ViViD

ViViDインタビュー

約1年という長い沈黙を破り、再び動きしたViViD。バンドを、そして自身を深く見つめ直した彼らが導き出した“答え”に迫る。

結成から、ひたすらに高みを目指し、走り続けてきたViViD。そんな彼らが過ごした約1年という沈黙の期間。そして、この春、その長きに渡る沈黙を破り、最新シングル『ANSWER』が世に放たれた。彼らが導き出した“答え”とは一体どんなものだったのか…。メジャー1stシングル『「夢」~ムゲンノカナタ~』以来、2度目のVif登場となるViViDの5人に、今の思いを語ってもらった。

◆この期間の俺たちの成長をこの1枚に答えとして提示(シン)

――本当に久々のリリースですね。ViViDはいつも第一線を走り続けているイメージがあったので、これだけの長期間の地下活動に驚かされました。

零乃:リリースは約1年ぶりですからね。この期間は主に曲のストックを増やしていました。また今年から忙しくなります(笑)。

――この1年はどんな期間でしたか?

イヴ:武道館が終わって、自分たちの力不足を痛感して…それを補った10ヶ月でしたね。上に行くにはこのままじゃいけないと思ったんです。

Ko-ki:それぞれが自分自身を見つめ直す時間でした。結成してから勢いだけでひた走ってきたんですけど、この期間にいろんなものを見たり体験したりして、自分自身も変化して帰ってきた感じですね。

――ご自身にどんな変化がありました?

Ko-ki:バンドの大切さを痛感しました。あと、今までライブができて当然だったんですけど、この期間中ライブがやりたくて仕方なくて。ライブは大事だなと改めて思えましたね。

――なるほど。シンさんは何か変わりました?

シン:どうでしょうね(笑)。でもステージを見てもらえればわかると思います。

――楽しみです。それにしても、今回のシングル曲の「ANSWER」というタイトルは意味深ですね。このタイトルはどなたが?

イヴ:タイトルはいつもシンがつけるんです。

シン:半年間の自分たちを見つめ直した結果を一番届けられるのはシングルやライブではないかと思ったので、この期間の俺たちの成長をこの1枚に答えとして提示する、という意味を込めました。

――ツアーを見据えての作品でしょうか?

シン:それもあります。

――「ANSWER」という言葉は様々な意味に取れますが。

シン:そうですね。歌詞の世界観もすごく煮詰めて書いたので、歌詞の世界感の主人公の答えでもあり、俺たちにとっての答えでもあります。

――歌詞を読んでいて、シンさんが書く女性目線の歌詞は今回も秀逸だなと。

シン:嬉しいです(笑)。俺自身も、どちらかというと女性目線の歌詞の方が好きですね。男目線だとどうしても自分のことになってしまうので。

――なるほど。ちなみに今回、曲自体はいつ頃できたんでしょうか?

イヴ:レコーディングは最近なんですけど、曲は前のシングルの時にできていたんです。

――作曲者であるイヴさん的に、どんなイメージで作った曲ですか?

イヴ:アニメのオープニングっぽい感じです(笑)。

――(笑)。ところで、ViViDのシングルはサビ始まりが多いんですが、今回は違ったのでちょっと新鮮でした。

イヴ:意識したわけではないんですけど、言われてみれば確かにサビ始まりじゃないシングル曲は初めてですね。

Ko-ki:そう言われれば今までサビ始まりばっかりだったね。サビ始まりじゃない曲をシングルで出したいとは前から思っていたんですけど、今回あえてそれを狙ってというわけではないんですよ。

――レコーディングはいかがでしたか?

怜我:エンジニアさんやスタジオ、マイクを変えるという試みはあったんですけど、今回、制作段階から今までとは違う作り方をしました。とにかく今回は時間をかけられたので、作曲者のイヴのしたいこと、メンバーのしたいことという感じで片付けていって、最高のものができて、そこで新しい試みをしてレコーディングをしたんです。音的にもすごく良くなっていると思うし、全体のバランスも今までの中では良いものだと思います。

――今回、音の厚みが増しているなと思ったのですが。

零乃:ギターが3本になっているんです。「REAL」や「FAKE」の時もそうだったんですけど、俺の音を裏でダブルで録っていて。バッキングの俺の方が、音で言うと下になるので、それをLRでやることで音圧が出るし、パワー感も出るんです。このせいで、歌ものでキャッチーなんだけど、バンドサウンドがロックしている感じになるのかも。普通に聴くと歌謡曲な感じなんですけど、よく耳を澄ますとロックしていると思ってもらえたら良いなと。

――レコーディングで使うギターはこれまでと同じですか?

