2021.12.25
XANVALA@池袋BlackHole
XANVALA Xmas ONEMAN LIVE「Xross」

12月25日(土)、XANVALAが池袋BlackHoleを舞台に「Xross」と題した熱狂の聖夜を二部構成で催した。

「聖なる夜に俺たちの戦争を始めようか!!」。巽の声を開戦の号令にライブはスタート。聖なる夜を激しく赤黒く塗りたくろうと冒頭に叩きつけたのは「聖戰」だ。意識を一瞬でぶっ飛ばし、魂を荒ぶる野獣に変える黒い轟音が身体中を駆けめぐる。狂え、狂え、狂え。理性なんてものはすべて、渦巻く轟音の中へと巻き込む。フロア中の人たちが頭を激しく揺さぶり、思いきり両手を掲げ歓喜した姿を見せていた。互いの感情と感情を剥き出しで戰う姿が、早くもこの会場を渦巻く黒い熱を持って支配していた。

XANVALAが「左耳の悪魔」を突き刺したとたん、フロア中の人たちが両手を高く掲げ、一斉に跳ねだした。ドス黒い音の唸りが身体を熱く騒がせる。フロア中の人たちが頭を激しく振れば、歓喜した気持ちを示すように高く高く跳ね続けていた。舞台上から左耳へと響いた歌声と演奏は、どんな甘美なワインよりも気持ちを陶酔させる囁きだ。

ノイズのような凄まじい漆黒な音が身体へ襲いかかる。XANVALAは「ratchet」を叩きつけ、激しい音の渦の中へ観客たちをグイグイ引き込みだした。フロアでは、荒ぶる音に理性を壊された人たちが、高く拳を突き上げる。頭を振り乱し、現実世界を彼方まで吹き飛ばしていた。騒げ、暴れろ、聖なる宴の中、剥きだした牙で本能という肌を切り裂いた。

Yuhma

「今日は、何の日かわかるか!! Merry X’mas!!」彼らにその言葉が似合うかどうかはさておき、今年も聖なる夜に、満員のΛ(ファン)たちを目の前に熱狂の一夜を作れたことが、最高の喜びだ。

「最後まで一緒に乱れていきましょう」その言葉を合図に突きつけたのが、エッジ鋭い音をグサグサと突き刺す「DROID」だ。 昂る気持ちを走らせるように煽る巽。恍惚という気持ち躍るメロディーが、心を騒がせる。激しく煽る巽の声と演奏に刺激を受けた観客たちが、フロア中で暴れていた。限られた空間の中、蠢くように騒ぐことで、フロア中が熱い空気に包まれてゆく。これも、最強の理性の壊し方だ。

宗馬

「乱れ足りないんじゃないのか!?」「お前らの限界を見せてくれよ!!」止まることなく演奏は「帝」へ。曲を重ねるごとに熱と気迫を上げてゆくのは、XANVALAではお馴染みの姿。「DROID」も「帝」も激烈な音を叩きつけながら、サビ歌がハートをグッとつかんで放さない曲たち。だからこそ、満員の観客たちが熱狂を喰らおうと感情を剥き出しに暴れながら、サビ歌では身体を優しく揺らし恍惚へ溺れていた。

止めることなく、演奏は「ヒトリ舞台」エレクトロなビートとラウドな音がシンクロしながら、この空間にスケール大きな乱れた世界を作りたす。そこへ響く先鋭なギターリフが、気持ち揺さぶるドラマを描きだす。XANVALAは「ヒトリ舞台」を通し、フロア中の人たちを熱狂のドラマ描く物語へ引き込んでゆく。激情した泣きの歌メロへ触れるたび、恍惚にも似た感情に心を染め上げる。誰もが身体を揺さぶり、跳ね続けながら、高陽した歌を抱きしめようと、巽へ向け思いきり両手を伸ばしていた。このまま、息が止まるほどの衝撃に酔いしれていたい。

70.

荘厳シンフォニックな音を合図に、楽曲は激しくも雄大な景観を描く「クチナシ」へ。抑揚しながらも朗々と歌いあげる巽の声へ、演奏陣が妖しく彩るように音を塗り重ねていく。身体を揺らすのではない、心を揺さぶる歌を。満員の観客たちがじっと立ちながら心で受け止めていた。いや、そうしていたかった。

XANVALA流の嘆きの物語は、新曲の「Dearest」へ受け継がれた。この日のXANVALAは、聖なる夜に相応しく、激情する体感的な音だけではない。心を揺さぶる曲たちで観客たちの心にXANVALAを塗りたくっていた。

ここで嬉しいお知らせが。2022年にXANVALAは、初のフルアルバムをリリースすることを発表した。

知哉

「熱くなってきたんじゃない、まるで夏みたいじゃないですか。今だけ、ここは君だけのための8月だ」「もっと熱くなる準備はできてますかっ!!」。終盤にXANVALAが吹かせた熱風が、「キネマ」だ。フロアのΛも手にした扇子を大きく振りながら、熱情した宴の中で騒ぐ踊り子と化してゆく。歌心を持った楽曲のように、誰もが気持ちを躍らせる曲に身を預け、宴を彩る跳ね人となり、踊り、祭り上がっていった。フロア中で揺れる扇子の光景の、なんと華やかだったことか。

