一筋縄ではいかない現実世界と、LM.Cの生み出す奥深い『怪物園』の世界。それは今、まさにこの瞬間もシンクロしながら動き続けているということなのかもしれない。

昨秋に始動15周年を迎え、現在は今年9月まで続くアニバーサリーイヤーの中で、4月6日に久々のフルアルバム『怪物園』を発表。それに先駆ける形で3月21日の白金SELENE b2LM.C公演より[LM.C TOUR 2022 「怪物園」]を開始していたLM.C。4月22日にヴォーカリスト・mayaが新型コロナ陽性判明となったことを受け、残念ながら4月26日に予定されていた恵比寿LIQUID ROOMでのファイナルを含む計3公演は見送られることになった。

そんな中、[LM.C TOUR 2022 「怪物園」]の追加公演として、6月25日(土)名古屋・ell fit’s all、6月26日(日)大阪・ESAKA MUSE、そして6月30日(木)東京・Spotify O-EASTの計3公演の実施が、いちはやく告知された。

これは3月~4月にかけてのツアーを経て、LM.C の二人が『怪物園』の楽曲たちをもっと観客側と深い次元で共有していきたいという気持ちから行うことを決めたものであり、一旦見送りになった4月分のライブについても、恵比寿リキッドルーム公演は6月6日(月)、柏PALOOZA公演は6月8日(水)に振替という形で急遽開催への調整がなされたという。つまり、『怪物園』の世界をライブで楽しむ機会はまだしっかりと準備されているわけだ。

「この時代とか、この地球上に巻き起こっていることを踏まえながら聴いてもらうと、いろんな縮図になっている作品だと捉えることも出来るだろうし、今回の『怪物園』は受け取る人によっていろんな聴き方や楽しみ方を出来るアルバムになったと思う」(maya)

LM.Cの最新アルバム『怪物園』についてはmayaがこのように語っているとおり、不穏にしてカオスな空気感が濃厚に漂う2020年代の様相とも重なるところが多い作品で、例えば「Elephant in the Room」で歌われる〈見事に渾沌たる世界〉とは、それこそフィクションとノンフィクションが交錯する中で描かれる“今ここにある現実”として受け取ることが出来る。

また、ギタリスト・AijiがLM.C史上最も尖ったヘヴィな音像を響かせると共に、昨今の世界情勢を予言していたかのような〈愚かさとは 正しくあるということだけに 取り憑かれること〉という詞が聴く者の胸に刺さる「Valhalla」は、それが北欧神話をモチーフにした物語であることを忘れてしまうほどのリアリティに満ちているのだから、実に興味深い。

なお今回のツアーでは、前述の楽曲たちを生で体感することが出来るのはもちろん、アルバム『怪物園』に収録されている「Campanella」と「Lost Summer」の2曲がライブの中でどのように配置されているのかという点も、注目していただきたいところ。効果的な演出なども含めると、ある意味ではアルバムを聴く以上に、ライブでは“より生々しく伝わってくるリアリティ”があることをここに保証しよう。

さらに言えば、同じく『怪物園』収録の「Panic Time」が、ライブの中でここぞ!という場面で放たれる痛快さも、ぜひライブ空間で味わっていただきたい。LM.Cがこの15年を経る中でライブバンドとして錬成してきた圧倒的な底力が、そこには存分に漲っているはずだ。

「LM.Cは、昨年の秋で15周年を迎えました。(中略)新しい音楽を作るたびにそれを待っててくれている人たちがいて、今回のアルバム『怪物園』も自分たち的に素敵だなと思える作品を完成させることが出来たので、とても幸せなことだと感じてます」(maya)

現状での最新ライブとなった4月17日の江坂ミューズホールで、すこぶる楽しそうな表情でこのように語っていたmayaだけに、療養からの復帰後は、また精力的なライブ活動を展開してくれることだろう。

さらに、来たる9月25日には昨年10月から続いてきた15周年イヤーの最後を締めくくるLINE CUBE 渋谷公会堂でのワンマン公演までが決定しているわけで、2022年下半期にかけてもLM.Cの攻勢はより激化していくことは必至だ。

ここからはまだ推測の域を出ないものの、LM.Cは近年、アルバムを出すごとにツアーを複数回やっていくことで表現力をより深めていくという手法をとってきたバンドでもある。その点を踏まえるならば、むしろ『怪物園』の世界はここからが本格的な佳境に入っていくことになる可能性も相当に高い。

現在YouTubeにライブクリップがアップされている「End of the END」の中で歌われている〈こんなばずじゃなかった そんな話さえ過去のモノ〉というあのフレーズや、「No Emottion」の中で歌われている〈万事休すがスタートライン〉という歌詞のごとく、ここからのLM.Cはツアー中断という不測のアクシデントをも力強く踏み越えて、アルバム『怪物園』の世界を現在進行形なものとして体現していってくれるに違いない。

なかなか一筋縄ではいかないからこそ、立ち向かい甲斐のある〈見事に渾沌たる世界〉を描いた、怪しくも楽しい怪物園で繰り広げられる物語たちは、今まさにここから新しい展開をみせようとしているのだ。

LM.Cが紡ぎ出す『怪物園』の世界へようこそ――

『怪物園』

【ライブ情報】
●LM.C TOUR 2022 「怪物園」
[振替公演]
6月6日(月)恵比寿LIQUIDROOM 18:00/18:30 ※4月26日(火)の振替公演
6月8日(水)柏PALOOZA 18:00/18:30 ※4月21日(木)の振替公演

[追加公演]
6月25日(土)名古屋ell fit’s all 16:00/16:30
6月26日(日)ESAKAMUSE 15:30/16:00
6月30日(木)Spotify O-EAST 18:00/18:30

【リリース情報】
●New Album『怪物園』
2022年4月6日(水)発売
通常盤 WHR-0003 ¥3,300(税込)

[収録曲]

  1. 開園
  2. Elephant in the Room
  3. Valhalla
  4. No Emotion
  5. Panic Time
  6. Campanella
  7. Montage
  8. Lost Summer
  9. Happy Zombies
  10. End of the End
  11. 閉園

LM.C オフィシャルサイト