2016.2.21
PS COMPANY PRESENTS『攻撃ハ最大ノ防御ナリ。TOUR 2016』@高田馬場AREA
恒例となったPS COMPANYのイベント「攻撃ハ最大ノ防御ナリ。2016」が遂にスタートした。今回は全国14カ所15公演というロングツアーで、ファイナルには舞浜アンフィシアターが控えている。初日のこの日は、Kra、SCREW、BORN、the LOTUS、やまぴかりゃーの5バンドが出演し、華やかにその幕開けを飾った。
◆the LOTUS
この日、先陣を切ったthe LOTUSのステージは、いきなりのトップスピードで幕を開けた。「D’zer」でレイ(Vo)の伸びやかな歌声が高らかに響き、続いてRyutoのギターが「PLEIN」のリフを奏でると、ギターを置いたRianがマイクを手に、レイとのツインヴォーカルを展開。フロアを大いに魅了した。
客席との一体感が心地良い「Grace」「PANDEMIC」、モッシュが巻き起こったダンサブルなナンバー「Magical Dancing Night」を立て続けにプレイ。翼(B)、伊織(Dr)のリズム隊が実に楽し気に鋭いビートを刻み、ラストの「Wish」では、全てを出し切るような渾身のアクトで静と動を巧みに見せつけた。
ハンドクラップと拳に彩られた実にパワフルなステージを見せたthe LOTUS。6月の東名阪ワンマンツアーに向け、着実に力をつけてきている彼らがこのツアーでどんな成長を見せるのか、楽しみでならない。
◆やまぴかりゃー
お約束のキメのポーズで登場したのは、スコーピオンSASORI(NAOKI)とタランチュラ(KraのVo.景夕)の二人。外の寒さとは裏腹に、かりゆしウエアを身にまとった二人のステージには常夏の空気が漂っている。
のんびりとトークを始めた二人から、この日は色々と驚きの発表があったわけだが、まず最初にフロアをザワつかせたのは、「このツアー中、やまぴかりゃーとKraのステージは撮影OK!」という告知。ただしフラッシュはNG(※猫は光に敏感だから)、そしてSNSにUPする画像はよく吟味すること(※半目の写真はヴォーカリストの心にダメージを与えるから)というお約束付きだ。
二人仲良く、時に邪魔をしあいながら「猫まっしぐら」を歌い上げ、続いて何と新曲を持ってきたという重大告知が。
「今回、本当に歌詞に時間がかかったよね…ということで聴いてください。森山直太朗で『さくら(独唱)』」。…どうやら、時間がかかったのは歌詞をカンペに書き写す作業だったようだ。しかし、本家に勝るとも劣らない美しい歌声を響かせてフロアを存分に魅了し、ラストの「アメリカンショートヘアー」まで、今回も実にマイペースに、笑いの絶えないハッピーなライブを見せてくれた。そんな猫たちに盛大な拍手が送られたのだった。
◆SCREW
華やかで妖艶なステージを見せてくれたのはSCREW。大きなハンドクラップに迎えられ、真新しい純白の新衣装で登場した彼らに、フロアから大歓声が沸き起こる。そんな熱を飲み込むように投下されたのは「Thirty♂Revolver」。真っ赤なライトの下、絶叫と共に激しく暴れ倒し、彼らの世界に一人残らず引きずり込んでいく。
続く「Death’s door」では、Oiコールとヘドバンの嵐が巻き起こり、鋲(Vo)の渾身のシャウトが響く。間髪入れずになだれ込んだ「アナフィラキシー」では、ジン(Dr)が激しく刻むビートと、和己とマナブのギター陣の極太のシャウトが実にアツい。
「UNWORLDLINESS KINGDOM」では鋲の指がカウントを告げ、「DIE・KILLER・DEAD」と勢いはさらに加速。目の前で会場内の熱量がどんどん上がっていく様は圧巻だ。
この日、ラストの「VEGAS」まで、実に攻撃力の高い楽曲で戦いを挑んだSCREW。彼ららしい、スリリングで華やかなステージだった。
◆Kra
ステージ中央に立った靖乃(Dr)が赤いバラを投げ、華麗にスタートしたのはKra。
「いこうか!」という景夕(Vo)の言葉とともに、この日の幕開けとなる「ブリキの旗」が奏でられた。彼らにとっても、ファンにとっても思い入れのある名曲にフロアの空気は確かな熱を帯び、シンガロングが響く。そんな空気から一転、「LOAD MY HEART」ではタイゾがお立ち台でギターをかき鳴らし、激しい拳が視界を埋め、実に雄々しいステージを展開。景夕が圧倒的なヴォーカリゼーションで魅せ、結良(B)の指がテクニカルで情熱的なグルーヴを奏で、「彷徨えど夜」へとなだれ込んでいく。
「俺と遊ぼうぜ! 恥ずかしいことしようか」と艶めかしい「SMLT」をドロップし、「明日屋」で、どこまでも高く高く響く景夕の声に、フロアはもみくちゃのモッシュで応えたのだった。
最初から最後まで多彩な表情で何通りものKraを見せつけた、貫禄のステージだった。
◆BORN
「床ぶち抜け!」という猟牙(Vo)の咆哮でスタートしたBORNのステージ。