零乃:今までKiller(Killer Guitars)を使っていたんですけど、音の厚みが出るので今回初めてレスポールを使いました。

怜我:僕は毎回レスポールだったんですけど、今回はESPを使いつつ、テレキャス(Telecaster)です。

零乃:あと、マイキングを変えてみたりしたので音の印象が変わっているかもしれませんね。

――リズム隊のお二人は?

Ko-ki:俺は楽器は基本的に変えていません。レコーディング用の俺の専用ドラムセットで録ってます。今回プリプロが長かったんですけど、実際にスタジオに入ってからのレコーディング時間が短かったので練習が大変でした。細かいニュアンスとかフレーズが難しい曲だったので。

――イヴさんから注文が?

Ko-ki:そうですね。プリプロではやってないけど、Bメロを16分で刻んでほしいと言われたので変えたり。

――今回プリプロにはかなり時間をかけたんですか?

イヴ:今までで一番長かったです。トータルで10日くらい。

零乃:このくらい準備期間があると、レコーディングはすんなりいけるんですよね。

――シンさんは歌っていていかがでしたか?

シン:歌詞の世界観もあるので、それをより伝えられるように、みんなが受け入れられるように抑揚をつけました。今回はニュアンスをつけるのがちょっと大変でしたけど、キー的にも全く問題なく歌えましたね。

――女性目線と男性目線の歌詞では歌う時の心情は違うものですか?

シン:そうですね。でも、どちらも自分が生み出したものだから、その時の気持ちとか、言葉に込める思いはその都度意識して歌っています。

――ViViDの楽曲はライブ用にアレンジはしますか?

Ko-ki:これまでの曲は全部アレンジされてますね。

零乃:みんなライブをやっていくうちにニュアンスも変わっていくし、どんどんスキルアップしていくので、「こっちのほうがカッコいい」ってことになるんです。もちろんCD通りにやることも大事なんですけど、その時にしかない表現をそれぞれがしていくので、同じ曲でもライブが楽しいし、リスナーの方々も楽しみにしてくれているので。まぁ初日でいきなり音源と変えるってことはまずないですけどね(笑)。

◆男と男のぶつかり合いです(怜我)

――前回のインタビューの時、「バンド内で今流行っているもの」をお聞きしたところ、即答で「モンスターハンター」でしたが、今流行っているものは何ですか?

零乃:5人全員だと難しいなー…この3人(シン、怜我、イヴ)の中ではあるよね。

シン:うん。カードゲーム。

――え! また斜め上の回答が…(笑)。

シン:結構びっくりされるんですよね(笑)。カードゲームなら何でもやります。

零乃:常にやってますね。

怜我:男と男のぶつかり合いです。

零乃:俺は「また今日も始まったか」って思って見てるんですけどね(笑)。

――3人の中では誰が一番強いんですか?

シン、イヴ:俺です。

イヴ:一番強いのは俺だな。

怜我:僕、今日自信なくなっちゃったからな…でも2番目に強いです!

シン:結果を残してるのは俺ですからね。公式大会とか出てるから。

怜我:こすいなー(小声)。

零乃:(笑)。でも、シン君はいつも「もう1回やろう!」って言ってるイメージが…(笑)。

シン:いや、それはたまたまだと思う! 俺、勝ってる時はめちゃくちゃ勝ってるもん!

イヴ:昨日も一緒にやったんですけど、俺の圧勝でしたからね。シンは落ち込んで帰りましたから。

シン:昨日は負けました。でも勝つ日は勝つんです!

イヴ:もうええがな(笑)。

怜我:負けず嫌いなのは良いことです。

――零乃さんとKo-kiさんは?

零乃:酒くらいですね。パーティとかだと二人で同じ場所にいたりするし。ちょっと前は、二人で飲みに行ったりとか。

――みなさんはよく一緒に飲みに行くんですか?

零乃:この3人(シン、零乃、イヴ)はあまり飲まないんです。

イヴ:でも、クリスマスに怜我と飲みに行きましたよ。

怜我:男だらけのクリスマスでしたね。5~6人で。

――その状況はちょっと見てみたいです(笑)。ところで、ツアー中はどんな感じですか? やっぱりカードゲームをしたり?

零乃:そうですね。

怜我:でも曲を書かなきゃ。

零乃:「一人何曲」ってノルマ決めると面白いかもしれないですね。やる気になるし。うちらそれをやらないとダメなタイプなので。

怜我:僕はノルマを決めたい。ツアー中にシングル曲を5曲作ります。

――それはすごい!!