さぁ轟音の洗礼を受け、聖なる熱狂の虜になってしまえ。XANVALAからの熱い求愛「CREEPER」を受け、フロア中の人たちも熱情した気持ちをぶつけ返してゆく。どんな恍惚や快楽を導く突き上げる衝動よりも、XANVALAが何度も強く突き上げる轟音の愛情のほうが身体は恍惚に浸っていける。

「ここまで歩いてきたこの道は、絶対に正しいって、この景色を見て思いました。この先も、もっと高く一緒に歩いていこう。ここが俺たちの理想郷だ」。最後にXANVALAは「XANADU」を突きつけ、熱狂の先に広がる理想郷へフロア中の人たちを導いていった。激しくもきらびやかで眩しい世界にこのまま浸りながら、消えない輝きの中へ溺れていたい。その輝きの景色がもっと先まで続いているからこそ、これからもXANVALAの叩きつける荒ぶる轟音へ突き動かされるまま、この坂道を駆け上がり続けたい。

第二部は、聖なる、静なる一夜を彩るようにアコーティックなスタイルで激しい曲たちを優しい表情に塗り変えてゆく。このスタイルで演奏するのは、1年ぶり。もしかしたら、この時期にしか聴けないプレゼントになりそうだ。

最初に披露したのが、XANVALAの始まりを告げた「鮮やかな猛毒 Acoustic ver.」。あの熱情した歌系楽曲が、ラテンのテイストを加え秘めた熱情を醸すスタイルに変化。より歌心を甘く、深く味わえた気分だ。巽の誘いかける甘く妖しい歌声に触れていたら、心の憶測に優しく指先を這わせられた気持ちになり、ゾクゾクッと心が奮えていた。

次に歌い奏でたのが、ファンたちからもアコースティックなスタイルで聞きたいとリクエストを受けていた「眠る秒針 Acoustic ver.」。ディナーショーのような着飾った場面で聴いてもワイン以上にうっとり酔えそうだ。

最後にXANVALAは、いつもの暴れモードに戻り「LEGAL」をぶつけてきた。「もっとぶっ飛んで終りてぇよな」の言葉に相応しく、やはり、この会場を熱狂渦巻く場に染め上げてこそXANVALAのライブ。轟音叩きつける演奏に負けずと、フロア中の人たちも激しく身体を折り畳み、思いきり飛び跳ね、この空間を熱く染め上げていった。やはりXANVALAには赤黒いサンタカラーのような景色がお似合いだ。それこそが、XANVALAが身につけるべき聖なるユニフォームだ。

2022年のXANVALAは、東名阪を舞台にした2 days公演「XANVALA 2nd ANNIVERSARY ONEMAN TOUR 「月と太陽」」からスタートする。その様も、またお伝えしよう。

◆セットリスト◆
【act.1】
01. 聖戰
02. 左耳の悪魔
03. ratchet
04. DROID
05. 帝
06. ヒトリ舞台
07. クチナシ
08. Dearest
09. キネマ
10. CREEPER
11. XANADU

【act.2】
12. 鮮やかな猛毒 Acoustic ver.
13. 眠る秒針 Acoustic ver.
14. LEGAL

(文・長澤智典/写真・a.kwsk)


【「Dearest」】

【ライブ情報】
●PARAGUAS INC. PRESENTS 「MAKE an ERA -New Year’s Eve2022」
12月31日(金)池袋BlackHole
OPEN17:00 / START17:30
前売¥4,000 / 当日¥4,500
出演:XANVALA、鴉-カラス-、SARIGIA、Hueye、Zeke Deux

●XANVALA COUNTDOWN LIVE 「’21▶️’22」
12月31日(金)池袋BlackHole
OPEN22:30 / START23:00
前売¥4,000 / 当日¥4,500

●XANVALA 2nd ANNIVERSARY ONEMAN TOUR 「月と太陽」
2022年1月12 日(水)HOLIDAY NEXT NAGOYA
OPEN17:30 / START18:00
前売¥4,000 / 当日¥4,500 ※D代別

2022年1月13日(木)HOLIDAY NEXT NAGOYA
OPEN17:30 / START18:00
前売¥4,000 / 当日¥4,500 ※D代別

2022年1月19日(水)心斎橋Bigtwin Diner SHOVEL
OPEN17:30 / START18:00
前売¥4,000 / 当日¥4,500 ※D代別

2022年1月20日(木)心斎橋Bigtwin Diner SHOVEL
OPEN17:30 / START18:00
前売¥4,000 / 当日¥4,500 ※D代別

2022年1月31日(月)渋谷clubasia
OPEN17:30 / START18:00
前売¥4,000 / 当日¥4,500 ※D代別

2022年2月1日(火)渋谷clubasia
OPEN17:30 / START18:00
前売¥4,000 / 当日¥4,500 ※D代別

XANVALA オフィシャルサイト