切なくも美しい「BECAUSE」を歌い上げ、「DEMONS」「オルタナ」ではアクセル全開に。この日は解散発表をしてから初のイベント出演となったが、悲哀や感傷は一切なし。K(G)がコーラスの合間にテンション高く叫び、Ray(G)も切れのいい動きでフロアを煽り、TOMO(Dr)も笑顔で、怖いほどの熱をはらんだ力強いライブを見せつける。
「殉恋歌」「SUICIDAL MARKET~Doze of Hope~」「Recall the mind」とリリースされたばかりのシングル収録曲を次々投下。音源とはまた違った魅力を見せてくれるのはライブバンド・BORNならでは。「殉恋歌」の最後の〈あー好き〉のセリフでもフロアを大いに沸かせてみせた。
アンコールではこの日の熱量を抑えきれないかのように「RADICAL HYSTERIA」そしてセットリストにはなかった「MAD whistle」を急遽追加。そんな極上のライブは、「この調子でツアー、盛り上げていきましょう!」という言葉と全員でのジャンプで締めくくられた。
個性豊かなアーティストが見せる多彩なステージに、否応なしに期待が高まる今回のツアーでは、物販にも目新しいアイテムが登場するのでぜひチェックしていただきたい。
出演全メンバーの写真とQ&Aが掲載された『TOUR 2016 BOOK』や2015年に八王子で行われた『攻撃ハ最大ノ防御ナリ。』のライブDVDに加え、このツアーの出演アーティストのステッカー付きドーナツ(フレーバーはプレーン、キャラメル、チョコレート、アールグレイ、コーヒーの5種)という斬新なアイテムもお目見え。
さらに、2月27日(土)に行われる柏PALOOZA公演からは、猟牙(BORN)、K(BORN)、RENO、靖乃(Kra)によるWKのLIVE CD『WK LIVE CD「White White Why?』が発売されるのでぜひ手に入れていただきたい。
初日に圧倒的な熱量を見せつけたこのツアー、各地で繰り広げられる彼らの熱い攻防戦にぜひ参戦して、その熱を体感していただきたい。
そして、このツアー後の4月30日に一夜限りのスペシャルなDREAM LIVEが舞浜アンフィシアターで開催される。当日はスペシャルな企画も期待できそう!!!
ツアーに向け、出演アーティストから熱いメッセージが到着!
【NAOKI】
猫たち(やまぴかりゃー)は、高田馬場AREAと舞浜アンフィシアターだけ出演なんですけど、ぜひ会いに来てほしいですね。あと、新しい音源(『アメリカンショートヘアー』)を3月中に出す予定なのでそちらも楽しみにしていてほしいです。
【景夕(Kra)】
『攻撃ハ最大ノ防御ナリ。』ということで、攻撃対象はファンの子たち含め出演者全員です。Kraは既存のファンからしたらびっくりするような選曲や構成で色々暴れていきたいと思うので、楽しみにしていてください!
【ジン(SCREW)】
今日からの攻撃ツアーでは、僕らがSCREWの白銀世界へ導いてあげるので、その気持ちに応えてくれると嬉しいです。
【TOMO(BORN)】
このツアー、BORNは全箇所参加させてもらいます。今回のツアータイトルは『攻撃ハ最大ノ防御ナリ。』ですけど、俺らは防御なんて考えている暇はないので、「攻撃ハ最大ノ攻撃ナリ。」って感じで攻めまくります。BORNは解散前にワンマンで地方を回れないので、このツアーがBORNが地方に行く最後になると思います。なので、各地のファンに時間いっぱいいっぱい曲を詰め込んでカッコいいライブバンドだって所を見せつけようと思ってます!
【翼(the LOTUS)】
このツアーを通して全バンドさんと一つになれたらなと。一つ一つライブが積み重なるごとに、お客さんが見てより楽しめるライブができたらいいなと思います。成長する姿を楽しみにしていてください!
◆セットリスト◆
【the LOTUS】
01.D’zer
02.PLEIN
03.Grace
04.PANDEMIC
05.Magical Dancing Night
06.Wish
【やまぴかりゃー】
01.猫まっしぐら
02.さくら(独唱)
03.アメリカンショートヘアー
【SCREW】
01.Thirty♂Revolver
02.Death’s door
03.アナフィラキシー
04.UNWORLDLINESS KINGDOM
05.DIE・KILLER・DEAD
06.VEGAS
【Kra】
01.ブリキの旗
02.LOAD MY HEART
03.彷徨えど夜
04.SMLT
05.明日屋
【BORN】
01.BECAUSE
02.DEMONS
03.オルタナ
04.殉恋歌
05.SUICIDAL MARKET〜Doze of Hope〜
06.Recall the MIND
07.ケミカルロマンス
EN1.RADICAL HYSTERIA
EN2.MAD whistle
(文・後藤るつ子/写真・遠藤真樹)
攻撃ハ最大ノ防御ナリ。TOUR 2016特設サイト
http://www.pscompany.co.jp/psc/kougeki_tour2016/
PEACE & SMILE PARADE DREAM LIVE特設サイト
http://www.pscompany.co.jp/psc/peace_smile_parade2016/