怜我:だって僕、前回クソみたいだったんですよ…。悩みすぎて曲と曲をぶつ切りにして繋げまくっていたら結果クソみたいなことに…。

――悩んじゃったんですね。

零乃:彼はそういうタイプなんですよね。

シン:俺の目標は、メロも考えて、2曲作詞かな。でも、テーマの縛りがないと「蚊の歌」とか作っちゃいそう(笑)。

全員:(笑)!

◆変化が一番見えるのはライブだと思う(零乃)

――今回、ライブハウスツアーということですが、どんなツアーにしたいですか?

シン:個人的にも下積みがなかったので、バンドの地固めになるような41本になったらなと。もちろん1本1本全力でやるんですが、ひたすら成長できたらと思いますね。

――今回のツアーの告知にあった「ViViD is Back」という言葉には再始動の意味が込められているんでしょうか。

零乃:そうですね。国際フォーラム(2012年7月1日に行われたViViD TOUR 2012「Welcome to the ROCK★SHOW」)から半年以上たっていますが、その間、一般の方には会う機会がなかなかなかったので。「戻ってきたぜ」というより「ここから行くぜ」という意味を込めています。

――今回のツアーでは、新たなViViDが観られそうですね。

零乃:そうですね。変化が一番見えるのはライブだと思うんです。今回、ライブ作りの考え方だったりパフォーマンスだったり、いろいろ見つめ直せたので。とはいえこの10か月あまりライブがなかったので、今回の41本でそれが確信に変わるようなライブができたらと思います。

――今回のツアータイトル「Just do it!」はどなたの案ですか?

Ko-ki:俺です。「いつやるんだ。今でしょう」的なね。でもこれ「今でしょう」って言葉が流行る前に決めたタイトルなんですよ。

――絶妙なタイミングでつけたツアータイトルですね!

Ko-ki:はい(笑)。実はこれまで「今度、私たちのところにも来てください」という声がたくさんあったんです。でも今回、今まで来られなかった人のために決められるだけ決めました。

零乃:「俺らが行くんだから、君らも来るでしょ?」と。

Ko-ki:41本のロングツアーなんて、次はいつできるかわからないし、ライブは生だから来れる時に来ないと損すると思うよ、っていう。

零乃:正直、自分たちも41本のツアーがどんな感じなのかわからないんですよ。過酷だって言われるけどやったことないから想像がつかないんです。

Ko-ki:このツアー中、いろいろ試したいと思ってます。個人的には、ツアー中にできた曲をライブでやりたいんですよね。何も言わずにさらっとやって、反応を見るっていう。

零乃:ライブバンドっぽいですよね。

Ko-ki:演奏はできると思うんです。…問題は歌詞ですね。

零乃:ライブだからまずはシン君語で始めて、段々できていくっていうのでも良いし。それが本当に名曲になるかもしれないですからね。

(文・後藤るつ子)


ViViD

<プロフィール>

シン(Vo)、零乃(G)、怜我(G)、イヴ(B)、Ko-ki(Dr)により2009年3月結成。バンドコンセプトはラップやハードな曲調でミクスチャー要素も融合させたMelodix Mixture Rock。2009年7月シングル『Take-off』でインディーズデビュー。2011年1月19日、EPICレコードよりシングル『「夢」~ムゲンノカナタ~』でメジャーデビュー。1stアルバム『INFINITY』は強豪揃いの中オリコンウィークリーチャート10位を記録。今年 4月からは自身史上最大、総動員数15,000人規模の全国ライブハウスツアーをスタート。

■オフィシャルサイト
http://www.indie-psc.com/vivid/

【リリース情報】


初回生産限定盤
(CD)
ESCL-4038
¥1,500

通常盤
(CD)
ESCL-4039
¥500

『ANSWER』
2013年4月24日(水)発売
(EPICレコード )
約1年の沈黙を破り、世に放たれたのはライブバンドViViDにふさわしい骨太なロックサウンド。

【収録曲】
[CD]
01.ANSWER
02 ANSWER(Instrumental)※初回生産限定盤のみ
03.REAL Live Ver.(at 東京国際フォーラム on July 1.2012)※初回生産限定盤のみ

【初回生産限定盤特典】
ジャケットカード(6種)付き
別冊フォトブックレット
ピクチャーレーベル5種ランダム仕様

[初回生産限定盤、通常盤共通特典]
イベント参加補助券封入
スペシャルプレゼント応募券封入