よく前煽りで「ヤバいよ、こいつら!!」という言葉を目にするが、一体、何がヤバいのか不明すぎることも正直多い。ここでも、あえて「ヤバいよ、こいつら!!」という言葉を使わせていただくが、CHOKEの場合、その使い方の意味が若干違っている。

4月5日(金)に、CHOKEは2ndフルアルバム『CHOKE2』を発売する。この作品、とにかく楽曲が難解どころか、1曲の中へいろんな音楽要素を雑多にコラージュ(糊付け)してゆく前衛的な表現スタイルを取っているように、その複雑怪奇さに「ヤバいよ、こいつら!!」「常識的な音楽スタイルが通用しないよ」と言いたくなる。あえてジャンル分けをするなら、「ラップ×メタル×インダストリアル×変(態)拍子=前衛ロック音楽」というところか。

CHOKEが今、主戦場にしているのがヴィジュアル系音楽シーン。確かに見た目はヴィジュアル系寄りだ。でも、奏でる音楽はヴィジュアル系好きが求める音楽性とは対極にあるスタイル。そもそもメンバーらが「世の中の常識を逸脱したがる”天の邪鬼”」な性格。ヴィジュアル系に限らず、音楽シーンの中で「これがトレンドだ」という流行りがあれば、それを素早くチェックしては、その逆側にアプローチした音楽性や活動を彼らは常に提示してゆく。

2ndフルアルバム『CHOKE2』に詰め込んだ音楽性面でも、ラップメタル/ミスクチャー=激ロックな音楽好きには刺さりそうに思われてはいるが、その範疇さえ、彼らはだいぶ逸脱している。つまり、どのジャンルにもかすってはいるが属せない。そこにCHOKEの音楽性の面白さがある。

いや、「面白さ」と書いたが、正直、本当に楽しめているのか疑問に思うのが素直な感想だ。1曲の中で転調してゆくどころの騒ぎではない、気がついたらまったく違う楽曲へ変化し、ふたたび頭の形に戻ることもあれば、変化したまま表情を変えて終わることもあるように、「楽曲はこうあるべき」という常識をことごとくぶち壊した音楽性をCHOKEは示している。まさに、理解しきれないと言ったほうが正解だろう。メンバーらは、自分たちの姿勢についてこんな風に語っている。

KVYA NONO:まわりの人らからいろんな助言をいただくんですけど、僕ら、その助言を真剣に考えるんですね。その意見を突き詰めていく中、「こういうことを言ってくれるということは、きっと他の人にも同じ意見を言ってるのではないか」と思い、それなら尚更オリジナリティの重要性に回帰する。元々がそうやって始まったバンドですから。

REON:「やっぱサビはキャッチーな歌メロじゃないとね」と言われてもね。

B5:それって、みんながやっている普通のことじゃない。さらっと聞き流されてしまったら、オリジナリティを出すという面にも繋がらないんじゃないかと…。

KVYA NONO:確かにCHOKEの音楽性はわかりづらいし、一般受けは悪いのかも知れないけど。たとえばの話、イベントライブに出て5-6バンド見ていく中、どれも同じようなノリやアプローチをしていたら、観てる側が「もういいよ」となるじゃない。だったら、そんなところへ自分たちが寄ってく必要はまったくないこと。

TOSSY:まわりからはよく「売れなくて良いのか?」「もっと売れ線を狙ったほうがいい」と言われるけど。メンバーみんな過去にヴィジュアル系バンドとして活動をしてきた中、散々売れるために焦点を絞った活動はやってきたこと。それらをやっても、結局は何も残らなければ、改めて「自分たちが本当に納得のいく音楽を突き詰めていくべき」という当たり前の大切なことへ気づかされた。納得いかないのに、売れるためにお金だけ注ぎ込むよりも、たとえお金なんかなくてもいい。自分たちが本気で演りたい音楽を追求しているほうが圧倒的に幸せなんですよ。

なんて潔い姿勢だ。彼ら、素直すぎる故に、徹底してオリジナリティを求めてゆく流れの中、常識に縛られない。いや、常識を覆す音楽性を示し続けた結果、今のスタイルに辿り着いている。なんとも、純粋にヤバい連中じゃないか。

REON:お客さんたちも最初は「わかんない」となるんですけど。活動を続けていく中、CHOKEの音楽が少しずつ刺さりだし、今の音楽性を支持してくれる人たちが増えだした。最初は、自分らでも「この音楽性では絶対に仲間など出来ない」と思っていたら、CHOKEの音楽性に惹かれ、支持してくれる仲間のバンドたちも増えだした。CHOKEは、5月に名古屋と東京で「BEEF」と題した主催イベントを行うけど。そこに出てくれるバンドたちは、自分たちも共感を持っていれば、向こう側もCHOKEを支持してくれる人たち。こうやってマインドで繋がりあえる仲間たちがいるのも嬉しいことだなと思って。

