2018.8.25
千聖/Crack6@新宿ReNY
「千聖/Crack6 ワンマンTOUR 2018 ジキルとMAD RIDER“究 ~千聖 > Crack6~”」
PENICILLINのギタリスト千聖のソロワーク&ソロプロジェクトCrack6のダブルネームによるツアーが8月25日、新宿ReNYにてファイナルを迎えた。この日は「序 ~千聖 = Crack6~」、「破 ~千聖 < Crack6~」、「究 ~千聖 > Crack6~」の3本柱で構成された今ツアー「究」のファイナルであると共に「ワンマンTOUR 2018 ジキルとMAD RIDER」を締め括る最終夜。そんなステージに華を添えるべく、KOJI(G/ALvino、La’cryma Christi)、kiyo(Key/Janne Da Arc)、栄二郎(Vo/BULL ZEICHEN 88)のゲスト参加が事前にアナウンスされており、一段と期待の高まる特別な夜となった。
今ツアーの核でもある最新作「ジキルの空」で幕を開けたステージは、kiyoが全21曲、KOJIが16曲参加であるが故の特別な構成、アレンジが施され、この日限りの様々な場面が繰り広げられることとなった。中でも、O-JIRO(Dr)、kiyo、長野典二(B)の順に音が重ねられ、そこにギターが合わさりスタートした「Shadow ~XX ver.~」は特に印象深いものだった。曲中に千聖、重盛美晴、KOJIの3人のギタリストによるソロ回しが展開され、プレイごとにお互いを褒め称えるように拍手を送り合うと、トリプルギターからkiyoへとバトンが託され、その後徐々にアウトロのフレーズへという、贅沢極まりないパフォーマンスで魅せてくれた。この時の6人の表情と、千聖が口にした「皆の前でこれだけギターを弾いて、最高に楽しい」という言葉が全てを物語っていた。
また、バラードナンバー「LOVE ~lost in the pain~ ~XX ver.~」では、千聖の歌声とkiyoが奏でる鍵盤の音色が溶け合うことにより楽曲の繊細さがさらに増し、重盛とKOJIによるユニゾンでのギターソロがドラマティックな結末へと導いた。さらに、インストゥルメンタル曲「Re-Born」では千聖とKOJIがこれでもかとギターをむせび泣かせ、そこから全くカラーの異なる「WAKE UP! ~XX ver.~」へと繋げた展開には驚かされた。
そして、空気を一変させたのは「MAD RIDER」。フロアを切り裂くような鋭いバンドサウンドで終盤戦へのスタートを切り、ここからステージはさらに激しさを増していった。「ファイナルだぞ! ロックしようぜ! ロックできるか!?」というこの日一番の千聖の叫びから「Can you Rock?!」へ。前回の東京公演では聞くことが叶わなかった、千聖渾身の「愛してるZE!」がオーディエンスへ贈られた。
アンコールでは栄二郎を迎え入れ、セッション曲として作られた「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」を出演メンバー全員で披露。カラフルな光の中、7人の笑顔が溢れ、果てしなくハッピーな光景が広がった。さらに、再び「ジキルの空」を、そして「去年のツアーはこの曲で始まりました。始まった曲で終わりたいと思います」とソロデビュー曲「DANCE WITH THE WILD THINGS ~XX ver.~」をプレイし、3時間に及ぶステージは終幕を迎えたのだった。
この日、アンコールでの「ジキルの空」を前に語られた、千聖の言葉を残したい。
「何の取り柄もない中高生の時、先輩たちがバンドをやっている姿を見て、すごくカッコいいと思った。自分には何が向いているのか、どんな事がしたいのか、自分を探していて、ギタリストになる!と居場所を見つけた、あの頃にアイデンティティーが確立していったんだと思います。その後、大学でPENICILLINのメンバーに出会って、自分が理想としているスタイルのカッコいいバンドを組んで。そしてそれは今も続いてる。そこから派生したソロの活動もやれて、非常に贅沢なんだなぁと思います。今まであまり過去を振り返らずに生きてきたけど、たまにはこうやって過去の自分を見つめ直すことも大事だなと思いました。前を見て運転しなきゃいけないからこそ、バックミラーを見つめる時期も必要です。昨年、ベスト盤『Can you Rock?!』をリリースして、バックミラーを見つめていたので、次は未来に向かって前に進むために、新曲『ジキルの空/MAD RIDER』をどうしても作りたかった」
ソロ名義でのワンマンライブはしばらく封印することを発表している千聖にとって、ソロデビュー20周年を記念した昨年の活動からこれまでの集大成とも言える一夜が、遂に幕を下ろした。だが、20周年も21周年も、今日という日も、あくまで通過点にしか過ぎない。バックミラーの大切さも理解した上で、千聖は未来に向かって進み続けている。〈嘆きの瞳で明日は探せない〉のだから。
◆セットリスト◆
01. ジキルの空
02. VENUS ~XX ver.~
03. 破壊不可能
04. BANG!
05. Hysteric Wild
06. kissin’ the moonlight ~XX ver.~
07. LOVE ~lost in the pain~ ~XX ver.~
08. Lust Of Angel
09. Shadow ~XX ver.~
10. NO REASON
11. CYBER ROSE ~XX ver.~
12. Millennium ~XX ver.~
13. Re-Born
14. WAKE UP! ~XX ver.~
15. MAD RIDER
16. Crazy Poker Face
17. 666 ~XX ver.~
18. Can you Rock?!
En1
19. This Side Of Paradise ~XX ver.~
20. マリーゴールド
21. MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!
En2
22. ジキルの空
23. DANCE WITH THE WILD THINGS ~XX ver.~
(文・金多賀歩美/写真・堅田ひとみ)
【リリース情報】
千聖/Crack6『ジキルの空/MAD RIDER』
2018年6月6日(水)発売
[初回盤A](CD+PHOTOBOOK)TKCA-74657 ¥2,222+税
[CD]
01. ジキルの空(千聖)
02. MAD RIDER(Crack6)
03. ジキルの空~ExtreeeemE Mix~(Remixed by KYONO)
04. ジキルの空(Instrumental)
05. MAD RIDER(Instrumental)
[初回盤B](CD+DVD)TKCA-74658 ¥1,759+税
[CD]
01. ジキルの空(千聖)
02. MAD RIDER(Crack6)
[DVD]
・「ジキルの空」ビデオクリップ
・「ジキルの空」ビデオクリップメイキング
[通常盤](CD+ONLY)TKCA-74657 ¥1,204+税
ボーナストラック「千聖プロデュースイベント“MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW”」のイメージテーマソング収録
[CD]
01. ジキルの空(千聖)
02. MAD RIDER(Crack6)
03. MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!(ボーナストラック)
千聖/Crack6 オフィシャルサイト http://www.crack6.jp
徳間ジャパンコミュニケーションズ http://www.tkma.co.jp/jpop_top/chisato.html