν[NEU]を前進させるために、今回のライブはメンバー4人とサポートに夢時を迎えて開催することを決めたのだった。

前提が長くなったが、こうして辿り着いた7月1日のライブはチケット完売。フロアはこの日を楽しみにしていたファンで埋め尽くされた。ファンの指には「キラリンパ」が光り、フロアを星の海にしている。この日集まったファンのなかには7年半前の解散を経験し、復活の告知から2年半待った人も多くいるだろう。ライブ当日を迎えた喜びはどれほどのものだろう。声を出すことが許される状況であれば、叫びにも近い歓声が聞こえたのではないだろうか。BGMが止み、幕が開く。現在のメンバー構成での初リリースシングルである「PULSE」からライブがスタートした。

「ν[NEU] BEST」というタイトルが表しているように、ベスト盤のような構成のライブは2部制で、第1部はインディーズ、第2部はメジャーデビュー後の曲を中心にセットリストが組まれた。第1部のMCでЯeIは「インディーズ曲、速くてしんどい(笑)」と一言。10年以上前に制作された楽曲は、現在のメンバーにとって懐かしさとともに新鮮さを感じさせるようだ。ヒィロは「衣装って暑いんですね」と、久しぶりのステージで感じた率直な感想を聞かせてくれた。もちろんmitsuにツッコまれるのだが、そんな4人のやり取りは7年半のブランクを感じさせない。それはパフォーマンスにおいても言えることだった。ステージ上に“硬さ”や“気負い”はなく、リラックスしてライブを楽しんでいるのがよく伝わってくる。ν[NEU]の音楽を、ν[NEU]のメンバーで演奏することを心から楽しんでいる。メンバー全員が楽しみに待ってくれていたファンのために、そして、このメンバーで音楽をやりたいと感じた自分自身のためにステージに立っていた。

そんな彼らをサポートした夢時は、2010年4月にリリースしたアルバム『LIMIT』制作時からの付き合いで、タクミと華遊にとって“兄貴”的な存在。夢時は「華遊くんがステージに立てないとなったら、サポートするのは兄貴である自分しかいない」と、器の大きさを感じさせるコメントを残した。

第2部はメジャーデビューシングル「RED EMOTION〜希望〜」からスタート。MCではメジャーデビュー後の思い出話や、解散ライブのこと、華遊のことが話題に。また、楽曲もラストシングルとなった「ひとりじゃない」や、解散ライブのラストで演奏した「everlasting light」で締めるなど、エモーショナルな気持ちを呼び起こす内容となった。それと同時に、時間を経たからこそ表現できる新たな格好良さも見せてくれた。

復活を決めてから2年半、その間に何度もライブ開催を見送らなければならない状況になってしまったν[NEU]。中止を決めるたびに歯痒く、悔しい思いをしていただろう。しかし、その2年半は、今回のライブを迎えるための熟成期間にもなった。完全な形ではないにしろ、現在のν[NEU]が実現できるベストを尽くしたライブだった。

今後、ν[NEU]は感謝祭として年内に3本のライブを行う予定だ。詳細は7月18日(月)21:00にオフィシャルTwitterにて解禁とのこと。惜しくも今回のライブを見ることができなかった人も、ν[NEU]のライブを体験するチャンスはまだある。あの頃よりもパワーアップした彼らのライブをお見逃しなく!

(文・板垣可奈子/写真・Aki(Lc5))


【ライブ情報】
10月1日(土)渋谷REX
11月12日(土)渋谷REX
12月3日(土)渋谷REX

ν[NEU] オフィシャルサイト