これらの発言を聞いて、少しでも興味を持った方は、4月5日に発売となる2ndアルバム『CHOKE2』を聞いていただきたい。「テレビやラジオでは流せない曲がCHOKEは多いけど、別に流れなくてもいいから気にしてない。それにCHOKEの楽曲は、どんな曲にも振りをつけたがるバンギャたちへのアンチテーゼみたいなもの。振りを付けられるもんなら付けてみろ」(B5)と語るように、彼らの挑戦を、ぜひ受けていただけたら幸いだ。

最後に、CHOKEのリーダー、KVYA NONOとB5の言葉を記しておこう。

KVYA NONO:結成当初からメンバー内で良く話してるんだけど、音楽的な枠組みなんてどうでもいいし、僕らはそんなの興味もないこと。むしろ、業界人ほど下らない枠組みを決めたがるなと思ってる。バンドマンもお客さんも、ジャンルなどに左右されることなく柔軟に音楽を楽しんでいる。なのにライブハウスやイベンターが、「ヴィジュアル系とミスクチャーやメタルコアなどの音楽を同じイベントに混ぜてもお客さんが混じらないから」と分けたイベントばかりを作りたがる。でも、こっち側からすれば、そういうイベントはすでにやっていることであり、お客さんたちが混じり合っているのも実際に観ている。バンドもお客さんも、とっくに音楽に対してクロスオーバーしているのに、頭の固い大人たちがいまだ音楽業界にははびこっている。そこが変われば、「なぜCHOKEがヴィジュアル系にいるのか」という疑問を持つ人だっていなくなるはずなのに…。

B5:演る方も、観る方もジャンルなど気にしてないのに、勝手に区切られてしまう。それも妙な話だなぁと思って。それが1999年という時代ならまだしも、すでに2019年。なのに、お前らは一体何をそんなにまでして守ってるんだとCHOKEとしては言いたいね。

(文・長澤智典)


【CHOKE -“Fuck It (Official Video)】

【リリース情報】
New Album『CHOKE2』
2019年4月5日(金)発売

[デラックスエディション]¥6,000(tax in)
CD(11曲入)+セルフライナーノーツ+オリジナルTシャツ+高音質音楽ファイルダウンロードURL
※ご購入はこちらから→https://choke.buyshop.jp/

[通常盤]CHKYK002(CD11曲入)¥2,500(tax in)

<収録曲>
01.Introduction of “CHOKE2”
02.Cradles Puppet
03.Fuck It
04.Stay high-DJ YUTO FLIP-(remix)
05.Bloody Hell
06.The Personal Killing
07.VORTEX
08.Smoke In Me
09.illogical(instrumental)
10.通天閣feat.KVYA NONO,B5,MC龍,AZU#,834,シノ,u($”Casper.),REON,TOSSY(bonus track)
11.BOOMIN'(LIVE)”2019.1.27.東高円寺二万電圧”

<販売店舗>
オフィシャル通販ショップ
ライブ会場
専門店(後日発表)

【ライブ情報】
●明鏡止水 PRESENTS 『赤羽‐HeadbankinG‐vol.1 』
6月5日(水)赤羽ReNY alpha
開場16:30 / 開演 17:00

<CAST>
NAZARE
てんさい。
マチルダ
AIOLIN
SARIGIA
CHOKE
ARYU&Kazuyaセッション

スタンディング 前売 ¥3,500/当日¥4,000(税込・1Drink代別)
<プレオーダー>
受付期間:3月30日(土)12:00~4月7日(日)18:00
入金期間:4月9日(火)13:00~4月11日(木)21:00
<一般発売>
4月20日(土)10:00~

URLプレオーダー・一般共通(パソコン/スマートフォン/携帯共通)
https://eplus.jp/sf/detail/2917010001-P0030001
INFO:運営準備室:新宿ReNY TEL: 03-5990-5561

●その他スケジュール
4月4日(木)名古屋MUSIC FARM
4月5日(金)心斎橋FanJ・THE LIVE HOUSE soma・LIVE HOUSE JUZA
4月12日(金)高田馬場AREA
4月26日(金)新宿club science
5月5日(日)巣鴨獅子王
5月12日(日)KANSAI ROCK SUMMIT’19
5月13日(月)名古屋ell.size
5月26日(日)東高円寺二万電圧
6月5日(水)赤羽ReNY
6月21日(金)HOLIDAY NEXT NAGOYA
6月22日(土)池袋Black Hole

CHOKE オフィシャルサイト
http://choke.tokyo/
CHOKE Twitter
https://twitter.com/CHOKE_tokyo_jp