雪見だいふくの中身になりたい人生だった。ちょっと奇抜な名前を持つこのユニットは、音楽家「さの。」による音楽プロジェクトとして活動をしている。元一世を風靡したV系バンドのベーシストだった。彼がバンドではなく、DTM STYLEのもと完全セルフプロデュースで制作。さの。自身の脳内世界を音楽やイラスト(絵師が担当)として具現化したのが、雪見だいふくの中身になりたい人生だったになる。

このたび、雪見だいふくの中身になりたい人生だったが4曲連続で楽曲を配信リリースした。「Hameln」「grow apart」「南無阿弥ダンス」「歪花」と続いた曲たちは、それぞれが独立しながらも、じつは巧妙に一つの物語を形作っている。その4曲の魅力を、さの。自身の解説も含め、お伝えしたい。

◆「Hameln」

「Hameln」

「「承認欲求高まる現代で「何者」かになりたいと、踠き疲れた失意の少女を、甘言で懐柔して連れ去る男。男は手を差し伸べる事で自身の空っぽさを埋める話」。牧歌的、宗教的で「救い」みたいなそんな雰囲気をイメージしながら曲作りました。ただの爽やかソングにならない様にはしたいなと思いました」(さの。)

4曲連続リリース第一弾を飾ったのが、たくさんの夢を詰め込んだオモチャ箱をひっくり返したとたん、がちゃがちゃと夢の詰まった音符の玩具があふれだしたような始まりを告げる「Hameln」。世の中は、自分がここに在ることを示す証明を人に求めてゆく。だから人は、自分は何者かであることを示さねばならない重圧をかけられ、「自分の存在意義は?」「自分とは何者?」とみずからを追い詰め、ときには答えを見いだせずに自我を傷つけてしまう。でも、さの。は語りかける、「そこから歩き出せないなら ずっとそこにいればいい」と。男は、自己崩壊してゆく少女のありのままを受け入れながら、優しく抱きしめる。そこで伝わる温もりこそ、少女が生きている証であることを示すように。きらびやかで彩り鮮やかな喧騒の世界を駆けめぐるような、華やかな楽曲だ。とても内省的な物語だからこそ、眩しい音のキラメキが少女のなりたい心の姿にも見えてゆく。

◆「grow apart」

「grow apart」

「「相手を見なかった女と、伝えなかった男のすれ違いの話」。実験的に初めて作った曲調で新鮮でした。とても遅いテンポなのをなるべく感じさせない様にコード展開を早くしたり、音を詰めたりしました。ライブで生ドラムになったら雰囲気別物になりそうでそれも楽しみです」(さの。)

気持ちがすれ違った故に招いた悲劇の物語。互いに求めあっていたはずなのに、何時しか互いの間には深い心の亀裂が生まれていた。愛しているからこそ憎い…のではない。愛していた自分の存在を証明しようと、男は手にしたナイフを突きつける…。男女それぞれの視点から、相手へ語りかけるように歌う歌詞も印象的。変拍子やさまざまなトリッキーな音を編み込みながら、男と女の歪んだ心模様を、さの。は楽曲の中へ具象化していった。

◆「南無阿弥ダンス」

「南無阿弥ダンス」

「「都会に夢見て都会に溺れて死んだ幽霊の話」。賑やかな曲が作りたいなぁと作った曲です。ダジャレみたいなタイトルから生まれました」(さの。)

うちひしがれた心。人は、存在のすべてを否定され苦境の淵に立たされたとき、どんな行動を取るのか。次の一手という言葉が希望への道なのか、絶望へと落ちる合図なのか…。人は、みずから生死の選択を選び、煩悩が消えたとき、どんな自分になれるのだろう。雪見だいふくの中身になりたい人生だった流のダンスナンバーは、螺子曲がった音たちが跳ねるリズムの上で躍るように絡み合う奇天烈なポップチューン。あなたもこの曲を耳に、煩悩を振り切って、感じるままに踊り狂え。合い言葉は、「南無阿弥dance!!」。

◆「歪花」

「歪花」

「「自我の芽生えから新たな地へ進む話」。溢れる衝動を全部詰め込んでやろうと作ってた気がします」(さの。)

綺麗な花が咲き誇る中、歪(いびつ)に咲いた花は摘まれてしまうの??歪(いびつ)な存在というのは、けっして不良品ではない。他とは違う自我を持って咲いた個性。世の中は個性の芽を潰し、美しさ(平均的・在り来り)を求めたがる。だから、歪な存在は自己を壊したくなる。でも、本当は逆なんだと思う。歪ゆえの個性が輝いているからこそ、群れる花たち(大衆)は自分の存在を消したくなくて、個性を消そうとしてゆく。でも、さの。はわかっている。虐げられた歪こそが、本当に輝いていけることを…。オモチャ箱をひっくり返したとたん、がちゃがちゃと夢の詰まった音符の玩具があふれだしたような音楽だ。でも、一つ一つの音符の玩具が何処か燻っているのも、世の中の喧騒にまみれながらも、ここに在り続けてきたからだ。

5月13日(木)高田馬場club phaseを舞台に、雪見だいふくの中身になりたい人生だったは、4連続配信リリースした楽曲をライブで全曲披露しようとONEMAN SHOW『ミュージアム』を開催する。さの。の脳内で生まれ、PCの中で具現化された音楽たちが、今度は、バンドという編成のもと、どんな風に具象化されるのか、この4曲に触れたことで楽しみが増してきた。

(文・長澤智典)


【配信音源】
「Hameln」

「grow apart」

「南無阿弥ダンス」

「歪花」

【ライブ情報】
●ANONYMOUS 6th HACKING
「フォーヴェンデッタupd6」
雪見だいふくの中身になりたい人生だった/ANONYMOUS/凄い人達(仮)
4月4日(日)高田馬場AREA
OPEN 16.30/ START 17.00
前売り¥5,000/ 当日¥5,500(D代別¥600)

●連続配信リリース完結記念全曲披露ONEMAN SHOW『ミュージアム』
5月13日(木)高田馬場club phase
OPEN 18.00/ START 18.30
前売り¥5,000/ 当日¥5,500(D代別¥600)

<チケット>
3月20日~オフィシャル通販(https://neconchi.booth.pm/)にて先行デザインチケット発売開始。なくなり次第終了。4月5日よりe+にて一般発売開始。

【プロフィール】
ねこんちレコーズ主宰、さの。による音楽プロジェクト。
2019年5月1stシングル『閉塞はコスモ』からお騒がせに世間に飛び出した。2020年3月1stミニアルバム『Traumerei』を引っ提げ、東名阪レコ発ツアー「夢見心地2020-春の夢-」を敢行。2021年2月、4週連続シングルを配信。ジャンルにとらわれることなく自由に発信されるその音と、一枚絵を描くような歌詞表現。彼の終わりのない哲学的創造は日々進化を遂げている。

雪見だいふくの中身になりたい人生だった Twitter
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